番町喜楽会第239回例会

16人が勢揃い、銀座ライオンでフィナーレ句会

首位に「走馬灯くるくる」双歩句

番町喜楽会は令和8年6月例会(通算239回)を7日(日)昼に、休会式を兼ねて銀座ライオン七丁目店で開催した。関東地方梅雨入りのこの日は曇り空が広がったが、現有会員17人中、外せない用事のあった池内的中さんを除く16人が顔を揃えた。普段は句会に顔を出さない斉山満智さん、徳永木葉さん、堤てる夫・高井百子夫妻も出席、ライオンの二階特別室は笑顔が溢れた。さらに雨模様で出席を逡巡していた山口斗詩子さんが句会途中に駆け付けると、大きな拍手が湧いた。休会式は洋風料理と名物の生ビール、ワインを楽しみながら、予定時間をオーバーして続き、それぞれが思い出を語り合い、心に残るフィナーレ句会となった。兼題は「六月」と「虹」。全会員17人から81句の投句があり、事前5句選の内容を司会役の嵐田双歩さんが紹介する形で、合評会を進めた。その結果、休会に寄せた双歩さんの「走馬灯くるくる番町喜楽会」が8点と最高点を獲得した。二席は大澤水牛さんの「二時間と決め炎天の畑仕事」が5点で続き、三席4点には廣田可升さん「置き去りの下駄六月の雨の庭」、双歩さん「虹立つを告げる人なき夕べかな」、満智さん「虹立つや見知らぬ人と話しけり」の3句が並んだ。このほか3点6句、2点9句、1点25句という結果で、全員の句にまんべんなく点が入った。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「六月」

置き去りの下駄六月の雨の庭             廣田 可升

六月の川六月の雨の中                中村 迷哲

六月に生まれ六月の花嫁に              向井 愉里

「虹」

虹立つを告げる人なき夕べかな            嵐田 双歩

虹立つや見知らぬ人と話しけり            斉山 満智

ノーサイド泥を拭えば虹の空             徳永 木葉

当季雑詠

走馬灯くるくる番町喜楽会              嵐田 双歩

二時間と決め炎天の畑仕事              大澤 水牛

弔ひの帰路の寡黙や鉄線花              嵐田 双歩

似合うよと子に褒められしサングラス         須藤 光迷

傘立てに杖三四本梅雨晴間              玉田春陽子

《参加者》【出席16人】嵐田双歩、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。【投句参加1人】池内的中。

(報告 中村迷哲)

 

 

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洗足池吟行を催行

日経俳句会は5月24日(日)午後、大田区・洗足池吟行を実施、10人が参加した。頼朝、日蓮、勝海舟ゆかりの洗足池をぐるり巡った後に、3月28日の下総中山吟行に初参加した横山靖子さんの招きで、近くの池上線御嶽山駅近くのご自宅で心尽くしの新茶と菓子をいただきながら優雅な句会を繰り広げた。投句2句、選句5句といういつになく「ゆるやかな句会」に全員、談笑しながらののんびり句会となった。選句の結果、最高点は9点で、この日の吟行句会の世話役池村実千代さんの「新茶汲み十の笑顔の句会かな」が選ばれた。次席8点は岩田千虎さんの「薫風や日蓮海舟見し水面」、三席6点は中村迷哲さんの「上人の濯ぎし池や蛍湧く」だった。残る7人の代表句は次の通り。

吟行の褒美の菓子と新茶かな      嵐田 双歩

池月も汗ばむ洗足池吟行        大澤 水牛

青葉風つつむ海舟記念館        金田 青水

五月雨の隙を詠みゆく池の径      坂部富士子

お宝と新茶で締める池巡り       杉山 三薬

電車乗りボートにも乗る池涼し     向井 愉里

葉桜の風のやわらか夫婦墓       横山 靖子

(報告 大澤水牛)

 

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日経俳句会第249回例会

首位6点に千虎・朗・三薬句

37人が「麦秋」を詠む

日経俳句会は令和8年5月例会(通算249回)を5月17日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。五月の爽やかな風に誘われ外出した人が多かったのか、出席は8人にとどまったが、ルビの可否をめぐる議論など熱のこもった句会となった。兼題は「麦秋」。37人から111句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、首位には岩田千虎さんの「麦秋や猫バス通る風の道」、篠田朗さんの「村の子は征きて還らず麦の秋」、杉山三薬さんの「五月晴れ綱引き女子の尻力」の3句が6点で並んだ。二席は5点で須藤光迷さん「麦秋の峠越えれば光る海」、増田浩志さん「麦秋や昭和の香り笠智衆」、久保田操さん「賑やかに老女集ひし五月かな」、高井百子さん「今年また田水入らぬ田の二反」の4句が分け合った。三席4点には坂部富士子さんの「宙へゆく支度整ふ葱坊主」をはじめ10句が目白押し。以下、3点10句、2点25句、1点25句と大きく点がばらける結果となった。ルビや前書きの付いた句が多かったのも特徴で、合評会では「ルビは無い方が、何だろうと思って調べる」とか「前書きがあっても分からない句は分からない」など、不要論が多かった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「麦秋」

