日経俳句会第250回例会

首位に実千代句「ミントティー」、二席に可升句「気楽独身」

44人参加「土用」を詠む

日経俳句会は令和8年7月例会(通算250回)を7月19日(日)午後2時から、鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。この日は梅雨明け直前の青空が広がり都内は30度を超す暑さだったが、9人が顔を揃えて楽しく句を論じ、活気ある句会となった。兼題は「土用」。番町喜楽会から転入の会員が増えたこともあり、44人から132句と空前の投句数となった。6句選(欠席は5句)の結果、池村実千代さんの「土用にはバジルサンドにミントティー」が10点を獲得して首位を占めた。二席8点には廣田可升さんの「独身が気楽といふ子土用凪」が座り、三席7点には植村方円「大暑なり難しい事抜きにして」、篠田朗「二千年眠りて紅の古代蓮」、中村迷哲「帰る家売りし故郷盆の月」の3句が並んだ。さらに6点6句、5点3句、4点7句、3点10句と続き、高点句が31句の豊作となった。そのほか2点18句、1点30句だった。なお6月の合同句会席上、俳号を二堂から「五堂」に変える意向を示した澤井さんは、酔った勢いだったので撤回したいと表明、従来通り二堂を名乗ることになった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「土用」

独身が気楽といふ子土用凪              廣田 可升

土用干返し忘れの友の本               徳永 木葉

鷺三羽微動だにせず土用照              中嶋 阿猿

原油高円安インフレ土用波              流合 水澄

石組みも軋みはせむか土用照り            溝口戸無広

散髪の熱きタオルや土用入り             嵐田 双歩

土用丑夢に源内微笑んで               澤井 二堂

丸き地球見える丘あり土用東風            中村 迷哲

当季雑詠

土用にはバジルサンドにミントティー         池村実千代

大暑なり難しい事抜きにして             植村 方円

二千年眠りて紅の古代蓮               篠田  朗

帰る家売りし故郷盆の月               中村 迷哲

湯上りの髪をほどけば月涼し             安彦 真弓

蝋淚の太きひとすぢ原爆忌              嵐田 双歩

涼風の奥へと抜ける京町屋              金田 青水

干瓢の簾を分けて風通る                篠田  朗

梵鐘の残響冴えて梅雨明ける             中沢 豆乳

百日紅さくらでんぶのお弁当             星川 水兎

水底に冷やし西瓜と揺れる陽と            溝口戸無広

AIに名店を聞く鰻の日               伊藤 誠一

線香の煙ゆらりと夏座敷               岩田 千虎

雲の峰太極拳の動と静                加藤 明生

葡萄たわわ背負ふ古木の枝細し            高井 百子

核ボタン握るAI広島忌               前島 幻水

今日もまた病院通いの半夏生             大沢 反平

打水や芸妓小走り神楽坂               加藤 明生

雲海を破り日の輪のせり上がる            徳永 木葉

葉の裏でホルン奏でるカタツムリ           中沢 豆乳

七夕や机上の骨壺ただ白き              藤野十三妹

まったりと日帰り温泉土用照             向井 愉里

ゆびきりげんまんうそつきは缶ビール         横井 定利

《参加者》【出席9人】嵐田双歩、植村方円、大澤水牛、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、中沢豆乳、中村迷哲、溝口戸無広。【投句参加35人】安彦真弓、池村実千代、和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、斉山満智、坂部富士子、篠田朗、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中野枕流、流合水澄、旙山芳之、廣上正市、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎、前島幻水、増田浩志、水口弥生、向井愉里、山口斗詩子、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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酔吟会第181回例会開催

12人が「白南風」と席題「島」を詠む

「天」の10点句に水牛「梅雨長し」

迷哲5句すべてが高得点の快挙

酔吟会は令和8年7月例会(通算第181回)を11日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「白南風」、中村迷哲さんから出題された席題は「島」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の10点句に、大澤水牛氏の「脳検査待つ妻無言梅雨長し」が選ばれた。ご本人をのぞく出席者11名のうち実に9名(うち1名は特選)が推すという満票に近い結果となった。また、次点の6点には中村迷哲氏の「夏草や朽ちし戦車の残る鳥」、続く5点には迷哲氏の「江戸はるか配流の島の花蘇鉄」、岩田千虎氏の「青田風水の匂ひを運びくる」が並んだ。迷哲氏は上記6点句、5点句の他にも、4点句および3点句2句があり、実に投句したすべての句が高得点句となり、名乗りのたびに出席者から驚きの声がもれる快挙となった。

