番町喜楽会第166回例会

「新米」と「渡り鳥」を詠む

金田青水さんが入会

番町喜楽会は、令和元年10月例会(通算166回)を10月5日(土)午後6時から、「新米」と「渡り鳥」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。今回から日経俳句会の金田青水さんが新たなメンバーに加わった。

この日の出席者は14名。投句参加7名を加え総勢21名の投句数は101句(投句5句)。選句6句で行った結果、玉田春陽子さんの「新米やふるさとの香のふきこぼれ」が5点でトップに輝いた。また、今泉而云さんの「今年米眉濃き伊那の男より」、高井百子さんの「藻塩ふる佐渡の新米試食会」と「刈田焼く今日は休日三世代」の2句、玉田春陽子さんの「風のこゑ浪のこゑきき鳥渡る」、堤てる夫さんの「白萩の猛然と咲く庭の隅」、廣田可升さんの「通夜へ行く乗換ホーム鳥渡る」の4点句6句が続いた。以下、3点が8句、2点16句、1点34句と票が大きく割れた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「新米」

新米やふるさとの香のふきこぼれ          玉田春陽子

今年米眉濃き伊那の男より             今泉 而云

藻塩ふる佐渡の新米試食会             高井 百子

四万十の佃煮のせて今年米             斉山 満智

富富富(ふふふ)てふ名前にひかれ今年米      谷川 水馬

新米の研ぎ汁まずは庭の木に            徳永 木葉

「渡り鳥」

風のこゑ浪のこゑきき鳥渡る            玉田春陽子

通夜へ行く乗換ホーム鳥渡る            廣田 可升

渡り鳥地上は難民移民かな             前島 幻水

夕空をのび縮みして渡り鳥             前島 幻水

「雑詠」

刈田焼く今日は休日三世代             高井 百子

白萩の猛然と咲く庭の隅              堤 てる夫

彼岸花中野拓きし名主塚              大澤 水牛

風通す鏝絵(こてえ)の蔵や薄紅葉         須藤 光迷

紙ヒコーキ地に着くまでの秋思かな         廣田 可升

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加7人】池内的中、今泉而云、大下綾子、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、星川水兎。  (報告 谷川水馬)

 

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日経俳句会第182回例会

 

33人参加、「秋の声」「枝豆」詠む

実千代さん「あぐらの父」で最高10点

 

日経俳句会は令和元年9月例会(通算182回)を9月18日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。生憎の雨に加え所用が重なった方が多く、出席は16人にとどまったが、兼題句を中心に高得点句が続出。合評会も盛り上がって「豊作」の句会となった。また入会希望の荻野雅史さんが見学参加し、選句・合評に加わった。兼題は「秋の声」と「枝豆」。33人から98句の投句があり、6句選(欠席5句)の結果、池村実千代さんの「枝豆やあぐらの父の笑ひ声」が最高10点を獲得。今泉而云さんの「葡萄酒の赤の深さや秋の声」が9点で続き、8点句に大倉悌志郎さんの「和紙の町流るる水に秋の声」と嵐田双歩さんの「一本のコスモスならば寂しかろ」が並んだ。7点句には「地の果てのその果ての島秋の雲 阿猿」、6点句に「種採りのオクラからから秋の声 水馬」と「枝豆のから山盛りに国家論 博明」の2句。以下5点3句、4点9句、3点7句、2点16句、1点24句で、3点以上の高得点が26句を数えた。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「秋の声」

