番町喜楽会第194回例会報告

参加21人、「母の日」と「新緑」を詠む

水兎さんの「母をまるまる」がトップ

てる夫さんの「初鰹」が次席に

番町喜楽会は令和4年5月例会(通算194回)を9日夜、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。21人から投句があり、うち16人が顔を揃えた。兼題は「母の日」と「新緑」、投句は3句以上5句以内、選句は6句(欠席者は5句)とした結果、星川水兎さんの「母の日にまるまる母を洗ひたり」が8点でトップ、次席7点に堤てる夫さんの「初鰹塩田平の藁で焼く」が入った。三席は6点で須藤光迷さんの「一斉に富士に尾を振る鯉幟」と、廣田可升さんの「笹舟の疏水に早し夏来たる」が並んだ。5点はなく、4点が2句、3点は10句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「母の日」

母の日にまるまる母を洗ひたり     星川 水兎

母の日の祝ひ競ふや嫁三人       高井 百子

母の日の夕べも母は台所        須藤 光迷

母の日を知らざる母の位牌拭く     玉田春陽子

母の日のかたたたきけん息子の字    中村 迷哲

母の日や独り暮らしの電話鳴る     中村 迷哲

「新緑」

新緑を競ふ野の草山の木々       田中 白山

新緑や弓引き絞り気を静む       池内 的中

新緑の庭に花嫁登場す         今泉 而云

新緑や電車に乗って蕎麦食ひに     金田 青水

「雑詠」

初鰹塩田平の藁で焼く         堤 てる夫

一斉に富士に尾を振る鯉幟       須藤 光迷

笹舟の疏水に早し夏来たる       廣田 可升

陶の亀も歌ひ出すかや若葉雨      大澤 水牛

葉桜や縁切寺の黒き門         玉田春陽子

初蝶のジャングルジムを抜けゆけり   玉田春陽子

【参加者】(出席16人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、向井愉里。(投句参加5人) 嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、山口斗詩子。   (報告・須藤光迷)

 

 

 

 

 

 

 

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日経俳句会第208回例会開催

豆乳、迷哲、守、水兎の四氏が9点で並立

トップが4句ひしめくは空前にして多分絶後

日経俳句会は4月20日(水)、令和4年度4月例会(通算208回)を、内神田の千代田区立スポーツセンターの第二集会室で開いた。この日は、春にしてはやや肌寒い曇天ではあったが、15人が出席、和やかな句会となった。兼題は「行く春」と「菜の花」。欠席者を含め36人から108句が集まった。6句選(欠席5句)の結果、中沢豆乳さんの「路地遊びチヨコレイトで春はゆく」、中村迷哲さんの「百船の行き交ふ瀬戸や花菜風」、和泉田守さんの「戦争を知らぬ雑踏春渋谷」、星川水兔さんの「花冷えのホットミルクのうすき膜」の4句が9点で並ぶという珍しい結果となった。次いで、今泉而云さんの「春逝くやこれで終りのクラス会」と中村迷哲さんの「駄菓子屋に迷ふ子のゐる遅日かな」が7点で並んだ。以下、6点3句、5点3句、4点6句、3点7句、2点12句、1点33句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「行く春」

