番町喜楽会第197回例会

参加19人、「新涼」「茸」を詠む

最高7点は春陽子「毒茸」、二席に迷哲句、三席水馬句

番町喜楽会は8月6日(土)午後6時、九段下・千代田区生涯学習館で「新涼」と「茸」を兼題として令和4年8月例会(通算197回)を開催した。コロナ第七波の影響もあって出席者は10人にとどまったが、談論風発、大いに盛り上がった。投句者は19名で、投句総数95句。出席者6句、欠席者5句選で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「なんとまあ草間彌生や毒茸」が7点でトップに輝いた。二席は中村迷哲さんの「見も知らぬ茸の土産持て余す」が6点で続き、三席には谷川水馬さんの「実石榴の口を尖らせ風の中」の4点句が入った。以下、3点が13句、2点10句、1点が29句となった。今回の特徴は最高点が7点、二席6点、三席4点が1句ずつしか無く、3点が13句もひしめき合ったことと、谷川水馬さんが4点1句・3点4句の「5打数5安打」を記録したことであった。兼題別高点句(3点以上)は次の通り。

「新涼」

涼新た草取り終へし夕の縁            大澤 水牛

新涼の信濃は四葩秋桜              高井 百子

新涼やちろり買ひこむかっぱ橋          谷川 水馬

見ゆる風聞こゆる風や涼新た           玉田春陽子

秋涼し将門塚にヒール音             廣田 可升

「茸」

なんとまあ草間彌生や毒茸            玉田春陽子

見も知らぬ茸の土産持て余す           中村 迷哲

山の香のふはりと立つや茸便           今泉 而云

行く山は祖母しか知らぬ茸採           谷川 水馬

「雑詠」

実石榴の口を尖らせ風の中            谷川 水馬

秋立つや鉄瓶の湯に鉄の味            今泉 而云

八月はみちのく祭行脚かな            須藤 光迷

藪枯らし売地の札の迷ひ蔓            谷川 水馬

片足は雌に呉れたといぼむしり          谷川 水馬

内外の鬱を忘れる大夕焼け            堤 てる夫

晩夏光母の背中のお灸跡             星川 水兎

《参加者》【出席10人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升。【投句参加9人】嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、高井百子、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。

(報告・谷川水馬、大澤水牛)

 

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日経俳句会第210回例会

「夏深し」と「滴り」を詠む

最高8点に「板の間」水兎句、二席に迷哲句と二堂句

日経俳句会は令和4年7月例会(通算210回)を20日(水)に鎌倉橋の日経広告研究所会議室で開いた。コロナ感染が急拡大していることもあり、出席者は13人とやや少なめだったが、暑さを吹き飛ばすような活発なやりとりの句会となった。兼題は「夏深し」と「滴り」。35人から105句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、星川水兎さんの「板の間にぺたりと座り夏深し」が最高8点に輝いた。二席7点には中村迷哲さんの「葉を丸め受ける滴り山の味」と澤井二堂さんの「猛暑道傘で日陰を持ち歩く」が並び、三席6点には高井百子さん「夏ふかし窓辺に届く草の息」と岩田三代さん「苔つたふ滴り碧き玉となり」、中村迷哲さん「地下壕の滴り聞きし夜のあり」の3句が入った。以下、5点3句、4点6句、3点14句、2点18句、1点32句と続き、全体に点のバラける結果となった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夏深し」

