番町喜楽会第176回例会

 

14人出席、「厄日」と「秋草」を詠む

春陽子さん7・5・4・3点のサイクル安打

番町喜楽会は令和2年9月の例会(通算第176回)を7日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。日中の気温は31度を超え、コロナウイルス騒ぎも収まってはいないのに、句会には14人が顔を揃えた。兼題は「厄日」と「秋草」で、投句5句、選句6句で句会を進めた。最高は7点で玉田春陽子さんの「それほどの期待もされず案山子立つ」、次席6点は廣田可升さんの「地方紙に秋草くるみ帰京せり」、三席5点は春陽子さんの「爪切つて身の軽くなる厄日かな」だった。春陽子さんはこの他に4点、3点も獲得という大当たり。4点は3句、3点は11句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「厄日」

爪切つて身の軽くなる厄日かな       玉田春陽子

忘れ物今日は三つ目厄日かな        斉山 満智

水吸ふて厄日の砥石深き色         嵐田 双歩

打つ度に釘ひん曲がる厄日かな       玉田春陽子

二百十日復旧未だ千曲川          堤 てる夫

古雨戸父と釘打つ厄日かな         中村 迷哲

二百十日総理辞任の大嵐          前島 幻水

「秋草」

地方紙に秋草くるみ帰京せり        廣田 可升

秋草や買い手のつかぬ一等地        玉田春陽子

歩荷行く尾瀬の秋草揺れにけり          嵐田 双歩

秋草の彩り豊かままごと膳         須藤 光迷

「雑詠」

それほどの期待もされず案山子立つ     玉田春陽子

海風の抜ける道なり青蜜柑         須藤 光迷

雲ひとつ無くてぎらぎら地蔵盆       大澤 水牛

這うようにたどり着きたる九月かな     斉山 満智

小流れの底の罅割れ残暑光         須藤 光迷

藤袴咲いた咲いたよ妻の声         堤 てる夫

【参加者】(出席14人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(欠席投句8人)嵐田双歩、大下明古、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、徳永木葉、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第191回例会

明古さん「楼蘭の遺跡」が圧巻の14点

ゆりさん、三代さんと続き、女性が三席占める

日経俳句会の8月例会(第191回)は、句会予定の8月19日(水)を締切としてメール句会を行った。梅雨明けとともに猛暑が襲い、新型コロナも感染拡大が著しく、対面での句会を断念、二月以降半年連続のメール句会となった。今回の兼題は「夜這星」と「原爆忌」。暑さにもめげず35人から105句の投句があった。5句選の結果、大下明古さんの「楼蘭の砂中の遺跡夜這星」が14点を集め堂々の一席。次いで、向井ゆりさんの「閉店の貼紙千切れ秋の雷」が10点、岩田三代さんの「悲しみは赤錆となり原爆忌」が8点と、一、二、三席を女性会員が独占した。続いて、6点句に「折鶴に風さやさやと原爆忌(而云)」と「豊かさを詫びる気持ちや原爆忌(博明)」が並んだ。以下、5点1句、4点8句、3点11句、2点14句、1点28句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夜這星」

