番町喜楽会第162回例会

 

「入梅」と「水馬」を詠む

春陽子さん、「蛇の衣」でトップ7点句

 

番町喜楽会は令和元年6月例会(通算162回)を6月1日(土)午後6時から、「入梅」と「水馬」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は20名で、投句数は98句。そのうち14名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句で行った結果、玉田春陽子さんの雑詠句「ゆるやかに脱ぎすててあり蛇の衣」が7点でトップに輝いた。これに、須藤光迷さんの「ミッキーの傘が先頭梅雨に入る」と「金色の鯉の背を越す水馬」、谷川水馬さんの「畝合(うねあい)を泳ぐ合鴨梅雨に入る」の4点3句が続いた。以下、3点6句、2点19句、1点が39句と選句が大きく分かれた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「入梅」

ミッキーの傘が先頭梅雨に入る          須藤 光迷

畝合(うねあい)を泳ぐ合鴨梅雨に入る     谷川 水馬

田圃たんぼ越後くまなく梅雨に入る       堤 てる夫

入梅や独鈷の帯の締まる音            廣田 可升

「水馬」

金色の鯉の背を越す水馬            須藤 光迷

あめんぼう流され前へ前へ行く         田中 白山

あめんぼのレガッタ始まる水たまり       前島 幻水

「雑詠」

ゆるやかに脱ぎすててあり蛇の衣        玉田春陽子

朝焼を見て満ち足りし二度寝かな        嵐田 双歩

原っぱの大樹に集ふ夏帽子           塩田 命水

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加6人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、徳永木葉、山口斗詩子。     (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第179回例会

37人が「五月」「風薫る」を詠む

定利さん「香水びん」11点、双歩さん「水切り石」10点

日経俳句会は令和元年の初開催となる五月例会(通算179回)を5月15日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。兼題に合わせたように爽やかな風の吹くこの日は21人が出席、令和新時代の幕開けにふさわしく新旧メンバーが活発に議論を交わす句会となった。

兼題は「五月」と「風薫る」。37人から111句の投句があり、6句選(欠席5句)の結果、横井定利さんの「空つぽの香水のびん百二歳」が11点を集め最高。これに嵐田双歩さんの「水切りの石の眩しき五月かな」が10点で続き、8点句に加藤明生さんの「ジーンズの似合ふ少女や風五月」が入った。

7点句には「就職の次女のアパート風五月 芳之」と「さん付けで妻呼ぶ朝の新樹光 反平」が、6点句に「薫風や港見下ろす風見鶏 水馬」と「初鰹皿は小鹿田(おんた)の飛び鉋 双歩」がそれぞれ並んだ。このほか5点2句、4点7句、3点11句、2点21句、1点38句で、八割近い句に点が入った。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「五月」