路地遊びチヨコレイトで春はゆく    中沢 豆乳

春逝くやこれで終わりのクラス会    今泉 而云

余命一つ減らして春は逝きにけり    大沢 反平

行く春や階段整列谷中猫        岡田 鷹洋

切花の捨てどき迷う春の果       星川 水兔

行く春や弓手にワイン右手にピザ    大澤 水牛

行く春や老いの小足の追ひつけず    高井 百子

行く春を車窓に惜しむ湖西線      中村 迷哲

「菜の花」

百船の行き交ふ瀬戸や花菜風      中村 迷哲

菜の花を裾野に抱え薩摩富士      流合 水澄

菜の花や日に数回の列車あり      向井 愉里

菜の花や昭和の味の五目寿司      池村実千代

菜の花を見納めにして特攻機      今泉 而云

菜の花をかきわけ列車入線す      徳永 木葉

菜の花や房総の道ペダル踏む      篠田  朗

人住まぬ妻の故郷花菜雨        横井 定利

「当季雑詠」

戦争を知らぬ雑踏春渋谷        和泉田 守

花冷えのホットミルクのうすき膜    星川 水兔

駄菓子屋に迷ふ子のゐる遅日かな    中村 迷哲

パソコンにスリープ機能目借時     嵐田 双歩

重さ無く昇り行くなり春の月      髙橋ヲブラダ

生きてるぞこの満開の花の下      大沢 反平

富士蒼し浜一面の桜蝦         須藤 光迷

寝たままの友の微笑みフリージア    髙石 昌魚

なにごともささらほうさら花は散る   藤野十三妹

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、星川水兎、向井愉里。【投句参加21人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、大沢反平、加藤明生、工藤静舟、久保田操、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中沢豆乳、中嶋阿猿、野田冷峰、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第193回例会

トップ6点に3人が並ぶ

参加21人「四月」と「霞」詠む

番町喜楽会は令和4年4月例会(通算193回)を、4月2日(土)に九段下の九段生涯学習館で「四月」と「霞」を兼題として開催した。投句者は21人で投句総数は100句。出席者6句、欠席者5句の選句の結果、金田青水さんの「隠居には隠居の日課四月来る」と玉田春陽子さん「電気工一人花見の灯を点す」、徳永木葉さん「四月来る名刺を持たぬ身の軽さ」の3句が6点でトップの座を分けた。二席には谷川水馬さんの「春眠やラッコのやうに腹に本」の5点句が入り、三席4点には斉山満智さんの「職退きて優しき顔の四月かな」、高井百子さんの「人の背に見えたりもして墓霞む」と「ごめんねと除草剤撒く春の墓」、さらに玉田春陽子さんの「春耕や鍬のゆるみを水で締め」と星川水兎さんの「動かせば青畳ある四月かな」の計5句が並んだ。以下、3点5句、2点12句、1点35句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「四月」

隠居には隠居の日課四月来る             金田 青水

四月来る名刺を持たぬ身の軽さ            徳永 木葉

職退きて優しき顔の四月かな             斉山 満智

動かせば青畳ある四月かな              星川 水兎

列をなす小さき黄帽子四月かな            池内 的中

片隅に不安を乗せて四月のバス            中村 迷哲

「霞」

人の背に見えたりもして墓霞む            高井 百子

顔(かんばせ)を残して霞む摩崖仏          廣田 可升

「当季雑詠」

電気工一人花見の灯を点す              玉田春陽子

春眠やラッコのやうに腹に本             谷川 水馬

ごめんねと除草剤撒く春の墓             高井 百子

春耕や鍬のゆるみを水で締め             玉田春陽子

春風に洗濯物の抗はず                嵐田 双歩

春の宵背伸びして飲むストレート           中村 迷哲

《参加者》【出席12人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、堤てる夫、廣田可升。

【欠席投句9人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、向井愉里。  (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第207回例会

会場を千代田区立スポーツセンターに変更

12人が出席、「三月」と「猫の子」を詠む

鷹洋、芳之両氏がトップ分け合う

日経俳句会は令和4年3月例会(通算207回)を16日(水)夜、鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。オミクロン感染は減り始めたが日経の会議室が使えず、会場をすぐ近くに変更した。出席者は12人といつもより少なかったが、温暖な春の陽気そのままに談論風発の句会となった。兼題は「三月」と「猫の子」。36人から107句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、最高9点は岡田鷹洋さんの「春の宵ひとり錠剤選り分けて」と旙山芳之さんの「雛祭次女が彼氏を連れて来た」が分け合った。二席7点には横井定利さん「三月やインクの色を替へてみる」と旙山芳之さん「猫の子のビデオ会議にしっぽ出す」が並び、旙山さんは一席、二席を占める好調ぶり。以下、6点3句、5点2句、4点6句、3点14句、2点17句、1点27句と続き、3点以上の高点句が29句にのぼった。兼題別の高点句(三点以上)は以下の通り。

