日経俳句会第194回例会

双歩さん「木枯」で最高9点、二席に水口さん「枯菊焚く」

高点句続出、充実の対面句会

日経俳句会の令和2年11月例会(通算194回)は18日夜、前月に続き対面で開催した。コロナ感染急増もあり出席は13人にとどまったが、高点句が続出し充実した句会となった。兼題は「冬めく」と「池普請」。34人から101句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、嵐田双歩さんの「木枯の追ひ越して行く家路かな」が最高9点に輝いた。二席は水口弥生さんの「枯菊を焚くや残り香果つるまで」が8点、三席は大沢反平さんの「冬めくや卒寿猫背の庭いじり」が7点で続いた。さらに6点句には「池普請噛みつき亀にどよめけり 大澤水牛」と「これほどの葉があつたのか欅散る 水牛」、「老化です初冬一撃整形医 大平睦子」、「眼で笑ふマスク美人の枯葉掃き 髙石昌魚」の4句が並んだ。このほか5点3句、4点9句、3点11句と、高点句だけで30句を数えた。日経OBの篠田朗さんが見学参加し、選句にも加わった。来年以降の加入が期待される。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冬めく」

冬めくや卒寿猫背の庭いじり            大沢 反平

冬めける庭に忙しき雀たち             大澤 水牛

冬めくや脛(すね)カサカサと知らせけり      旙山 芳之

蒼穹をつらぬく尖塔冬めける            和泉田 守

冬めくや街ゆく人は無彩色             岩田 三代

ウポポイや海よ大地よ冬めきて           堤 てる夫

獣荒ぶはなしをちこち冬めけり           廣上 正市

冬めくや赤城の裾野父母の墓            髙井 百子

「池普請」

池普請噛みつき亀にどよめけり           大澤 水牛

池普請水面の雲をよぎる鯉             久保田 操

主らしき鯉のひと跳ね池普請            嵐田 双歩

祭りなき年の賑ひ池普請              中嶋 阿猿

鳥達も見守っている池普請             星川 水兎

泥水に数多の命池普請               水口 弥生

池普請ポイ捨ての恥白日に             岡田 鷹洋

仮面ライダーのふでばこ池普請           金田 青水

幼き日父と鮒追ふ池普請              髙石 昌魚

池普請妖怪話の二つ三つ              髙橋ヲブラダ

京の尼寺黙してひそと池普請            藤野十三妹

「当季雑詠」

木枯の追ひ越して行く家路かな           嵐田 双歩

枯菊を焚くや残り香果つるまで           水口 弥生

これほどの葉があつたのか欅散る          大澤 水牛

老化です初冬一撃整形医              大平 睦子

眼で笑ふマスク美人の枯葉掃き           髙石 昌魚

冬茜グラデーションに浮かぶ街           中村 迷哲

縁側の独り将棋も小春かな             今泉 而云

大地まで二秒余りの落葉旅             植村 博明

夜焚火に心の澱をくべにけり            徳永 木葉

冬晴れや狛犬もやや笑ひけり            中嶋 阿猿

色糸で描く刺し子や冬林檎             星川 水兎

《参加者》【出席13人】岩田三代、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、篠田朗(見学)。【投句参加22人】嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、井上庄一郎、今泉而云、植村博明、大沢反平、大平睦子、荻野雅史、久保田操、斉藤早苗、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、徳永木葉、中島阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。  (報告・中村迷哲)

 

 

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第149回酔吟会を開催

10ヶ月ぶりの対面句会

出席13人、欠席投句6人で「冬浅し」「葱鮪」を詠む

11月14日(土)午後1時から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で酔吟会が開かれた。酔吟会は2ヶ月に一度の開催で、会場に集った参加者が自作を短冊に記入して投句、欠席投句も含めた短冊を皆で手分けして淸記し、淸記用紙を膝送りに回して選句、披講し、合評会に移る伝統的なやり方を守っている。これはどうしても一堂に会さねばできない句会である。しかし、コロナ騒ぎで会議室の使用が禁止されたために、1月に開いたのを最後に、10ヶ月間も「メール句会」でお茶を濁してきた。