水切りの石の眩しき五月かな     嵐田 双歩

ジーンズの似合ふ少女や風五月    加藤 明生

就職の次女のアパート風五月     旙山 芳之

匂ひ立つ故郷の五月笹だんご     大倉悌志郎

烏賊刺に生姜醤油の五月かな     今泉 而云

風五月つるりと光る椿の葉      澤井 二堂

五月来て青き葉擦れの渡りけり    水口 弥生

連休が明けて五月は元の顔      杉山 三薬

風五月空き家の貝塚伊吹かな     廣上 正市

「風薫る」

薫風や港見下ろす風見鶏       谷川 水馬

薫風や一羽の飛べば一羽追ひ     大下 綾子

薫風に空飛ぶ菩薩平等院       久保田 操

風薫る庭のパーティー三家族     堤 てる夫

掃き立ての団地緑道風薫る      旙山 芳之

「当季雑詠」

空つぽの香水のびん百二歳      横井 定利

さん付けで妻呼ぶ朝の新樹光     大沢 反平

初鰹皿は小鹿田(おんた)の飛び鉋  嵐田 双歩

蹴りあげたボールの向こう夏の雲   岡田 鷹洋

叱られて漕ぐぶらんこの空にじむ   大倉悌志郎

夏祭寄り眼で笑ふ狐面        谷川 水馬

行李から緋鯉目をむく五月晴れ    中沢 豆乳

自転車で来て緑陰の読書かな     今泉 而云

吊革に白き腕の薄暑かな       髙石 昌魚

堰上げや水路田毎に生き返る     堤 てる夫

紫陽花を描くパレット万華鏡     中沢 豆乳

空豆を噛めば故郷の野山見ゆ     中村 迷哲

振り返りなほ振り返る桐の花     廣上 正市

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、高井百子、髙石昌魚、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、水口弥生。(投句参加)岩田三代、植村博明、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、政本理恵、向井ゆり、横井定利。      (報告・中村迷哲)

 

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酔吟会第140回例会

令和元年の初例会、「麦秋」「雹」を詠む

水牛さん、最高の四点二句、三点一句

酔吟会は5月11日(土)午後1時から、令和の初句会(通算140回)を東京・内神田の日経広告研究所(MIFビル)で開催した。出席17人、投句参加3人、兼題は「麦秋(ばくしゅう)」「雹(ひょう)」で、5句投句、7句選で句会を進めた。その結果、最高の4点に6句が並び、この内2句が大澤水牛さんの作。続く3点句は7句で、うち水牛作が1句あり、酔吟会の令和は「水牛デー」でスタートした感じ。2点句は16句、1点句は34句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「麦秋」

麦秋の野に大の字のずる休み      大澤 水牛

麦秋や白黒がよし小津映画       片野 涸魚

陽に浮かぶゴッホの髭や麦の秋     久保田 操

道草を今日も叱られ麦の秋       谷川 水馬

麦秋や満蒙帰国開拓地         玉田春陽子

「雹」

木々の葉を雹打ち鳴らしパーカッション 藤野十三妹

雹過ぎて行くや酒場の安普請      今泉 而云

「雑詠」

メーデーを茄子苗植うる日と決める   大澤 水牛

母の日や電話に妻の晴れやかさ     大沢 反平

句会果てて野の花残る夏座敷      廣田 可升

薫風のひと日江東橋めぐり       大澤 水牛

ホームレスの顔彫り深し木下闇     廣田 可升

えごの花陽の暮れのこる跨線橋     星川 水兎

参加者(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、工藤静舟、久保田操、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)澤井二堂、星川水兎、藤野十三妹。

(まとめ・堤てる夫)

 

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番町喜楽会第161回例会

旧中川沿い吟行及び廣田可升亭句会

初めての席題方式で「立夏」と「橋」を詠む

双歩、木葉、水兎、5点句でトップを分ける

 

元号が平成から令和に改まった初回の番町喜楽会第161回例会は、10連休最後の一日、令和元年5月6日(月)に開催した。振替休日に当たりいつもの九段下・生涯学習館が閉館、一時は例会中止の案がだされたが、廣田可升さんのご好意により、江東区旧中川沿いの吟行と廣田可升亭を会場とした吟行句会を開催することができた。

午前十時、都営新宿線東大島駅大島口に15名が集合。亭主可升が席題「立夏」「橋」を発表、いよいよ江戸の歴史をたどる吟行がスタート。まずは江戸の水運の玄関口に置かれた関所、中川船番所跡に出来た資料館を訪問、キュレーターから当時の江戸湾、荒川、中川、そして隅田川に繋がる小名木川の様子などを聞いた。その後は川の駅で水陸両用バス「スカイダック」が水しぶきを上げて川に飛び込む情景を見物、小松川公園を経由して旧中川沿いをふれあい橋まで、土手に群れ咲く晩春初夏の野の草花を愛でつつ吟行した。凡そ一万歩強の散策後、廣田可升亭で昼食、句会を始めた。

投句3句、選句5句で句会を行った結果、嵐田双歩さんの「大橋を三つ並べて夏の川」、徳永木葉さんの「水陸車上がるしぶきも夏の入り」、星川水兎さんの「野の花を摘んで立夏の川の道」の3句が5点でトップに輝いた。以下、4点句が3句、3点句が6句、2点句が7句、1点句が16句という結果だった。席題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「立夏」