「三月」

三月やインクの色を替へてみる        横井 定利

ただ一度父と買い物あの三月         岩田 三代

三月や人去りし部屋広き部屋         伊藤 健史

三月やどんどん埋まる予定表         高井 百子

三月や転勤辞令リモートぞ          岡田 鷹洋

三月や空の青さと海の碧           加藤 明生

一茶庵三月なれど雪五尺           篠田  朗

三月の風の日毎に違う色           高橋ヲブラダ

早や弥生病夫見つめる日の名残り       藤野十三妹

三月や緊張しつつ書く住所          向井 愉里

「猫の子」

猫の子のビデオ会議にしっぽ出す       旙山 芳之

金の眼が素敵と子猫貰はるる         今泉 而云

双眸に瑠璃を湛へし仔猫かな         中嶋 阿猿

はらからにもたれて寝入る子猫かな      大下 明古

温む川鷺はそろりと細き足          高井 百子

手の中に命の震え仔猫寝る          高橋ヲブラダ

その声や命の重み捨て子猫          植村 方円

猫の子の啼いてお開きWEB会議       谷川 水馬

ジーンズを這い登りきて子猫啼く       向井 愉里

「当季雑詠」

春の宵ひとり錠剤選り分けて         岡田 鷹洋

雛祭次女が彼氏を連れて来た         旙山 芳之

春光や青を豊かに江戸切子          嵐田 双歩

太葱のつるりむけたるひかりかな       廣上 正市

卒業の投げたる帽子風に乗る         水口 弥生

朧月シャガールの夢解き放つ         岩田 三代

峰々の頬も緩むや雪解川           篠田  朗

春泥を蹴散らす戦車うつつなり        杉山 三薬

キャタピラに踏まれし国土青き麦       中村 迷哲

春風に鳩居堂まで歩をのばし         横井 定利

《参加者》【出席12人】嵐田双歩、今泉而云、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、篠田朗、杉山三薬、徳永木葉、中村迷哲、星川水兎、向井愉里。【投句参加24人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田三代、大沢反平、大下明古、荻野雅史、加藤明生、久保田操、澤井二堂、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、中沢豆乳、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。  (報告 中村迷哲)

 

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第百五十五回酔吟会を開催

新会場、千代田区立スポーツセンターに16人集う

中村迷哲さんが初参加

「鳥雲に」「地虫穴を出づ」に佳句続々

酔吟会は今年初めての例会を3月12日午後、千代田区立スポーツセンターで開いた。これはこれまで使っていた日経広告研究所会議室の土曜開催が難しくなったため、今回から会場を変更し、交差点に向かって斜め向かいの千代田区立施設を借用することにしたもの。またこれと同時に今回から、「欠席投句無し、参加者は兼題を含む五句を持ち寄り短冊に記入、それを清記用紙に転記してから選句を始める」という伝統的な句会の方式で行うことにした。

新型コロナ蔓延が引き続いている中で、果たして何人が集まるかと危惧したが、新規加入の中村迷哲さんを始め16人が参加した。兼題は「鳥帰る」と「地虫穴を出づ」で投句は5句、出句総数は80句。広々とした部屋で和気あいあいと句会が進められた。

選句6句の結果、最高は5点で谷川水馬さんの「不知火の海で風待ち鶴帰る」、廣田可升さんの「信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に」、向井愉里さんの「地虫出づまだ半分の畝起こし」の3句が肩を並べた。次席4点には大澤水牛さんの「地虫出づ椋鳥に逢ふ運不運」、金田青水さん「週一の軽トラ演歌地虫出ず」、玉田春陽子さん「地虫出づ踏む人のなき百度石」、中村迷哲さんの「蟇出でて地域デビューのゴミ当番」、向井愉里さんの「雛納め今日の新聞敷き込みて」の5句が並んだ。以下3点6句、2点13句、1点18句であった。(3点句以上の兼題句別高得点句は以下の通り)