楼蘭の砂中の遺跡夜這星        大下 明古

収束に数多の願ひ流れ星        池村実千代

願ひ事半ばで消ゆる夜這星       中村 迷哲

里帰り叶わぬ吾子へ流れ星       大沢 反平

来ぬ人を迎へにゆくや流れ星      中嶋 阿猿

「原爆忌」

悲しみは赤錆となり原爆忌       岩田 三代

折鶴に風さやさやと原爆忌       今泉 而云

豊かさを詫びる気持ちや原爆忌     植村 博明

語り部がまたひとり逝く原爆忌     加藤 明生

佛花赤く不忍に咲き原爆忌       鈴木 雀九

厚塗りの黒き油絵原爆忌        谷川 水馬

原爆忌一秒前と一秒後         星川 水兎

原爆忌マスクのままで手を合はす    嵐田 双歩

原爆忌子との話しに孫も入る      澤井 二堂

黒い雨なほ降り止まぬ原爆忌      向井 ゆり

「当季雑詠」

閉店の貼紙千切れ秋の雷        向井 ゆり

新涼や久方ぶりの理髪店        髙石 昌魚

踏み入れば蝉の国なり森の中      今泉 而云

無言館訪ふ人のなく秋の声       高井 百子

厄災の町にあかあか盆の月       嵐田 双歩

走馬燈戻らぬ過去も廻りけり      加藤 明生

如己堂を訪ねし真昼蝉時雨       堤 てる夫

絵日記に描くことなしに夏終わる    中村 迷哲

蝉の声聞き分けてをる暮色かな     廣上 正市

御先祖のみたま重たし茄子の馬     藤野十三妹

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生向井ゆり、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第175回例会

“コロナ第二波”か、出席は11人に

「夜の秋」と「新蕎麦」を詠む

番町喜楽会は、令和2年8月例会(通算175回)を8月1日(土)午後6時から、「夜の秋」と「新蕎麦」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名、投句数は103句あったが、会場に集まったのは11名に留まった。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、大澤水牛さんの「長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜」が6点でトップに輝いた。次席は斉山満智さんの「ふたりいてひとりの孤独夜の秋」、玉田春陽子さんの「ステテコの中途半端を愛しけり」、前島幻水さんの「父の忌は二八新蕎麦越の酒」の5点句3句が続いた。以下、4点3句、3点6句、2点21句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜の秋」

ふたりいてひとりの孤独夜の秋           斉山 満智

老犬のゆたかないびき夜の秋            金田 青水

風呂の窓半分閉めて夜の秋             嵐田 双歩

ポロシャツの短き袖に夜の秋            池内 的中

上掛けを足して丸まる夜の秋            高井 百子

カルヴァドス含めば甘し夜の秋           廣田 可升

「新蕎麦」

父の忌は二八新蕎麦越の酒             前島 幻水

新蕎麦やくぐる暖簾の武田菱            谷川 水馬

新蕎麦を噛みしめてゐる卒寿かな          嵐田 双歩

新蕎麦を供へ写真に語りかけ            嵐田 双歩

「当季雑詠」

長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜           大澤 水牛

ステテコの中途半端を愛しけり           玉田春陽子

名ばかりの富士見坂なり大夕焼           廣田 可升

《参加者》【出席11人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加10人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第190回例会

メール句会で「夏座敷」「霍乱」を詠む

而云さん「特攻の叔父」で最高8点

日経俳句会の令和2年7月例会(通算190回)は、新型コロナ感染が再拡大の兆しを見せ、5カ月連続のメール句会となった。兼題は「夏座敷」と「霍乱」。33人から97句の投句があり、7月15日を締め切りにしたメール5句選の結果、今泉而云さんの「特攻の伯父の写真や夏座敷」が最高8点を獲得した。7点句に谷川水馬さん「鴨居にはずらりご先祖夏座敷」と植村博明さん「霍乱や底まで探る薬箱」が入り、6点句には「浜風と寝そべる猫と夏座敷 青水」と「霍乱や母が常備の正露丸 冷峰」「祭りなき夏の暦の白さかな 博明」の3句が並んだ。このほか5点5句、4点7句、3点10句を数え、高点句が多かった。2点は9句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夏座敷」