この日の兼題は「冬浅し」と「葱鮪」。これと雑詠を含め投句は5句。しかし、今回は欠席投句者が出席者の半数に及ぶ6名もあるので、選句は8句として句会を行った。その結果は、このところ日経俳句会、番長喜楽会、酔吟会を通して毎回高位を占めている玉田春陽子が今回も「人ひとり拾ひ枯野の路線バス」という雑詠句で7点を獲得してトップに立った。3点以上の高点句は以下のように13句あったが、いずれもなかなかの句である。

「冬浅し」

冬浅し待合室は仮眠室          金田 靑水(5点)

初冬の手櫛にからむ白髪かな       徳永 木葉(4点)

濡れ縁に動かぬ飛蝗冬浅し        高井 百子(3点)

冬浅しリースの並ぶ生花店        谷川 水馬(3点)

冬あさき巫女さんバイト募集中      玉田春陽子(3点)

冬浅し浅間麓の脱穀音          堤 てる夫(3点)

「葱鮪」

鬼平を語る女や葱鮪鍋          玉田春陽子(5点)

いきなりの別れ話を葱鮪鍋        嵐田 双歩(5点)

戌の日の水天宮や葱鮪鍋         谷川 水馬(3点)

葱鮪鍋飲まぬ夫が喰ふばかり       藤野十三妹(3点)

「当季雑詠」

人ひとり拾ひ枯野の路線バス       玉田春陽子(7点)

母さんに三度呼ばれて冬夕焼       大沢 反平(5点)

持ってけと呼ばれ手伝ふ大根引き     谷川 水馬(4点)

【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田靑水、工藤静舟、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、久保道子、久保田操、藤野十三妹。  (報告 大澤水牛)

 

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番町喜楽会178回例会報告

21人参加、「初冬」と「障子」を詠む

木葉さん「逆上がり」が6点でトップ

次席は水馬さんと春陽子さん

番町喜楽会は令和2年11月例会(通算第178回)を2日(月)夜、九段下の千代田区立生涯学習館で開いた。日曜と祝日の谷間で、雨催いにもかかわらず、句会には16人が顔を揃えた。兼題は「初冬」と「障子」。投句5句、選句6句。最高は6点で徳永木葉さんの「へそ見せて逆上がりの子冬浅し」、次席は5点で谷川水馬さんの「平積みの手帳家計簿冬初め」と玉田春陽子さんの「少年の素振りひたすら冬銀河」が並んだ。4点は4句、3点は11句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「初冬」

へそ見せて逆上がりの子冬浅し      徳永 木葉

平積みの手帳家計簿冬初め        谷川 水馬

老の背の膨らんでゐる冬初め       今泉 而云

ごみ出しの堅きサンダル冬初め      塩田 命水

息子よりお下がりもらふ初冬かな     金田 青水

掛け布団足して剥がして冬はじめ     中村 迷哲

のど飴のミントの刺激冬はじめ      廣田 可升

初冬の装ひ惑ふ妻を待つ         前島 幻水

「障子」

にこにこと障子の穴に指二歳       須藤 光迷

紙・糊・刷毛みんなアマゾン障子貼る   須藤 光迷

朝飯の羽釜の音や障子越し           谷川 水馬

障子開け光る茶室に風の客        中村 迷哲

真犯人母だけは知る障子穴        前島 幻水

「当季雑詠」

少年の素振りひたすら冬銀河       玉田春陽子

物干に猫の布団と我が布団        塩田 命水

時雨るるやむかし駅舎の在りし町     須藤 光迷

老い二人空気となりて秋深し       高井 百子

めりはりのなき晩年や柿を剝く      玉田春陽子

《参加者》【出席16人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【欠席投句5人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会第193回例会