「鳥帰る」

不知火の海で風待ち鶴帰る      谷川 水馬

信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に      廣田 可升

鳥帰る国境のなき大空へ       嵐田 双歩

空の色湖に残して鳥帰る       玉田春陽子

「地虫出穴を出づ」

地虫出づまだ半分の畝起こし     向井 愉里

地虫出づ椋鳥に逢ふ運不運      大澤 水牛

週一の軽トラ演歌地虫出ず      金田 青水

地虫出づ踏む人のなき百度石     玉田春陽子

蟇出でて地域デビューのゴミ当番   中村 迷哲

地虫出づ屑菜捨てんとせしところ   須藤 光迷

父の背を息子の超す日地虫出づ    中村 迷哲

「当季雑詠」

雛納め今日の新聞敷き込みて     向井 愉里

火の鳥ぞ羽ばたくように山焼くや   久保 道子

春昼や池にぽっかり鯉の口      徳永 木葉
【参加者】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里    (報告:高井百子)

 

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番町喜楽会第192回例会

 

19人参加、「春愁」と「菫」を詠む

首位は「膝ついて」の双歩さん、次席青水さん、三席水牛さん

番町喜楽会は令和4年3月の例会(通算192回)を7日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。19人から95句の投句があり、句会には13人が顔を揃えた。兼題は「春愁」と「菫」。6句選(欠席者は5句選)の結果、嵐田双歩さんの「膝ついて肘ついて撮る菫かな」が8点でトップ、次席は6点で金田青水さんの「春愁の午後もて余しかりん糖」、三席は5点で大澤水牛さんの「野良猫の好きな日溜り菫草」だった。4点が5句、3点は4句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春愁」

春愁の午後もて余しかりん糖       金田 青水

春愁やさん付けで呼ぶ元上司       田中 白山

春うれひ所詮些細な事ばかり       堤 てる夫

髪切って春愁を断つ月替り                           前島 幻水

「菫」

膝ついて肘ついて撮る菫かな       嵐田 双歩

野良猫の好きな日溜り菫草        大澤 水牛

旧姓に戻りしとかや花菫         今泉 而云

菫咲く嬉しきことの幾許か        向井 愉里

「雑詠」

うららかや嫁に蒸籠を贈る妻       須藤 光迷

自分史の最終章の朧かな         嵐田 双歩

乱暴につつくな鵯よ門の梅        大澤 水牛

残雪の津軽鉄道するめの香        塩田 命水

【参加者】(出席13人)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、星川水兎、前島幻水、向井愉里。(投句参加6人) 池内的中、斉山満智、塩田命水、田中白山、谷川水馬、中村迷哲。

(報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会令和4年2月例会

またまたメール句会、38人投句

阿猿さんの「金平糖」が一席、双歩さん「嫁が来た」が二席

日経俳句会の令和4年2月例会(通算206回)は、今年初のメール句会となった。オミクロン株の感染拡大は凄まじく、あっという間に全国で10万人を超えた。新たな会場を確保して開催の予定だったが、〝安心、安全〟を考慮してメール句会とした。とはいえ、みなさんの創作意欲は高く、38人から113句が集まった。兼題は「春暁」と「耕」。2月16日締切で5句選の結果、中嶋阿猿さんの「春きざす金平糖の甘さほど」が9点で一席、嵐田双歩さんの「春耕や一人息子に嫁が来た」が8点で二席だった。三席は高井百子さんの7点句「春暁や鉄路点検影二つ」が続いた。以下、5点8句、4点8句、3点5句、2点21句、1点32句だった。兼題別の高点句(三点以上)は以下の通り。なお、今月から流合研士郎さんは「水澄(すいちょう)」の俳号を名乗る。「流れが合うところ、水澄めり」の意で、水牛さん命名とか。