葡萄酒の赤の深さや秋の声        今泉 而云

和紙の町流るる水に秋の声        大倉悌志郎

地の果てのその果ての島秋の雲      中嶋 阿猿

種採りのオクラからから秋の声      谷川 水馬

寂寥の八十路に響く秋の声        深田森太郎

また一つ小さき嘘つき秋の声       植村 博明

残されし休耕田や秋の声         堤 てる夫

笛の音の篝火ゆらし秋の声        徳永 木葉

納骨を済ませし座敷秋の声        中村 迷哲

秋の声よいしょよいしょとペダル踏む   斉藤 早苗

背番号小さく見えて秋の声        杉山 三薬

子育ての終わりしことよ秋の声      髙井 百子

地続きに弥生の古墳秋の声        廣上 正市

「枝豆」

枝豆やあぐらの父の笑ひ声        池村実千代

枝豆のから山盛りに国家論        植村 博明

枝豆やころり忘るる検診日        金田 青水

枝豆の莢押し潰す赤い爪         深田森太郎

枝豆を犬と分け合ふ風呂上り       谷川 水馬

独り酒空の枝豆またつまむ        徳永 木葉

枝豆や身の上話ながながと        大澤 水牛

枝豆や織部もどきの皿に盛る       大沢 反平

「当季雑詠」

一本のコスモスならば寂しかろ      嵐田 双歩

野分去り停電の闇月光る         澤井 二堂

薄日さす茶室の端や白桔梗        髙井 百子

老いの身の持ちつ持たれつ秋蛍      髙石 昌魚

野分過ぎ三十五度の大吐息        大澤 水牛

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、岩田三代、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、鈴木好夫、髙石昌魚、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、(見学)荻野雅史。(投句参加)井上庄一郎、今泉而云、植村博明、大倉悌志郎、大平睦子、加藤明生、久保田操、斉藤早苗、杉山三薬、高井百子、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹、横井定利。

(報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第142回例会

玉田・廣田両氏が高点2句ずつ

3人が新たに参加、満席の賑わい

酔吟会は9月14日(土)午後1時から東京・内神田の日経広告研究所(MIFビル)8階会議室で、令和元年第3回例会(通算142回)を開いた。台風15号の直撃を受けた千葉県在住の句友が大規模停電、広範囲の断水など災害禍にめげず元気な顔を見せた。また日経俳句会の古参会員2人が新規に参加、さらに新入会員1人が見学出席して、会場満席の例会となった。

兼題は「月(つき)」と「夜食(やしょく)」で、投句参加6人を含む22人から寄せられた110句を対象に、「7句選句」で句会を進めた。その結果、最高は5点で、玉田春陽子さんの「夜食蕎麦きのふは狐けふ狸」の一句。次席は4点で、廣田可升さんの「車椅子二つ並んで月の土手」と「身に入むや上総下総灯の絶えて」の2句に、春陽子さんの「紐を二度引いて消す灯や望の月」と、杉山三薬さんの「歯はあるぞひとり夜食の塩煎餅」、野田冷峰さんの「子を連れて詫びたあの日の月夜かな」、向井ゆりさんの「月面を歩いた記憶あるような」の合わせて6句が並んだ。続く3点句は嵐田双歩さんの「少年の未来果てなし天の川」、金田青水さんの「この月は深夜帰宅のわれのもの」、春陽子さんの「乗り越して戻るひと駅十三夜」、冷峰さんの「夜食にも一行詩ありこども食堂」の合計4句だった。

新入会員は今泉而云顧問、久保田操さんの紹介で、日経書の会の久保道子さん。日経杖道部所属杖道六段でもある。この日は投句こそなかったが、清記、選句、披講に加わり、5点句と4点句中3句に一票を投じた。楽しみな新加入である。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜食」

夜食蕎麦きのふは狐けふ狸      玉田春陽子

歯はあるぞひとり夜食の塩煎餅    杉山 三薬

夜食にも一行詩ありこども食堂    野田 冷峰

「月」

子を連れて詫びたあの日の月夜かな  野田 冷峰

車椅子二つ並んで月の土手      廣田 可升

月面を歩いた記憶あるような     向井 ゆり

この月は深夜帰宅のわれのもの    金田 青水

「当季雑詠」

紐を二度引いて消す灯や望の月    玉田春陽子

身に入むや上総下総灯の絶えて    廣田 可升

少年の未来果てなし天の川      嵐田 双歩

乗り越して戻るひと駅十三夜     玉田春陽子

《参加者》(出席)嵐田双歩、今泉恂而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、金田青水、久保田操、杉山三薬、須藤光迷、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり(投句参加)岡田鷹洋、工藤静舟、高井百子、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎(新入会・見学)久保道子         (報告・堤てる夫)

