日経俳句会第196回例会

「みちのくの」双歩句9点、「エコバッグ」明古句8点など高点句続出

緊急事態宣言延長、再びメール句会

日経俳句会の令和3年2月例会(通算196回)は、緊急事態宣言が延長になり、1月に続きメール句会となった。兼題は「冴返る」と「辛夷」。34人から102句の投句があり、2月17日までに5句選んでもらった。その結果、嵐田双歩さんの「みちのくの重き歳月花辛夷」が9点で一席。二席8点は大下明古さんの「エコバッグはみ出す野菜春一番」、三席7点には星川水兎さんの「一本の白き森なる大辛夷」が入った。続いて植村方円さんの「花辛夷これより先は奥州路」と、向井ゆりさんの「荷造りを終えし夜半や冴返る」が6点で並び、全体的に兼題句を中心に特定の句に票が集まった。以下、5点3句、4点6句、3点15句、2点10句、1点25句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冴返る」

荷造りを終えし夜半や冴返る         向井 ゆり

訃報欄あの人がいて冴返る          植村 方円

提灯の消えて横丁冴返る           大澤 水牛

プレハブの発熱外来冴返る          嵐田 双歩

歩道橋ヒールの音の冴返る          岩田 三代

早暁の般若心経冴え返る           加藤 明生

冴え返る味覚嗅覚ある安心          杉山 三薬

スタジアム人影途絶へ冴返る         中嶋 阿猿

冴返る始発ディーゼル入線す         中村 迷哲

夜汽車より見ゆる外灯冴返る         星川 水兎

冴返るこの深川に八十年           横井 定利

「辛夷」

みちのくの重き歳月花辛夷          嵐田 双歩

一本の白き森なる大辛夷           星川 水兎

花辛夷これより先は奥州路          植村 方円

雲一つ無き大空や花辛夷           大澤 水牛

 

まぶしさの四方より寄せぬ花辛夷       大下 明古

辛夷咲き世の片隅を明るくす         旙山 芳之

閉校の門のあおぞら辛夷咲く         廣上 正市

当季雑詠

エコバッグはみ出す野菜春一番        大下 明古

春めくやスカイツリーの影を踏む       加藤 明生

春一番歩幅広げて黄信号           和泉田 守

中腰の介護の日々に春浅し          大沢 反平

並ぶ列知る人ありて桜餅           鈴木 雀九

小指立て髪切る妻や春立ちぬ         須藤 光迷

畝ごとの蟹さん歩き麦を踏む         谷川 水馬

ベランダの父に鼻歌春夕焼け         横井 定利

仏の座歴史探偵ペンを擱く          堤 てる夫

まどろみつ旅の日想ふ春炬燵         徳永 木葉

雛飾る七つの吾と祖母と居り         向井 ゆり

《参加者34人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。  (報告・嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第180回

コロナ緊急事態宣言の再発出でまたまたメール句会に

参加22人で「東風」と「猫の恋」を詠む

番町喜楽会は、令和3年2月例会(通算180回)を2月6日(土)に「東風」と「猫の恋」を兼題とした句会を開催した。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が出されている影響もあり、メールでの句会となったが投句者は22名で、投句総数は106句となった。投句5句、選句6句で句会を行った結果、大澤水牛さんの「水洟や幼馴染の店たたむ」と塩田命水さんの「相槌の途切れぬ電話春障子」が7点でトップに輝いた。次席は玉田春陽子さんの6点句「胸の傷なめて終わりぬ猫の恋」で、三席には谷川水馬さんの「6ミリのバリカン坊主東風強し」と玉田春陽子さんの「駅毎に寒風入れて終電車」の5点句が続いた。以下、4点句が4句、3点句が9句、2点句が16句、1点句が27句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「東風」

6ミリのバリカン坊主東風強し           谷川 水馬

梅東風や絵馬に「けい算がんばる」と        嵐田 双歩

梅東風や子はぐつすりと乳母車           谷川 水馬

一斗缶に火を焚く漁港東風強し              徳永 木葉

島東風やタイヤ並べた船着場            嵐田 双歩

皆中を外す矢羽根に東風強し            池内 的中

強東風や一息ついて杖の人             星川 水兎

「猫の恋」

胸の傷なめて終りぬ猫の恋             玉田春陽子

窓猫の丸き背中や恋終わる             谷川 水馬

「雑詠」

水洟や幼馴染の店たたむ              大澤 水牛

相槌の途切れぬ電話春障子             塩田 命水

駅毎に寒風入れて終電車              玉田春陽子

投了と妻に伝えて寒に逝く             今泉 而云

初孫は女の子とや福寿草              谷川 水馬

五両ほど畳に零れ実千両              玉田春陽子

友逝けり斑鳩の里凍て返る             堤 てる夫

守り人の消えし灯台野水仙             中村 迷哲

奥久慈に氷花(しが)流るるや春隣         中村 迷哲

【メールによる参加者22人】嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、大下明古、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第195回例会