麦秋や猫バス通る風の道             岩田 千虎

村の子は征きて還らず麦の秋           篠田  朗

麦秋の峠越えれば光る海             須藤 光迷

麦秋や昭和の香り笠智衆             増田 浩志

京終の次駅帯解麦の秋              嵐田 双歩

麦秋や黄金の禾天を刺す             岩田 千虎

落日の影にたゆたふ麦の秋            久保田 操

麦秋を貫くローマ古街道             中村 迷哲

そよ風が教科書めくる麦の秋           溝口戸無広

麦秋や町の端まで風渡る             向井 愉里

穂の先に透ける青空麦の秋            中野 枕流

ふるさとと決めて美瑛は麦の秋          水口 弥生

当季雑詠

五月晴れ綱引き女子の尻力            杉山 三薬

賑やかに老女集ひし五月かな           久保田 操

今年また田水入らぬ田の二反           高井 百子

宙へゆく支度整ふ葱坊主             坂部富士子

墓移す話も出たり額の花             須藤 光迷

苗待ちし代田つかのま水鏡            中野 枕流

神妙にゼロ磁場に座し若葉風           星川 水兎

満目の緑背にして白牡丹             大澤 水牛

勾玉の雲ひとつあり五月晴れ           大沢 反平

洗い髪タオル巻きつけビール干す         久保 道子

風炉点前引けば澄みゆく水の音          坂部富士子

幾万のシラスの黒眼競りの声           徳永 木葉

雑草の蔓のたちまち夏めけり           廣上 正市

山道にたっぷりと聞く時鳥            星川 水兎

セロハンのやうに日の透く若葉かな        溝口戸無広

《参加者》【出席8人】嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、杉山三薬、中村迷哲、向井愉里、溝口戸無広。【投句参加29人】安彦真弓、池村実千代、伊藤誠一、伊藤健史、植村方円、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、増田浩志、水口弥生、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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番町喜楽会第238回例会

首位に的中句「響き一筋」、二席に双歩、可升句が並ぶ

17人が「風薫る」「更衣」詠む

番町喜楽会は令和8年5月例会(通算第238回)を11日(月)午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。25度近くの心地よい暖かさの天気となり、句会出席者は9人と久々の賑わいを見せた。兼題は「風薫る」と「更衣」。17人から85句の投句があり、選句6句(欠席者は5句)の結果、池内的中さんの「的中の響き一筋風薫る」が6点で首位の座を占めた。二席は4点で嵐田双歩さんの「ぐいと引く櫂の手応え風薫る」と廣田可升さんの「ため息で暮れる憲法記念の日」が並んだ。そのほかは3点が7句、2点14句、1点21句。実力伯仲というか団栗の背比べというか、相変わらず票が割れた。また、兼題の「更衣」に3点以上の高点句が無いという珍しい結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「風薫る」

的中の響き一筋風薫る                                    池内 的中

ぐいと引く櫂の手応え風薫る             嵐田 双歩

母子手帳スマホに在りて風薫る            金田 青水

白内障手術終わりて風薫る              斉山 満智

風薫るつむじ二つの悪戯っ子             徳永 木葉

当季雑詠

ため息で暮れる憲法記念の日             廣田 可升

そよ風を独り占めして三尺寝             嵐田 双歩

禁酒とは酷な話よ初鰹                須藤 光迷

梅雨空の旧軍港の街歩く               堤 てる夫

苗売り場ながめる母を待ちてをり           向井 愉里

《参加者》【句会出席9人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、向井愉里。【投句参加8人】嵐田双歩、斉山満智、沢井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、前島幻水、山口斗詩子。

(報告 須藤光迷)

 

 

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酔吟会第180回例会

11人で兼題「新緑」と席題「下」を詠む

「天」と「地」に4句ずつ並ぶ豊作?

