金沢吟行句会の結果発表

金沢吟行句会報告

最高点は水牛さん8点句、次席二堂、白山、徳永三氏

11月26,27両日挙行した逆回り奥の細道吟行金沢編は恒例のメール句会で仕上げとなった。吟行に参加した19人全員が帰京後メールで3句投句、5句選句し幹事が集計した。その結果、大澤水牛さんの「一笑の墓にごろりと花梨の実」が8点を得て最高点に輝いた。次席は5点で、澤井二堂さんの「木虫籠(きむすこ)にもれる茶屋の灯冬構え」、田中白山さんの「犀川のしぶきに朝の冬日差し」、徳永正裕さんの「冬雲のこらえきれずに加賀の雨」の3句が並んだ。続く4点句には「もてなしは加賀の冬の日まいどさん」(嵐田双歩)、「一人去り一人来たれり冬ぬくし」(大下綾子)、「寺町を迷ふ楽しみ冬構」(白山)、「へしこ買ひおみちょ市場で燗の酒」(谷川水馬)、「共に喰ふ治部煮の鉢のぬくみかな」(廣田可升)、「読みさしの北国新聞冬の旅」(可升)の6句。3点句は「どの路地も落葉踏む径加賀の道」(双歩)、「のどぐろや濁音やさし加賀言葉」(水牛)、「冬の旅丈六釈迦の笑みに逢ふ」(岡田臣弘)、「雪吊の今は休めの姿勢かな」(玉田春陽子)、「寺町の瓦くろぐろ加賀時雨」(中村哲)の5句だった。参加者の作品集は以下の通り。