緊急事態宣言再発令でまたまたメール句会

「御降」と「鎌鼬」、難解季語を詠む

日経俳句会の令和3年1月例会(通算195回)は、コロナ第三波の急拡大で緊急事態宣言が出されたため、再びメール句会に切り替えた。兼題は「御降」と「鎌鼬」。37人から111句の投句があり、1月20日付で5句選の結果、徳永木葉さんの「エクセルのふつりと消えり鎌鼬」が最高10点を獲得し一席に輝いた。二席は嵐田双歩さん「日脚伸ぶ間違いさがしあと二つ」と大澤水牛さん「老人の祈り短し初詣」の雑詠2句が9点で並んだ。7点句には旙山芳之さんの「御降や掃き清めたきこの世かな」、6点句には双歩さんの「草に樹に土に御降やはらかく」が入った。このほか5点2句、4点6句、3点15句と高点句が28句を数え、2点19句、1点22句だった。なお植村博明さんが、今月から俳号「方円(ほうえん)」を名乗ることになった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「御降」

御降や掃き清めたきこの世かな            旙山 芳之

草に樹に土に御降やはらかく             嵐田 双歩

御降じや足りぬ冬菜へじょろの水           金田 青水

御降や天使の歌とふとおもふ             池村実千代

御降りや巫女の持つ札少し濡れ            植村 方円

御降や相合傘の石畳み                工藤 静舟

御降や立往生に蕪鮨                 堤 てる夫

御降りや恐竜の背濡れそむる             徳永 木葉

御降の白く舞ふ里家五軒               中村 迷哲

「鎌鼬」

エクセルのふつりと消えり鎌鼬            徳永 木葉

皺の手や七十年前の鎌鼬               大澤 水牛

空気とて刃(やいば)となりき鎌鼬          向井 ゆり

小走りの新聞少年鎌鼬                大沢 反平

鎌鼬鬼滅の刃受けしかな               須藤 光迷

煮魚の背にざつくりと鎌鼬              谷川 水馬

「当季雑詠」

日脚伸ぶ間違いさがしあと二つ            嵐田 双歩

老人の祈り短し初詣                 大澤 水牛

杖ついて動かぬ人よ冬日差し             植村 方円

たっぷりと寒九の水を小豆煮る            大下 明古

目で笑ふ難しきこと冬籠り              池村実千代

雪晴れや夕日眩しき五能線              加藤 明生

大雪の中を落ちゆくエレベーター           星川 水兎

裸木のてっぺんに鳥動かざる             岩田 三代

疎ましき消毒薬とあかぎれと             大沢 反平

落ち葉焚き話題も尽きて尻炙り            岡田 鷹洋

面取りの大根煮込む窓白し              斉藤 早苗

お年玉センキューと言ふ二歳半            堤 てる夫

具を足して二夜連続のおでん酒            旙山 芳之

《参加者37人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。

(報告者 中村迷哲)

 

 

 

