酔吟会第131回例会

「冬めく」は冷峰さん、春陽子さん、「落葉」は水兎さん

酔吟会は11月11日(土)午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所(MIFビル)会議室で、平成29年度第6回例会(通算131回)を開催した。兼題は「冬めく」「落葉」で、出席者12名、投句参加4名、投句総数は80句だった。

兼題「冬めく」の最高点は野田冷峰さんの「冬めくや鬼も濃い目のルージュ引く」、玉田春陽子さんの「冬めくや巫女の速足鳩散らす」の4点句。次席3点は谷川水馬さんの「冬めくや烏の滑るすべり台」だった。「落葉」句は星川水兎さんが「落葉はく谷中の老いの多きこと」の4点でトップ、3点は冷峰さんの「日の名残り落葉彩るロンドン塔」、春陽子さんの「異人墓地石の聖書に落葉舞ふ」、高井百子さんの「落葉掃き名残り蛙の動かざる」が続いた。この他の3点は雑詠で3句あった。続く2点は7句、1点が33句だった。3点句以上は以下の通り。

「冬めく」

冬めくや巫女の早足鳩散らす        玉田春陽子

冬めくや鬼も濃い目のルージュ引く     野田 冷峰

冬めくや鴉の滑るすべり台         谷川 水馬

「落葉」

落葉はく谷中の老の多きこと        星川 水兎

落葉掃き名残り蛙は動かざる        高井 百子

異人墓地石の聖書に落葉舞ふ        玉田春陽子

日の名残り落葉彩るロンドン塔       野田 冷峰

「雑詠」

老友を囲む老友冬ぬくし          大澤 水牛

ひつじ田や輪廻転生だんご虫        高井 百子

小春日や今日のキャラメル一個舐め     谷川 水馬

【参加者】(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、星川佳子。(投句参加)久保田操、玉田春陽子、野田冷峰、藤野十三妹。(まとめ 高井百子)

 

 

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番町喜楽会第145回例会

 

「渡り鳥」と「冬隣」を詠む

谷川水馬さん7点句でトップ

 

番町喜楽会の平成29年11月例会(通算145回)は、6日午後6時半から、「渡り鳥」と「冬隣」を兼題として東京・九段下の蕎麦処「丸屋」で行われた。通常、奇数月の会場は千代田区生涯学習館なのだが、イベントで使用できなくなったため振り替えたもの。投句5句、選句6句の結果、最高は谷川水馬さんの「空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣」で7点。次席の6点には徳永正裕さんの「初霜の畑に残る菜屑かな」、三席には堤てる夫さんの「冬隣刈田にかかる山の陰」、中村哲さんの「それぞれに故郷のあり鳥渡る」、星川水兎さんの「冬隣肌のぬくみの帯をとく」の3句が5点で並んだ。4点は2句、3点は7句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「渡り鳥」

それぞれに故郷のあり鳥渡る       中村  哲

一望の洛中洛外鳥渡る          廣田 可升

一日(ひとひ)ごと賑はふ沼や渡鳥    前島 幻水

夕映えの国会議事堂鳥渡る        今泉 而云

鳥渡るビルの谷間に人流れ        塩田 命水

「冬隣」

空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣      谷川 水馬

冬隣刈田にかかる山の陰         堤 てる夫

冬隣肌のぬくみの帯をとく        星川 水兎

ぬる燗を交はす友亡く冬隣        池内 的中

黄昏の両手ポケット冬隣         田中 白山

酒蔵の米蒸すけむり冬隣         徳永 正裕

「雑詠」

初霜の畑に残る菜屑かな         徳永 正裕

秋霖の真田の里は鎮まれり        高井 百子

野を焼きし香りとともに父帰る 星川 水兎

『参加者』(出席18人)嵐田双歩、池内的中、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎。(投句参加4人)齊山満智、澤井二堂、前島幻水、山口斗詩子     (報告・須藤光迷)

 

 

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日経俳句会第163回例会

 

今泉さんと深田さん11点句連発

37人が参加、「秋冷」「鵙」を詠む

10月18日(水)、日経俳句会の平成29年度10月例会(通算163回)が千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。秋の長雨が止んだものの急に寒くなって体調を崩した人もいたようだが、22人が出席(欠席投句15人)して賑やかな句会となった。