この日の東京は、まだ梅雨明けの発表はないものの、本格的な夏の到来を思わせる暑さ。句会のあとの反省会は、芭蕉記念館近くにオープンしたばかりの醸造設備のあるビヤバーで行われた。若者がたくさん集まり、ロックミュージックが流れ、メニュー表がなくスマホオーダーオンリーの店は、少し居心地の悪さもあったが、泡の立たない不思議なビールは確かに美味しかった。マンネリ俳句から脱するには、たまにはこういう経験も悪くないと思った。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

<白南風>

白南風や赤銅色が綱を曳く       金田 青水

白南風や素潜り漁師銛ひとつ      中村 迷哲

白南風や猫が待ってる港町       嵐田 双歩

白南風の街に繰り出す鼓笛隊      中村 迷哲

白南風や伊豆の七島とびの漁      徳永 木葉

<島>

夏草や朽ちし戦車の残る島       中村 迷哲

江戸はるか配流の島の花蘇鉄      中村 迷哲

<雑詠>

脳検査待つ妻無言梅雨長し       大澤 水牛

青田風水の匂ひを運びくる       岩田 千虎

ようもんた父の声する夏の家      岩田 千虎

大暖簾石の錘に南吹く         玉田春陽子

半夏雨指の切り傷まだ癒えず      向井 愉里

名を列ぬ二十四万余慰霊の日      中村 迷哲

<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里

(報告 廣田可升)

 

 

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日経俳句会令和8年上期合同句会

39人参加「梅雨晴」を詠む

可升・戸無広句が首位を分け合い、千虎・阿猿句が続く

日経俳句会は6月17日(水)、内神田の日経広告研究所会議室で上期合同句会を開いた。兼題通りの「梅雨晴」のこの日、14人が出席、高点句続出で、かつその作者の多くが出席していたこともあり、合評会は大いに盛り上がった。当季雑詠含め39人から117句の投句があり、事前選句(5句選)の結果、廣田可升さんの「エプロンは魔法の袋夏野菜」と溝口戸無広さんの「みちのくの山を逆さに田を植ゑる」がそれぞれ10点を獲得して一席を分け合った。二席には岩田千虎さんの「縄文の野性の匂ひ栗の花」と中嶋阿猿さんの「失くしては似たものを買ひ夏帽子」が8点で並び、三席には横井定利さんの「紫陽花や単身赴任丸二年」が7点で続いた。以下、5点2句、4点11句、3点6句、2点23句、1点29句だった。

句会後に暑気払いを兼ねた懇親会を開催。ピザやカツサンドを肴に、ビールやワインでのどを潤しながら歓談した。女性の出席者が多く、向井愉里さんが差し入れた実家特製の焼菓子が人気を集めた。席上、澤井二堂さんが「五堂」への俳号変更を表明、拍手で了承された。現在の「二堂」は、書道の師匠から堂の字をもらい、自分の名前・仁から二を採ったものだが、2点どまりの句が多いので、5点を取れるように改名したいという説明に会場は笑いに包まれた。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「梅雨晴」