酔吟会は令和8年の5月例会(通算第180回)を9日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「新緑」、須藤光迷さんから出題された席題は「下」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の6点句には大澤水牛氏の「新緑や石の蛙が伸びあがる」、岡田鷹洋氏の「風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻」、玉田春陽子氏の「下ごころ泡と消えたりソーダ水」、岩田千虎氏の「嬉しげに開く吾子の手青蛙」の4句が並び、次点の4点句に、向井愉里氏の「むくむくと新緑満ちて山太る」、徳永木葉氏の「新緑に映える黒板微積分」、須藤光迷氏の「五月雨や上ル下ルの京の町」、岩田千虎氏の「下町の路地をするりと青蜥蜴」のこれまた4句が並んだ。そして毎回ひしめき合う3点句が嵐田双歩氏の「新緑やキリンは長き舌伸ばし」の1句のみと、いつもとは異なる珍しい点数分布となった。この日は初夏に相応しい気持ちの良い一日。常連メンバーが帰りに立ち寄る芭蕉通りの角打ちが珍しく観光客で賑わっていて入れなかった。こんな場所も、口コミで広まっているのかもしれない。客の女性2人が、インスタグラム用だろうか、泡のグラスの写真を一所懸命に撮っていたのが印象的だった。この日の兼題別高点句(三点以上)は次の通り。

兼題<新緑>

新緑や石の蛙が伸びあがる         大澤 水牛

むくむくと新緑満ちて山太る        向井 愉里

新緑に映える黒板微積分          徳永 木葉

新緑やキリンは長き舌伸ばし        嵐田 双歩

席題<下>

風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻        岡田 鷹洋

下ごころ泡と消えたりソーダ水       玉田春陽子

五月雨や上ル下ルの京の町         須藤 光迷

下町の路地をするりと青蜥蜴        岩田 千虎

<雑詠>

嬉しげに開く吾子の手青蛙         岩田 千虎

<句会参加者11人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。

(報告 廣田可升)

 

 

 

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日経俳句会第248回例会

水兎句「酵母蔵」が首位十点、二席九点は水牛句「ごろり」

36人が難題「亀鳴く」に挑戦、高点句が続出

日経俳句会は4月15日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で4月例会(通算248回)を開いた。桜も終わり、街角は花水木の白やピンクが目立ち、生垣の躑躅が膨らみ始めた。当日は句会が始まるころから春の雨が降り出し、足元を気にしながらも13人が出席、和やかな俳句談義で盛り上がった。兼題は「亀鳴く」。作るのも選ぶのも難しい兼題だったが、36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵」が10点と二桁得票で一席。二席は大澤水牛さんの「筍のごろり一升瓶ごろり」が9点で続き、三席には旙山芳之さんの「老桜や花を抱きて倒れけり」が8点で入った。以下、中野枕流さんの「淡々とシニア雇用になりし春」が7点、中沢豆乳さんの「杖の母労り歩く菜種梅雨」など6点3句、5点3句、4点7句と高点句が続出した。以下、3点4句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「亀鳴く」

亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵             星川 水兎

亀鳴くや池に映るは若き日々             岩田 千虎

亀鳴くや子の選ぶ道信じ切る             安彦 真弓

亀鳴くを待てど鴉の啼くばかり            嵐田 双歩

亀鳴くやあの本どこかその下か            伊藤 健史

亀鳴くや元祖と本家並び立つ             中村 迷哲

万年を生きるは難儀亀の鳴く             篠田  朗

龍宮はかかあ天下ぞ亀鳴けり             須藤 光迷

トランプの怒号の果てや亀鳴けり           旙山 芳之

当季雑詠

筍のごろり一升瓶ごろり               大澤 水牛

老桜や花を抱きて倒れけり              旙山 芳之

淡々とシニア雇用になりし春             中野 枕流

新たなる縁始まる四月かな              嵐田 双歩

杖の母労り歩く菜種梅雨               中沢 豆乳

雨上がり土の息する春の朝              向井 愉里

水底をしの字への字に田螺這う            篠田  朗

米研ぐを忘れ楽しむ日永かな             須藤 光迷

春風が卒寿の妻を追って行く             大沢 反平

新調の靴ひも結ぶ四月かな              加藤 明生

穴熊の得意な奴と春炬燵               横井 定利

土筆摘む帽子に刺して朝散歩             堤 てる夫

《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第237回例会

「麗か」と「蝶」を詠む

出席5名の寂しき句会、会の存続が話題に

番町喜楽会は第237回例会を4月4日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。

会員の高齢化が主因だが昨年以降句会参加人数が減り始め、今年に入るとそれが顕著になった。今回も句会参加者(投句者)は15名、投句総数74句とまずまずの規模になったものの、句会出席者はわずかに5人。盛り上がりの無い寂しい会に終わった。小人数なだけに句会は1時間少々で終了してしまい、恒例の「懇親会」もわずか4人(最盛期は20人を超えた)で、「番町喜楽会、どうなって行くんでしょう」が主要話題となった。これから幹事、句会常連メンバーで相談し、今年半ばまでに今後の道筋を決め、会員に諮りましょうということになった。