板の間にぺたりと座り夏深し         星川 水兎

夏ふかし窓辺に届く草の息          高井 百子

草千里地平遙かに夏深し           髙石 昌魚

ジャングルの朽ちし砲台夏深し        中村 迷哲

胡瓜蔓だらしなく延び夏深む         大澤 水牛

音大き家事を厭へり夏深し          大下 明古

夏深しマスク少女の目の力          杉山 三薬

夏深しノースリーブの薄き胸         流合 水澄

夏闌くやソーラーパネル捨畑に        廣上 正市

「滴り」

葉を丸め受ける滴り山の味          中村 迷哲

苔つたふ滴り碧き玉となり          岩田 三代

地下壕の滴り聞きし夜のあり         中村 迷哲

岩盤に嗚咽のごとく滴れり          向井 愉里

滴りに知らず呼吸を合はせをり        金田 青水

滴りにあひる玩具の浮かぶ里         鈴木 雀久

滴りや摩崖仏の眼涙ぐむ           髙石 昌魚

滴りや俺への弔辞君のはず          旙山 芳之

「当季雑詠」

猛暑道傘で日陰を持ち歩く          澤井 二堂

グローブの革の匂ひや晩夏光         大下 明古

夜濯ぎや男やもめの独り言          加藤 明生

あの人をいい人にして蝉時雨         杉山 三薬

自分らしく生きろといはれ冷奴        嵐田 双歩

水茄子を素手でつまんで相撲観る       植村 方円

浮島のやうに墓所ある青田かな        廣上 正市

駄々こねるパソコンなだめ拭う汗       須藤 光迷

降る雨のやはらかにあれ合歓の花       高井 百子

老鶯の伸び伸びとした声がする        堤 てる夫

投票所空気動かぬ暑さかな          水口 弥生

海鞘は駄目何んと云つても駄目はだめ     横井 定利

《参加者》【出席13人】嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、篠田朗、杉山三薬、徳永木葉、中村迷哲、向井愉里。【投句参加22人】池村実千代、伊藤健史、大下明古、加藤明生、久保田操、澤井二堂、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、中嶋阿猿、野田冷峰、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、横井定利。   (報告 中村迷哲)

 

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酔吟会第157回例会開催、7月9日

 

16人集まって「土用」「腹当」の猛暑句を詠み合う

岡田鷹洋さん5点、4点を連発

酔吟会は7月9日、千代田区立スポーツセンターで第157回例会を開催した。兼題は「土用」」と「腹当」。16人が参加し出句総数80句。参議院選挙の真っただ中、また安倍元首相が凶弾に倒れるという衝撃の翌日であったが、句会は和やかに進んだ。選句6句で選句披稿を進めたところ、最高は5点句が4句並ぶ珍しい結果になった。さらに次点4点が5句と高得点句がひしめき合った。体調不良でしばらく入院していたという岡田鷹洋さんは5点句「入り婿の田植え励ます嫁姑」、4点句「腹当の韋駄天力車バイト女子」と最高点、次点句を両手に。他の5点句は、嵐田双歩さんの「庭に水我に土用のピルスナー」、玉田春陽子さんの「曲がっても突き当っても炎天下」、廣田可升さんの「七夕や平癒祈願の女文字」であった。次点4点句は、大澤水牛さん、杉山三薬さん、中村迷哲さん、高井百子さんの句が並んだ。この他、3点句は2句、2点句は11句。1点句が26句であった。酔吟会は、9月例会から会場を江東区の芭蕉記念館に移す。(3点以上の兼題別高得点句は以下の通り)

「土用」

庭に水我に土用のピルスナー       嵐田 双歩

ぬか床の漬かりの早き土用かな      中村 迷哲

「腹当」

腹当の韋駄天力車バイト女子       岡田 鷹洋

腹当のずれて椎の実ちょこなんと     大澤 水牛

「当期雑詠」

入り婿の田植え励ます嫁姑        岡田 鷹洋

曲っても突き当っても炎天下       玉田春陽子

七夕や平癒祈願の女文字         廣田 可升

猛暑日や脳味噌の釘抜け落ちる      大澤 水牛

熊谷に勝って伊勢崎冷やうどん      杉山 三薬

葛の花老いには重き乳房かな       高井 百子

墓洗ひ酒供ふれば天道虫         谷川 水馬

【参加者】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。   (報告高井百子)

 