水陸車上がるしぶきも夏の入り      徳永 木葉

野の花を摘んで立夏の川の道       星川 水兎

水滑るオールの先に夏来る        嵐田 双歩

一人乗り蛇行カヌーの立夏かな      堤 てる夫

逆上る立夏の潮や小名木川        今泉 而云

駅出て青龍像の立夏かな         玉田春陽子

「橋」

大橋を三つ並べて夏の川         嵐田 双歩

夏帽子飛んで追いかけ亀小橋       星川 水兎

初夏のふれあい橋でおり返す       高井 百子

「雑詠」

川またぐ駅は五月の川の駅        田中 白山

薫風や江東江戸川くまたがり       大澤 水牛

連休は父の子守や初夏の風        高井 百子

《参加者》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、澤井二堂、高井百子、田中白山、

谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、

星川水兎、前島幻水、山口斗詩子(以上15名)    (報告・谷川水馬)

 

 

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日俳・番喜・三四郎3句会合同蕪村生誕地と興福寺吟

総勢27人で淀川堤を散策、興福寺中金堂を仰ぐ

賑やかな連句会、メール句会も

4月21日(日)、22日(月)の両日、与謝蕪村の生誕地・大阪の旧毛馬村と奈良を訪ねる吟行会を日経俳句会、番町喜楽会合同で開催、三四郎句会にも参加を呼びかけて総勢27人の大規模行事が実現した。

昨年十月に落慶した興福寺中金堂を参拝して眼福を得、ついでに奈良吟行をしようというのが当初の目的であった。興福寺の訪問は、日経の『私の履歴書・多川俊映貫主(昨年十月連載)』を担当した中沢義則(豆乳)会長の伝手によるものでこれぞ絶好の機会。どうせ奈良に行くのなら、大坂に途中下車して蕪村の故地毛馬堤まで足を延ばそうと、大澤水牛顧問の提案で今回の旅となった。二日間とも好天に恵まれ、毛馬では堤防沿いに休日を楽しむ家族連れに交って歩き、蕪村生誕の碑、蕪村公園、淀川神社の蕪村像を見学した。スマホによると、この日の歩数は1万4千歩、ゴルフのワンラウンド並み。その夜は猿沢池畔の旅館「飛鳥荘」に泊まり、なんと連句会を開いて歌仙を巻いた・

翌22日は興福寺訪問。通常は非公開の本坊で薄茶とお菓子を頂き、多川貫首のお話を伺う。その後、新装なった中金堂から宝物館へと回り、天平の空気をたっぷり吸った。三四郎句会の面々と別れ、日俳・番喜両会メンバーは猿沢池畔に戻り蕎麦屋「季のせ」で、奈良の銘酒「春鹿」超辛口で乾杯、流れ解散となった。

参加者は日経俳句会、番長喜楽会から、嵐田双歩、須藤光迷、徳永木葉、廣田可升、大澤水牛、玉田春陽子、澤井二堂、岩田三代、植村博明、岡田鷹洋、片野涸魚、工藤静舟、田中白山、中村迷哲、中沢豆乳、山口斗詩子、堤てる夫、大下綾子、高井百子、向井ゆり、高橋ヲブラダの21人、三四郎句会から今泉而云、渡辺信、深瀬久敬、小泉基靖、後藤尚弘、竹居照芳の6人、計27人(順不同、敬称略)。   (報告 植村博明)

*     *     *

蕪村生誕地・奈良興福寺吟行メール句会

吟行句会は慣例に従い、帰京後、嵐田双歩幹事に3句をメール送信し、幹事が編集した選句表を送信、参加者が5句選句して選評をつけて返信する「メール句会」方式で行った。

その結果、最高は今泉而云さんの「春愁を眉の辺りに阿修羅像」の10点句。次点は7点で廣田可升さんの「行く春の奈良の茶粥のかぐはしき」。三席は綾子さんの「うららかやシャンパンたこ焼き蕪村句碑」の6点。5点句は「毛馬橋を渡る春風手に句帳」(二堂)、「新駅に蕪村口あり木瓜の花」(可升)、「連衆の春は車座飛鳥荘」(双歩)、「奈良漬を土産に詰めて春暮るる」(博明)の4句。以下4点3句、3点12句、2点10句、1点19句と得点句がまんべんなく広がった。参加27人の代表句は以下の通り(上記の高得点句を除く)。

