日経俳句会第159回例会

投句を3句に絞り、句会運営がスムーズに

35人が「薄暑」と「牡丹」で競う

日経俳句会の平成29年度5月例会(通算159回)は5月17日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で22人が出席して開かれた。今回から投句数を3句に減らし、35人から絞りぬいた105句が寄せられ、充実した句会となった。

兼題は「薄暑」と「牡丹」。5句選(欠席選句も5句)の結果、大澤水牛さんの「オリーブの銀の葉裏の薄暑かな」と嵐田双歩さんの「大牡丹風に遅れて揺れにけり」がともに最高の7点を得た。二席は星川佳子さんの「灯台の白さましたる夕薄暑」と今泉而云さんの「母の日の残業終へて母走る」、岩田三代さんの「柿若葉まぶしきほどの生命かな」の3句が6点で並んだ。三席は水牛さんの「散りぎはも王者の気品白牡丹」が5点。以下、4点7句、3点15句、2点16句、1点33句となった。

句会では投句・選句数を減らしたことに対し、「ゆとりを持って句作・選句ができた」と好意的な感想が多く、各句への目配りがきき、合評会も盛り上がった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「薄暑」

オリーブの銀の葉裏の薄暑かな      大澤 水牛

灯台の白さましたる夕薄暑        星川 佳子

徒歩なれば色や音ある夕薄暑       金田 青水

大太鼓欅振るわす夕薄暑         杉山 智宥

夕薄暑音立ててゆく耕耘機        堤 てる夫

しじら織帽子の軽き薄暑かな       澤井 二堂

最後尾札持つ人の薄暑かな        鈴木 好夫

蝶の影小路に躍る薄暑かな        谷川 水馬

すれ違ふ着物の異人京薄暑        徳永 正裕

御柱訪ねて仰ぐ空薄暑          水口 弥生

「牡丹」

大牡丹風に遅れて揺れにけり       嵐田 双歩

散りぎはも王者の気品白牡丹       大澤 水牛

夕闇を払いのけるや白牡丹        岩田 三代

せせらぎを挟み月夜の白牡丹       金田 青水

大広間がらんとしてて白牡丹       植村 博明

大輪の細き項や白牡丹          大熊 万歩

やはらかく人遠ざくる牡丹かな      大下 綾子

散る牡丹栄華は他人に語らせよ      岡田 臣弘

白牡丹神話の里の薄明り         谷川 水馬

観音に微笑み返す夕牡丹         流合研士郎

ビロードの光たたへし黒牡丹       星川 佳子

「当季雑詠」

母の日の残業終へて母走る        今泉 而云

柿若葉まぶしきほどの生命かな      岩田 三代

母の日や母になる日を母に告げ      嵐田 双歩

ほの暗き森の奥へと水芭蕉        中村  哲

遠浅の首夏の冷たき干潟かな       金田 青水

畦塗りの老夫一日の賃仕事        堤 てる夫

風知るや蜜柑の花の咲き初めし      廣上 正市

《参加者》(出席)池村実千代、井上庄一郎、今泉而雲、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中村哲、藤野十三妹、星川佳子、水口弥生、横井定利。(投句参加)嵐田双歩、植村博明、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、金田清水、久保田操、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、流合研士郎、廣上正一、向井ゆり。

(まとめ・中村哲)

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酔吟会第128回例会

参加16名で「初鰹」「葉桜」を詠む

酔吟会は、5月13日(土)午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所会議室で、平成29年度第3回例会(通算128回)を開催した。兼題は「初鰹」「葉桜」で、出席者12名、投句参加は4名、投句総数は80句だった。

投句5句、選句7句で句会を進めた結果、最高点は5点で星川佳子さんの兼題句「葉桜や牛乳受けの残る家」、所用で欠席した谷川水馬さんの雑詠句「日の入りを惜しみて飛ぶや初燕」の2句であった。続く4点句は雑詠句の大澤水牛さんの「窓開けて夕餉支度の五月来ぬ」、高井百子さんの「溜池や水整ひて五月かな」の2句。3点句は玉田春陽子さんの「家出猫探す貼紙花は葉に」と澤井二堂さんの「葉桜に上野は元の上野のかな」の2句。もうひとつの兼題「初鰹」は、この日好調の星川佳子さんの「初鰹海なき県の居酒屋に」と玉田春陽子さんの「初鰹黄綬褒章祝う会」、さらに今泉而云さんの「水撒けば紺冴ゆるなり初鰹」がそれぞれ3点を獲得した。三点句はこれらを含めて計5句。以下、2点句が10句、1点が31句であった。兼題別三点句以上の高点句は次の通り。