八ヶ月ぶりの対面句会

博明さん11点、早苗さん、昌魚さんが7点で並ぶ

日経俳句会は10月21日(水)、10月例会(第193回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。新型コロナ下で長い間メール句会を余儀なくされていたが、粘り強い働きかけで会議室が使えるようになり、八ヶ月ぶりに対面での句会となった。当然ながら、検温や換気、消毒、座席を空ける、など感染防止に充分配慮した。事前にサーキュレーターや非接触型検温計、消毒ジェルなどを購入し万全を期した。たまたま出席者は14人と密にならない人数だったが、久しぶりの再会を楽しんだ。また、「三四郎句会」の深瀬久敬さんが見学に訪れ、選句に加わった。

「冷まじ」と「南瓜」の兼題に、32人から96句の投句があった。6句選(欠席者は5句選)の結果、一席は11点で植村博明さんの「ぐい吞みを厚手に替えて秋深し」。二席には、斉藤早苗さんの「蟷螂を避けて自転車みぎひだり」と髙石昌魚さんの「目鼻口つけて南瓜の大笑ひ」が7点で並んだ。次いで、5点句には実千代さん、反平さん、明古さん、昌魚さんの4句。以下、4点8句、3点9句、2点26句、1点23句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冷まじ」

一軒に保存魔ふたりすさまじき      池村実千代

冷まじやわが皺顔の水鏡         大沢 反平

冷まじや乾きのつのる老いの肌      髙石 昌魚

冷まじやスマホ食ひ入る向かひ席     植村 博明

花時を過ぎて冷まじ七変化        久保田 操

自死せまる深き孤独の冷まじや      金田 青水

詐欺メールああだこうだと冷まじき    向井 ゆり

「南瓜」

目鼻口つけて南瓜の大笑ひ        髙石 昌魚

昼も夜も卓に南瓜やテレワーク      大下 明古

大かぼちゃ主食デザート七変化      池村実千代

満ち足るる南瓜スープの香りかな     大澤 水牛

叢にごろりと潜む南瓜かな        今泉 而云

骨を断つほどの気合いで南瓜断つ     斉藤 早苗

南瓜割る妻の顔つき婆娑羅さま      澤井 二堂

体乗せ日向南瓜を四ツ割りに       須藤 光迷

人寄せの大かぼちゃ撫で物産展      徳永 木葉

ありし日の弁当箱の南瓜かな       廣上 正市

「当季雑詠」

ぐい吞みを厚手に替えて秋深し      植村 博明

蟷螂を避けて自転車みぎひだり      斉藤 早苗

令和二年

塀越しに我が子応援運動会        嵐田 双歩

新米や塩田平の天地人          堤 てる夫

金の砂撒いて木犀香を失せり       徳永 木葉

始祖鳥の夢切れ切れに夜寒かな      中嶋 阿猿

あの家の角を曲がれば金木犀       旙山 芳之

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、須藤光迷、鈴木雀九、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、(特別参加)深瀬久敬。【投句参加19人】池村実千代、岩田三代、植村博明、大沢反平、大下明古、大平睦子、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第177回

「龍田姫」と「後の月」を詠む

玉田春陽子さん8点と6点でトップと次席を独占

番町喜楽会は、令和2年10月例会(通算177回)を10月3日(土)午後6時から、「龍田姫」と「後の月」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は22名で、投句数106句。そのうち14名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句(欠席投句者は5句選)の結果、玉田春陽子さんの「芦の湖を姿見にして龍田姫」が8点でトップに輝いた。次席も玉田春陽子さんの「自販機を叱る男や後の月」。三席は池内的中さんの「大和路に風吹き抜けて龍田姫」と谷川水馬さんの「渾身の一日花やオクラ咲く」の5点2句。以下、4点句が2句、3点9句、2点20句、1点26句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「龍田姫」