書を閉ぢて一人吟行梅雨晴間             嵐田 双歩

分刻み梅雨の晴間の予定表              大澤 水牛

梅雨晴や草の匂ひと地の匂ひ             加藤 明生

梅雨晴間灌漑水の音豊か               堤 てる夫

梅雨晴や深く濃くなる山の色             星川 水兔

梅雨晴や洗濯ばさみ総動員              安彦 真弓

梅雨晴れて干潟の楽園蟹ダンス            岡田 鷹洋

梅雨晴れ間神保町に先ず行くか            横井 定利

当季雑詠

エプロンは魔法の袋夏野菜              廣田 可升

みちのくの山を逆さに田を植ゑる           溝口戸無広

縄文の野性の匂ひ栗の花               岩田 千虎

失くしては似たものを買ひ夏帽子           中嶋 阿猿

紫陽花や単身赴任丸二年               横井 定利

句会閉づ来し方たどり冷し酒             大澤 水牛

籐椅子は昭和よりなおそこにあり           坂部富士子

幸齢者粋な呼び名よ百日紅              久保田 操

宿題はAI任せソーダ水               須藤 光迷

紫蘇揉んで卒寿の祖母の梅仕事            中沢 豆乳

独り言まとわりつくや梅雨の闇            中嶋 阿猿

すっぽりと鎌倉五山梅雨の中             星川 水兎

短夜に目覚めて開く哲学書              増田 浩志

梅雨雲や並ぶ塔婆のかすれ文字            植村 方円

初鰹目玉のぎょろり出刃とめる            岡田 鷹洋

軒先にボレロのリズム梅雨に入る           旙山 芳之

《参加者》【出席14人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加25人】伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、玉田春陽子、堤てる夫、中沢豆乳、中野枕流、徳永木葉、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第239回例会

16人が勢揃い、銀座ライオンでフィナーレ句会

首位に「走馬灯くるくる」双歩句

番町喜楽会は令和8年6月例会(通算239回)を7日(日)昼に、休会式を兼ねて銀座ライオン七丁目店で開催した。関東地方梅雨入りのこの日は曇り空が広がったが、現有会員17人中、外せない用事のあった池内的中さんを除く16人が顔を揃えた。普段は句会に顔を出さない斉山満智さん、徳永木葉さん、堤てる夫・高井百子夫妻も出席、ライオンの二階特別室は笑顔が溢れた。さらに雨模様で出席を逡巡していた山口斗詩子さんが句会途中に駆け付けると、大きな拍手が湧いた。休会式は洋風料理と名物の生ビール、ワインを楽しみながら、予定時間をオーバーして続き、それぞれが思い出を語り合い、心に残るフィナーレ句会となった。兼題は「六月」と「虹」。全会員17人から81句の投句があり、事前5句選の内容を司会役の嵐田双歩さんが紹介する形で、合評会を進めた。その結果、休会に寄せた双歩さんの「走馬灯くるくる番町喜楽会」が8点と最高点を獲得した。二席は大澤水牛さんの「二時間と決め炎天の畑仕事」が5点で続き、三席4点には廣田可升さん「置き去りの下駄六月の雨の庭」、双歩さん「虹立つを告げる人なき夕べかな」、満智さん「虹立つや見知らぬ人と話しけり」の3句が並んだ。このほか3点6句、2点9句、1点25句という結果で、全員の句にまんべんなく点が入った。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「六月」

置き去りの下駄六月の雨の庭             廣田 可升

六月の川六月の雨の中                中村 迷哲

六月に生まれ六月の花嫁に              向井 愉里

「虹」

虹立つを告げる人なき夕べかな            嵐田 双歩

虹立つや見知らぬ人と話しけり            斉山 満智

ノーサイド泥を拭えば虹の空             徳永 木葉

当季雑詠

走馬灯くるくる番町喜楽会              嵐田 双歩

二時間と決め炎天の畑仕事              大澤 水牛

弔ひの帰路の寡黙や鉄線花              嵐田 双歩

似合うよと子に褒められしサングラス         須藤 光迷

傘立てに杖三四本梅雨晴間              玉田春陽子

《参加者》【出席16人】嵐田双歩、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。【投句参加1人】池内的中。

(報告 中村迷哲)

 

 

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洗足池吟行を催行

日経俳句会は5月24日(日)午後、大田区・洗足池吟行を実施、10人が参加した。頼朝、日蓮、勝海舟ゆかりの洗足池をぐるり巡った後に、3月28日の下総中山吟行に初参加した横山靖子さんの招きで、近くの池上線御嶽山駅近くのご自宅で心尽くしの新茶と菓子をいただきながら優雅な句会を繰り広げた。投句2句、選句5句といういつになく「ゆるやかな句会」に全員、談笑しながらののんびり句会となった。選句の結果、最高点は9点で、この日の吟行句会の世話役池村実千代さんの「新茶汲み十の笑顔の句会かな」が選ばれた。次席8点は岩田千虎さんの「薫風や日蓮海舟見し水面」、三席6点は中村迷哲さんの「上人の濯ぎし池や蛍湧く」だった。残る7人の代表句は次の通り。