行く春や阿修羅の像に影二つ     嵐田 双歩

毛馬堤はるばると来てうまごやし   今泉 而云

淀川の風閉じ込めてシャボン玉    岩田 三代

老僧の振る舞ふ薄茶風青し      植村 博明

春の夢蕪村と歩む毛馬堤       大澤 水牛

長堤に機影間近し春惜しむ      大下 綾子

桜蕊こっそり抜ける連句会      岡田 鷹洋

千年の薫風のなか阿修羅像      片野 涸魚

春深し不比等の里の大伽藍      工藤 静舟

時を越え奈良の都の八重桜      小泉 基靖

春風や幾世に伝ふ盧舎那仏      後藤 尚弘

春愁ふ無着の像や興福寺       澤井 二堂

蒲公英の馬堤をゆるり一万歩     須藤 光迷

清明や中金堂の甦へり        高井 百子

晴天にたこ焼き食めば亀が鳴く    高橋ヲブラダ

揚げ雲雀見下ろす土手に蕪村の碑   竹居 照芳

貫首説く寺の有り様夏近し      田中 白山

鴟尾称え春たけなわの興福寺     玉田春陽子

花あせび貫首講話の大広間      堤 てる夫

藤の寺あぐらで喫す振舞茶      徳永 木葉

春闌けて五二段の菩薩坂       中沢 豆乳

春の市浪花言葉の売りと買ひ     中村 迷哲

釈迦弥勒薬師その後よもぎ餅     廣田 可升

還らずの毛馬蕪村碑にビール置き   深瀬 久敬

花水木千年先を語る僧        向井 ゆり

中金堂鴟尾輝きて春深し       山口斗詩子

はらはらと水面を埋める遅桜     渡邊  信

(報告 嵐田双歩)

 

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日経俳句会第178回例会

 

「春燈」と「竹の秋」を詠む

青水さんの「若き一家来る」が第一席

 

日経俳句会は4月17日(水)、平成31年度4月例会(通算178回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。四月に入って花冷えが続き、ようやく春めいたこの日、20人が出席(欠席投句15人)し、兼題の「春燈」と「竹の秋」の作品を中心に賑やかな合評会を繰り広げた。参加35人の104句から6句選(欠席選句は5句)で行った結果、一席は青水さんの「春の灯やとなりに若き一家来る」が8点。次席7点は、てる夫さんの「春燈やレッスン室の影ふたつ」、水兎さんの「宿下駄で降りる石段春燈」、木葉さんの「竹の秋片頬かげる摩崖仏」と而云さんの「春風を見てをり杖に手を重ね」の4句が並んだ。珍しく兼題句に高点句が揃った平成最後の句会となった。以下6点2句、5点4句、4点8句、3点9句、2点18句、1点32句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「春燈」