4月例会の兼題は「麗か」と「蝶」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、一席は雑詠の「行く春や電話ボックス撤去中 春陽子」が6点で座った。次席は5点が無く、4点が5句ひしめき合った。三席3点も7句が競い合い、以下2点9句、1点16句ということになった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「麗か」

三越のライオン垂れ目街うらら            嵐田 双歩

うららかや猫に添い寝を許されて           斉山 満智

麗かや古書の店主の鼻眼鏡              廣田 可升

うららかや爪立ち覗く大道芸             玉田春陽子

麗かや狸に出会ふ昼下がり              高井 百子

「蝶)

白と黄の蝶と連れだつ房州路             中村 迷哲

歩道橋渡るつもりか初蝶来              玉田春陽子

よく来たと蝶も舞ひ来る母の墓            前島 幻水

野仏と何を語らふ蝶一羽               向井 愉里

「当季雑詠」

行く春や電話ボックス撤去中             玉田春陽子

たんぽぽと並んで見てる草野球            中村 迷哲

春暁やアザーンの音に重く明く            斉山 満智

病んでなほ無頼の友よ花の雨             廣田 可升

予定なき明日は朝寝をむさぼる日           山口斗詩子

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。【投句参加10人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。【選句参加】徳永木葉。  (報告 大澤水牛)

 

 

 

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下総中山桜吟行を開催

8人が名刹・美術館など巡る

気象庁が靖国神社のソメイヨシノ標準木の満開を宣言した3月28日(土)、日経俳句会・番町喜楽会の面々はJR総武線・下総中山駅に集合し、日蓮宗の大本山・中山法華経寺から東山魁夷記念館、真間川の桜並木、締めの東京・町屋の蕎麦の名店・如月徳(きさらぎとく)をたどる春のお花見吟行を楽しんだ。参加者は嵐田双歩、池村実千代、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、杉山三薬(幹事)、中村迷哲の句会メンバーに加え、実千代さんの友人横山靖子さんの計8人。靖子さんはなんと大澤さんと同じ年の88歳。頑健が売り物の水牛先生にも負けない靖子さんの矍鑠とした振る舞いには、一同大感激だった。参加者のこの日の作品は以下の通り。

人あふれ花も盛りぞ法華経寺          嵐田 双歩

買ひ食ひのチョコクレープに花一片

市道にも命名権や亀鳴けり

姉様とゆるり真間川初桜            池村実千代

風光りモーツァルトと画伯の絵

参道の茶屋で甘酒一服す

暗き過去知らぬ顔して花の寺          岩田 千虎

真間川の花は二分咲き鳥泳ぐ

花吟行十割蕎麦で締める宵

法華経寺展げし春の色見本           大澤 水牛

三分咲き帰り支度の鴨七羽

同年の句友を得たり春うらら

法華経寺この先に在り花の門          金田 青水

枝垂れ咲くや魁夷の緞帳太陽樹

十割そば薫りたぐるや朧月

花日和子供ら跳ねる亀鳴かず          杉山 三薬

道草を食ってナズナの音合わせ

人の世も三分がよろし真間桜

下総の春の起伏を万歩踏む           中村 迷哲

とりどりの露店に埋まる花の寺

麗かや洋館屋根の風見馬

赤門より沸き立つ如く花の雲          横山 靖子

慈しみし枝垂桜のほの灯り

麗かやご縁に集い吟行へ

(報告 金田 青水)

 

 

 

 

 

 

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日経俳句会第247回例会

38人参加、「踏青」を詠む

首位9点に朗・迷哲句並ぶ

日経俳句会は令和8年3月例会(通算247回)を3月22日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。各地の桜もほころぶ行楽日和に出席は7人にとどまったが、春風をうけて談論風発の句会となった。兼題は「踏青・青き踏む」。38人から112句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、首位は篠田朗さんの「川土手に緑の音符ナズナ振る」と中村迷哲さんの「卒業の群ゆるゆるとほどけ散る」の9点句が分け合った。二席6点には加藤明生さんの「青き踏むジーンズ似合ふ八十路かな」、迷哲さん「青き踏むリュックに小さき縫ぐるみ」、須藤光迷さん「花びらの重たくほどけ紫木蓮」の3句が並び、三席5点には和泉田守さんの「雑草という草はなし青き踏む」など4句が入った。以下、4点10句、3点9句、2点14句、1点36句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「踏青・青き踏む」