特攻の伯父の写真や夏座敷                今泉 而云

鴨居にはずらりご先祖夏座敷               谷川 水馬

浜風と寝そべる猫と夏座敷                   金田 青水

座布団を二つ折りして夏座敷               髙井 百子

青竹の茶筅おろして夏座敷                星川 水兎

百年の桜伐採夏座敷                   池村実千代

寝ころんで独りに広き夏座敷               中村 迷哲

真向ひにみどりの山を夏座敷                大澤 水牛

大の字の父のうたた寝夏座敷               髙石 昌魚

ビニールのおもちゃ放られ夏座敷             向井 ゆり

夏座敷かつて象牙の在りし床               向井 ゆり

「霍乱」

霍乱や底まで探る薬箱                  植村 博明

霍乱や母が常備の正露丸                 野田 冷峰

霍乱の癒えてやすらぐ今朝の風                久保田 操

一夜明け霍乱居士の飯三膳                中嶋 阿猿

霍乱や水は我慢と教へられ                廣上 正市

霍乱か妻が昼から静かなる                横井 定利

霍乱に祖母薬籠の反魂丹                  岡田 鷹洋

霍乱の女子高生を皆扇ぐ                 鈴木 雀久

踏み出した足ぐにゃぐにゃと日射病            星川 水兎

「当季雑詠」

祭りなき夏の暦の白さかな                植村 博明

自粛明けマスクの剣士夏稽古               荻野 雅史

寝て覚めて過ぐる一日沙羅の花                        久保田 操

夏空に火球の光宇宙知る                 髙橋ヲブラダ

宇宙にも寿命あるらし蛍飛ぶ               中嶋 阿猿

夏の旅灯火の影絵鵜飼船                 岡田 鷹洋

エコバッグ土用の丑を持ち帰る              杉山 三薬

墓守の蛇動き出す谷中路地                野田 冷峰

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、向井ゆり、横井定利。 (報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第147回例会

三度目のメール句会、参加23人

「晒井」で木葉さん、ゆりさん最高点、春陽子さん4点句を三連発

酔吟会は7月11日(土)に予定した令和2年第4回例会をメール句会に切り替えて実施した。3月例会を初めてメール句会として以来、連続で3回目。5月例会と同じく23人が参加した。兼題は「晒井(さらしい)」「万緑(ばんりょく)」で、113句の投句。6句選の結果、最高の6点は徳永木葉さんの「酒蔵の深井戸浚ふ上総かな」と、向井ゆりさんの「井戸替えやのぞき込む子の服掴み」の2句。次席の5点は「万緑の中を郵便バイクかな 嵐田双歩」、「万緑を真四角に伐り駐車場 今泉而云」、「晒井やアフガンの医師想い出す 堤てる夫」の3句。三席の4点は、7句が並び、玉田春陽子さんの3句に、双歩さん、木葉さん、杉山三薬さん、廣田可升さんの4人が名を連ねた。以下3点は6句、2点18句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「晒井」

酒蔵の深井戸浚ふ上総かな          徳永 木葉

井戸替えやのぞき込む子の服掴み       向井 ゆり

晒井やアフガンの医師想い出す        堤 てる夫

井戸さらい食べ放題の塩むすび        玉田春陽子

「万緑」

万緑の中を郵便バイクかな          嵐田 双歩

万緑を真四角に伐り駐車場          今泉 而云

万緑を切り裂く泥流暴れ雨          杉山 三薬

万緑のなかに終点秩父線           玉田春陽子

万緑を裂いて華厳の滝雪崩(なだ)る         須藤 光迷

万緑の等々力渓谷笹濁り           杉山 三薬

「雑詠」

部屋干しの下でうたた寝半夏雨        嵐田 双歩

花茣蓙を敷いて板間の艶めける        徳永 木葉

傘立てに色の混み合い梅雨深し        玉田春陽子

蹴られもし抱かれてもゐる夏蒲団       玉田春陽子

鉾町に鉾なき夕べ鱧を切る          廣田 可升

荒梅雨にすくと立ちたる蓮の茎        大澤 水牛

切通し念仏僧追ふ夏の蝶           藤野十三妹

一生の不覚を何度花かぼちゃ         星川 水兎

《参加者》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田青水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎、向井ゆり。 (報告 高井百子)

 