春の灯やとなりに若き一家来る   金田 青水

春燈やレッスン室の影ふたつ    堤 てる夫

宿下駄で降りる石段春燈      星川 水兎

山峡に春燈ぽつり無人駅      井上庄一郎

春の燈や回覧板の行くところ    植村 博明

春燈や宿の図書室ひとり占め    大下 綾子

路地裏に三味の爪弾き春あかり   久保田 操

「竹の秋」

竹の秋片頬かげる摩崖仏      徳永 木葉

まんぷくのこども食堂竹の秋    野田 冷峰

大王の墳丘鎮め竹の秋       大沢 反平

鎮魂の旅の終りや竹の秋      中嶋 阿猿

廃線を抱くようにして竹の秋    藤野十三妹

窯元の並ぶ街道竹の秋       嵐田 双歩

ひと息に令和と書けり竹の秋    大下 綾子

残されし俳句手帳や竹の秋     高井 百子

にべもなく切れし電話や竹の秋   星川 水兎

「当季雑詠」

春風を見てをり杖に手を重ね    今泉 而云

田起こしや土黒々と命棲む     岩田 三代

風やはらか慣らし保育の涙跡    向井 ゆり

新しき朱の春帽子六地蔵      髙石 昌魚

うぐひすの呼ぶよ下総酒処     大澤 水牛

眠る田の畦をふちどり蓮華草    徳永 木葉

花散らし風は嘯くまた逢おう    藤野十三妹

散る花を頭に乗せて帰る道     植村 博明

平成の残りはわづか春惜しむ    加藤 明生

白蓮に色を重ねて春の雪      高井 百子

葉桜に急かれ露店の旅支度     中村 迷哲

花冷えや寄添ふ影に月明かり    流合研士郎

【参加者】(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、高石昌魚、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中澤豆乳、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり。(投句参加)池村実千代、植村博明、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、高井百子、高橋ヲブラダ、旙山芳之、流合研士郎、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。     (報告 嵐田双歩)

 

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墓参・花見吟行を開催、恒例の「メール句会」も

英尾先生没後14年

花見の名所小金井公園へ10人参加

日経俳句会と番町喜楽会の有志が3月30日(土)、村田英尾先生の墓参と桜狩吟行を行った。午前10時、JR高尾駅には、大澤水牛、今泉而雲、田中白山、澤井二堂、野田冷峰、中村迷哲、嵐田双歩と幹事の杉山三薬と堤てる夫の9人が顔をそろえた(向井ゆりさんが後刻参加し計10人に)。桜前線の早い動きを予想しての日取りだったのだが、都立八王子霊園や森林公園桜保存林の辺りは満開には程遠く、曇り時々晴れで少々寒さを感じるほどだった。墓参後JR駅に戻り武蔵小金井駅下車、花の名所小金井公園を訪れた昼頃には晴れ間も多くなり、気温も上がる花見日和となった。

日経俳句会主宰の英尾先生が亡くなったのは平成17年3月2日だから没後もう14年たった。花を供え線香を焚き、一人一人墓前にぬかずいた。

小金井公園は昭和54年開園、1800本の桜が植えられて、花見の名所となった。公園南側には玉川上水が流れ、この桜並木は1737年(元文2年)に植樹されたのが始まり。「小金井桜」として1924年(大正13年)に名勝指定された。しかし年とともに並木は衰え、今では小金井公園に「桜の名所」を譲った。

1993年(平成5年)には「江戸東京たてもの園」が開設、公園の名物施設となった。園内には二・二六事件で惨殺されたダルマ蔵相高橋是清邸はじめ、江戸中期の茅葺農家、八王子千人同心組頭家など茅葺の家々。明治末期の三階建洋館、大正期の実業家別邸などのほか、下谷言問通りにあった居酒屋「鍵屋」、千住元町の唐破風の銭湯「子宝湯」、昭和の写真館「常盤台写真場」など、ぐるぐる回って飽きなかった。

吟行の締めくくりは小金井駅傍の割烹酒処「一駒」、江戸東京たてもの園から参加した向井ゆりさんも加わって、疲れた脚を伸ばし、早めの夕食懇談となった。

墓参・花見吟行句会は、堤幹事に5句送信し、幹事から選句表が参加者に送信され、選句選評を送る恒例の「メール句会」方式で行った。結果は最高点が5点で、中村迷哲さんの「宰相の受難の屋敷春茶会」の1句。次席4点は嵐田双歩さんの「線香の火のつきにくし桜東風」と、杉山三薬さんの「花の下昭和息づく写真館」の2句。三席3点は「三役の要石たる花幹事 双歩」「芽柳や唐破風屋根の子宝湯 白山」「咲き継ぎし玉川上水山桜 水牛」「花盛り鍵屋の土間の懐かしさ 水牛」の計4句だった。続く2点句は水牛さんの「花見上ぐ人を見上ぐる鯉の群れ」「呼売りのお湯割焼酎花の冷え」「花のもと知らず一万四千歩」の3句と、白山さんの「上水の土手のあちこち諸葛菜」、向井ゆりさんの「桜咲く上水沿いのカフェテリア」を合わせて計5句だった。   (報告 堤てる夫)