☆       ☆       ☆

どの路地も落葉踏む径加賀の道       嵐田 双歩

もてなしは加賀の冬の日まいどさん

バス待てどみんなづぶ濡れ加賀時雨

無住寺無住の家や帰り花           今泉 而云

丈六に金箔残る冬微光

屋根屋根の遥かや冬の日本海

のどぐろや濁音やさし加賀言葉       大澤 水牛

丈六の御胸のあたり冬日射し

一笑の墓にごろりと花梨の実

冬の町どこ歩きても水の音         大下 綾子

一人去り一人来たれり冬ぬくし

冬うらら声よく通るまいどさん

寒さ来る荒廃寺社も古木延ぶ         大平 睦子

時雨後つや出た瓦石垣美

初冬の思ひは静か犀の川

冬の旅丈六釈迦の笑みに逢ふ        岡田 臣弘

赤門寺わらじ痛かろ冬の旅

W坂人生模様冬吟行

丈六の木肌のぬくもり加賀の冬        澤井 二堂

木虫籠(きむすこ)にもれる茶屋の灯冬構え

雪吊の綱あたらしや兼六園

鳶を追ふ鴉の母や冬座敷          塩田 命水

主なき寺に日差しや冬紅葉

育つ子へわらじの恵み山眠る

まいどさん成すすべもなし加賀時雨     高井 百子

冬吟行宿のもてなし「瓜なすび」

古池や黄葉舞ひ落つ蓮の上

犀川はセーヌに似たり黄の落葉       高瀬 大虫

つまされる北枝の話し雪催

あぶらのる加賀の喉黒これ絶品

城下町あちらこちらに実南天        田中 白山

寺町を迷ふ楽しみ冬構

犀川のしぶきに朝の冬日差

冬の雨リュックの酒も濡れにけり      谷川 水馬

へしこ買ひおみちょ市場で燗の酒

絡みつく枯蔓踏み宝泉寺

犀川や瀬音にまぎれ時雨をり        玉田春陽子

雪吊の今は休めの姿勢かな

貸衣裳色をともすや加賀の冬

丈六の釈迦如来像障子背に         堤 てる夫

雪吊の縄目匂へり加賀の朝

枯葉踏む北枝の墓所に詣けり

金沢に寺町三つ小春かな          徳永 正裕

黄落や丈六仏は金の顔

冬雲のこらえきれずに加賀の雨

寺町の瓦くろぐろ加賀時雨         中村  哲

文字消えし句碑を隠すや散紅葉

手取川戦国遠し冬夕焼

落鱸相聞知りて句碑巡り          野田 冷峰

寺町の上り下りて冬ぬくし

深々と雪降る予感加賀時雨

共に食ふ治部煮の鉢のぬくみかな      廣田 可升

読みさしの北國新聞冬の旅

しとど打つ加賀の甍や冬の雨

冬紅葉心の道のうねうねと         星川 水兎

どの家にも雪吊すみし城下町

冬の雨に軒先借るも能登の旅

(吟行句会取りまとめと報告;堤てる夫)

 

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日経俳句会・番町喜楽会合同「金沢吟行」

 

総勢19人で金沢中心に芭蕉の足跡を訪ねる

ビッグイベント「逆回り奥の細道」がようやく完結

 

日経俳句会と番町喜楽会は11月26、27両日、北陸の加賀路のスポット、金沢を中心に芭蕉の足跡を辿った。「逆回り奥の細道」吟行は平成26年1月、足掛け6年かけて終着の深川・採茶庵跡に着いて一応締め括った。ただ毎回一泊二日の旅を9回重ねるうちに金沢の地をスキップしていたのが心残り。「補習編」として今回の金沢吟行挙行となった。

参加者は大澤水牛、今泉而云両氏はじめ総勢19人。初日の夕刻、激しい時雨に遭遇したほかは晩秋の行楽日和。芭蕉金沢入りを記念する「巡錫地」碑の小坂神社を皮切りに、金沢城北側の卯辰山山麓寺院群を訪ねた。蕉門十哲のひとり立花北枝の墓がある心蓮社、金沢三大仏「丈六の釈迦如来立像」がある蓮昌寺、浅野川越しに金沢市街の景観をうかがう宝泉寺などを巡って、「ひがし茶屋街」をぶらぶら歩き。浅野川大橋傍の「禁煙室」という名の珈琲館(実は灰皿完備)で、大休止した。お昼に北陸新幹線金沢駅に集合し、バスを乗り継いだ他は歩きづめ。コーヒー一杯でつい長居している内に本降りの雨となった。

夕刻の時雨とあって道路は渋滞、バスもタクシーもままならない。バス停で小半時も立ちつくす中、なんとかタクシーを捕まえ宿の「由屋るる犀々」に。犀川大橋の上手、川沿いの道路に面した六階建ての宿は、団体客よりは家族旅行に向いた作り。しかし大広間は至極広い空間が用意されていた。

加賀料理の極め付きはのどぞぐろの姿焼き。一同しばらく声も立てずに箸を動かした。のどぐろを「季語」にと衆議一決、吟行句会には「のどぐろ」の句とやはり晩餐に出された治部煮の句が目立った。呑み放題の「手取川」を詠んだ句もあった。

二日目の金沢は朝9時出発。初日に引き続き金沢観光協会のボランティア・ガイド「まいどさん」の穴田克美さん、福岡澄子さんのお二人が迎えに来て下さった。前日来、馴染みとなった黄色いジャンパーが頼もしい。早朝の小雨がすっかり上がって、宿から犀川沿いの道をくだり、桜橋傍の左手「W坂」を上る。斜行を繰り返して急斜面を上がって行く階段は、下から見上げるとWの字に見える。ハイカラな名付けは金沢文人か。

坂を登った寺町の寺院群には、長久寺の「秋涼し手毎にむけや瓜茄子」、成学寺の「あかあかと日はつれなくも秋の風」など芭蕉の句碑がある。願念寺は小杉一笑の菩提寺。芭蕉の来訪を心待ちにしながら逢えぬまま亡くなった一笑に、芭蕉は「塚も動けわが泣く声は秋の風」の句を手向けた。