「秋冷」と「鵙」の兼題で37人から110句の投句があった。5句選の結果、而云さんの「本堂の床秋冷の黒光り」と森太郎さんの「シテ去りて秋冷残る能舞台」の2句が断トツの11点を集めた。次点の8点句には反平さん「鵙高音谷の深さを告げにけり」が選ばれ、6点句に双歩さんの「てっぺんを鵙に預けて古木立つ」と阿猿さんの「秋祭り後ろ姿の似たる人」が続いた。以下5点7句、4点3句、3点9句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「秋冷」

本堂の床秋冷の黒光り       今泉 而云

シテ去りて秋冷残る能舞台     深田森太郎

秋冷や足の裏にも運命線      嵐田 双歩

秋冷やぬる燗といふ選択肢     植村 博明

秋冷を足先で知る寝起きかな    澤井 二堂

秋冷や山の湿りの上着脱ぐ     星川 佳子

「鵙」

鵙高音谷の深さを告げにけり    大沢 反平

てっぺんを鵙に預けて古木立つ   嵐田 双歩

藍染の旅のジャケット鵙日和    星川 佳子

消火ホース高々干され鵙日和    德永 正裕

道すがら不義理かぞへて鵙日和   中嶋 阿猿

鵙の声いまだに聴かず樹々高し   井上庄一郎

鵙鳴いて双眼鏡の譲り合ひ     植村 博明

新築の免振神社鵙日和       大熊 万歩

百舌鳥叫ぶ此処に柿の木あったはず 大澤 水牛

廃校や鵙なわばりを告げてをり   金田 青水

当季雑詠

秋祭り後ろ姿の似たる人      中嶋 阿猿

雲すこしありて生き生き今日の月  大澤 水牛

寛解の米寿の兄へ良夜かな     岡田 臣弘

漆黒の夜を統べたる金木犀     徳永 正裕

幾重にも分かれる道や吾亦紅    星川 佳子

終バスの赤き行き先虫の闇     大熊 万歩

敬老日なじみ風呂屋に救急車    岡田 臣弘

散り際の高き薫りや金木犀     谷川 水馬

参加者(出席)=嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣上正市、星川佳子、向井ゆり(投句参加)植村博明、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、高橋ヲブラダ、直井正、中嶋阿猿、流合研士郎、深田森太郎、藤野十三妹、水口弥生、横井定利

(まとめ・嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第144回例会

 

「天高し」と「鰯」を詠む

水馬さん、9点句でトップ飾る

 

番町喜楽会は平成29年10月例会(通算144回)を10月7日(土)午後6時から九段下の割烹「味さと」で開催した。例会出席者は20名、投句参加2名、投句総数は109句。兼題は「天高し」と「鰯」で、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、谷川水馬さんの「旅立ちのアサギマダラや天高し」が9点でトップに輝いた。また、中村哲さんの「手開きは妻の手ほどき鰯刺」の6点句が続いた。以下、5点句が3句、4点3句、3点9句、2点12句、1点37句という結果だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

なお、今回から星川佳子さんが俳号を「水兎」とし、池内健治さんが「的中」と名乗ることを発表、また谷口命水さんは「塩田命水」と改名した。

「天高し」

旅立ちのアサギマダラや天高し     谷川 水馬

天かくも高きか琵琶湖ど真ん中     今泉 而云

秋高し野点の席に登山靴             玉田春陽子

天高し磨きあげたる靴の先       塩田 命水

天高し総帆展帆日本丸         大澤 水牛

騎馬戦の陣立てなれり天高し      須藤 光迷

海へ落つ能登の棚田や秋高し      須藤 光迷

天高し谷の底行く小海線        中村 哲

「鰯」

手開きは妻の手ほどき鰯刺       中村 哲

人に生れ鰯に生れてつみれ汁      今泉 而云

鰯煮る潮引くように同期逝き      須藤 光迷

ぴちぴちと朝の汀(みぎわ)の鰯かな   高瀬 大虫

群れ鰯竜巻となる水族館        徳永 正裕

「雑詠」

腹立てしこと薄れゆく良夜かな     嵐田 双歩

川風に絮泳がせて藤袴         谷川 水馬

秋雨をさけて駅舎のつがい鳩      池内 的中

荷を降ろし下る坂道秋楽し       齊山 満智

《参加者》【出席20人】嵐田双歩、池内的中、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加二人】澤井二堂、山口斗詩子。

(報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第162回例会

 