「葉桜」

葉桜や牛乳受けの残る家       星川 佳子

家出猫探す貼紙花は葉に       玉田春陽子

「初鰹」

水撒けば紺冴ゆるなり初鰹      今泉 而云

初鰹黄綬褒章祝う会         玉田春陽子

初鰹海なき県の居酒屋に       星川 佳子

「雑詠」

日の入りを惜しみて飛ぶや初燕    谷川 水馬

窓開けて夕餉支度の五月来ぬ     大澤 水牛

溜池の水整ひて五月かな       高井 百子

葉桜に上野は元の上野かな      澤井 二堂

《参加者》(出席)今泉而云,大澤水牛、大沢反平、大平睦子、久保田操、岡田臣弘、片野涸魚、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、星川佳子。(投句参加)澤井二堂、谷川水馬、野田冷峰、藤野十三妹。 (報告 高井百子)

 

 

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番町喜楽会第139回例会

 

GW明けの真夏日、「五月」と「柏餅」を詠む

 

番町喜楽会の平成29年5月例会(通算第139回)は、ゴールデンウィーク明けの8日午後6時半から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。兼題のひとつは「五月」で、当日は日中の気温が28℃近くになり、汗ばむような感じもあったものの、風は爽やか。もうひとつの兼題は「柏餅」で、新聞紙で作った兜とか缶蹴りとか、昔を懐かしむような句が多く見られた。五月や柏餅からの連想によるものか、雑詠には鯉幟の句が五つ並んだ。

句会は、投句5句、選句6句で行った。最高は5点で、高瀬大虫さんの「新聞の兜の武将柏餅」と、田中白山さんの「足首を洗ふ五月の渚かな」が両雄。4点は嵐田双歩さんの「つい買ひし新刊本と柏餅」、今泉而云さんの「キャディふと呟けりアラほととぎす」、大澤水牛さんの「茄子胡瓜植えて連休過ぎにけり」と谷川水馬さんの「マネキンの臍のぞかせる五月かな」の4句が並び、3点は齊山満智さんの「目が合えば照れる赤ちゃん初節句」など10句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「五月」

足首を洗ふ五月の渚かな       田中 白山

マネキンの臍のぞかせる五月かな   谷川 水馬

海水を撒く塩田や能登五月      須藤 光迷

線香の風は五月の雑司ヶ谷      高井 百子

里山を浅黄に染めて五月来ぬ     谷川 水馬

百済野の風さへ青き五月かな     廣田 可升

くつきりと眉引く朝や五月来ぬ    廣田 可升

「柏餅」

新聞の兜の武将柏餅         高瀬 大虫

つい買ひし新刊本と柏餅       嵐田 双歩

いぢめつ子いぢめられつ子柏餅    大澤 水牛

限界の村に初孫柏餅         谷川 水馬

手入れ良き根来の盆や柏餅      玉田春陽子

缶蹴りの缶の行方や柏餅       廣田 可升

「雑詠」

キャディふと呟けりアラほととぎす  今泉 而云

茄子胡瓜植えて連休過ぎにけり    大澤 水牛

目が合えば照れる赤ちゃん初節句   齊山 満智

 

《参加者》(出席十七人)井上啓一、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島幻水、山口斗詩子。(投句参加三人)嵐田双歩、池内健治、澤井二堂。  (報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会第158回例会

参加34名で「春深し」「山吹」を詠む

 

日経俳句会の平成29年度4月例会(通算158回)は、4月19日(水)、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で19人が出席して開かれた。春先は何かと気ぜわしいのか欠席者が15人とやや多かったものの、投句数は34人から167句が揃い、賑やかな句会となった。また、中村哲さんの紹介で向井ゆりさんが初参加。この日は見学だけだったが、次回から例会に加わる。

兼題は「春深し」と「山吹」。7句選(欠席選句5句)の結果、星川佳子さんの「オルガンのはじめは空気春の昼」が最高の8点を獲得。二席は今泉而云さんの「頬に指当てて菩薩の春深し」と大熊万歩さんの「遅れたる時計そのまま春深し」が7点で並んだ。三席は、岩田三代さんの「春更けて庭打つ雨のやはらかき」と大沢反平さんの「山吹や昔富農の門朽ちて」が5点。以下、4点7句、3点12句、2点22句、1点39句だった。