 

 

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番町喜楽会第165回例会を開催

「秋の雲」と「桔梗」を詠む

双歩さん「釣り糸」で7点、迷哲さん6点1句と3点が3句の大活躍

番町喜楽会は、令和元年9月例会(通算第165回)を、2日午後6時半から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行った。兼題は「秋の雲」と「桔梗」。投句5句、選句6句の結果、嵐田双歩さんの「釣り糸は海にあづけて秋の雲」が7点でトップ。中村迷哲さんの「かなかなの声戻り来る雨後の宿」が6点で次席、廣田可升さんの「地下鉄へつづく鉦音阿波踊り」が5点で三席となった。4点は須藤光迷さんの「うるさいと外す補聴器秋の雲」、高井百子さんの「毬栗の青きを拾ふ無言館」、玉田春陽子さんの「桔梗や机一つの駐在所」、星川水兎さんの「一雨に身をほどきたる桔梗かな」の4句、3点は9句に上った。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「秋の雲」

釣り糸は海にあづけて秋の雲      嵐田 双歩

うるさいと外す補聴器秋の雲      須藤 光迷

転勤の度に子の増え秋の雲       田中 白山

火の山を覆ひて余る秋の雲       玉田春陽子

季節なき街過ぎゆくや秋の雲      中村 迷哲

貰い湯の遠き記憶や秋の雲       野田 冷峰

「桔梗」

桔梗や机一つの駐在所         玉田春陽子

一雨に身をほどきたる桔梗かな     星川 水兎

父母の忌は二日違いや桔梗切る     須藤 光迷

弔問の庭にひともと桔梗咲く      中村 迷哲

桔梗咲くカルスト台地風渡る      中村 迷哲

「当季雑詠」

かなかなの声戻り来る雨後の宿     中村 迷哲

地下鉄へつづく鉦音阿波踊り      廣田 可升

毬栗の青きを拾ふ無言館        高井 百子

葉の落ちて空広がって庭の秋      堤 てる夫

AIとゲノムの未来原爆忌       前島 幻水

《参加者》(出席18人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(投句2人)澤井二堂、山口斗詩子。   (報告・須藤光迷)

 

 

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NPO双牛舎ブログ「みんなの俳句」の発信再開

 

9月3日、Yahooが突如「新規投稿受付」を中止してしまったため、NPO双牛舎の名物「みんなの俳句」の発信サービスを中断せざるを得なくなりました。双牛舎としては急遽、seesaaブログへの移転作業を開始し、このほど全面的にyahooから移行する作業を完了、9月9日、seesaaブログによる新生「みんなの俳句」を発信し始めました。

新しい「みんなの俳句」のアドレスは https://sogyusha.seesaa.net

なお、双牛舎のホームページの表紙(廣重の大鷲の絵をバックにした表紙)の「目次」にある「みんなの俳句」、あるいはこの画面の左側にある「双牛舎リンク」の「NPO法人双牛舎ブログ「みんなの俳句」をクリックして頂くと、すぐに新しい「みんなの俳句」の画面が現れます。

9月9日からの一週間を「試験期間」として、皆様からのご意見を求めたところ、「これまでのyahooブログ時代よりずっと見やすくなった」と好評価をいただきました。まだ改良の余地があると思います。素人集団でやっているので、思うに任せぬ所もありますが、徐々に進化していくよう努めます。今後もご愛読のほどよろしくお願いいたします。

2019年9月15日  NPO法人双牛舎代表 今泉恂之介・大澤水紀雄

 