「春暁」

春暁や鉄路点検影二つ         高井 百子

春暁や竹林なにか生む気配       徳永 木葉

春暁の浜より夫婦出漁す        中村 迷哲

春暁を纏いて看護師入室す       深田森太郎

春暁や東に向かふ寝台車        植村 方円

釣宿にぽっと明かりのつく春暁     杉山 三薬

春暁の闇を染め上ぐ水平線       久保田 操

春暁や腹式呼吸して二度寝       大下 明古

春暁や厨の妻の小さき声        髙石 昌魚

春暁や二人の一日始まりぬ       横井 定利

「耕」

春耕や一人息子に嫁が来た       嵐田 双歩

二人して拝むが如く耕せり       植村 方円

耕して耕し続け日の暮るる       流合 水澄

耕や起こした螻蛄に土着せて      谷川 水馬

海と空つなぐ棚田を耕せり       中村 迷哲

耕せる小さきベランダ小さき鉢     星川 水兎

「当季雑詠」

春きざす金平糖の甘さほど       中嶋 阿猿

眼鏡掛け眼鏡を探す朧月        久保田 操

胸薄き少女マネキン春を着る      中沢 豆乳

名残り日を病夫生き抜き春の雪     藤野十三妹

雪解けに男ぶり良し武甲山       岡田 鷹洋

春一番また暴れ出す癌細胞       須藤 光迷

会ふたびの阿修羅の眉に春愁ひ     水口 弥生

父母逝きて天井裏に雛の箱       岩田 三代

《参加者38人》嵐田双歩、池村実千代、伊藤健史、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中村迷哲、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井愉里、横井定利。 (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会年間優秀作品賞三句を発表

 

二堂、光迷、白山が受賞

番町喜楽会は令和3年のすべての句から優秀作品3句を選定、2月5日に開催された第191回例会に先立って、受賞発表と受賞者3名に賞品が授与されました。折柄、オミクロン株感染者数拡大のさなかにあり、出席者が12名と少なく、恒例の懇親会も開催できなかったのは残念でしたが、受賞者の満面の笑みがそれを充分カバーしてくれました。

《令和3年度番町喜楽会優秀作品》

かな書きの線のくずれや春眠し      澤井 二堂

町を裂く稲妻見たり羽田便        須藤 光迷

ライオンの檻を自由に雀の子       田中 白山

《選考経過》

令和3年12月例会の終了後、番町喜楽会の一年間の作品集(1174句)を作成し、この中から今泉而云・大澤水牛両氏に年間代表作品112句を選んでいただきました。さらにこの中から、規定により前年受賞者の句を除いて、3句(3名)を優秀作品賞句として選定していただきました。また、受賞句に準ずる句として、両氏それぞれ次点句三句を選んでいただきました。  (報告;廣田可升)

 

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番町喜楽会第191回

「春の雪」と「草の芽」が兼題

迷哲さんの「滝凍る」が最高の9点獲得

番町喜楽会は2月5日(土)に「春の雪」と「草の芽」を兼題として令和4年2月例会(通算191回)を開催した。投句者は21名で、投句総数はちょうど100句であった。出席者は選句6句、欠席者は事前選句5句で句会を進めた結果、中村迷哲さんの「全山の音とじ込めて滝凍る」が9点で最高点。次席は大澤水牛さんの「鳥たちと冬菜分け合ふ日和かな」と谷川水馬さんの「草の芽やちび怪獣に歯が生えた」の6点句が続いた。三席は廣田可升さんの5点句「看板なき岩波ホール凍返る」であった。以下、4点が2句、3点9句、2点11句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春の雪」

はしゃぐ子の声は天まで春の雪           須藤 光迷

灯のともる砂町銀座春の雪             廣田 可升

試験終えコートの襟に春の雪            池内 的中

薄墨の写経さはさは春の雪             金田 青水

湾内に響く吹鳴春の雪               谷川 水馬

淡雪の一夜化粧や北新地              中村 迷哲

「草の芽」

草の芽やちび怪獣に歯が生えた           谷川 水馬

円墳の形のままに草芽ぶく             中村 迷哲

「雑詠」

全山の音とじ込めて滝凍る             中村 迷哲

鳥たちと冬菜分け合ふ日和かな           大澤 水牛

看板なき岩波ホール凍返る             廣田 可升

後足で顎掻く犬や日脚伸ぶ             須藤 光迷

寒晴やホットレモンの香の尖り           高井 百子

しつけ解く祖母の笑顔や針供養           向井 愉里

梅の香をマスクずらしてそっと嗅ぐ         山口斗詩子

【参加者】(出席12名)今泉而云、大澤水牛、金田青水、澤井二堂、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里.(欠席投句9名)嵐田双歩、池内的中、斉山満智、高井百子、堤てる夫、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第205回例会