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番町喜楽会第174回

「夜濯」と「ビール」を詠む

青水さん「青田風」で8点、百子さん5点句三連発

番町喜楽会は令和2年7月の例会(通算第174回)を6日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。兼題は「夜濯」と「ビール」。投句5句、選句6句で進めた結果、最高は8点で金田青水さんの「青田風マスク外して深呼吸」、次席6点に廣田可升さんの「市松に座る映画や梅雨寒し」が入った。三席は5点で高井百子さんが「夜濯や教師の母の背のまるし」「この頃は客人もなし蛍草」「桑の実の熟れて蚕の里廃る」と三連打、そこに中村迷哲さんの「鯵寿司とビールの車窓伊豆の海」と谷川水馬さんの「口下手は父親譲り山椒魚」、玉田春陽子さんの「夜濯ぎや背番号なきユニフォーム」が加わり6句が並んだ。4点は1句、3点は3句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜濯」

夜濯や教師の母の背のまるし            高井 百子

夜濯ぎや背番号なきユニフォーム          玉田春陽子

夜濯や今日落としたき汚れあり           斉山 満智

「ビール」

鰺寿司とビールの車窓伊豆の海           中村 迷哲

処方箋にビール書き足すチェコの医師        大澤 水牛

これまでと畳む釣竿缶ビール            玉田春陽子

「当季雑詠」

青田風マスク外して深呼吸             金田 青水

市松に座る映画や梅雨寒し             廣田 可升

この頃は客人もなし蛍草              高井 百子

桑の実の熟れて蚕の里廃る             高井 百子

口下手は父親譲り山椒魚              谷川 水馬

テレワーク終へてTシャツ半ズボン         前島 幻水

《参加者》【13人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、前島幻水。【欠席投句7人】池内的中、斉山満智、塩田命水、谷川水馬、野田冷峰、星川水兎、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会上期合同句会

合同句会初のメール句会で「短夜」と「毛虫」を詠む

三代さんの「墓が見守る」が圧倒的13点で一席

日経俳句会は、6月17日(水)に開く予定だった令和二年度上期合同句会(通算30回)をメール句会に切り替えて開催した。新型コロナはやや小康状態だが、意味不明の東京アラートなるものが発令中でもあり、会場の都合もあってメール句会とした。

合同句会に相応しく、「短夜」と「毛虫」の兼題に38人から114句の投句があった。5句選の結果、岩田三代さんの「真ん中で墓が見守る田植かな」が13点もの圧倒的人気を集め一席。二席には「明易や明けきる前の街若し」(阿猿)、「ジパング手帳まっさらのまま夏最中」(水牛)、「全身で逃げる毛虫の速さかな」(双歩)の三作品が7点で並んだ。三席は「短夜やうす紫の街の色」(水兎)、「輪廻して毛虫だつたらまあいいか」(可升)が6点で続いた。以下5点2句、4点9句、3点10句、2点18句、1点25句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「短夜」

明易や明けきる前の街若し        中嶋 阿猿

短夜やうす紫の街の色          星川 水兎

短夜やもう朝刊のバイク音        須藤 光迷

短夜やゾンビドラマの続き観る      嵐田 双歩

短夜やトロトロと寝て夢多し       岩田 三代

盃置けばはや短夜の白み初め       大澤 水牛

短夜や光秀の謎解けぬまま        大沢 反平

短夜や夢の続きを惜しむ夢        髙石 昌魚

さざ浪の音して近江明易し        廣田 可升

「毛虫」

全身で逃げる毛虫の速さかな       嵐田 双歩

輪廻して毛虫だつたらまあいいか     廣田 可升

前世とか来世の話毛虫焼く        谷川 水馬

妻の肩口毛虫這ふ教へない        横井 定利

毛虫焼く毛虫のやうな眉あげて      大澤 水牛

もう一寸まだ一寸や毛虫這う       須藤 光迷

晩節は妻の裏方毛虫焼く         玉田春陽子

毛虫焼く火炎放射の沖縄戦        野田 冷峰

書の上に落ちし毛虫やもぞと読む     藤野十三妹

毛虫見て子どものやうに騒ぐ妻      髙石 昌魚

「当季雑詠」

真ん中で墓が見守る田植かな       岩田 三代

ジパング手帳まっさらのまま夏最中    大澤 水牛

母の名と同じ店ある梅雨晴れ間      大沢 反平

寛解のメールのありて花ざくろ      金田 青水

一駅を涼暮月の帰り道          星川 水兎

矢狭間に三角四角城薄暑         玉田春陽子

農道を走るうれしさ青田風        徳永 木葉

ひきがへる夜の歩道の真ん中に      旙山 芳之

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保道子、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。   (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第173回