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コロナ封じ願い亀戸七福神吟行を挙行

一月九日の土曜日、日経俳句会、番町喜楽会合同で恒例の七福神吟行を行なった。前日に一都三県に緊急事態宣言が再発令されたこともあり、どのように実施すべきかが問われる吟行となった。人口比で考えると決して感染者数は多くないというご意見もあり、それはその通りだとは思ったが、一方で医療機関の逼迫状況や医師・看護師の方々の悲痛な声も偽らざる現実と思え、参加者全員が高齢者の集まりであることも考慮すれば、極力感染リスクの低いやり方で吟行を実施すべしと考えた。その為に、昼間の吟行以上に楽しみにされている方の多い、夜の懇親会を早々に中止とさせていただいた。また、参加申込をされた方で、参加すべきかどうか悩まれている方は申し出て欲しい、というような異例の呼びかけも直前に行なった。
今回の吟行の舞台は亀戸七福神。JR亀戸駅にそれでも十名が元気に集合してくれたのは有難かった。常光寺(寿老人)→東覺寺(弁財天)→香取神社(恵比寿・大黒天)→普門院(毘沙門天)→天祖神社(福禄寿)→龍眼寺(布袋尊)と回り、最後は七福神詣の対象ではないが、亀戸天神社にお参りし散会とした。三々五々亀戸駅に引き返したが、会食を楽しみにしておられた方には、やはり申し訳ない気持ちが残った。なお、今回の新年吟行を期して、植村博明さんが俳号「方円」を名乗られることを明らかにされた。メール句会は投句三句、選句四句で行なったが、「みんなの俳句」のコメント常任執筆者が参加者の中に三名しかいなかったことから、吟行の選句としては異例なことだが、今回参加されなかった常任執筆者の方にも二句選句で加わっていただくようにお願いした。得票が分散した結果、最高点は四点句で「福詣終えて見上げるタワーに灯 三代」「水かぶる恵比寿大黒寒の行 木葉」「七福神巡り終へての一人鍋 水牛」の三句が並んだ。参加十名の代表句(上記三句を除く)は以下の通り。

冬晴れや亀戸の路地昭和の香        岩田 三代

福詣スカイツリーも見え隠れ        植村 方円

寒四郎野菊の墓のうらさびれ        大澤 水牛

梅の香を愛でて渡るや太鼓橋        岡田 鷹洋

御仏の右ほほ染める寒あかね        金田 青水

マスク取り香りをかぐや寒の梅       田中 白山

天神の裏路地梅のはや三分         玉田春陽子

句友集ふコロナ封じの福参り        徳永 木葉

七福神息子の肩借りスタートす       野田 冷峰

天神の空の青さや寒四郎          廣田 可升

(幹事:廣田可升記)

 

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日経俳句会令和2年下期合同句会(通算31回)

コロナの年の詠み収め

百子さん「仏壇に朝日」9点で一席。「嗚呼嗚呼嗚呼」の操さん、「ポインセチア」のゆりさん、「売り言葉」の阿猿さんと女性が上位独占

日経俳句会は12月16日(水)、令和2年度下期合同句会を千代田区九段の区立九段生涯学習館で開催した。新型コロナ感染予防のため、いつもの日経広告研究所会議室では十分な距離がとれないとあって、広い会場に切り替えた。東京都の感染者数は増え続けており、またこの日は一段と寒くなったが、21人が集い今年最後の句会に興じた。

兼題は「冬桜」の一つだけ。38人から113句の投句があり、5句選の事前選句の結果、高井百子さんの「仏壇に朝日の届く冬至かな」が9点で一席。次いで、久保田操さんの「師走くる嗚呼嗚呼嗚呼と鴉鳴く」と向井ゆりさんの「独り居にポインセチアを招き入れ」が7点で並んだ。さらに中嶋阿猿さんの「売り言葉買つてぶらぶら冬桜」が6点で続き、上位4人は女性ばかり。男性陣は形無しの句会となった。以下、5点3句、4点7句、3点12句、2点26句、1点30句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冬桜」

売り言葉買つてぶらぶら冬桜       中嶋 阿猿

冬ざくら二つ違いの姉のこと       横井 定利

ああ今朝も生きていたなあ冬桜      大澤 水牛

冬桜山道下る子らの声          加藤 明生

旅の夜のそこだけ明かし冬桜       廣田 可升

城跡に郷土館あり冬桜          須藤 光迷

藁を焼く合戦の地や冬桜         谷川 水馬

しまなみを見晴かす城冬桜        中村 迷哲

連日の喪中はがきや冬桜         旙山 芳之

しずけさを身にまといたり冬桜      星川 水兎

幼な子の小さき指先冬桜         向井 ゆり

「当季雑詠」

仏壇に朝日の届く冬至かな        高井 百子

師走くる嗚呼嗚呼嗚呼と鴉鳴く      久保田 操

独り居にポインセチアを招き入れ     向井 ゆり

夜回りに女の声のまざりけり       鈴木 雀九

白髪を束ねて婆の畑終ひ         高井 百子

キャベツ巻九つ巻いて冬の暮       大澤 水牛

初雪や狸堂々畑行く           工藤 静舟

冬の灯や術前に書く遺言書        中村 迷哲

書割に似たる茶屋町雪催         廣田 可升

看護婦の母出勤の雪催ひ         今泉 而云

晩年の只中にいて年の暮れ        植村 博明

冬空に阿吽の呼吸足場組み        谷川 水馬

冬ぬくし昭和を流すちんどん屋      玉田春陽子

山茶花の散りつひたすら咲きにけり    廣上 正市

蒼穹に憂さの一撃大嚏          水口 弥生

《参加者》【出席21人】=嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、植村博明、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、旙山芳之、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、向井ゆり。【投句参加17人】和泉田守、岩田三代、大沢反平、大下明古、大平睦子、加藤明生、工藤静舟、久保道子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、中村迷哲、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。 (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会例会第179回