13人が集い、熱気の初句会

一席に「豆腐屋」迷哲句、二席に木葉句と弥生句が並ぶ

日経俳句会は新年の初句会となる令和4年1月例会(通算205回)を、19日(水)に千代田区九段の生涯学習館で開いた。オミクロン感染の急拡大で日経の会議室が使えず、急きょ会場を変更した。出席者は13人といつもより少なかったが、寒さを吹き飛ばす熱気あふれる句会となった。兼題は「初夢」と「寒の水」、欠席投句者含め39人から117句の投句があり、6句選の結果、中村迷哲さんの「豆腐屋の槽(ふね)満々と寒の水」が最高12点を得て一席となった。二席8点句には徳永木葉さんの「松飾納めて寂し釘の穴」と、水口弥生さんの「動くもの雪のほかなく暮れ落ちる」が並び、三席7点句に篠田朗さんの「お浄めも指先ばかり寒の水」が入った。6点句には「寒の水たっぷりくれて刃物研ぐ 双歩」と「何事もなきめでたさや松納 昌魚」が並んだ。以下、5点2句、4点10句、3点10句、2点20句、1点26句と続き、3点以上の高点句が28句を数えた。なお今月から日経社員の伊藤健史さんが新会員となり、投句・選句に加わった。また向井ゆりさんが俳号を愉里(ゆり)と定め、心新たに句作に取り組むことになった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「初夢」

初夢に若々しき妻あらはるる             大沢 反平

初夢のデートに妻と鉢合せ              澤井 二堂

初夢はマスク外して大笑ひ              岩田 三代

深酒の過ぎて初夢見損なふ              堤 てる夫

初夢を覚えてないとべそかく子            中村 迷哲

獏の絵をふとんに敷いて父と寝る           野田 冷峰

「寒の水」

豆腐屋の槽(ふね)満々と寒の水           中村 迷哲

お浄めも指先ばかり寒の水              篠田  朗

寒の水たっぷりくれて刃物研ぐ            嵐田 双歩

寒の水桶の半月杓で汲み               岡田 鷹洋

ウイスキー追って胃の腑へ寒の水           徳永 木葉

寒の水手に手に白きポリタンク            金田 青水

寒の水足せば目高はもぞ動く             鈴木 雀久

寒の水沁むや切り傷あるごとく            水口 弥生

胃の腑より今朝も目覚めり寒の水           和泉田 守

「当季雑詠」

松飾納めて寂し釘の穴                徳永 木葉

動くもの雪のほかなく暮れ落ちる           水口 弥生

何事もなきめでたさや松納              髙石 昌魚

越前は月も凍るや野水仙               篠田  朗

交番の褪せた手配書冬深し              中村 迷哲

元日や空はどこまで宇都宮              伊藤 健史

予報士のペンギン歩き凍る道             大平 睦子

天平の礎石に沿うて冬菫               星川 水兎

雪だるま作ってぢぢは若返る             大澤 水牛

塩昆布を一箸加え薺粥                須藤 光迷

七つの子巣立って老いた寒鴉             中沢 豆乳

今回で終わりにすると年賀状             旙山 芳之

潮の目の舟一艘の淑気かな              廣上 正市

《参加者》【出席13人】嵐田双歩、今泉而云、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、篠田朗、杉山三薬、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、星川水兎、向井愉里。【投句参加26人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田三代、大沢反平、大平睦子、荻野雅史、加藤明生、工藤静舟、久保田操、澤井二堂、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中沢豆乳、中島阿猿、野田冷峰、流合研士郎、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

 

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