芦の湖を姿見にして龍田姫             玉田春陽子

大和路に風吹き抜けて龍田姫            池内 的中

袖口を藪にからめて龍田姫             今泉 而云

大山の長き石段龍田姫               大澤 水牛

後ろ姿追ひて山路を龍田姫             大下 明古

「後の月」

自販機を叱る男や後の月              玉田春陽子

十三夜特養とうに寝静まり             徳永 木葉

老猫をあぐらに乗せて十三夜            大澤 水牛

豊島園閉じて寂寞後の月              山口斗詩子

「雑詠」

渾身の一日花やオクラ咲く             谷川 水馬

黒猫も納屋へ飛び込む芋嵐             須藤 光迷

虫の音のふつと止みまたふつと鳴き         嵐田 双歩

モノクロの路地を彩る柘榴の実           塩田 命水

強かや倒れてもなほ秋桜              高井 百子

トタン屋根とんとことんと木の実降る        星川 水兎

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加8人】池内的中、大下明古、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

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日経俳句会第192回例会

34人参加「秋の空」「居待月」を詠む

雀九さん「百年の家業」で最高9点、二席に芳之さん「向かいの更地」

日経俳句会の令和2年9月例会(通算192回)は、新型コロナ感染第二波の峠は越えたものの、依然として会議室が使えず7カ月連続のメール句会となった。兼題は「秋の空」と「居待月」。34人から101句の投句があり、9月16日を締め切りにしたメール5句選の結果、鈴木雀九さんの「百年の家業を閉じて居待月」が最高9点に輝いた。二席は旙山芳之さんの「お向かいが更地になりし秋の空」が8点で続き、6点句には「天窓を拭いて四角の秋の空(而云)」「老いてゆく日々の早さや秋の空(十三妹)」「切り上げし仕事の火照り居待月(ゆり)」「開墾のひとちりぢりに蕎麦の花(正市)」「いつの間に石仏かこむ彼岸花(水兎)」の5句が並んだ。このほか5点5句、4点2句、3点12句、2点10句、1点29句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「秋の空」

お向かいが更地になりし秋の空          旙山 芳之

天窓を拭いて四角の秋の空            今泉 而云

老いてゆく日々の早さや秋の空          藤野十三妹

地下鉄の出口小さき秋の空            嵐田 双歩

秋空や棟上式の槌の音              堤 てる夫

アフガンに小麦のみどり秋の空          金田 青水

手を打てば龍が鳴くなり秋の空          大下 明古

ラーメンに行列戻る秋の空            杉山 三薬

やうやうと秋の空なり歯を磨く          髙橋ヲブラダ

川風の今日より軽し秋の空            星川 水兎

秋の空余所行きを着てそこらまで         横井 定利

「居待月」

百年の家業を閉じて居待月            鈴木 雀久

切り上げし仕事の火照り居待月          向井 ゆり

病室の消灯早し居待月              嵐田 双歩

居待月じつと見上げる鬼瓦            中嶋 阿猿

串団子二と三に分け居待月            野田 冷峰

塩辛のほどよくなれて居待月           大澤 水牛

ここだけの話をひとつ居待月           杉山 三薬

客ひとり見送る宵を居待月            水口 弥生

「当季雑詠」

開墾のひとちりぢりに蕎麦の花          廣上 正市

いつの間に石仏かこむ彼岸花           星川 水兎

秋思あり動かぬ雲を飽きもせず          谷川 水馬

柏手の音の強さやいわし雲            池村実千代

夏惜しむ赤く染めたる足の爪           植村 博明

若僧の読経かき消す法師蟬            中嶋 阿猿

様様なマスク行き交ふ敬老日           横井 定利

《参加者34人》嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。

(報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第148回例会

メール句会が連続四回、22人で「蛇穴に入る」「露」を詠む

水兎さん「住所録」で最高の6点

酔吟会は令和2年第5回例会(通算148回)を9月12日付けのメール句会で実施した。新型コロナ禍対応のメール句会は3月以来連続で4回目となった。兼題は「蛇穴に入る」「露」で22人が参加、投句5句、選句6句の句会となった。その結果、最高の6点は、星川水兎さんの「露けしや命日を足す住所録」の1句。次席は5点で、徳永木葉さんの「おほかたは現世に飽きし秋の蛇」と、廣田可升さんの「はらわたは人生の味秋刀魚食ふ」の2句。三席4点は、大澤水牛さんと金田青水さんのそれぞれ2句づつを含めて計9句が並んだ。続く3点句は6句、以下2点14句、1点33句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「蛇穴に入る」