犀川大橋に戻って金沢きっての繁華街、香林坊方面に向かう。その手前、片町の大通りに、今はゲームセンターなどが入る巨大なアミューズメント・ビルが建っている。「ここが芭蕉が金沢滞在の10日間のほとんどを過ごした宿屋の跡です」と「まいどさん」が説明して下さる。説明されなければ到底分からない、町の変貌ぶりである。ここで穴田さん、福岡さんのお二人と別れの挨拶を交わした。金沢吟行団もここで解散、三々五々昼食兼ねての自由行動に。市内の金沢城址公園や兼六園見学に回った人たち、小松市で芭蕉碑巡りを続けた人、逆方向の高岡市に向かった人たち、様々な展開をみせた。

金沢で「逆回り奥の細道」吟行の幕引きをした一行の顔ぶれは、大澤水牛、今泉而云両氏のほか、嵐田双歩、大下綾子、大平睦子、岡田臣弘、澤井二堂、塩田命水、高瀬大虫、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎各氏と、幹事の堤てる夫。(吟行報告者;堤てる夫)

 

 

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番町喜楽会第146回例会

「狐火」と「湯豆腐」を詠む

水馬さん、8点句でトップ飾る

番町喜楽会は平成29年12月例会(通算146回)を12月2日(土)午後6時から九段下の割烹「味さと」で、「狐火」と「湯豆腐」を兼題に開催した。投句者は22名、投句総数105句。そのうちの18名が会場に集まり、いつものように食べかつ飲みながらの賑やかな句会を始めた。投句5句、選句6句で行った結果、谷川水馬さんの「相棒は子と同い年おでん酒」が8点でトップに輝いた。これに玉田春陽子さんの「湯豆腐や夢は大方夢のまま」、星川佳子さんの「玄関をポインセチアであたためり」の6点句が続いた。以下、5点が2句、4点2句、3点10句、2点18句、1点24句と続いた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「狐火」

狐火に寄り添うほどの孤独かな     齊山 満智

狐火や北國街道山に入る        高井 百子

狐火のふらとあらはる登り窯      廣田 可升

狐火や母の記憶の手の温み       前島 幻水

「湯豆腐」

湯豆腐や夢は大方夢のまま       玉田春陽子

湯豆腐や葱は嫌ひと言ふ男       須藤 光迷

好物は湯豆腐ですと婿候補       齊山 満智

湯豆腐やかつて諍ひありし仲      廣田 可升

来ぬ人や湯豆腐つひに暴れだす     大澤 水牛

湯豆腐や密談めきし隅の客       玉田春陽子

湯豆腐の踊れば止まる愚痴話      徳永 正裕

「雑詠」

相棒は子と同い年おでん酒       谷川 水馬

玄関をポインセチアであたためり    星川 水兎

牡蠣打ちの女の尻の並びをり      田中 白山

ぼやき節ご破算にして日記買ふ     谷川 水馬

ジーパンの二本干されて冬の空     中村 哲

瘡蓋のごと年重ね暮れてゆく      廣田 可升

《参加者》【出席18人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加4人】池内的中、大下綾子、澤井二堂、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第164回例会

 

参加35名で「小春」と「障子」を詠む

日経俳句会の平成29年度11月例会(通算164回)は11月15日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で行われた。本格的な冬の訪れを前に小春日が続く中、20人が顔を揃え、和やかな雰囲気の句会となった。

兼題は「小春」と「障子」。投句参加を加え35人から105句の投句があり、5句選句の結果、今泉而云さんの「更地また更地みちのく夕時雨」が最高の9点を集めた。次いで杉山智宥さんの「百歳がお店に出てる小六月」が8点を獲得、6点句には杉山さんの「口実を使い尽くして障子貼り」と横井定利さんの「立冬や平たき顔のお豆腐屋」が入った。このほか5点に3句、4点に4句と続き、3点に17句が並ぶなど点がバラつく形となった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「小春」