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Yahooブログのサービス停止について

これまで10年にわたって、Yahooブログで「みんなの俳句」を発信して来ましたが、8月末日、突然、新規掲載が出来なくなってしまいました。これまでのYahooからの「お知らせ」では12月半ばまではサービスを続けるとのことだったので、それまでに他のブログへの移行作業を進めるべく準備していたのですが、一方的に8月末で「新規掲載打ち切り」とは、ひどい仕打ちです。急遽、新しいブログに切り替える作業を行いますが、「みんなの俳句」は暫く「お休み」にせざるを得ません。ご了承願います。

NPO法人双牛舎代表 今泉恂之介・大澤水紀雄

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日経俳句会第181回例会

「朝顔を褒めて一礼」(阿猿)14点

「陽の欠けら拾ふ」(操)10点、

「転校の子の朝顔」(ゆり)9点

女性会員が上位独占。

日経俳句会は8月21日(水)、令和元年度8月例会(通算181回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。この日は厳しい残暑がやや一段落、秋風を感じさせる夕刻、雨模様の中を19人が出席した。兼題は「秋風」と「朝顔」。欠席投句も含め34人の102句から6句を選んだ結果、中嶋阿猿さんの「朝顔を褒めて一礼配達員」が圧巻の14点を得票。次席は久保田操さんの「陽の欠けら拾ふ川面の秋の風」の10点、僅差で向井ゆりさんの「転校の子の朝顔も持ち帰り」が9点で続いた。いずれも兼題句で女性会員が上位を独占した。次いで「炊飯器スイッチぽんと敗戦忌」(水牛)が7点、「昼月に鐘の音響け長崎忌」(反平)が6点と両おおさわ句が高点を競った。以下5点2句、4点5句、3点14句、2点12句、1点33句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「秋風」

陽の欠けら拾ふ川面の秋の風      久保田 操

秋風をターフに残し名馬逝く      嵐田 双歩

秋風が揺らす地蔵のよだれかけ     中嶋 阿猿

路地裏のひび割れガラス秋の風     岩田 三代

合宿の日焼けの腕に秋の風       池村実千代

はな子亡き象舎秋風吹くばかり     大倉悌志郎

聴診器秋風の中振りまわし       鈴木 好夫

「朝顔」

朝顔を褒めて一礼配達員        中嶋 阿猿

転校の子の朝顔も持ち帰り       向井 ゆり

颯爽と開く朝顔団十郎         今泉 而云

朝顔や少年野球の始球式        大沢 反平

朝顔の蔓のゆくさき風まかせ      徳永 木葉

朝顔や木肌痩せたる古社        星川 水兎

朝顔の蔓しなやかに天を向き      政本 理恵

「当季雑詠」

炊飯器スイッチぽんと敗戦忌      大澤 水牛

昼月に鐘の音響け長崎忌        大沢 反平

風鈴売り風引き連れて行きにけり    大倉悌志郎

あの人も人間ドックの盆休み      大平 睦子

従順になるしかないか野分来る     高井 百子

老象の背に砂かける残暑かな      谷川 水馬

八月や戦争のこと父母のこと      嵐田 双歩

クチボソの引きの強さや秋の空     中沢 豆乳

吊り橋を色なき風の吹き抜けり     中嶋 阿猿

ひと死する極暑に越ゆる古希の坂    中村 迷哲

その一球敗戦チーム夏終わる      藤野十三妹

美味しかつた脱脂粉乳敗戦日      横井 定利

《参加者》【出席】嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、高石昌魚、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村哲、星川水兎、水口弥生、向井ゆり。【投句参加】井上庄一郎、岩田三代、植村博明、大倉悌志郎、大平睦子、加藤明生、久保田操、高井百子、高橋ヲブラダ、中澤豆乳、旙山芳之、深田森太郎、藤野十三妹、政本理恵、横井定利。   (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第164回例会を開催

 

「夏の果」と「冷奴」を詠む

春陽子さんが単独トップの5点句

 