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番町喜楽会例会第196回

21人参加「梅雨明」と「金魚」を詠む

「夜更の金魚鉢」(可升)が10点でトップ

次席7点「金魚の墓」(双歩)、三席に水牛・光迷・木葉

番町喜楽会は令和4年7月の例会(通算第196回)を4日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。21人から投句があり、会場には14人が顔を揃えた。兼題は「梅雨明」と「金魚」、投句は3句以上5句以内、選句は6句(欠席者は5句)とした結果、廣田可升さんの「ただいまと覗く夜更の金魚鉢」が10点でトップ、次席7点に嵐田双歩さんの「割り箸の金魚の墓や庭の隅」が入った。三席は5点で大澤水牛さんの「水撒いて胡瓜と茄子に声かける」と須藤光迷さんの「夏草を刈る人も無き社宅跡」、徳永木葉さんの「蘭鋳の王の顔して鉢の中」が並んだ。4点が4句、3点は8句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「梅雨明」

大楠の木陰の広さ梅雨明ける      中村 迷哲

梅雨明や富士がこちらへ近づけり    前島 幻水

梅雨明けや新聞紙詰め靴を干す     玉田春陽子

空にらむ屋根のシーサー梅雨明ける   中村 迷哲

梅雨明けて水撒きホース伸ばしきり   向井 愉里

「金魚」

ただいまと覗く夜更の金魚鉢      廣田 可升

割り箸の金魚の墓や庭の隅       嵐田 双歩

蘭鋳の王の顔して鉢の中        徳永 木葉

幼子の両手突っ込む金魚鉢       田中 白山

人の顔眺めて暮らす金魚かな      中村 迷哲

「雑詠」

水撒いて胡瓜と茄子に声かける     大澤 水牛

夏草を刈る人も無き社宅跡       須藤 光迷

とんとんとプールに返す耳の水     玉田春陽子

宿坊の酒は薄味明易し         嵐田 双歩

猛暑日や買ふべき物を忘れたり     大澤 水牛

短夜や寝つきに焦る午前二時      高井 百子

一歳児一升パンを背負ふ夏       谷川 水馬

【参加者】21人(出席14人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。(投句参加7人)澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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6・18紫陽花吟行を開催

19人で白山神社・小石川植物園を巡る

日経俳句会と番町喜楽会は合同で六月十八日(土)に、文京区の社寺と植物園を巡る紫陽花吟行を催行した。コロナ感染が下火となったことに加え、梅雨曇りで歩きやすい天気となり、参加者は十九人と近年の吟行では最多となった。

午後一時に白山駅に集合して、近くの白山神社を参拝。境内に植えられた三千本の紫陽花が満開で、あじさい祭りに繰り出した人波で大混雑だった。続いて坂を下って八百屋お七の墓のある圓乘寺にお参り。そこから十五分ほど歩いて小石川植物園へ。広大な園内を二時間ほど自由に散策し、千五百種を超える標本木や草花を鑑賞、思い思いに句想を練った。吟行は午後四時に解散。喉の乾いた十四人がバスと地下鉄を乗り継いで町屋の蕎麦屋「如月徳」に至り、美酒美菜で吟行を楽しく打ち上げた。

参加者は嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大下明古、岡田鷹洋、金田青水、久保田操、杉山三薬、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、流合水澄、廣田可升、前島幻水、山口斗詩子の十九人。

投句三句、選句四句によるメール句会の結果、今泉而云さんの「ピンポン玉ほどのニュートン青林檎」が五点と最高点を獲得。二席四点には、谷川水馬さんの「富士塚に登る坂道七変化」と「寛解や栗の花さへ芳しく」の二句をはじめ、玉田春陽子さん「根津湯島巡り町屋は夕薄暑」、徳永木葉さん「忙しや歌仙巻き巻き梅雨吟行」、流合水澄さん「水打つも消えぬお七の燃ゆる恋」の計五句が並んだ。このほか三点四句、二点十二句、一点十五句で、参加者全員の句に点が入った。