百歳がお店に出てる小六月       杉山 智宥

小春日や懐紙に包む金平糖       大下 綾子

小春日や山歩きせし日々のこと     井上庄一郎

唐突に窓を拭くなり小春空       植村 博明

物干しにあれもこれもと小春の日     植村 博明

昼コーヒー持って歩けば小春かな    鈴木 好夫

小春日の岬に立てば鳶の笛       谷川 水馬

小春日の読経のびやかのびやかに    徳永 正裕

洗い場のおしゃべり果てぬ小春かな   中村  哲

小春日や街路に鳩のふくみ声      野田 冷峰

師の手紙読み返したる小春かな      流合研士郎

小春日に臥し居る心ただ痛き       藤野十三妹

「障子」

口実を使い尽くして障子貼り      杉山 智宥

母眠り障子の桟の薄埃          今泉 而云

破れ障子おまけのシール貼ってある   大下 綾子

病癒ゆ朝日に障子開け放つ       大倉悌志郎

手を合はす障子明かりの菩薩像     徳永 正裕

父母の声まだ残る障子の間       横井 定利

その奥に秘密あるらし障子穴      植村 博明

今朝の日を諸手で開く白障子       廣上 正市

「当季雑詠」

更地また更地みちのく夕時雨       今泉 而云

立冬や平たき顔のお豆腐屋       横井 定利

捨ぶねの藻のあをあをと冬ざるる    金田 青水

枯芒日は陸奥湾に落ちんとす      岩田 三代

冬めくや眼厳しき修復師        大沢 反平

鳥渡る約束の地のあるごとく      大下 綾子

白雲を拭ひ続ける枯れ薄        高瀬 大虫

山茶花のあるかなきかの風に散る     星川 水兎

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生。(投句参加)井上庄一郎、植村博明、大熊万歩、大沢反平、大下綾子、大平睦子、金田青水、久保田操、高橋ヲブラダ、直井正、中嶋阿猿、流合研士郎、廣上正市、向井ゆり、横井定利。(報告・中村哲)

 

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酔吟会第131回例会

「冬めく」は冷峰さん、春陽子さん、「落葉」は水兎さん

酔吟会は11月11日(土)午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所(MIFビル)会議室で、平成29年度第6回例会(通算131回)を開催した。兼題は「冬めく」「落葉」で、出席者12名、投句参加4名、投句総数は80句だった。

兼題「冬めく」の最高点は野田冷峰さんの「冬めくや鬼も濃い目のルージュ引く」、玉田春陽子さんの「冬めくや巫女の速足鳩散らす」の4点句。次席3点は谷川水馬さんの「冬めくや烏の滑るすべり台」だった。「落葉」句は星川水兎さんが「落葉はく谷中の老いの多きこと」の4点でトップ、3点は冷峰さんの「日の名残り落葉彩るロンドン塔」、春陽子さんの「異人墓地石の聖書に落葉舞ふ」、高井百子さんの「落葉掃き名残り蛙の動かざる」が続いた。この他の3点は雑詠で3句あった。続く2点は7句、1点が33句だった。3点句以上は以下の通り。

「冬めく」

冬めくや巫女の早足鳩散らす        玉田春陽子

冬めくや鬼も濃い目のルージュ引く     野田 冷峰

冬めくや鴉の滑るすべり台         谷川 水馬

「落葉」

落葉はく谷中の老の多きこと        星川 水兎

落葉掃き名残り蛙は動かざる        高井 百子

異人墓地石の聖書に落葉舞ふ        玉田春陽子

日の名残り落葉彩るロンドン塔       野田 冷峰

「雑詠」

老友を囲む老友冬ぬくし          大澤 水牛

ひつじ田や輪廻転生だんご虫        高井 百子

小春日や今日のキャラメル一個舐め     谷川 水馬

【参加者】(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、星川佳子。(投句参加)久保田操、玉田春陽子、野田冷峰、藤野十三妹。(まとめ 高井百子)