番町喜楽会は令和元年8月例会(通算164回)を、8月3日(土)午後6時から、「夏の果」と「冷奴」を兼題として九段下の千代田区立生涯学習館で開いた。投句者は20名で、投句総数98句。そのうち15名が会場に集まり、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「釣堀の疲れし水や夏の果」が5点でトップに輝いた。また、今泉而云さんの「折紙に凝りて真夏を閉じこもる」、高井百子さんの「尻もちで蟻と出会ふや一歳児」、谷川水馬さんの「ふぞろいの踵の減りや夏の果」、そして玉田春陽子さんの「湧水に踊るトマトや奥会津」の4点句4句が続いた。以下、3点句が13句、2点11句、1点28句であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夏の果」

釣堀の疲れし水や夏の果              玉田春陽子

ふぞろいの踵の減りや夏の果            谷川 水馬

つないだ手だれが離した夏の果て          斉山 満智

ひと去りて浜に風紋夏終わる            中村 迷哲

わんぱくのひとかどの顔夏の果て          野田 冷峰

「冷奴」

沈黙を苦にせぬ仲や冷奴              嵐田 双歩

おねえさん冷奴まだ来てないよ           嵐田 双歩

山水の桶より出でて冷奴              今泉 而云

夫婦して遊び呆けて冷奴              田中 白山

悠々でなけれど自適冷奴              玉田春陽子

冷奴氷山めきて鉢の中               徳永 木葉

「雑詠」

折紙に凝りて真夏を閉じこもる           今泉 而云

尻もちで蟻と出会ふや一歳児            高井 百子

湧水に踊るトマトや奥会津             玉田春陽子

青栗の毬(いが)きらきらと雨上がり        谷川 水馬

真っ直ぐに伸びて不揃ひ立葵            玉田春陽子

むきだしの命漂ふ水母かな             廣田 可升

屋上に住民集ふ遠花火               前島 幻水

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加5人】大下綾子、斉山満智、澤井二堂、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

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日経俳句会第180回例会

 

36人参加、「七月」「夏木立」を詠む

三薬さんの「木曽路」が12点、水牛さん「日記帳」で9点

日経俳句会は令和元年の7月例会(通算180回)を7月17日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。降り続いた雨もこの日は上がったが、出足は湿りがち。出席は18人とやや少なかったが、夏空を見ないままに詠んだ夏の句を巡り、活発な議論を交わした。兼題は「七月」と「夏木立」。投句参加者も含め36人から105句の投句があり、6句選の結果、杉山三薬さんの「右木曽路左伊那谷夏木立」が12点を集めて最高位。大澤水牛さんの「七月やぐいと割ったる日記帳」が9点で続き、7点句に水口弥生さんの「ページ繰る小さき風あり夏木立」と岡田鷹洋さんの「採血に夏痩せの腕そっと出し」が入った。6点句には「七月の川濁流を海に吐く 迷哲」と「オルガンにはじまる礼拝夏木立 綾子」、「青梅を煮詰めて母の整腸剤 百子」の3句が並んだ。このほか5点5句、4点8句、3点8句、2点16句、1点26句で、上位集中型の分布となった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「七月」