コロナ第三波で出席わずか10名

「山眠る」「冬の蠅」が兼題、而云さん8点でトップ

番町喜楽会は、令和2年12月例会(通算179回)を12月5日(土)午後6時から、「山眠る」と「冬の蠅」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名で、投句総数101句。コロナ第三波の影響もあり欠席投句者が11名で出席者の10名を上回った。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、今泉而云さんの「一村の墓所を抱きて山眠る」が8点でトップに輝いた。次席は廣田可升さんの7点句「地球儀の太平洋に冬の蝿」。三席には金田青水さんの「川底に色よき朽葉山眠る」の5点句が続いた。以下、4点句が2句、3点句が12句、2点句が17句、1点句が28句あった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「山眠る」

一村の墓所を抱きて山眠る             今泉 而云

川底に色よき朽葉山眠る              金田 青水

秩父嶺の眠る真中に富士白し            今泉 而云

陶の牛焼き上がりたり山眠る            須藤 光迷

眠りても律儀にこだま返す山            玉田春陽子

鉄塔の簪さして山眠る               徳永 木葉

稜線にUFO消えて山眠る             廣田 可升

一年の思い出わずか山眠る             星川 水兎

「冬の蠅」

地球儀の太平洋に冬の蝿              廣田 可升

窓越しの青天に点冬の蠅              前島 幻水

羽目板の古びて反りて冬の蠅            今泉 而云

出刃舐める豊洲生まれの冬の蠅           金田 青水

敷居にも躓く身なり冬の蝿             須藤 光迷

手をあはす御仏の足冬の蠅             玉田春陽子

縁側に老いたる我と冬の蠅             前島 幻水

「雑詠」

莢枯れて大豆は甘し北颪              高井 百子

廃業の貼り紙並ぶ十二月              徳永 木葉

《参加者》【出席10人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加11人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

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日経俳句会第194回例会

双歩さん「木枯」で最高9点、二席に水口さん「枯菊焚く」

高点句続出、充実の対面句会

日経俳句会の令和2年11月例会(通算194回)は18日夜、前月に続き対面で開催した。コロナ感染急増もあり出席は13人にとどまったが、高点句が続出し充実した句会となった。兼題は「冬めく」と「池普請」。34人から101句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、嵐田双歩さんの「木枯の追ひ越して行く家路かな」が最高9点に輝いた。二席は水口弥生さんの「枯菊を焚くや残り香果つるまで」が8点、三席は大沢反平さんの「冬めくや卒寿猫背の庭いじり」が7点で続いた。さらに6点句には「池普請噛みつき亀にどよめけり 大澤水牛」と「これほどの葉があつたのか欅散る 水牛」、「老化です初冬一撃整形医 大平睦子」、「眼で笑ふマスク美人の枯葉掃き 髙石昌魚」の4句が並んだ。このほか5点3句、4点9句、3点11句と、高点句だけで30句を数えた。日経OBの篠田朗さんが見学参加し、選句にも加わった。来年以降の加入が期待される。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冬めく」