おほかたは現世に飽きし秋の蛇        徳永 木葉

老世帯ばかりの団地穴惑ひ          大澤 水牛

デイケアの老女の無言蛇穴に         大澤 水牛

蛇穴に入らんとすればビル工事        今泉 而云

「露」

露けしや命日を足す住所録          星川 水兎

露の玉葉脈に添ひ落ちにけり         嵐田 双歩

露光る解体を待つ木馬たち          岡田 鷹洋

青空も山も転がす芋の露           玉田春陽子

前山寺茅葺屋根の露白し           堤 てる夫

野仏の笑み光らせて露の玉          廣田 可升

「当季雑詠」

はらわたは人生の味秋刀魚食ふ        廣田 可升

みちのくや入江入江の船施餓鬼        金田 青水

新涼やシャンパンみたす江戸切子       金田 青水

点滴の音なく速し鰯雲            須藤 光迷

菊添えて旨酒来たる佳き日かな        大澤 水牛

官邸にマトリョーシカを見る秋冷       杉山 三薬

秋草や隙間だらけの時刻表          玉田春陽子

原点に立ち戻りたき九月かな         向井 ゆり

《参加者22人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田青水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、向井ゆり。 (まとめ 高井百子)

 

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番町喜楽会第176回例会

 

14人出席、「厄日」と「秋草」を詠む

春陽子さん7・5・4・3点のサイクル安打

番町喜楽会は令和2年9月の例会(通算第176回)を7日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。日中の気温は31度を超え、コロナウイルス騒ぎも収まってはいないのに、句会には14人が顔を揃えた。兼題は「厄日」と「秋草」で、投句5句、選句6句で句会を進めた。最高は7点で玉田春陽子さんの「それほどの期待もされず案山子立つ」、次席6点は廣田可升さんの「地方紙に秋草くるみ帰京せり」、三席5点は春陽子さんの「爪切つて身の軽くなる厄日かな」だった。春陽子さんはこの他に4点、3点も獲得という大当たり。4点は3句、3点は11句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「厄日」

爪切つて身の軽くなる厄日かな       玉田春陽子

忘れ物今日は三つ目厄日かな        斉山 満智

水吸ふて厄日の砥石深き色         嵐田 双歩

打つ度に釘ひん曲がる厄日かな       玉田春陽子

二百十日復旧未だ千曲川          堤 てる夫

古雨戸父と釘打つ厄日かな         中村 迷哲

二百十日総理辞任の大嵐          前島 幻水

「秋草」

地方紙に秋草くるみ帰京せり        廣田 可升

秋草や買い手のつかぬ一等地        玉田春陽子

歩荷行く尾瀬の秋草揺れにけり          嵐田 双歩

秋草の彩り豊かままごと膳         須藤 光迷

「雑詠」

それほどの期待もされず案山子立つ     玉田春陽子

海風の抜ける道なり青蜜柑         須藤 光迷

雲ひとつ無くてぎらぎら地蔵盆       大澤 水牛

這うようにたどり着きたる九月かな     斉山 満智

小流れの底の罅割れ残暑光         須藤 光迷

藤袴咲いた咲いたよ妻の声         堤 てる夫

【参加者】(出席14人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(欠席投句8人)嵐田双歩、大下明古、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、徳永木葉、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第191回例会