コロナ禍一服、四ヵ月ぶり句会開催

「黒南風」と「茄子」を詠む

番町喜楽会は令和2年6月例会(通算第173回)を6月6日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。コロナウイルス禍により3、4、5月とメール句会にせざるを得なかったが、四カ月ぶりの通常句会に15人が元気に出席した。兼題は「黒南風」と「茄子」で、投句5句、選句6句。本日の最高は6点で谷川水馬さんの「眠る子の握り拳や柿の花」、次席5点に嵐田双歩さんの「黒南風や磯の祠に一升瓶」と「茄子もいで夫婦のひと日始まりぬ」、廣田可升さんの「濁音のやさしき人と夕涼」の3句が並び、三席4点は今泉而云さんの「男手の茄子は炒めるばかりなり」、廣田可升さんの「黒南風や夫の機嫌を読む朝餉」と「閉店のメール短し走り梅雨」、前島幻水さんの「黒南風や猫の身を寄す放置船」の4句。3点が6句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「黒南風」

黒南風や磯の祠に一升瓶          嵐田 双歩

黒南風や夫の機嫌を読む朝餉        廣田 可升

黒南風や猫の身を寄す放置船        前島 幻水

黒南風の轟轟と哭く九十九里        金田 青水

黒南風やトランペットのきれぎれに     谷川 水馬

黒南風や浜の食堂早じまい         中村 迷哲

「茄子」

茄子もいで夫婦のひと日始まりぬ      嵐田 双歩

男手の茄子は炒めるばかりなり       今泉 而云

冷酒汲む茄子の鴫焼き白き皿        堤 てる夫

丸茄子髭の八百屋は異邦人         前島 幻水

「当季雑詠」

眠る子の握り拳や柿の花          谷川 水馬

濁音のやさしき人と夕涼          廣田 可升

閉店のメール短し走り梅雨         廣田 可升

柿若葉眩しく雨の上がりけり        玉田春陽子

《参加者》(出席15人)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(欠席投句6人)池内的中、大下明古、斉山満智、谷川水馬、星川水兎、山口斗詩子。    (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第189回例会

参加34人で「初夏」「空豆」を詠む

芳之さん「ナース」で断トツ10点

日経俳句会の令和2年5月例会(通算189回)は、新型コロナの緊急事態宣言を受け、三、四月に続き3カ月連続のメール句会となった。兼題は「初夏」と「空豆」。長引く外出自粛にも創作意欲は衰えず、通常月並みの34人から102句の投句があった。5月20日を締め切りにしたメール5句選の結果、旙山芳之さんの「夜勤明けナース二年目初夏の風」が断トツの10点を獲得、コロナに立ち向かう医療従事者への共感が広がった。6点句に杉山三薬さん「笛太鼓蔵を出でずも夏初め」と中村迷哲さん「安曇野に山並映し田水張る」、廣上正市さん「夏来たる取水口より水けむり」の3句が並び、5点句には「焼き空豆心配なほど焦げてをり 水兎」と「弧をなして水平線に夏来る 反平」の2句が入った。以下4点4句、3点20句、2点32句、1点24「句だった。また今月から大下綾子さんが明古(めいぷる)の俳号を名乗ることになった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「初夏」