冬めくや卒寿猫背の庭いじり            大沢 反平

冬めける庭に忙しき雀たち             大澤 水牛

冬めくや脛(すね)カサカサと知らせけり      旙山 芳之

蒼穹をつらぬく尖塔冬めける            和泉田 守

冬めくや街ゆく人は無彩色             岩田 三代

ウポポイや海よ大地よ冬めきて           堤 てる夫

獣荒ぶはなしをちこち冬めけり           廣上 正市

冬めくや赤城の裾野父母の墓            髙井 百子

「池普請」

池普請噛みつき亀にどよめけり           大澤 水牛

池普請水面の雲をよぎる鯉             久保田 操

主らしき鯉のひと跳ね池普請            嵐田 双歩

祭りなき年の賑ひ池普請              中嶋 阿猿

鳥達も見守っている池普請             星川 水兎

泥水に数多の命池普請               水口 弥生

池普請ポイ捨ての恥白日に             岡田 鷹洋

仮面ライダーのふでばこ池普請           金田 青水

幼き日父と鮒追ふ池普請              髙石 昌魚

池普請妖怪話の二つ三つ              髙橋ヲブラダ

京の尼寺黙してひそと池普請            藤野十三妹

「当季雑詠」

木枯の追ひ越して行く家路かな           嵐田 双歩

枯菊を焚くや残り香果つるまで           水口 弥生

これほどの葉があつたのか欅散る          大澤 水牛

老化です初冬一撃整形医              大平 睦子

眼で笑ふマスク美人の枯葉掃き           髙石 昌魚

冬茜グラデーションに浮かぶ街           中村 迷哲

縁側の独り将棋も小春かな             今泉 而云

大地まで二秒余りの落葉旅             植村 博明

夜焚火に心の澱をくべにけり            徳永 木葉

冬晴れや狛犬もやや笑ひけり            中嶋 阿猿

色糸で描く刺し子や冬林檎             星川 水兎

《参加者》【出席13人】岩田三代、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、篠田朗(見学)。【投句参加22人】嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、井上庄一郎、今泉而云、植村博明、大沢反平、大平睦子、荻野雅史、久保田操、斉藤早苗、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、徳永木葉、中島阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。  (報告・中村迷哲)

 

 

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第149回酔吟会を開催

10ヶ月ぶりの対面句会

出席13人、欠席投句6人で「冬浅し」「葱鮪」を詠む

11月14日(土)午後1時から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で酔吟会が開かれた。酔吟会は2ヶ月に一度の開催で、会場に集った参加者が自作を短冊に記入して投句、欠席投句も含めた短冊を皆で手分けして淸記し、淸記用紙を膝送りに回して選句、披講し、合評会に移る伝統的なやり方を守っている。これはどうしても一堂に会さねばできない句会である。しかし、コロナ騒ぎで会議室の使用が禁止されたために、1月に開いたのを最後に、10ヶ月間も「メール句会」でお茶を濁してきた。

この日の兼題は「冬浅し」と「葱鮪」。これと雑詠を含め投句は5句。しかし、今回は欠席投句者が出席者の半数に及ぶ6名もあるので、選句は8句として句会を行った。その結果は、このところ日経俳句会、番長喜楽会、酔吟会を通して毎回高位を占めている玉田春陽子が今回も「人ひとり拾ひ枯野の路線バス」という雑詠句で7点を獲得してトップに立った。3点以上の高点句は以下のように13句あったが、いずれもなかなかの句である。

「冬浅し」

冬浅し待合室は仮眠室          金田 靑水(5点)

初冬の手櫛にからむ白髪かな       徳永 木葉(4点)

濡れ縁に動かぬ飛蝗冬浅し        高井 百子(3点)

冬浅しリースの並ぶ生花店        谷川 水馬(3点)

冬あさき巫女さんバイト募集中      玉田春陽子(3点)

冬浅し浅間麓の脱穀音          堤 てる夫(3点)

「葱鮪」

鬼平を語る女や葱鮪鍋          玉田春陽子(5点)

いきなりの別れ話を葱鮪鍋        嵐田 双歩(5点)

戌の日の水天宮や葱鮪鍋         谷川 水馬(3点)

葱鮪鍋飲まぬ夫が喰ふばかり       藤野十三妹(3点)

「当季雑詠」

人ひとり拾ひ枯野の路線バス       玉田春陽子(7点)

母さんに三度呼ばれて冬夕焼       大沢 反平(5点)

持ってけと呼ばれ手伝ふ大根引き     谷川 水馬(4点)

【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田靑水、工藤静舟、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、久保道子、久保田操、藤野十三妹。  (報告 大澤水牛)

 

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番町喜楽会178回例会報告

21人参加、「初冬」と「障子」を詠む

木葉さん「逆上がり」が6点でトップ

次席は水馬さんと春陽子さん

番町喜楽会は令和2年11月例会(通算第178回)を2日(月)夜、九段下の千代田区立生涯学習館で開いた。日曜と祝日の谷間で、雨催いにもかかわらず、句会には16人が顔を揃えた。兼題は「初冬」と「障子」。投句5句、選句6句。最高は6点で徳永木葉さんの「へそ見せて逆上がりの子冬浅し」、次席は5点で谷川水馬さんの「平積みの手帳家計簿冬初め」と玉田春陽子さんの「少年の素振りひたすら冬銀河」が並んだ。4点は4句、3点は11句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「初冬」