 

 

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番町喜楽会第145回例会

 

「渡り鳥」と「冬隣」を詠む

谷川水馬さん7点句でトップ

 

番町喜楽会の平成29年11月例会(通算145回)は、6日午後6時半から、「渡り鳥」と「冬隣」を兼題として東京・九段下の蕎麦処「丸屋」で行われた。通常、奇数月の会場は千代田区生涯学習館なのだが、イベントで使用できなくなったため振り替えたもの。投句5句、選句6句の結果、最高は谷川水馬さんの「空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣」で7点。次席の6点には徳永正裕さんの「初霜の畑に残る菜屑かな」、三席には堤てる夫さんの「冬隣刈田にかかる山の陰」、中村哲さんの「それぞれに故郷のあり鳥渡る」、星川水兎さんの「冬隣肌のぬくみの帯をとく」の3句が5点で並んだ。4点は2句、3点は7句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「渡り鳥」

それぞれに故郷のあり鳥渡る       中村  哲

一望の洛中洛外鳥渡る          廣田 可升

一日(ひとひ)ごと賑はふ沼や渡鳥    前島 幻水

夕映えの国会議事堂鳥渡る        今泉 而云

鳥渡るビルの谷間に人流れ        塩田 命水

「冬隣」

空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣      谷川 水馬

冬隣刈田にかかる山の陰         堤 てる夫

冬隣肌のぬくみの帯をとく        星川 水兎

ぬる燗を交はす友亡く冬隣        池内 的中

黄昏の両手ポケット冬隣         田中 白山

酒蔵の米蒸すけむり冬隣         徳永 正裕

「雑詠」

初霜の畑に残る菜屑かな         徳永 正裕

秋霖の真田の里は鎮まれり        高井 百子

野を焼きし香りとともに父帰る 星川 水兎

『参加者』(出席18人)嵐田双歩、池内的中、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎。(投句参加4人)齊山満智、澤井二堂、前島幻水、山口斗詩子     (報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会第163回例会

 

今泉さんと深田さん11点句連発

37人が参加、「秋冷」「鵙」を詠む

10月18日(水)、日経俳句会の平成29年度10月例会(通算163回)が千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。秋の長雨が止んだものの急に寒くなって体調を崩した人もいたようだが、22人が出席(欠席投句15人)して賑やかな句会となった。

「秋冷」と「鵙」の兼題で37人から110句の投句があった。5句選の結果、而云さんの「本堂の床秋冷の黒光り」と森太郎さんの「シテ去りて秋冷残る能舞台」の2句が断トツの11点を集めた。次点の8点句には反平さん「鵙高音谷の深さを告げにけり」が選ばれ、6点句に双歩さんの「てっぺんを鵙に預けて古木立つ」と阿猿さんの「秋祭り後ろ姿の似たる人」が続いた。以下5点7句、4点3句、3点9句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「秋冷」

