日経俳句会第193回例会

八ヶ月ぶりの対面句会

博明さん11点、早苗さん、昌魚さんが7点で並ぶ

日経俳句会は10月21日(水)、10月例会(第193回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。新型コロナ下で長い間メール句会を余儀なくされていたが、粘り強い働きかけで会議室が使えるようになり、八ヶ月ぶりに対面での句会となった。当然ながら、検温や換気、消毒、座席を空ける、など感染防止に充分配慮した。事前にサーキュレーターや非接触型検温計、消毒ジェルなどを購入し万全を期した。たまたま出席者は14人と密にならない人数だったが、久しぶりの再会を楽しんだ。また、「三四郎句会」の深瀬久敬さんが見学に訪れ、選句に加わった。

「冷まじ」と「南瓜」の兼題に、32人から96句の投句があった。6句選(欠席者は5句選)の結果、一席は11点で植村博明さんの「ぐい吞みを厚手に替えて秋深し」。二席には、斉藤早苗さんの「蟷螂を避けて自転車みぎひだり」と髙石昌魚さんの「目鼻口つけて南瓜の大笑ひ」が7点で並んだ。次いで、5点句には実千代さん、反平さん、明古さん、昌魚さんの4句。以下、4点8句、3点9句、2点26句、1点23句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冷まじ」

一軒に保存魔ふたりすさまじき      池村実千代

冷まじやわが皺顔の水鏡         大沢 反平

冷まじや乾きのつのる老いの肌      髙石 昌魚

冷まじやスマホ食ひ入る向かひ席     植村 博明

花時を過ぎて冷まじ七変化        久保田 操

自死せまる深き孤独の冷まじや      金田 青水

詐欺メールああだこうだと冷まじき    向井 ゆり

「南瓜」

目鼻口つけて南瓜の大笑ひ        髙石 昌魚

昼も夜も卓に南瓜やテレワーク      大下 明古

大かぼちゃ主食デザート七変化      池村実千代

満ち足るる南瓜スープの香りかな     大澤 水牛

叢にごろりと潜む南瓜かな        今泉 而云

骨を断つほどの気合いで南瓜断つ     斉藤 早苗

南瓜割る妻の顔つき婆娑羅さま      澤井 二堂

体乗せ日向南瓜を四ツ割りに       須藤 光迷

人寄せの大かぼちゃ撫で物産展      徳永 木葉

ありし日の弁当箱の南瓜かな       廣上 正市

「当季雑詠」

ぐい吞みを厚手に替えて秋深し      植村 博明

蟷螂を避けて自転車みぎひだり      斉藤 早苗

令和二年

塀越しに我が子応援運動会        嵐田 双歩

新米や塩田平の天地人          堤 てる夫

金の砂撒いて木犀香を失せり       徳永 木葉

始祖鳥の夢切れ切れに夜寒かな      中嶋 阿猿

あの家の角を曲がれば金木犀       旙山 芳之

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、須藤光迷、鈴木雀九、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、(特別参加)深瀬久敬。【投句参加19人】池村実千代、岩田三代、植村博明、大沢反平、大下明古、大平睦子、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第177回

「龍田姫」と「後の月」を詠む

玉田春陽子さん8点と6点でトップと次席を独占

番町喜楽会は、令和2年10月例会(通算177回)を10月3日(土)午後6時から、「龍田姫」と「後の月」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は22名で、投句数106句。そのうち14名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句(欠席投句者は5句選)の結果、玉田春陽子さんの「芦の湖を姿見にして龍田姫」が8点でトップに輝いた。次席も玉田春陽子さんの「自販機を叱る男や後の月」。三席は池内的中さんの「大和路に風吹き抜けて龍田姫」と谷川水馬さんの「渾身の一日花やオクラ咲く」の5点2句。以下、4点句が2句、3点9句、2点20句、1点26句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「龍田姫」