夜勤明けナース二年目初夏の風        旙山 芳之

笛太鼓蔵を出でずも夏初め          杉山 三薬

本堂の初夏の陽眩し写経会          岡田 鷹洋

まだ来ないアベノマスクや初夏となる     髙井 百子

初夏の空に大独楽投げ上げる         今泉 而云

自転車のペダル踏み込み初夏の風       植村 博明

雑草と追駆けっこの初夏の庭         大澤 水牛

起き抜けに一巡りする初夏の庭        金田 青水

樹に草にみなぎる光夏初め          水口 弥生

「空豆」

焼き空豆心配なほど焦げてをり        星川 水兎

はじき豆五粒の妻の食細き          大沢 反平

空豆や三つ子そろひの野球帽         谷川 水馬

空豆の端の小さき弟よ            今泉 而云

荷解けば父の空豆ぎっしりと         岩田 三代

空豆の白きワタにも親心           中嶋 阿猿

空豆を噛むや鼻腔に青き風          中村 迷哲

つれあひと蚕豆を剥く幸不幸         横井 定利

当季雑詠

安曇野に山並映し田水張る          中村 迷哲

夏来たる取水口より水けむり         廣上 正市

弧をなして水平線に夏来る          大沢 反平

一メートルあけてレジ前夏マスク       大澤 水牛

薔薇色の薔薇のあふるる垣根かな       大下 明古

ペタペタと素足幼な児こっちこっち      大平 睦子

籠の鳥黄金週に妻多弁            荻野 雅史

小満や露地の野菜に一番果          金田 青水

祖父震災父召集二度我コロナ         鈴木 雀久

花片のふれなば散らむ白牡丹         髙井 百子

久々の飛行機雲や薄暑光           谷川 水馬

連休や家でゆるりと柏餅           旙山 芳之

教会の細き十字架薔薇の雨          星川 水兎

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。   (報告 中村迷哲)

 

 

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番町喜楽会第172回

「浴衣」と「卯の花」を詠む

木葉「おすそ分け」と迷哲「子供の日」が8点で並ぶ

番町喜楽会は、令和2年5月の例会(通算第172回)をメール句会として開催した。兼題は「浴衣」と「卯の花」、締め切りは投句(5句)が5月4日、選句(6句)が5月11日。その結果、最高の8点に徳永木葉さんの「お隣へ卯の花越しのおすそ分け」と中村迷哲さんの「遊具みなテープで縛る子供の日」が並び、次席は5点で大澤水牛さんの「糊こはき浴衣六方踏むやうに」、斉山満智さんの「浴衣着て異国の宴の花となり」、山口斗詩子さんの「化粧せず着替えもせずに初夏迎ふ」の3句。4点句は六つ、3点句は八つだった。なお、大下綾子さんが今回から明古(めいぷる)という俳号を名乗ることになった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「浴衣」

糊こはき浴衣六方踏むやうに        大澤 水牛

浴衣着て異国の宴の花となり        斉山 満智

ヨーヨーと金魚ぶら下げ浴衣の子      須藤 光迷

出番なき浴衣の山や温泉街         嵐田 双歩

浴衣の輪団地広場を埋めし頃        中村 迷哲

古浴衣裁ちてマスクに変身す        山口斗詩子

「卯の花」

お隣へ卯の花越しのおすそ分け       徳永 木葉

卯の花や女人高野へ太鼓橋         谷川 水馬

卯の花や縁側といふ応接間         玉田春陽子

卯の花に思はず唱歌口ずさむ        前島 幻水

卯の花やいざ鎌倉の切通し         玉田春陽子

せせらぎへ卯の花こぼる城下町       前島 幻水

「当季雑詠」

遊具みなテープで縛る子供の日       中村 迷哲

化粧せず着替えもせずに初夏迎ふ      山口斗詩子

家中に香気立ち籠め自家製茶        大澤 水牛

緊急事態宣言下女児誕生

あたらしき命さづかる穀雨かな       廣田 可升

湾奥の無人の干潟こあじさし        田中 白山

手毬花揺らす雀や雨上がり         谷川 水馬

地蔵まで赤いマスクの立夏かな       玉田春陽子

《参加者》(22人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、大下明古、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。   (報告・須藤光迷)

 

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