次回からの投句数について会員の意向を確認したところ、満場一致で3句投句が決まった。5月例会からは、投句数を兼題句各1句と雑詠1句の計3句とする。

兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「春深し」

頬に指当てて菩薩の春深し     今泉 而云

遅れたる時計そのまま春深し    大熊 万歩

春更けて庭打つ雨のやはらかき   岩田 三代

首タオル外す掃除夫春深し     植村 博明

花々のむくろ掃き寄せ春更ける   德永 正裕

春深し役者めざしし友いずこ    藤野十三妹

春深し蘇州河畔にニ胡わたる    岡田 臣弘

春深し退職の身の居場所なく    中村  哲

夕されば門灯とろり春深し     水口 弥生

春深し西郷どんの疲れ顔      橫井 定利

春深しゴールデン街夫婦猫     橫井 定利

「山吹」

山吹や昔富農の門朽ちて      大沢 反平

山峡に十軒の屋根濃山吹      廣上 正市

すり抜ける犬の背をうつ濃山吹   星川 佳子

山吹の一枝部屋を照らしをり    岩田 三代

山吹をかざしに雨の野の仏     大倉悌志郎

濃山吹谷戸に小判を撒きにけり   高瀬 大虫

江ノ電の山吹揺らし過ぎにけり   高瀬 大虫

「当季雑詠」

オルガンのはじめは空気春の昼   星川 佳子

春の川アルプス溶かし白濁す    岩田 三代

菜を洗ふ水の軽さよ風光る     岡田 臣弘

野や山の春の苦味をピザにのせ   德永 正裕

花吹雪乗客となる無人駅      中村  哲

花冷や四谷の濠の水明り      水口 弥生

参加者(出席)=嵐田双歩、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、髙瀨大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、中嶋阿猿、中村哲、星川佳子、向井ゆり(見学)

(投句参加)池村実千代、植村博明、大熊万歩、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、高橋ヲブラダ、直井正、野田冷峰、藤野十三妹、廣上正市、水口弥生、村田佳代、横井定利

(まとめ・嵐田双歩)

 

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NPO双牛舎第10回総会を開催

双牛舎俳句大会に38名から76句

俳句の普及振興を事業目的とするNPO法人双牛舎は4月15日、東京・二番町の東京グリーンパンレスのレストラン「ジャルダン」で第10回年次総会を開催し、メンバーである日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の会員27名が出席した。一年を総括する今泉而雲云代表幹事の挨拶などに続いて、恒例の「俳句大会」が開催され総会は大いに盛り上がった。まずは昨年度俳句大会の上位入賞者に赤池渓舟先生揮毫の短冊が贈呈された後、今年度の上位入賞句決定、選句者による句評などが行われた。

俳句大会は第2回総会から実施され、9回目の今回は、「春眠」の兼題句と雑詠句の計2句を事前に投句、会場に掲示された大型選句一覧表に「選句シール」を貼付する方式で各人5句ずつ選句した。投句総数は38人76句。

最高の「天」賞に輝いたのは、徳永正裕さんの「春耕の一鍬ごとに土生まる」で12点。「地」賞は11点で嵐田双歩さんの「散り散りにやがて一つに花筏」。「人」賞は玉田春陽子さんの「そつと息確かめらるる朝寝かな」が9点で続いた。「入選」は7点句が2句、6点句が3句だった。

陶芸にいそしんでいる大澤代表理事と須藤理事からの陶芸作品や大澤代表の手造り梅酒、梅干が賞品として提供され、「天」「地」「人」「入選」の作者のみならず、出席者全員に贈られた。

また今回の入賞作は書家の赤池溪舟さん揮毫の短冊に作られ、来年の俳句大会の席でそれぞれの作者に贈られる予定。

第9回俳句大会入賞作品は次の通り。

「天」春耕の一鍬ごとに土生まる       徳永 正裕

「地」散り散りにやがて一つに花筏      嵐田 双歩

「人」そつと息確かめらるる朝寝かな     玉田春陽子

「入選」

春眠の目覚めやいのち恙なし        河村 有弘

花冷えや云はざる事の二つ三つ       廣田 可升

かいな寄せぬくもり抱き春眠す       久保田 操

春眠の妻起きたるを遠く聞き        深瀬 久敬

春眠や猫来て確かむ吾が寝息        前島 幻水

春眠の読経の中に忍び入る         宇佐美 諭

相席の人妻会釈桜もち           田中 白山

どの空も花花花の上野かな        澤井 二堂

(まとめ・谷川 水馬)