吟行の褒美の菓子と新茶かな      嵐田 双歩

池月も汗ばむ洗足池吟行        大澤 水牛

青葉風つつむ海舟記念館        金田 青水

五月雨の隙を詠みゆく池の径      坂部富士子

お宝と新茶で締める池巡り       杉山 三薬

電車乗りボートにも乗る池涼し     向井 愉里

葉桜の風のやわらか夫婦墓       横山 靖子

(報告 大澤水牛)

 

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日経俳句会第249回例会

首位6点に千虎・朗・三薬句

37人が「麦秋」を詠む

日経俳句会は令和8年5月例会(通算249回)を5月17日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。五月の爽やかな風に誘われ外出した人が多かったのか、出席は8人にとどまったが、ルビの可否をめぐる議論など熱のこもった句会となった。兼題は「麦秋」。37人から111句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、首位には岩田千虎さんの「麦秋や猫バス通る風の道」、篠田朗さんの「村の子は征きて還らず麦の秋」、杉山三薬さんの「五月晴れ綱引き女子の尻力」の3句が6点で並んだ。二席は5点で須藤光迷さん「麦秋の峠越えれば光る海」、増田浩志さん「麦秋や昭和の香り笠智衆」、久保田操さん「賑やかに老女集ひし五月かな」、高井百子さん「今年また田水入らぬ田の二反」の4句が分け合った。三席4点には坂部富士子さんの「宙へゆく支度整ふ葱坊主」をはじめ10句が目白押し。以下、3点10句、2点25句、1点25句と大きく点がばらける結果となった。ルビや前書きの付いた句が多かったのも特徴で、合評会では「ルビは無い方が、何だろうと思って調べる」とか「前書きがあっても分からない句は分からない」など、不要論が多かった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「麦秋」

麦秋や猫バス通る風の道             岩田 千虎

村の子は征きて還らず麦の秋           篠田  朗

麦秋の峠越えれば光る海             須藤 光迷

麦秋や昭和の香り笠智衆             増田 浩志

京終の次駅帯解麦の秋              嵐田 双歩

麦秋や黄金の禾天を刺す             岩田 千虎

落日の影にたゆたふ麦の秋            久保田 操

麦秋を貫くローマ古街道             中村 迷哲

そよ風が教科書めくる麦の秋           溝口戸無広

麦秋や町の端まで風渡る             向井 愉里

穂の先に透ける青空麦の秋            中野 枕流

ふるさとと決めて美瑛は麦の秋          水口 弥生

当季雑詠

五月晴れ綱引き女子の尻力            杉山 三薬

賑やかに老女集ひし五月かな           久保田 操

今年また田水入らぬ田の二反           高井 百子

宙へゆく支度整ふ葱坊主             坂部富士子

墓移す話も出たり額の花             須藤 光迷

苗待ちし代田つかのま水鏡            中野 枕流

神妙にゼロ磁場に座し若葉風           星川 水兎

満目の緑背にして白牡丹             大澤 水牛

勾玉の雲ひとつあり五月晴れ           大沢 反平

洗い髪タオル巻きつけビール干す         久保 道子

風炉点前引けば澄みゆく水の音          坂部富士子

幾万のシラスの黒眼競りの声           徳永 木葉

雑草の蔓のたちまち夏めけり           廣上 正市

山道にたっぷりと聞く時鳥            星川 水兎

セロハンのやうに日の透く若葉かな        溝口戸無広

《参加者》【出席8人】嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、杉山三薬、中村迷哲、向井愉里、溝口戸無広。【投句参加29人】安彦真弓、池村実千代、伊藤誠一、伊藤健史、植村方円、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、増田浩志、水口弥生、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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番町喜楽会第238回例会