明古さん「楼蘭の遺跡」が圧巻の14点

ゆりさん、三代さんと続き、女性が三席占める

日経俳句会の8月例会(第191回)は、句会予定の8月19日(水)を締切としてメール句会を行った。梅雨明けとともに猛暑が襲い、新型コロナも感染拡大が著しく、対面での句会を断念、二月以降半年連続のメール句会となった。今回の兼題は「夜這星」と「原爆忌」。暑さにもめげず35人から105句の投句があった。5句選の結果、大下明古さんの「楼蘭の砂中の遺跡夜這星」が14点を集め堂々の一席。次いで、向井ゆりさんの「閉店の貼紙千切れ秋の雷」が10点、岩田三代さんの「悲しみは赤錆となり原爆忌」が8点と、一、二、三席を女性会員が独占した。続いて、6点句に「折鶴に風さやさやと原爆忌(而云)」と「豊かさを詫びる気持ちや原爆忌(博明)」が並んだ。以下、5点1句、4点8句、3点11句、2点14句、1点28句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夜這星」

楼蘭の砂中の遺跡夜這星        大下 明古

収束に数多の願ひ流れ星        池村実千代

願ひ事半ばで消ゆる夜這星       中村 迷哲

里帰り叶わぬ吾子へ流れ星       大沢 反平

来ぬ人を迎へにゆくや流れ星      中嶋 阿猿

「原爆忌」

悲しみは赤錆となり原爆忌       岩田 三代

折鶴に風さやさやと原爆忌       今泉 而云

豊かさを詫びる気持ちや原爆忌     植村 博明

語り部がまたひとり逝く原爆忌     加藤 明生

佛花赤く不忍に咲き原爆忌       鈴木 雀九

厚塗りの黒き油絵原爆忌        谷川 水馬

原爆忌一秒前と一秒後         星川 水兎

原爆忌マスクのままで手を合はす    嵐田 双歩

原爆忌子との話しに孫も入る      澤井 二堂

黒い雨なほ降り止まぬ原爆忌      向井 ゆり

「当季雑詠」

閉店の貼紙千切れ秋の雷        向井 ゆり

新涼や久方ぶりの理髪店        髙石 昌魚

踏み入れば蝉の国なり森の中      今泉 而云

無言館訪ふ人のなく秋の声       高井 百子

厄災の町にあかあか盆の月       嵐田 双歩

走馬燈戻らぬ過去も廻りけり      加藤 明生

如己堂を訪ねし真昼蝉時雨       堤 てる夫

絵日記に描くことなしに夏終わる    中村 迷哲

蝉の声聞き分けてをる暮色かな     廣上 正市

御先祖のみたま重たし茄子の馬     藤野十三妹

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生向井ゆり、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第175回例会

“コロナ第二波”か、出席は11人に

「夜の秋」と「新蕎麦」を詠む

番町喜楽会は、令和2年8月例会(通算175回)を8月1日(土)午後6時から、「夜の秋」と「新蕎麦」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名、投句数は103句あったが、会場に集まったのは11名に留まった。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、大澤水牛さんの「長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜」が6点でトップに輝いた。次席は斉山満智さんの「ふたりいてひとりの孤独夜の秋」、玉田春陽子さんの「ステテコの中途半端を愛しけり」、前島幻水さんの「父の忌は二八新蕎麦越の酒」の5点句3句が続いた。以下、4点3句、3点6句、2点21句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜の秋」

ふたりいてひとりの孤独夜の秋           斉山 満智

老犬のゆたかないびき夜の秋            金田 青水

風呂の窓半分閉めて夜の秋             嵐田 双歩

ポロシャツの短き袖に夜の秋            池内 的中

上掛けを足して丸まる夜の秋            高井 百子

カルヴァドス含めば甘し夜の秋           廣田 可升

「新蕎麦」

父の忌は二八新蕎麦越の酒             前島 幻水

新蕎麦やくぐる暖簾の武田菱            谷川 水馬

新蕎麦を噛みしめてゐる卒寿かな          嵐田 双歩

新蕎麦を供へ写真に語りかけ            嵐田 双歩

「当季雑詠」

長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜           大澤 水牛

ステテコの中途半端を愛しけり           玉田春陽子

名ばかりの富士見坂なり大夕焼           廣田 可升

《参加者》【出席11人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加10人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

 

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