 

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英尾先生墓参・八王子城跡吟行

没後十三年、英尾師墓参に十人

悲劇の八王子城跡を吟行

春の恒例行事、英尾先生墓参は没後十三年目の今年、近隣の八王子城跡散策を合わせて4月8日(土)に実施、日経俳句会、番町喜楽会の10人が参加した。時折雨のちらつく曇天で、集合場所のJR中央線高尾駅の人だかりは、いつになく少なめ。定刻の10時過ぎ、駅前バス停で乗車、都立八王子霊園に向かう。沿道の桜並木、霊園の染井吉野はしっかり開花していた。

墓前に供花、線香を焚いて一同祈りを捧げ、霊園の北側門から出て、八王子城跡の城山を目指す。緩やかな上り道は住宅地の中。各戸の庭の草花、桜や桃の花が目を引く。途中、北条氏照(落城時の城主)の墓や城跡管理棟、ガイダンス施設に寄って八王子城大手門跡に辿り着く。

城跡は昭和26年に国の史跡に指定され、発掘調査、復元工事が実施された。江戸時代の廃城で、失われた遺構も多い。大手門の位置は推定、城内に入る曳橋も想定で造られた。居館跡の冠木門も「御主殿」の礎石や庭園なども推定の復元工事という断り書き付き。虎口の石垣は鋭い断面、石段の石も摺り減った丸みはない。この城は戦国時代関東一円を治めた後北条氏の北西部を守る堅城だが、築城開始から10年足らずで天下統一を目指す豊臣秀吉軍に攻められ落城した(天正18年=1590年)。

城山頂上の本丸跡まで40分ほどの行程というが、雨で足元が危ないと判断し、御主殿跡の広場で昼食。大阪からの「百名城ツアー」の団体客がどっと来たりの賑わい広場だ。御主殿広場の坂を下った先に落城時、北条方の武将、婦女子の自決の場になったという「御主殿の滝」がある。小田原攻めの豊臣勢(上杉景勝、前田利家、真田昌幸ら)に囲まれ、氏照正室・比佐をはじめ城内の婦女子が自刃、あるいは滝に身を投げた。滝から城山川にかけて三日三晩血に染まったという。目の前の滝は渇水期で、水量は極めて少なかったが、崖の砂岩は鋭く切立っていた。落城は小田原の北条一族を一気に滅亡に追い込んだ。

昨年は、氏照のもう一つの居城、滝山城址公園の桜吟行だった。二年続きで「後北条家」の歴史を辿る吟行、ともに印象深く記憶に刻まれた。

同日の参加者は、大澤水牛、今泉而云両顧問に田中白山、岡田臣弘、野田冷峰、澤井二堂、杉山智宥、徳永正裕、中村哲各氏と堤てる夫幹事。

恒例のメール句会は3句投句・5句選句で、「天」(5点)、「地」(3点)、「人」(2点)、「入選」(1点)で採点した。その結果、最高は「天」三つの15点を得た田中白山さんの「氏照の墓への道の初音かな」だった。次席は11点で、中村哲さんの「春の城盛衰語る古陶片」。三席は9点で杉山智宥さんの「風渡る主従の墓石すみれ草」となった。参加10人の代表句は次の通り(天地人句の作者の場合はそれ以外の作品を掲げる)。

戦国の悲劇の城址花を見ず      今泉 而云

花に影氏照いやす呼子鳥       岡田 臣弘

姫君の自決の巌や藪椿        大澤 水牛

御主殿の滝清らかに花筏       澤井 二堂

城址に春の気満載バスツアー     杉山 智宥

花曇り本丸あたり靄の中       田中 白山

春の雨上がり十三年忌かな      堤 てる夫

ありったけの御香くゆらせ春の墓   徳永 正裕

英尾忌や枝垂桜の誘ひをり      野田 冷峰

落城の悲話ある滝に藪椿       中村  哲

(報告 堤てる夫)

 