「秋風」と「曼殊沙華」を詠む

8点句3人をはじめ高得点句目白押し

 

日経俳句会の平成29年9月例会(通算162回)は9月20日(水)午後6時半から、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。台風18号が残暑を運び去り、涼しい風に誘われるように22人が出席(投句参加13人)、高得点句続出で合評会は秋の夜長に熱く盛り上がった。

兼題は「秋風」と「曼殊沙華」。投句総数105句、5句選の結果、大熊万歩さんの「封印の郵便受けや曼珠沙華」と岡田臣弘さんの「友逝きてひとり烏鷺置く秋の夜」、徳永正裕さんの「秋蝶を追ふ目の優し車椅子」の3句が最高8点で並んだ。次いで植村博明さんの「赤銅の警備員ゐて秋の風」が7点を獲得、6点句には藤野十三妹さんの「曼珠沙華燃ゆる真中に石舞台」と向井ゆりさんの「曼珠沙華遺品整理の嫁二人」が入った。このほか5点に5句、4点に5句、3点8句と続いた。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「秋風」

赤銅の警備員ゐて秋の風         植村 博明

秋風や棚田は海になだれ落ち       嵐田 双歩

落書きのかすれしハート秋の風      大熊 万歩

秋風に大口開けて寺の門         今泉 而云

わが影にふと老い見たり秋の風      大倉悌志郎

秋風を探して百段登りきる        大沢 反平

ふうふうと犬の毛動く秋の風       鈴木 好夫

まばらなる回転木馬秋の風        星川 佳子

仏壇のバーゲンセール秋の風       横井 定利

「曼殊沙華」

封印の郵便受けや曼珠沙華        大熊 万歩

曼珠沙華燃ゆる真中に石舞台       藤野十三妹

曼珠沙華遺品整理の嫁二人        向井 ゆり

へなへなと笑ふ羅漢や曼珠沙華      嵐田 双歩

野仏の赤き台(うてな)や曼殊沙華         中村  哲

合はす手の赤いマニキュア曼殊沙華    水口 弥生

曼珠沙華棚田に浄土現るる        中嶋 阿猿

曼珠沙華積み上げられし無縁墓      星川 佳子

曼珠沙華不知火型のせり上がる      大下 綾子

曼珠沙華見頃を告げる車内吊り      野田 冷峰

「当季雑詠」

友逝きてひとり烏鷺置く秋の夜      岡田 臣弘

秋蝶を追ふ目の優し車椅子        徳永 正裕

午前二時ピタリ鳴き止む虫の声      久保田 操

秋の日のすとんことんと落ちにけり    嵐田 双歩

爽やかや野鍛冶に生きて八十年      大倉悌志郎

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中村哲、野田冷峰、藤野十三妹、水口弥生、向井ゆり、横井定利。(投句参加)岩田三代、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田靑水、久保田操、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、廣上正一、星川佳子。

(報告・中村哲)

 

 

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酔吟会第130回例会

 

出席13人、投句参加4人で「水澄む」「南瓜」を詠む。

「南瓜」は春陽子さんが7点、「水澄む」では佳子さんが6点

 

酔吟会は、9月9日(土)午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所(MIFビル)会議室で、平成29年度第5回例会(通算130回)を開催した。兼題は「水澄む」と「南瓜」で、選句7句で句会を進めた。出席者13名、投句参加は4名、投句総数は83句だった。

最高点は玉田春陽子氏の「助手席にシートベルトの大南瓜」の7点であった。次点6点句は星川佳子さんの「水澄むやエイもあらわる浜離宮」。佳子さんは雑詠句「秋澄むや外階段を下りる音」でも5点を獲得しており、投句した全部に票が入る好調ぶりを発揮した。以下4点句が2句、3点句6句、2点句13句、1点句は21句であった。兼題別高点句(3点以上)は次の通り。

「南瓜」

助手席にシートベルトの大南瓜     玉田 春陽子

目鼻口あけて酒屋の赤南瓜       須藤 光迷

妻に見せる男の沽券南瓜割る      徳永 正裕

髑髏シール貼られ花屋の南瓜かな    星川 佳子

南瓜煮や記憶の底のすきつ腹      玉田 春陽子

「水澄む」

水澄むやエイもあらわる浜離宮     星川 佳子

地の鼓動湧水澄むや柿田川       久保田 操

水澄むや磯野小蟹の隠れ穴       徳永 正裕

「雑詠」

秋澄むや外階段を下りる音       星川 佳子

様子見の雀ひょんひょん野分あと    大澤 水牛

火の山へ走る畦道曼珠沙華        玉田 春陽子

参加者(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、久保田操、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰(投句参加)岡田臣弘、澤井二堂、藤野十三妹、星川佳子      (まとめ 高井百子)