紫陽花やをさな一途にフラダンス    嵐田 双歩

ピンポン玉ほどのニュートン青林檎   今泉 而云

紫陽花も疲れ顔なる人出かな      岩田 三代

名付けられ手入れ届かぬ花菖蒲     植村 方円

草茂り植物園は荒れにけり       大澤 水牛

樹間よりこちら窺ふ額の花       大下 明古

梅雨吟行十割蕎麦の大団円       岡田 鷹洋

木下闇でんと居座る昆陽碑       金田 青水

求愛の蝦蟇鳴く沼の賑やかし      久保田 操

太陽のない街ありし大緑陰       杉山 三薬

紫陽花や白山まるで村祭り       田中 白山

寛解や栗の花さへ芳しく        谷川 水馬

根津湯島巡り町屋は夕薄暑       玉田春陽子

忙しや歌仙巻き巻き梅雨吟行      徳永 木葉

黒南風や植物園の暗き道        中村 迷哲

水打つも消えぬお七の燃ゆる恋     流合 水澄

ひそと咲く名残の薔薇や線路脇     廣田 可升

マンションの谷にオアシス濃紫陽花   前島 幻水

四葩咲く白山神社万華鏡        山口斗詩子

(報告 中村迷哲)

 

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日経俳句会令和4年上期合同句会

39人で「虹」「黴」を詠む

最高点は迷哲さんの「黒靴」、定利さんが二、三席

日経俳句会は6月15日、内神田の日経広告研究所会議室で上期合同句会(通算34回)を開いた。コロナの影響でしばらく使えなかった会議室だが、半年ぶりで古巣に戻った。兼題は、「虹」と「黴」。39人から116句が集まったこの日は、梅雨らしい小雨混じりのやや寒い夕べだったが15人が出席。合同句会なので全員事前選句の結果、特定の句に票が集まり、中村迷哲さんの「黒靴を履かぬ月日や白き黴」が12点を得て一席。続いて横井定利さんの「虹見つつ後ろ歩きに帰りけり」が10点、「自撮りする傘寿の夫婦雲の峰」が9点と二、三席を独占、気を吐いた。次いで、徳永木葉さんの「黴生えたグローブ残し子は巣立ち」が8点、中沢豆乳さんの「千年のカビが隠した飛鳥美女」と廣田可升さんの「夏来るジブリ映画の雲連れて」が7点で並び、以下6点3句、5点4句、4点6句、3点7句、2点13句、1点33句だった。なお、今後吟行が増えることを見越して、新たに杉山三薬さんを吟行担当の幹事に任命、出席者の了承を得た。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「虹」

虹見つつ後ろ歩きに帰りけり             横井 定利

巨大虹雨後の埠頭を驚かす              廣田 可升

虹の脚わが町選りて立ちにけり            向井 愉里

虹出せと子等に散水迫られり             須藤 光迷

虹淡く早く早くと妻を呼ぶ              旙山 芳之

母見舞ふ特養ホーム二重虹                    大澤 水牛

虹が出た肉屋のコロッケ歩き食い           杉山 三薬

虹が立ち如雨露の園児大はしゃぎ           中沢 豆乳

スコールの過ぎし島へと虹の橋            中村 迷哲

「黴」

黒靴を履かぬ月日や白き黴              中村 迷哲

黴生えたグローブ残し子は巣立ち           徳永 木葉

千年のカビが隠した飛鳥美女             中沢 豆乳

黴臭き古書店にいる本の虫              植村 方円

黴にほふ雑誌に付録ソノシート            谷川 水馬

黴払い十年ぶりのモーニング             深田森太郎

長き留守病夫の靴の黴みがく             藤野十三妹

靴箱は黴の臭ひと父母の靴              今泉 而云

 

味噌蔵に時代は眠る樽の黴              篠田  朗

使はねば直ぐにカビそう黴の文字           玉田春陽子

「当季雑詠」

自撮りする傘寿の夫婦雲の峰             横井 定利

夏来るジブリ映画の雲連れて             廣田 可升

鰹節削る楽しさ冷奴                 徳永 木葉

やはらかき語りをちこち螢狩             廣上 正市

拭き掃除何だか嬉し梅雨晴間             池村実千代

連れ合いて粋な浴衣にスニーカー           植村 方円

十薬を軒に干したる祖母の腕             星川 水兔

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、植村方円、大澤水牛、大沢反平、金田青水、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、向井愉里。【投句参加24人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田三代、岡田鷹洋、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、玉田春陽子、中沢豆乳、中嶋阿猿、野田冷峰、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹、横井定利。   (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第195回例会