へそ見せて逆上がりの子冬浅し      徳永 木葉

平積みの手帳家計簿冬初め        谷川 水馬

老の背の膨らんでゐる冬初め       今泉 而云

ごみ出しの堅きサンダル冬初め      塩田 命水

息子よりお下がりもらふ初冬かな     金田 青水

掛け布団足して剥がして冬はじめ     中村 迷哲

のど飴のミントの刺激冬はじめ      廣田 可升

初冬の装ひ惑ふ妻を待つ         前島 幻水

「障子」

にこにこと障子の穴に指二歳       須藤 光迷

紙・糊・刷毛みんなアマゾン障子貼る   須藤 光迷

朝飯の羽釜の音や障子越し           谷川 水馬

障子開け光る茶室に風の客        中村 迷哲

真犯人母だけは知る障子穴        前島 幻水

「当季雑詠」

少年の素振りひたすら冬銀河       玉田春陽子

物干に猫の布団と我が布団        塩田 命水

時雨るるやむかし駅舎の在りし町     須藤 光迷

老い二人空気となりて秋深し       高井 百子

めりはりのなき晩年や柿を剝く      玉田春陽子

《参加者》【出席16人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【欠席投句5人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会第193回例会

八ヶ月ぶりの対面句会

博明さん11点、早苗さん、昌魚さんが7点で並ぶ

日経俳句会は10月21日(水)、10月例会(第193回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。新型コロナ下で長い間メール句会を余儀なくされていたが、粘り強い働きかけで会議室が使えるようになり、八ヶ月ぶりに対面での句会となった。当然ながら、検温や換気、消毒、座席を空ける、など感染防止に充分配慮した。事前にサーキュレーターや非接触型検温計、消毒ジェルなどを購入し万全を期した。たまたま出席者は14人と密にならない人数だったが、久しぶりの再会を楽しんだ。また、「三四郎句会」の深瀬久敬さんが見学に訪れ、選句に加わった。

「冷まじ」と「南瓜」の兼題に、32人から96句の投句があった。6句選(欠席者は5句選)の結果、一席は11点で植村博明さんの「ぐい吞みを厚手に替えて秋深し」。二席には、斉藤早苗さんの「蟷螂を避けて自転車みぎひだり」と髙石昌魚さんの「目鼻口つけて南瓜の大笑ひ」が7点で並んだ。次いで、5点句には実千代さん、反平さん、明古さん、昌魚さんの4句。以下、4点8句、3点9句、2点26句、1点23句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冷まじ」

一軒に保存魔ふたりすさまじき      池村実千代

冷まじやわが皺顔の水鏡         大沢 反平

冷まじや乾きのつのる老いの肌      髙石 昌魚

冷まじやスマホ食ひ入る向かひ席     植村 博明

花時を過ぎて冷まじ七変化        久保田 操

自死せまる深き孤独の冷まじや      金田 青水

詐欺メールああだこうだと冷まじき    向井 ゆり

「南瓜」

目鼻口つけて南瓜の大笑ひ        髙石 昌魚

昼も夜も卓に南瓜やテレワーク      大下 明古

大かぼちゃ主食デザート七変化      池村実千代

満ち足るる南瓜スープの香りかな     大澤 水牛

叢にごろりと潜む南瓜かな        今泉 而云

骨を断つほどの気合いで南瓜断つ     斉藤 早苗

南瓜割る妻の顔つき婆娑羅さま      澤井 二堂

体乗せ日向南瓜を四ツ割りに       須藤 光迷

人寄せの大かぼちゃ撫で物産展      徳永 木葉

ありし日の弁当箱の南瓜かな       廣上 正市

「当季雑詠」

ぐい吞みを厚手に替えて秋深し      植村 博明

蟷螂を避けて自転車みぎひだり      斉藤 早苗

令和二年

塀越しに我が子応援運動会        嵐田 双歩

新米や塩田平の天地人          堤 てる夫

金の砂撒いて木犀香を失せり       徳永 木葉

始祖鳥の夢切れ切れに夜寒かな      中嶋 阿猿

あの家の角を曲がれば金木犀       旙山 芳之

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、須藤光迷、鈴木雀九、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、(特別参加)深瀬久敬。【投句参加19人】池村実千代、岩田三代、植村博明、大沢反平、大下明古、大平睦子、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

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