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番町喜楽会第138回例会

「春愁」と「土筆」を詠む

番町喜楽会の平成29年4月例会(通算138回)は、4月1日(土)午後6時から、「春愁」と「土筆」を兼題として九段下の割烹「味さと」で開いた。投句者は19名、投句総数91句。当夜は14名が九段下の会場“味さと”に集まり句会を開催した。選句6句で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「片づかぬ書架に春愁いすわりぬ」が6点でトップに輝いた。また、同じく玉田春陽子さん、廣田可升さん、嵐田双歩さん、星川佳子さんの5点句が続いた。以下、4点が4句、3点も4句、2点13句、1点が29句と続いた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春愁」

片づかぬ書架に春愁いすわりぬ     玉田春陽子

春愁を炭酸で割る午後のバル      廣田 可升

我が妻に春愁のありパンを焼く     高井 百子

春愁も入れて独りのミルクテイ     玉田春陽子

「土筆」

礎は国分寺跡つくしんぼ        玉田春陽子

吾子の手の土筆湿りて温かし      嵐田 双歩

恐竜の踏みし丘辺や土筆摘む      大澤 水牛

つくし野の名のみ残りし相模の野    前島 幻水

「雑詠」

蛇口より春の水出る厨かな       嵐田 双歩

しゃがみこむ子を待つ母の四月かな   星川 佳子

航空機ぐらりと着地春一番       今泉 而云

春の泥どかどかと来る選手達      田中 白山

遠富士や方里埋めて芝桜        谷川 水馬

〈参加者〉

【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子。【投句参加5人】池内健治、大下綾子、齊山満智、澤井二堂、前島幻水。

(報告・谷川水馬)

 

 

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三四郎句会第47回例会

岡本さんの「初つばめ」が最高点獲得

宇野木さん、三句高点の好成績

三四郎句会の2017年3月例会(第47回)は16日午後1時半から東京・神田錦町の宗保第二ビル内で行われた。出席者は前回と同じ顔ぶれの12人。欠席投句・選句の2人を加えて参加者は14人となった。兼題は「春の空(春の雲)」と「木の芽」。選句の結果、「駅長の肩掠めたる初つばめ」(岡本崇)が最高点の6点。「たんぽぽを手みやげにして車椅子」(宇野木敦子)、「春の雲分け入り逝し紫電改」(河村有弘)、「老木も目覚めて木の芽そつと出し」(竹居照芳)の3句が4点で続いた。宇野木さんは4点句のほか、2句が3点を獲得する活躍ぶりだった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「春の空」(「春の雲」も可)

春の雲分け入り逝し紫電改       河村 有弘

羽田沖機影まばゆき春の空       深瀬 久敬

田興しの農夫見やりし春の雲      吉田 正義

「木の芽」

老木も目覚めて木の芽そっと出し    竹居 照芳

一山を木の芽の包み始めたり      今泉 而云

まんまると頬膨れたる木の芽かな    宇佐美 諭

うこぎの芽摘みてふる里想ふ味     宇野木敦子

木々の芽の妻の介護の窓辺かな     岡本  崇

春ですよ小さな声で木の芽たち     田村 豊生

「当季雑詠」

駅長の肩掠めたる初つばめ       岡本  崇

たんぽぽを手みやげにして車椅子    宇野木敦子

雛の日の引き潮に乗り友が逝く     宇野木敦子

戸惑いを三寒四温の陽だまりに     渡邊  信

◇出席者 石黒賢一 石丸雅博 今泉而云 宇佐美論  宇野木敦子 河村有弘  後藤尚弘 竹居照芳 田村豊生  深瀬久敬 吉田正義 渡邉信=12人

◇欠席投句選句者 印南進 岡本崇=2人

(報告 今泉而云)

 

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日経俳句会第157回例会

「春一番」「草餅」に39人から投句190句

反平さん、断トツの13点句

 

日経俳句会は3月15日(水)、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で3月例会(通算157回)を開いた。彼岸入りを目前にして寒さがぶり返す中、39人から190句もの投句があった。投句者数、総句数ともこれまでの最高。