20人で「芒種」と「時鳥」詠む

最高7点に光迷句と百子句

番町喜楽会は6月4日(土)に九段下の千代田区生涯学習館で、「芒種」と「時鳥」を兼題として令和4年6月例会(通算195回)を開催した。投句者は20人で、投句総数98句。出席者は6句、欠席者5句選句の結果、須藤光迷さんの「老鶯や讃岐は円き山ばかり」と高井百子さんの「田水入る一番乗りはあめんぼう」の2句が7点でトップの座に並んだ。二席には廣田可升さんの「父の日のZIPPOいまだ捨てがたし」の6点句が、三席には嵐田双歩さんの「時鳥札所巡りの前後ろ」と金田青水さんの「この辺の子つばめ皆んな駅育ち」の5点句が続いた。以下、4点6句、3点2句、2点12句、1点25句という結果であった。高点句(3点以上)は次の通り。

「芒種」

苗放る老母の面影芒種かな            池内 的中

膏薬を貼りて菜園芒種なり            大澤 水牛

留守番の芒種の犬は縁の下            谷川 水馬

田の面に揺るる空ある芒種かな          廣田 可升

沖縄戦語る古老や芒種の夜            廣田 可升

「時鳥」

時鳥札所巡りの前後ろ              嵐田 双歩

鬼怒川のつぶれ旅館やほととぎす         大澤 水牛

水面には空の青ありほととぎす          澤井 二堂

「当季雑詠」

老鶯や讃岐は円き山ばかり            須藤 光迷

田水入る一番乗りはあめんぼう          高井 百子

父の日のZIPPOいまだ捨てがたし       廣田 可升

この辺の子つばめ皆んな駅育ち          金田 青水

茹であげし蔓菜まことに初夏の色         大澤 水牛

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。【投句参加6人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。  (報告 谷川水馬)

 

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日経俳句会第209回例会

38人参加、「夏の山」と「飛魚」を詠む

最高8点に双歩句と水兎句

日経俳句会は令和4年5月例会(通算209回)を5月18日(水)に鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。コロナ感染が落ち着いたこともあり、出席者は17人に増え、初夏の風を会場に入れてにぎやかな句会となった。兼題は「夏の山」と「飛魚」。38人から114句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、最高8点は嵐田双歩さんの「ビニール傘べりべり開く走り梅雨」と星川水兎さんの「飛魚さばく小さき出刃や島の店」が分け合った。二席6点には谷川水馬さんの「にこにことしんがり務め夏の山」と植村方円さんの「初夏や半年ぶりの膝小僧」が並び、三席5点には和泉田守さんの「夏の山逆さに青し田の水面」をはじめ5句が入った。以下、4点10句、3点14句、2点17句、1点28句と続き、3点以上の高点句が33句にのぼる充実ぶりだった。 兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夏の山」