 

 

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番町喜楽会第160回例会

 

「花疲れ」満智、「海胆」水馬、木葉、「雑詠」は春陽子

 

番町喜楽会は、平成31年4月例会(通算第160回)を4月6日午後6時から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行った。兼題のひとつは「花疲れ」。丁度、桜は満開。北の丸公園などは家族連れや外国人などで大賑わいだった。もうひとつの兼題は「海胆」。「句会後の反省会が開かれる味さとで、刺身か焼き海胆が出るか」という期待は見事に空振りだったが、良い句が沢山出た。句会は投句5句、選句6句で行い、玉田春陽子さんの雑詠「潮の香をあげて目刺の反り返る」が6点でトップになった。続く5点に、今泉而云さんの「ぶらんこを漕ぎ東京へ飛んでいく」、斉山満智さんの「心地よくワインに溶ける花疲れ」、谷川水馬さんの「国訛り添へて焼き海胆売られをり」、徳永木葉さんの「海女舟の夫の引き綱海胆揚がる」の4句が並んだ。さらに4点句は、大澤水牛さんの「雲丹飯に萩の有磯の香りかな」と中村迷哲さんの「花疲れバスを待つ人みな無口」のわずか二つだけ。3点句も三つに止まり、3点以上が10句と少なく、2点が17句、1点が27句という具合に票が分散した。会員の句力向上により、切磋琢磨が激しさを増した、ということか。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「花疲れ」

心地よくワインに溶ける花疲れ   斉山 満智

花疲れバスを待つ人みな無口    中村 迷哲

花疲れ旅の土産の絵蝋燭      星川 水兎

気が付けば太鼓持ち役花疲れ    山口斗詩子

「海胆」

国訛り添へて焼き海胆売られをり  谷川 水馬

海女舟の夫の引き綱海胆揚がる   徳永 木葉

雲丹飯に萩の有磯の香りかな    大澤 水牛

「当季雑詠」

潮の香をあげて目刺の反り返る   玉田春陽子

ぶらんこを漕ぎ東京へ飛んでいく  今泉 而雲

流水に身を委ねゆく落椿      中村 迷哲

【参加者】(出席14人)嵐田双歩、大澤水牛、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(投句参加6人)池内的中、今泉而云、澤井二堂、中村迷哲、星川水兎、山口斗詩子。     (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第177回例会

参加38人「春雨」「雀の子」を詠む

新入会旙山さん「雛納め」の9点句でいきなり金的

 

日経俳句会の平成31年度3月例会(通算177回)は3月20日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。春は異動の季節でもあり所用のある方が多く、投句者の過半数が欠席。出席は17人にとどまったが、新加入の斉藤早苗さんの参加もあり、この日の陽気のように心弾む雰囲気の句会となった。

兼題は「春雨」と「雀の子」。38人から113句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、2月に加入したばかりの旙山芳之さんの「雛納め三人娘に会えぬまま」が最高9点に輝いた。幡山さんは春雨でも5点句をものにするなど衝撃的なデビューとなった。8点句には井上庄一郎さんの「身体じゅう口に親待つ雀の子」と中村迷哲さんの「クレソンの沢潤すや雪解水」が並び、7点句に大熊万歩さんの「何事も一拍遅れ雀の子」が入った。6点句には「春雨を溜めて小枝の雫かな てる夫」はじめ4句が入ったほか、5点2句、4点7句、3点14句、2点18句、1点26句。雀の子に比べ春雨に高点句が多かった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「春雨」