首位に的中句「響き一筋」、二席に双歩、可升句が並ぶ

17人が「風薫る」「更衣」詠む

番町喜楽会は令和8年5月例会(通算第238回)を11日(月)午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。25度近くの心地よい暖かさの天気となり、句会出席者は9人と久々の賑わいを見せた。兼題は「風薫る」と「更衣」。17人から85句の投句があり、選句6句(欠席者は5句)の結果、池内的中さんの「的中の響き一筋風薫る」が6点で首位の座を占めた。二席は4点で嵐田双歩さんの「ぐいと引く櫂の手応え風薫る」と廣田可升さんの「ため息で暮れる憲法記念の日」が並んだ。そのほかは3点が7句、2点14句、1点21句。実力伯仲というか団栗の背比べというか、相変わらず票が割れた。また、兼題の「更衣」に3点以上の高点句が無いという珍しい結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「風薫る」

的中の響き一筋風薫る                                    池内 的中

ぐいと引く櫂の手応え風薫る             嵐田 双歩

母子手帳スマホに在りて風薫る            金田 青水

白内障手術終わりて風薫る              斉山 満智

風薫るつむじ二つの悪戯っ子             徳永 木葉

当季雑詠

ため息で暮れる憲法記念の日             廣田 可升

そよ風を独り占めして三尺寝             嵐田 双歩

禁酒とは酷な話よ初鰹                須藤 光迷

梅雨空の旧軍港の街歩く               堤 てる夫

苗売り場ながめる母を待ちてをり           向井 愉里

《参加者》【句会出席9人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、向井愉里。【投句参加8人】嵐田双歩、斉山満智、沢井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、前島幻水、山口斗詩子。

(報告 須藤光迷)

 

 

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酔吟会第180回例会

11人で兼題「新緑」と席題「下」を詠む

「天」と「地」に4句ずつ並ぶ豊作?

酔吟会は令和8年の5月例会(通算第180回)を9日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「新緑」、須藤光迷さんから出題された席題は「下」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の6点句には大澤水牛氏の「新緑や石の蛙が伸びあがる」、岡田鷹洋氏の「風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻」、玉田春陽子氏の「下ごころ泡と消えたりソーダ水」、岩田千虎氏の「嬉しげに開く吾子の手青蛙」の4句が並び、次点の4点句に、向井愉里氏の「むくむくと新緑満ちて山太る」、徳永木葉氏の「新緑に映える黒板微積分」、須藤光迷氏の「五月雨や上ル下ルの京の町」、岩田千虎氏の「下町の路地をするりと青蜥蜴」のこれまた4句が並んだ。そして毎回ひしめき合う3点句が嵐田双歩氏の「新緑やキリンは長き舌伸ばし」の1句のみと、いつもとは異なる珍しい点数分布となった。この日は初夏に相応しい気持ちの良い一日。常連メンバーが帰りに立ち寄る芭蕉通りの角打ちが珍しく観光客で賑わっていて入れなかった。こんな場所も、口コミで広まっているのかもしれない。客の女性2人が、インスタグラム用だろうか、泡のグラスの写真を一所懸命に撮っていたのが印象的だった。この日の兼題別高点句(三点以上)は次の通り。

兼題<新緑>

新緑や石の蛙が伸びあがる         大澤 水牛

むくむくと新緑満ちて山太る        向井 愉里

新緑に映える黒板微積分          徳永 木葉

新緑やキリンは長き舌伸ばし        嵐田 双歩

席題<下>

風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻        岡田 鷹洋

下ごころ泡と消えたりソーダ水       玉田春陽子

五月雨や上ル下ルの京の町         須藤 光迷

下町の路地をするりと青蜥蜴        岩田 千虎

<雑詠>

嬉しげに開く吾子の手青蛙         岩田 千虎

<句会参加者11人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。

(報告 廣田可升)

 

 

 