本堂の床秋冷の黒光り       今泉 而云

シテ去りて秋冷残る能舞台     深田森太郎

秋冷や足の裏にも運命線      嵐田 双歩

秋冷やぬる燗といふ選択肢     植村 博明

秋冷を足先で知る寝起きかな    澤井 二堂

秋冷や山の湿りの上着脱ぐ     星川 佳子

「鵙」

鵙高音谷の深さを告げにけり    大沢 反平

てっぺんを鵙に預けて古木立つ   嵐田 双歩

藍染の旅のジャケット鵙日和    星川 佳子

消火ホース高々干され鵙日和    德永 正裕

道すがら不義理かぞへて鵙日和   中嶋 阿猿

鵙の声いまだに聴かず樹々高し   井上庄一郎

鵙鳴いて双眼鏡の譲り合ひ     植村 博明

新築の免振神社鵙日和       大熊 万歩

百舌鳥叫ぶ此処に柿の木あったはず 大澤 水牛

廃校や鵙なわばりを告げてをり   金田 青水

当季雑詠

秋祭り後ろ姿の似たる人      中嶋 阿猿

雲すこしありて生き生き今日の月  大澤 水牛

寛解の米寿の兄へ良夜かな     岡田 臣弘

漆黒の夜を統べたる金木犀     徳永 正裕

幾重にも分かれる道や吾亦紅    星川 佳子

終バスの赤き行き先虫の闇     大熊 万歩

敬老日なじみ風呂屋に救急車    岡田 臣弘

散り際の高き薫りや金木犀     谷川 水馬

参加者(出席)=嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣上正市、星川佳子、向井ゆり(投句参加)植村博明、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、高橋ヲブラダ、直井正、中嶋阿猿、流合研士郎、深田森太郎、藤野十三妹、水口弥生、横井定利

(まとめ・嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第144回例会

 

「天高し」と「鰯」を詠む

水馬さん、9点句でトップ飾る

 

番町喜楽会は平成29年10月例会(通算144回)を10月7日(土)午後6時から九段下の割烹「味さと」で開催した。例会出席者は20名、投句参加2名、投句総数は109句。兼題は「天高し」と「鰯」で、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、谷川水馬さんの「旅立ちのアサギマダラや天高し」が9点でトップに輝いた。また、中村哲さんの「手開きは妻の手ほどき鰯刺」の6点句が続いた。以下、5点句が3句、4点3句、3点9句、2点12句、1点37句という結果だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

なお、今回から星川佳子さんが俳号を「水兎」とし、池内健治さんが「的中」と名乗ることを発表、また谷口命水さんは「塩田命水」と改名した。

「天高し」

旅立ちのアサギマダラや天高し     谷川 水馬

天かくも高きか琵琶湖ど真ん中     今泉 而云

秋高し野点の席に登山靴             玉田春陽子

天高し磨きあげたる靴の先       塩田 命水

天高し総帆展帆日本丸         大澤 水牛

騎馬戦の陣立てなれり天高し      須藤 光迷

海へ落つ能登の棚田や秋高し      須藤 光迷

天高し谷の底行く小海線        中村 哲

「鰯」

手開きは妻の手ほどき鰯刺       中村 哲

人に生れ鰯に生れてつみれ汁      今泉 而云

鰯煮る潮引くように同期逝き      須藤 光迷

ぴちぴちと朝の汀(みぎわ)の鰯かな   高瀬 大虫

群れ鰯竜巻となる水族館        徳永 正裕

「雑詠」

腹立てしこと薄れゆく良夜かな     嵐田 双歩

川風に絮泳がせて藤袴         谷川 水馬

秋雨をさけて駅舎のつがい鳩      池内 的中

荷を降ろし下る坂道秋楽し       齊山 満智

《参加者》【出席20人】嵐田双歩、池内的中、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加二人】澤井二堂、山口斗詩子。

(報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第162回例会

 

「秋風」と「曼殊沙華」を詠む

8点句3人をはじめ高得点句目白押し

 

日経俳句会の平成29年9月例会(通算162回)は9月20日(水)午後6時半から、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。台風18号が残暑を運び去り、涼しい風に誘われるように22人が出席(投句参加13人)、高得点句続出で合評会は秋の夜長に熱く盛り上がった。

兼題は「秋風」と「曼殊沙華」。投句総数105句、5句選の結果、大熊万歩さんの「封印の郵便受けや曼珠沙華」と岡田臣弘さんの「友逝きてひとり烏鷺置く秋の夜」、徳永正裕さんの「秋蝶を追ふ目の優し車椅子」の3句が最高8点で並んだ。次いで植村博明さんの「赤銅の警備員ゐて秋の風」が7点を獲得、6点句には藤野十三妹さんの「曼珠沙華燃ゆる真中に石舞台」と向井ゆりさんの「曼珠沙華遺品整理の嫁二人」が入った。このほか5点に5句、4点に5句、3点8句と続いた。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「秋風」

