日経俳句会第218回例会を開催

愉里さん「花吹雪」が最高10点、水牛さん「名残の花」が9点で続く

中野枕流さん、初参加

日経俳句会は4月19日、内神田の日経広告研究所会議室で4月例会(通算218回)を開いた。一気に暖かくなり、あちこちで夏日が観測され、東京もシャツ一枚で過ごせるほどの気温だった。陽気に誘われた訳でもないだろうが17人が出席、いつになく賑やかな句会となった。また、今月から新しく会員になった日経編集局文化部の中野稔さんが、俳号「枕流(ちんりゅう)」を名乗り初参加。拍手で迎えられた。今回の兼題は、「穀雨」と「花」。36人から106句が集まり、選句6句(欠席5句)の結果。一席は向井愉里さんの「花吹雪浴びたくて行きまた戻り」が10点と二桁得点。二席には大澤水牛さんの「番町の名残の花も散りにけり」が9点。三席は「干し若布縺れをほどく風のあり」今泉而云さんと「パンプスで急ぐ穀雨の丸の内」金田青水さんが7点で並んだ。以下6点4句、5点3句、4点6句、3点7句、2点26句、1点28句だった。

兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「穀雨」

パンプスで急ぐ穀雨の丸の内         金田 青水

寛解の報あたたかき穀雨かな         大沢 反平

街路樹の日々艶をます穀雨かな        久保田 操

茄子胡瓜植場所決めて穀雨かな        大澤 水牛

前髪の伸びる速さや穀雨の夜         中嶋 阿猿

麦畑砲弾孔に降る穀雨            篠田  朗

ため池をななめに打ちし穀雨かな       星川 水兎

「花」

花吹雪浴びたくて行きまた戻り        向井 愉里

(黒羽亮一さんを悼む)

番町の名残の花も散りにけり         大澤 水牛

墓誌刻む系譜の絶えて花の下         高井 百子

青空や大坂城は花の陣            溝口戸無広

金髪の遍路過ぎゆく花の下          岩田 三代

城めぐる舟道ふさぐ花筏           中村 迷哲

二眼レフ構える亡父に花八分         大沢 反平

けふもまた車窓の花と対話せり        金田 青水

花の名を忘るる度に教えびと         工藤 静舟

当季雑詠

干し若布縺れをほどく風のあり        今泉 而云

(坂本龍一逝く)

戦メリは昭和の嗚咽月おぼろ         金田 青水

初孫は名付けて翔平鯉のぼり         中沢 豆乳

大口を真上に開けて春の鯉          植村 方円

春昼や待合室のあくびリレー         須藤 光迷

大あくび向かいもつられ春霞         杉山 三薬

晴ればれと後期高齢ミモザ咲く        廣上 正市

ママチャりのヘルメット行く黄砂中      横井 定利

《参加者》【出席17人】嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、植村方円、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、堤てる夫、中野枕流、中村迷哲、星川水兎、向井愉里。【投句参加19人】伊藤健史、岩田三代、加藤明生、工藤静舟、久保田操、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、溝口戸無広、水口弥生、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

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