にこにことしんがり務め夏の山         谷川 水馬

夏の山逆さに青し田の水面           和泉田 守

帽子取り全身に風夏の山            岩田 三代

雲上に神の座のあり夏の山           中村 迷哲

夏山の海よりぬっと神津島           大澤 水牛

魔女たちの健脚自慢夏の山           中嶋 阿猿

夏の山遠く近くに鳶の声            伊藤 健史

車窓から眺むる影絵夏の山           加藤 明生

麦の秋つぎのバスまで三時間          加藤 明生

だしぬけの雨夏山を洗ひをり          髙石 昌魚

風抜ける寺の茶会や夏の山           星川 水兎

「飛魚」

飛魚さばく小さき出刃や島の店         星川 水兎

青き身を一閃宙へつばめ魚           岩田 三代

飛魚の跳ねて航路に幸あれと          嵐田 双歩

紺青の海の千切れてあごの群          中村 迷哲

朝市の飛魚の目のまん丸き           向井 愉里

飛魚や流人の島々後にして           大沢 反平

飛魚(あご)跳ねて玄界灘に夏が来た      篠田  朗

あご飛ぶや知覧の丘は遥かなり         高井 百子

飛び魚のくさや絶品島酒場           中沢 豆乳

飛魚の飛んで初島定期便            廣上 正市

「当季雑詠」

ビニール傘べりべり開く走り梅雨        嵐田 双歩

初夏や半年ぶりの膝小僧            植村 方円

新しきブラウスの白風薫る           髙石 昌魚

お隣りの庭の紫蘇の葉二枚借り         横井 定利

大牡丹崩れ行く間の二三日           今泉 而云

五年越しやっと昇段初夏の空          荻野 雅史

田を植ゑて米一粒の重さ知る          工藤 静舟

土色の蛙飛び出す草いじり           高井 百子

赤牛も黒牛もいて夏野かな           岩田 三代

草笛に令和の子の目輝きぬ           徳永 木葉

カタツムリ老舗旅館の代替わり         中嶋 阿猿

まず振りて土鈴求めし夏初め          星川 水兎

《参加者》【出席17人】嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、鈴木雀九、篠田朗、杉山三薬、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、星川水兎、向井愉里。【投句参加21人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、大沢反平、大下明古、荻野雅史、加藤明生、工藤静舟、久保田操、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、野田冷峰、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

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酔吟会第156回例会

「のらくろの街」森下で開催

「風薫る」「薔薇」を詠む

酔吟会は5月14日、千代田区立スポーツセンターの土曜日午後の予約が難しくなったため、江東区森下文化センターに場所を移して開催した。兼題は「風薫る」「薔薇」。欠席投句無し、参加者は5句を持ち寄り会場で短冊に記入して投句する伝統形式の句会はこれが二回目、15人が参加し出句総数は75句であった。漫画家田川水泡を記念した「のらくろ館」を併設する近代的な文化センターの会議室で、初夏の午後、和気あいあいと句会が進められた。

選句6句の結果、最高7点は玉田春陽子さんの「ストローをのぼる空色夏来る」が獲得、二席5点も春陽子さんの「薔薇垣に子らの長靴逆さ干し」が占めた。三席4点には春陽子さんの「薫風や女庭師の猿袴」と廣田可升さんの「薫風や戒名要らぬといふ女房」が入り、春陽子さんが高点句を独占する形となった。3点句には嵐田双歩さんの「薔薇一輪活けてたちまちレストラン」をはじめ8句が入り、以下2点11句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「風薫る」

薫風や女庭師の猿袴                 玉田春陽子

薫風や戒名要らぬといふ女房             廣田 可升

薫風を大きく入れて阿弥陀堂             須藤 光迷

風薫る禅寺の窓まるく開き              徳永 木葉

「薔薇」

薔薇垣に子らの長靴逆さ干し             玉田春陽子

薔薇一輪活けてたちまちレストラン          嵐田 双歩

洋館の黒々翳り夜の薔薇               徳永 木葉

雑司ヶ谷夢二の墓の赤き薔薇             堤 てる夫

薔薇植うる暮らし間近に荒川線            中村 迷哲

「当季雑詠」

ストローをのぼる空色夏来る             玉田春陽子

朝摘みの茨の花や牛乳瓶               金田 青水

牡丹散るきのふにけふの重なりぬ           玉田春陽子

《参加者15人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。  (報告 高井百子)

 

 

 

 

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コロナ鎮まり吟行再開

4月は塩山・桃源郷、5月は都電薔薇吟行

コロナウイルスの蔓延で二年間、新年の七福神巡りを別として、日経俳句会と番町喜楽会合同の本格的な吟行をやらずに過ごしてきた。しかし、令和4年に入ると、猖獗を極めたウイルスもようやくおとなしくなってきて、新規感染者が減少傾向を見せはじめた。諸外国政府は防除体制解除を次々に打ち出し、慎重な日本政府も「人通りの少ない所ではマスクを外してもよい」などと言い出すようになった。

「待ってました」と日俳・番喜両句会の元気老人たちは「吟行再開」を唱え始めた。都内はもちろん関東近県の吟行好適地を即座に十指に足の指まで加えるほど挙げることの出来る杉山三薬さんが「幹事」になって、四月から「毎月やりましょう。都合のつく人が自由に参加できる形で」開催することにした。