兼題は「春一番」と「草餅」。最高点は大沢反平さんの「病妻に野を分けたくて蓬餅」で、13点というかつてない高点を獲得した。次点は8点で加藤明男さんの「カタカタと絵馬のいななき春一番」。その後、嵐田双歩さんの「バンダナの似合ふ母なり草の餅」(7点)、大澤水牛さんの「あめつちの気を搗き込んで草の餅」(6点)と続いた。5点は植村博昭さんの「半鐘の鳴り出しさうな春一番」など3句、4点は大下綾子さんの「手のぬくみ大地のぬくみ草の餅」など6句が並んだ。以下3点16句、2点23句、1点47句と続いた。兼題別高点句(3点句以上)は以下の通り。

「春一番」

カタカタと絵馬のいななき春一番    加藤 明男

半鐘の鳴り出しさうな春一番      植村 博明

自転車をなぎ倒しゆく春一番      岩田 三代

春一番ひとの名前がでてこない     大下 綾子

春一番起立せし君髪が舞う       高橋ヲブラダ

春一番初球ずしんとストライク     徳永 正裕

春一番何処(いずこ)へ往かむ一人旅       井上庄一郎

閉店の貼り紙ちぎれ春一番       植村 博明

息子の手妻がたぐりて春一番      植村 博明

巨木の葉すべて返るや春一番      大熊 万歩

春一番しぶきの洗礼いるかショ―    岡田 臣弘

春一番自堕落暮らし持ってって     岡田 臣弘

占いの看板飛ばし春一番        中嶋 阿猿

ベランダに風紋の朝春一番       水口 弥生

「草餅」

病妻に野を分けたくて蓬餅       大沢 反平

バンダナの似合ふ母なり草の餅     嵐田 双歩

あめつちの気を搗き込んで草の餅    大澤 水牛

故郷に母は健やか蓬餅         大倉悌志郎

手のぬくみ大地のぬくみ草の餅     大下 綾子

草餅や大地の息吹き閉じ込めて     岩田 三代

火箸もて草餅炙る老婆かな       髙瀨 大虫

風光る塵一つ無き平林寺        堤  てる夫

故郷の山河包める蓬餅         中村  哲

蓬餅すり鉢おさえて手伝う子      村田 佳代

「当季雑詠」

啓蟄の町に就活溢れ出る        大沢 反平

四肢伸ばしまた春眠にもどりたる    須藤 光迷

春光や印花彫る手に泥の跡       須藤 光迷

犬ふぐり持ち上げ今朝のもぐら塚    谷川 水馬

卒業証書肘伸ばす手の高きかな     廣上 正市

傘ささぬ人も過ぎゆく春の雨      星川 佳子

 

参加者(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、今泉而云、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、髙瀨大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中村哲、中嶋阿猿、野田冷峰、廣上正市、星川佳子、(投句参加)池村実千代、岩田三代、植村博明、大石柏人、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、須藤光迷、高橋ヲブラダ、流合研士郎、深田森太郎、藤野十三妹、村田佳代、水口弥生、横井定利

(まとめ・廣上正市)

 

 

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酔吟会第127回例会

 

参加15人で「若鮎」「山笑ふ」を詠む

酔吟会は3月11日午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所会議室で、平成29年度第2回例会(通算127回)を開催した。兼題は「若鮎」と「山笑ふ」で、出席者12名、投句参加は3名、投句総数は75句だった。

投句5句、選句7句で句会を進めた結果、最高点は4点、片野涸魚さんの「噴水を横に飛ばして春一番」の1句であった。兼題句の「若鮎」では藤野十三妹さんと谷川水馬さんの3点句が並び立ち、「山笑ふ」では、徳永正裕さんが3点句を2句ものにした。以下2点句が16句、1点句は27句と票が分かれた中で、投句参加の大石柏人さんは、投句した5句すべてに点が入り、春になって好調な滑り出し。兼題別3点以上の高点句は次の通り。

「若鮎」

放流の子らの手滑る稚鮎かな     谷川 水馬

若鮎の命の苦み酒に溶く       藤野十三妹

「山笑ふ」

鬱の字をやつと書けたり山笑ふ    徳永 正裕

なで地蔵すり減るあたま山笑ふ    徳永 正弘

「雑詠」

噴水を横に飛ばして春一番      片野 涸魚

ブランコを取り払ひけり老団地    大石 柏人

長閑しや埴輪の馬の尻丸く      谷川 水馬

霞立つ鯨の背といふ埠頭       玉田春陽子

 

参加者(出席)今泉而云,大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、星川佳子

(投句参加)大石柏人、澤井二堂、藤野十三妹

(記録報告 高井百子)

 

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