 

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番町喜楽会第143回例会

「身に入む」と「相撲」を詠む

中村哲さんが7点句でトップ

番町喜楽会の平成29年9月例会(通算143回)は、4日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で「身に入む」と「相撲」を兼題として投句5句、選句6句で行った。最高は中村哲さんの「宮相撲四股踏む少年白き尻」で7点。次席6点は田中白山さんの「我一人身にしむ卓の広さかな」と徳永正裕さんの「妻の指す花の名知らず赤とんぼ」の2句が並んだ。5点は谷口命水さんの「手の皺の目立つ齢や鰯雲」と白山さんの「場所入りの風呂敷一つ夢一つ」の2句、4点は1句、3点は11句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「身に入む」

我一人身にしむ卓の広さかな      田中 白山

独り居の病の床の身にしみて      山口斗詩子

身に入むや戦力外の小さき記事     玉田春陽子

身に入むや訃報をつげる留守電話    玉田春陽子

漁火の身に入む旅や北の宿       前島 幻水

「相撲」

宮相撲四股踏む少年白き尻       中村  哲

場所入りの風呂敷一つ夢一つ      田中 白山

原っぱや三角ベースと草相撲      嵐田 双歩

番付にさがす故郷大相撲        谷川 水馬

買ひ出しの自転車小さき相撲取     廣田 可升

肥満児の英雄となる草相撲       前島 幻水

「雑詠」

妻の指す花の名知らず赤とんぼ     徳永 正裕

手の皺の目立つ齢や鰯雲        谷口 命水

きなくさき雨の降るなり敗戦日     大澤 水牛

孫帰るばあば一人の処暑の風      高井 百子

負けて泣き勝って泣く児ら夏終わる   中村  哲

秋蝉のホース跨ぎて動かざる      廣田 可升

参加者(出席十八人)嵐田双歩、池内健治、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、谷口命水、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、中村哲、野田冷峰、星川佳子、前島幻水。(投句参加四人)齊山満智、澤井二堂、廣田可升、山口斗詩子       (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第161回例会

阿猿さん、ゆりさん七点句で並ぶ

お盆の例会、「盆」句に票集まる

日経俳句会の平成29年度8月例会(通算161回)は、8月16日(水)、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開かれた。8月は半月も雨模様の日が続き、送り日のこの日は肌寒いほど。盆休みとあって、出席17人、欠席投句20人と欠席者が上回ったものの合評会は白熱し、大いに盛り上がった。

兼題は「処暑」と「盆」。37人から109句の投句があり6句選(欠席5句選)の結果、中嶋阿猿さんの「星屑を夜空に戻す送り盆」と、向井ゆりさんの「あら盆や音なき家に風抜けて」の盆の句がそれぞれ7点で並んだ。5点句は岩田三代さんの「盂蘭盆会花なき墓の増えてゆき」や髙石昌魚さんの「残る日々如何に過ごさむ蝉時雨」など5句。以下、4点5句、三点が17句もあり、2点25句、1点26句と票がばらけた。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「処暑」