最初はコロナ騒ぎでまる二年お預けになっていた「甲州塩山桃源郷」吟行を4月9日(土)に催行した。JR塩山駅に午前10時に集合し、まさに満開の桃畑をチャーターしたマイクロバスに揺られながら眺め、花の寺慈雲寺へ。次に武田信玄の菩提寺恵林寺に行き、まずは門前の茶屋で名物信玄弁当の昼食を取る。大休止後、恵林寺をゆっくり見学、老舗の酒蔵がワイン醸造に進路変更した「甲斐ワイナリー」を訪問した。まだ50にはなっていないのではないかと思しきワイナリー三代目の若主人が熱心にワインの話をしてくれて、自慢のワインを試飲しながら美味しいパスタやチーズ、地元野菜のサラダを味わって参加12人大満足だった。

ジパングの出番久々桃見行       廣田 可升

三方に望む白嶺桃花摘む        杉山 三薬

山峡を抜ければ異郷桃の花       中村 迷哲

トンネルを出て陽光の大桜       今泉 而云

にごりなき一葉ざくら白きまま     嵐田 双歩

信玄の眠る里なり桃の花        須藤 光迷

恵林寺の大屋根曲線かぎろひぬ     大澤 水牛

うららかや庫裡の扁額なぞの文字    徳永 木葉

桃の下摘花作業の夫婦かな       田中 白山

草餅も裂き烏賊も売る桃源郷      金田 青水

たんぽぽの花にもあるや過疎過密    玉田春陽子

春風を土蔵に入れてワイン会      植村 方円

☆     ☆     ☆

次いで5月5日の子供の日は立夏。三薬幹事が「5月は薔薇の月。唯一残っている都電の荒川線沿線は薔薇の名所。ここへご案内」というわけで、早稲田から三ノ輪橋まで12キロをがたごと揺られながら、途中、巣鴨の名刹を巡るなどして、打ち上げは町屋にある知る人ぞ知る名物蕎麦屋という、とてもユニークな吟行が実現した。

午後1時に都電荒川線早稲田停留所に集合、すぐ近くの神田川沿いにある関口芭蕉庵を皮切りに五月吟行がスタートした。参加者は前月より一人多い13名。しかも前回は男ばかりでむさ苦しい感じだったが、今回は妙齢美女3名が加わってまことに賑やかな吟行になった。

関口芭蕉庵を見学した後、早稲田停留所からチンチン電車に乗り込み、庚申塚で途中下車、旧中山道の猿田彦神社で庚申塚を眺め、巣鴨の住宅街を歩いて「明暦大火」の火元とされる本妙寺、四谷怪談のお岩さんの墓がある妙行寺を巡り、西ヶ原四丁目停留所からまた電車に乗って終点の三ノ輪橋へ。ここのバラ園というか、薔薇の植え込みをじっくり眺める。その後、5分ほどのところにある「浄閑寺」を参拝する。ここは別名「投げ込み寺」と言われ、吉原の遊女2万7千人が眠っているという寺だ。

これで五月吟行は終了。一行はまた都電に乗って5つ逆戻りして町屋へ。この駅前にも薔薇の花壇がある。すぐそばの「如月徳」(きさらぎとく)という、50になったかどうかの夫婦が切り盛りしている小体な蕎麦屋に行き、素敵な打ち上げ懇親会を開いた。

川底の澄みて立夏の神田川       向井 愉里

岩棚に亀の昼寝や神田川        岩田 三代

荒れ庭に俳聖しのぶ青芭蕉       中村 迷哲

薔薇咲かせどっこい元気な荒川線    今泉 而云

そよ風と薔薇の香ながる早稲田車庫   金田 青水

チンチンと鳴るや都電は薔薇の中    嵐田 双歩

人気なきお岩通りや夏浅し       和泉田 守

次々に上着脱ぎだす立夏かな      星川 水兎

角の家初夏は黄薔薇の館なり      澤井 二堂

ピースといふ薔薇のつぼみは固きまま  大澤 水牛

言葉出ぬままにつつじの浄閑寺     植村 方円

バラ吟行〆の蕎麦屋でハイ拍手     杉山 三薬

 

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