青き踏むジーンズ似合ふ八十路かな          加藤 明生

青き踏むリュックに小さき縫ぐるみ          中村 迷哲

雑草という草はなし青き踏む             和泉田 守

足裏のいのちの湿り青き踏む             伊藤 健史

踏青や昼は持参のゆで卵               植村 方円

素手素足子らに倣ひて青き踏む            水口 弥生

踏青の四つ葉見つかる所まで             嵐田 双歩

青き踏む太古の鼓動足裏に              岩田 千虎

青丹よし奈良の山道青き踏む             篠田  朗

冠動脈さびてはおらず青き踏む            須藤 光迷

願わくはツレの長生き青き踏む            高井 百子

貝塚のありし公園青き踏む              徳永 木葉

肩組めば別れのエール青き踏む            徳永 木葉

青踏むや柵を隔てて馬と我              溝口戸無広

当季雑詠

川土手に緑の音符ナズナ振る             篠田  朗

卒業の群ゆるゆるとほどけ散る            中村 迷哲

花びらの重たくほどけ紫木蓮             須藤 光迷

近くなる遠くのいくさ春疾風             植村 方円

獣出づ下駄の片方庭の隅               高井 百子

友よ来よあと幾度の花の宴              須藤 光迷

春疾風パンドラの匣蓋が飛び             中嶋 阿猿

潮風を包みて甘し春キャベツ             中嶋 阿猿

鳥帰る空に異形のオスプレイ             中村 迷哲

駅弁を二つ買ふ癖山笑ふ               横井 定利

三月はゆっくり早く過ぎ去りぬ            池村実千代

のどけしや洗い残した椀ひとつ            和泉田 守

春の月このやはらかさあの青春            大沢 反平

啓蟄に土管も生えし大阪や              高橋ヲブラダ

《参加者》【出席7人】岩田千虎、大澤水牛、金田青水、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、溝口戸無広。【投句参加31人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、伊藤健史、植村方円、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、増田浩志、水口弥生、向井愉里、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

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酔吟会第179回例会

十二人で「春一番」と席題「来」を詠む

時事句がたくさん出て賑わう

酔吟会は令和8年3月例会(通算第179回)を14日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「春一番」、嵐田双歩さんから出題された席題は「来」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の7点句に玉田春陽子さんの「ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び」が、6点句も同じく春陽子さんの「春一番袴をおさえ巫女走る」で、天の位と地の位を春陽子さんが独占することとなった。続く5点句は嵐田双歩さんの「みちのくに十五年目の三月来」と中村迷哲さんの「黒板を埋めるチョーク絵卒業歌」、4点句には須藤光迷さんの「迫り来る石油不足や春灯」と嵐田双歩さんの「鶯も桜も草もあんこ餅」が続いた。さらに3点句には9句が選ばれており、3点以上の高得点句が合計15句となる盛況ぶりであった。この日はいかにも春到来、いつ桜が開花してもおかしくないような暖かな一日であったが、東日本大震災の3月11日、アメリカとイスラエルのテヘラン攻撃、総選挙で与党大勝後の国会運営などをめぐり、時事句が多く出されたのがとても印象的な句会であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

<春一番>

春一番袴をおさえ巫女走る       玉田春陽子

春一番手垢染みたる旅鞄        大澤 水牛

春一番かかつて来いや杉檜       金田 青水

<来>

みちのくに十五年目の三月来      嵐田 双歩

迫り来る石油不足や春灯        須藤 光迷

雛納めきっと来るよと言ってたのに   岡田 鷹洋

不来方は盛岡の名や鳥帰る       徳永 木葉

待ち人の来るや来ざるや春の宵     中村 迷哲
<雑詠>

ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び    玉田春陽子

黒板を埋めるチョーク絵卒業歌     中村 迷哲

鶯も桜も草もあんこ餅                               嵐田 双歩

半分こする草餅と桜餅         須藤 光迷

苗木市縄一本の店じまひ        玉田春陽子

初蝶のまずオリーブの木に休む     徳永 木葉

啓蟄や草の香りの野面積        廣田 可升

<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升

(報告 廣田可升)

 

 

 

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