炊き立ての白きご飯や処暑の朝   今泉 而云

処暑の風水上バスの川下り     大倉悌志郎

九九表を暗唱する子処暑の朝    德永 正裕

灯明の揺らぐ風来し処暑の夕    水口 弥生

水の音処暑の平たき石に座し    橫井 定利

フルートの深きラ音や処暑の杜   池村実千代
子ら消えて大波寄せる処暑の海   岩田 三代

疲れたる物干し竿や処暑の庭    大熊 万歩

木漏れ日と処暑の風とのハーモニー 加藤 明男

埴輪武者たたずむ処暑の展示室   金田 青水

高々と球なげて受く処暑の空    星川 佳子

「盆」

星屑を夜空に戻す送り盆      中嶋 阿猿

あら盆や音なき家に風抜けて    向井 ゆり

盂蘭盆会花なき墓の増えてゆき   岩田 三代

うぶすなへ帰る伝手なし盆果つる  廣上 正市

迎え火や親の写真に声かけて    嵐田 双歩

開け放つ夕餉の座敷盆の客     大熊 万歩

今年から派遣僧侶や盂蘭盆会    谷川 水馬

新盆や卒寿写真の笑ひ皺      德永 正裕

盆僧の青き頭に風通る       中村  哲

送り火の一人は淋し慣れにけり   橫井 定利

「当季雑詠」

残る日々如何に過ごさむ蝉時雨   髙石 昌魚

まあ座れまずは落ち着け水羊羹   中嶋 阿猿

ひとり言増えしこの頃萩くくる   星川 佳子

水底に揺れる藻の見ゆけさの秋   大倉悌志郎

幼子の身振り手振りや盆踊り    髙石 昌魚

わが句歴喜寿に船出しはや米寿   直井  正

紫陽花の土の色なる晩夏かな    廣上 正市

廃校が決まりし年の盆踊り     向井 ゆり

【参加者】(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、今泉而云、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中嶋阿猿、中村哲、星川佳子。(投句参加)池村実千代、和泉田守、岩田三代、植村博明、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、加藤明男、金田青水、久保田操、澤井二堂、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、野田冷峰、流合研士郎、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、向井ゆり、横井定利。

(まとめ・嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第142回例会

兼題は「花火」と「鰻」。堤さん、孫を詠んで最高点

番町喜楽会の平成29年8月例会(通算142回)は、8月5日(土)午後6時から、「花火」と「鰻」を兼題として九段下の割烹「味さと」で開いた。投句者は21名、投句総数101句。当夜は16名が出席した。選句6句で披講の結果、堤てる夫さんの雑詠「小一が俺と言ひ出す夏休み」が7点でトップに輝いた。兼題句では、大下綾子さんの「鰻重を昼食べしこと言ひ出せず」の5点句が最高。以下、4点6句、3点8句、2点13句、1点26句という結果だった。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「花火」

蹲踞して力士の線香花火かな      今泉 而云

手花火や痩せて落ちゆく闇の中     髙瀨 大虫

波音を渚に残し花火果つ        玉田春陽子

妻映る夜汽車の窓に遠花火       谷川 水馬

役終える湯屋の煙突遠花火       谷川 水馬

ベランダに並ぶ妻なし遠花火      中村 哲

庭花火あせし写真の兄妹        星川 佳子

「鰻」

鰻重を昼食べしこと言ひ出せず     大下 綾子

鰻待つ酒一合の嬉しさよ        今泉 而云

盥桶のの字くの字の鰻かな       高瀬 大虫

鰻屋の煙に巻かれ仲直り        池内 健治

「雑詠」

小一が俺と言ひ出す夏休み        堤 てる夫

夏野菜スープカレーに九種類      高井 百子

すぐ吠える犬は寝てをり百日紅     嵐田 双歩

夢十夜一夜読んでは冷やし酒      池内 健治

はよ上がれネクタイとれと冷し酒    玉田春陽子

《参加者》

【出席16人】嵐田双歩、池内健治、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、谷口命水、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、星川佳子、前島幻水。【投句参加5人】今泉而云、大下綾子、澤井二堂、中村哲、野田冷峰。      (報告・谷川水馬)

 

 

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酔吟会・金指正風さん死去

 

日経俳句会酔吟会の創設メンバーの金指正雄(俳号正風)さんが7月18日午前亡くなられた。ここ数年体調を崩し病院・施設での療養を余儀なくされ、句会活動も中断状態だった。葬儀、告別式は23、24日、自宅近くの横浜市栄区公田町の「鎌倉ファミリー公田斎場」で行われ、日本経済新聞社の現役、OBや知人ら多数がお見送りした。享年80歳。

正風さんは、昭和37年、日経入社、東京・社会部、政治部を経て論説委員・編集委員として健筆を振るった。本名・俳号にある「正」の文字が示す通りの「正義感」溢れるお人柄で、後輩、先輩の別なく「愛された」お人であった。

俳句の道は、堀口星眠さん(結社「橡」主宰)の指導する「薫風会」に入会したのが始まりで、俳号も師から頂いたもの。確かな俳論をもって酔吟会の談論に参加された姿が懐かしい。斎場に飾られた遺影は満面の笑みを湛えていた。祭壇には「日経俳句会」の供花も飾られ、日経俳句会からは、大澤水牛、今泉而云、中村哲氏らが参列した。    (堤てる夫記)

 

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