赤銅の警備員ゐて秋の風         植村 博明

秋風や棚田は海になだれ落ち       嵐田 双歩

落書きのかすれしハート秋の風      大熊 万歩

秋風に大口開けて寺の門         今泉 而云

わが影にふと老い見たり秋の風      大倉悌志郎

秋風を探して百段登りきる        大沢 反平

ふうふうと犬の毛動く秋の風       鈴木 好夫

まばらなる回転木馬秋の風        星川 佳子

仏壇のバーゲンセール秋の風       横井 定利

「曼殊沙華」

封印の郵便受けや曼珠沙華        大熊 万歩

曼珠沙華燃ゆる真中に石舞台       藤野十三妹

曼珠沙華遺品整理の嫁二人        向井 ゆり

へなへなと笑ふ羅漢や曼珠沙華      嵐田 双歩

野仏の赤き台(うてな)や曼殊沙華         中村  哲

合はす手の赤いマニキュア曼殊沙華    水口 弥生

曼珠沙華棚田に浄土現るる        中嶋 阿猿

曼珠沙華積み上げられし無縁墓      星川 佳子

曼珠沙華不知火型のせり上がる      大下 綾子

曼珠沙華見頃を告げる車内吊り      野田 冷峰

「当季雑詠」

友逝きてひとり烏鷺置く秋の夜      岡田 臣弘

秋蝶を追ふ目の優し車椅子        徳永 正裕

午前二時ピタリ鳴き止む虫の声      久保田 操

秋の日のすとんことんと落ちにけり    嵐田 双歩

爽やかや野鍛冶に生きて八十年      大倉悌志郎

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中村哲、野田冷峰、藤野十三妹、水口弥生、向井ゆり、横井定利。(投句参加)岩田三代、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田靑水、久保田操、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、廣上正一、星川佳子。

(報告・中村哲)

 

 

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酔吟会第130回例会

 

出席13人、投句参加4人で「水澄む」「南瓜」を詠む。

「南瓜」は春陽子さんが7点、「水澄む」では佳子さんが6点

 

酔吟会は、9月9日(土)午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所(MIFビル)会議室で、平成29年度第5回例会(通算130回)を開催した。兼題は「水澄む」と「南瓜」で、選句7句で句会を進めた。出席者13名、投句参加は4名、投句総数は83句だった。

最高点は玉田春陽子氏の「助手席にシートベルトの大南瓜」の7点であった。次点6点句は星川佳子さんの「水澄むやエイもあらわる浜離宮」。佳子さんは雑詠句「秋澄むや外階段を下りる音」でも5点を獲得しており、投句した全部に票が入る好調ぶりを発揮した。以下4点句が2句、3点句6句、2点句13句、1点句は21句であった。兼題別高点句(3点以上)は次の通り。

「南瓜」

助手席にシートベルトの大南瓜     玉田 春陽子

目鼻口あけて酒屋の赤南瓜       須藤 光迷

妻に見せる男の沽券南瓜割る      徳永 正裕

髑髏シール貼られ花屋の南瓜かな    星川 佳子

南瓜煮や記憶の底のすきつ腹      玉田 春陽子

「水澄む」

水澄むやエイもあらわる浜離宮     星川 佳子

地の鼓動湧水澄むや柿田川       久保田 操

水澄むや磯野小蟹の隠れ穴       徳永 正裕

「雑詠」

秋澄むや外階段を下りる音       星川 佳子

様子見の雀ひょんひょん野分あと    大澤 水牛

火の山へ走る畦道曼珠沙華        玉田 春陽子

参加者(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、久保田操、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰(投句参加)岡田臣弘、澤井二堂、藤野十三妹、星川佳子      (まとめ 高井百子)

 

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