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日経俳句会第248回例会

水兎句「酵母蔵」が首位十点、二席九点は水牛句「ごろり」

36人が難題「亀鳴く」に挑戦、高点句が続出

日経俳句会は4月15日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で4月例会(通算248回)を開いた。桜も終わり、街角は花水木の白やピンクが目立ち、生垣の躑躅が膨らみ始めた。当日は句会が始まるころから春の雨が降り出し、足元を気にしながらも13人が出席、和やかな俳句談義で盛り上がった。兼題は「亀鳴く」。作るのも選ぶのも難しい兼題だったが、36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵」が10点と二桁得票で一席。二席は大澤水牛さんの「筍のごろり一升瓶ごろり」が9点で続き、三席には旙山芳之さんの「老桜や花を抱きて倒れけり」が8点で入った。以下、中野枕流さんの「淡々とシニア雇用になりし春」が7点、中沢豆乳さんの「杖の母労り歩く菜種梅雨」など6点3句、5点3句、4点7句と高点句が続出した。以下、3点4句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「亀鳴く」

亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵             星川 水兎

亀鳴くや池に映るは若き日々             岩田 千虎

亀鳴くや子の選ぶ道信じ切る             安彦 真弓

亀鳴くを待てど鴉の啼くばかり            嵐田 双歩

亀鳴くやあの本どこかその下か            伊藤 健史

亀鳴くや元祖と本家並び立つ             中村 迷哲

万年を生きるは難儀亀の鳴く             篠田  朗

龍宮はかかあ天下ぞ亀鳴けり             須藤 光迷

トランプの怒号の果てや亀鳴けり           旙山 芳之

当季雑詠

筍のごろり一升瓶ごろり               大澤 水牛

老桜や花を抱きて倒れけり              旙山 芳之

淡々とシニア雇用になりし春             中野 枕流

新たなる縁始まる四月かな              嵐田 双歩

杖の母労り歩く菜種梅雨               中沢 豆乳

雨上がり土の息する春の朝              向井 愉里

水底をしの字への字に田螺這う            篠田  朗

米研ぐを忘れ楽しむ日永かな             須藤 光迷

春風が卒寿の妻を追って行く             大沢 反平

新調の靴ひも結ぶ四月かな              加藤 明生

穴熊の得意な奴と春炬燵               横井 定利

土筆摘む帽子に刺して朝散歩             堤 てる夫

《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第237回例会

「麗か」と「蝶」を詠む

出席5名の寂しき句会、会の存続が話題に

番町喜楽会は第237回例会を4月4日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。

会員の高齢化が主因だが昨年以降句会参加人数が減り始め、今年に入るとそれが顕著になった。今回も句会参加者(投句者)は15名、投句総数74句とまずまずの規模になったものの、句会出席者はわずかに5人。盛り上がりの無い寂しい会に終わった。小人数なだけに句会は1時間少々で終了してしまい、恒例の「懇親会」もわずか4人(最盛期は20人を超えた)で、「番町喜楽会、どうなって行くんでしょう」が主要話題となった。これから幹事、句会常連メンバーで相談し、今年半ばまでに今後の道筋を決め、会員に諮りましょうということになった。

4月例会の兼題は「麗か」と「蝶」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、一席は雑詠の「行く春や電話ボックス撤去中 春陽子」が6点で座った。次席は5点が無く、4点が5句ひしめき合った。三席3点も7句が競い合い、以下2点9句、1点16句ということになった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「麗か」

三越のライオン垂れ目街うらら            嵐田 双歩

うららかや猫に添い寝を許されて           斉山 満智

麗かや古書の店主の鼻眼鏡              廣田 可升

うららかや爪立ち覗く大道芸             玉田春陽子

麗かや狸に出会ふ昼下がり              高井 百子

「蝶)

白と黄の蝶と連れだつ房州路             中村 迷哲

歩道橋渡るつもりか初蝶来              玉田春陽子

よく来たと蝶も舞ひ来る母の墓            前島 幻水

野仏と何を語らふ蝶一羽               向井 愉里

「当季雑詠」

行く春や電話ボックス撤去中             玉田春陽子

たんぽぽと並んで見てる草野球            中村 迷哲

春暁やアザーンの音に重く明く            斉山 満智

病んでなほ無頼の友よ花の雨             廣田 可升

予定なき明日は朝寝をむさぼる日           山口斗詩子

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。【投句参加10人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。【選句参加】徳永木葉。  (報告 大澤水牛)

 

 

 

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