春雨を溜めて小枝の雫かな      堤 てる夫

春雨や阿波青石の露天風呂      星川 水兎

春雨や若き力士の髷濡らし      中嶋 阿猿

春雨や持つ傘ささず急ぐ朝      旛山 芳之

春雨や立ち飲み店の釣り話      谷川 水馬

春雨や少し太めの眉をひき      横井 定利

春雨や元気湧き出るミモザの黄    池村実千代

春雨やひと雨ごとに希望湧く     井上庄一郎

買い立ての折り畳み傘春の雨     今泉 而云

音もなく野をうるほして春の雨    大倉悌志郎

降れよ降れ花粉流せよ春の雨     大澤 水牛

春雨や渡り廊下の軋む音       加藤 明生

出不精の言い訳にする春の雨     斉藤 早苗

春雨の玉砂利ゆくや嫁行列      徳永 木葉

「雀の子」

身体じゅう口に親待つ雀の子     井上庄一郎

何事も一拍遅れ雀の子        大熊 万歩

雀の子車の下に雨宿り        澤井 二堂

雀の子追ふ子追ふ母追ふ夕日     流合研士郎

雀の子米つぶよりもパンが好き    加藤 明生

雀の子そこは先生座るとこ      横井 定利

当季雑詠

雛納め三人娘に会えぬまま      旛山 芳之

クレソンの沢潤すや雪解水      中村 迷哲

二千円あれば一日春の道       植村 博明

てきぱきと指示する歯科医桜東風   大下 綾子

開花待つ次も娘が生まれるの     大平 睦子

父母連れて菜の花列車二両建て    谷川 水馬

草の芽の伸びて賑はふ売地かな    中嶋 阿猿

もうだれも届かぬ高さ揚雲雀     嵐田 双歩

買い溜めし漱石めくる日永かな    和泉田 守

春風や駿河の海は真っ平       大沢 反平

さざさざと屋島に満つる春の宵    向井 ゆり

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、岩田三代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、斉藤早苗、杉山三薬、鈴木好夫、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。(投句参加)井上庄一郎、和泉田守、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、流合研士郎、旙山芳之、廣上正市、向井ゆり、横井定利。     (報告・中村迷哲)

 

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酔吟会第139回例会

 

出席13人、投句参加6人

「麗らか」と「鰆」を詠む

 

3月9日(土)午後1時から東京・千代田区内神田の日経広告研究所会議室で酔吟会の三月例会(通算139回)が開かれた。今回は春の風邪や法事、その他あれこれで欠席者が多く、出席は13人とこじんまりとした句会になった。

この日の兼題は「麗らか」と「鰆」。雑詠を含め投句は5句で、投句総数は95句だった。選句は投句参加者が多いため8句とした。その結果、最高点は廣田可升さんの「竿あまた並ぶ運河のうらうらと」の6点。二席5点は星川水兎さんの「鰆焼く意固地に黙る背中かな」、須藤光迷さんの「金髪にせし妻の背に春の風」、玉田春陽子さんの「地雷なき国のしあわせ土筆摘む」、谷川水馬さんの「涙目で笑ふあざらし花粉症」の4句だった。三席4点は「うららかや野点の席に盲導犬 春陽子」「鍋蓋のタップダンスや春の宵 同」、「麗らかや豆粒ほどの鶴を折る 水兎」の3句。以下、3点が6句、2点11句、1点25句ということになった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

『麗らか』

竿あまた並ぶ運河やうらうらと    廣田 可升

麗らかや豆粒ほどの鶴を折る     星川 水兎

うららかや野点の席に盲導犬     玉田春陽子

麗らかや笑ひの壷の女子高生     嵐田 双歩

人違ひしてもされてもうららけし   嵐田 双歩

春うらら母子の自撮り赤門前     岡田 鷹揚

『鰆』

鰆焼く意固地に黙る背中かな     星川 水兎

鰆競る港の紀州訛りかな       廣田 可升

水槽の鰆回遊無伴奏         野田 冷峰

歯を剥いて睨む鰆の貌可笑し     久保田 操

『当季雑詠』

金髪にせし妻の背に春の風      須藤 光迷

地雷なき国のしあわせ土筆摘む    玉田春陽子

涙目で笑ふあざらし花粉症      谷川 水馬

鍋蓋のタップダンスや春の宵     玉田春陽子

《参加者》【出席十三人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、野田冷峰。【投句参加六人】工藤静舟、久保田操、澤井二堂、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎。     (記録・報告 大澤水牛)

 

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