七月やぐいと割ったる日記帳        大澤 水牛

七月の川濁流を海に吐く          中村 迷哲

七月や帽子揃へて母娘           髙石 昌魚

七月の湿り旧家の養蚕場          廣上 正市

七月の火口の池の碧さかな         大下 綾子

七月やめだかの家族どっと増え       澤井 二堂

七月や出国ロビーの華やぐ夜        向井 ゆり

「夏木立」

右木曽路左伊那谷夏木立          杉山 三薬

ページ繰る小さき風あり夏木立       水口 弥生

オルガンにはじまる礼拝夏木立       大下 綾子

夏木立斜光のなかにマリア像        野田 冷峰

県道に大手広げて夏木立          今泉 而云

夏木立抜けて寿福寺虚子の墓        堤 てる夫

「当季雑詠」

採血に夏痩せの腕そっと出し        岡田 鷹洋

青梅を煮詰めて母の整腸剤         髙井 百子

界隈という文字が好き梅雨晴間       杉山 三薬

口ひらく食虫植物夏ふかし         星川 水兎

雨烟る墓石の脇の百日紅          加藤 明生

甚平や鏡の中に父の顔           髙石 昌魚

ブルースをただ聴き続け夏の夜       髙橋ヲブラダ

百日紅散りて真昼のアスファルト      中嶋 阿猿

はまなすや指呼の国後島(くなしり)茫とあり 廣上 正市

来客の使ふ絵扇京の風           水口 弥生

手花火の燃え殻あつめ朝の庭        向井 ゆり

夏の宴分家の嫁の気働き          植村 博明

末生りは泥にまみれて瓜畑         大倉悌志郎

万緑やヨガの少女の四肢伸びる       徳永 木葉

父さんにハモニカ習った夏の庭       中沢 豆乳

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大澤水牛、岡田鷹洋、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、髙石昌魚、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、向井ゆり。(投句参加)植村博明、大倉悌志郎、大沢反平、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、高井百子、高橋ヲブラダ、中沢豆乳、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、横井定利。  (報告・中村迷哲)

 

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酔吟会第141回例会

「梅雨明」と「梅干」を詠む

水牛さん、天・地・人を独り占め

 

酔吟会は7月13日(土)午後1時、東京・内神田の日経広告研究所会議室(MIFビル)で、令和元年第2回例会(通算141回)を開いた。時折雨のぱらつくはっきりしない日和で、兼題は「梅雨明け(つゆあけ)」と「梅干(うめぼし)」。出席14人、投句参加7人計21人の105句について選句8句で句会を進めた。その結果、最高は水牛さんの「梅雨明けや五ミリの蜘蛛が背伸びする」の5点句1句だった。水牛さんは次席の4点句「梅干の漬かりゆくなり雨の音」、三席の3点句「滔々と坂東太郎梅雨明くる」と高点3句を綺麗に並べ「天」「地」「人」の“満天賞”を記録した。

次席4点句は他に3句、今泉而云さんの「梅干の種もてあそぶ舌の上」、片野涸魚さんの「梅干に浮かぶ戦後の日々のあり」、須藤光迷さんの「梅雨明けや襁褓の一歳スクワット」と熟達の作者が並んだ。三席の残る2句は、工藤静舟さんの「夏燕奔放に切る蒼い空」、玉田春陽子さんの「玄関に居間に客間に花菖蒲」。次いで2点は26句、1点は30句で合計56句に点が入ったが、3点以上の高点句は8句に止まった。高点句を巡って「あと一点」の重みが際立った句会だった。

この日のに合わせ、水牛さんがお手製の梅干、梅酒、花梨酒をキャリーバッグに積み込んで差し入れ。年代ものの梅酒は、濃厚で、上物の味わい。本来なら成績順に贈呈されるところ、製作・提供者のご本人が記録的な成績とあって「逆順」での分配になった。兼題別の高得点(3点以上)は次の通り。

「梅雨明」

梅雨明けや五ミリの蜘蛛が背伸びする    大澤 水牛

梅雨明けや襁褓の一歳スクワット      須藤 光迷

滔々と坂東太郎梅雨明くる         大澤 水牛

「梅干」

梅干の種もてあそぶ舌の上         今泉 而云

梅干の漬かりゆくなり雨の音        大澤 水牛

梅干に浮かぶ戦後の日々のあり       片野 涸魚

「当季雑詠」

夏燕奔放に切る蒼い空           工藤 静舟

玄関に居間に客間に花菖蒲         玉田春陽子

【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、久保田操、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり(。投句参加)岡田鷹洋、工藤静舟、澤井二堂、須藤光迷、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。    (報告 堤てる夫)

 

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