芦の湖を姿見にして龍田姫             玉田春陽子

大和路に風吹き抜けて龍田姫            池内 的中

袖口を藪にからめて龍田姫             今泉 而云

大山の長き石段龍田姫               大澤 水牛

後ろ姿追ひて山路を龍田姫             大下 明古

「後の月」

自販機を叱る男や後の月              玉田春陽子

十三夜特養とうに寝静まり             徳永 木葉

老猫をあぐらに乗せて十三夜            大澤 水牛

豊島園閉じて寂寞後の月              山口斗詩子

「雑詠」

渾身の一日花やオクラ咲く             谷川 水馬

黒猫も納屋へ飛び込む芋嵐             須藤 光迷

虫の音のふつと止みまたふつと鳴き         嵐田 双歩

モノクロの路地を彩る柘榴の実           塩田 命水

強かや倒れてもなほ秋桜              高井 百子

トタン屋根とんとことんと木の実降る        星川 水兎

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加8人】池内的中、大下明古、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

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日経俳句会第192回例会

34人参加「秋の空」「居待月」を詠む

雀九さん「百年の家業」で最高9点、二席に芳之さん「向かいの更地」

日経俳句会の令和2年9月例会(通算192回)は、新型コロナ感染第二波の峠は越えたものの、依然として会議室が使えず7カ月連続のメール句会となった。兼題は「秋の空」と「居待月」。34人から101句の投句があり、9月16日を締め切りにしたメール5句選の結果、鈴木雀九さんの「百年の家業を閉じて居待月」が最高9点に輝いた。二席は旙山芳之さんの「お向かいが更地になりし秋の空」が8点で続き、6点句には「天窓を拭いて四角の秋の空(而云)」「老いてゆく日々の早さや秋の空(十三妹)」「切り上げし仕事の火照り居待月(ゆり)」「開墾のひとちりぢりに蕎麦の花(正市)」「いつの間に石仏かこむ彼岸花(水兎)」の5句が並んだ。このほか5点5句、4点2句、3点12句、2点10句、1点29句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「秋の空」

お向かいが更地になりし秋の空          旙山 芳之

天窓を拭いて四角の秋の空            今泉 而云

老いてゆく日々の早さや秋の空          藤野十三妹

地下鉄の出口小さき秋の空            嵐田 双歩

秋空や棟上式の槌の音              堤 てる夫

アフガンに小麦のみどり秋の空          金田 青水

手を打てば龍が鳴くなり秋の空          大下 明古

ラーメンに行列戻る秋の空            杉山 三薬

やうやうと秋の空なり歯を磨く          髙橋ヲブラダ

川風の今日より軽し秋の空            星川 水兎

秋の空余所行きを着てそこらまで         横井 定利

「居待月」

百年の家業を閉じて居待月            鈴木 雀久

切り上げし仕事の火照り居待月          向井 ゆり

病室の消灯早し居待月              嵐田 双歩

居待月じつと見上げる鬼瓦            中嶋 阿猿

串団子二と三に分け居待月            野田 冷峰

塩辛のほどよくなれて居待月           大澤 水牛

ここだけの話をひとつ居待月           杉山 三薬

客ひとり見送る宵を居待月            水口 弥生

「当季雑詠」

開墾のひとちりぢりに蕎麦の花          廣上 正市

いつの間に石仏かこむ彼岸花           星川 水兎

秋思あり動かぬ雲を飽きもせず          谷川 水馬

柏手の音の強さやいわし雲            池村実千代

夏惜しむ赤く染めたる足の爪           植村 博明

若僧の読経かき消す法師蟬            中嶋 阿猿

様様なマスク行き交ふ敬老日           横井 定利

《参加者34人》嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。

(報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第148回例会

メール句会が連続四回、22人で「蛇穴に入る」「露」を詠む

水兎さん「住所録」で最高の6点

酔吟会は令和2年第5回例会(通算148回)を9月12日付けのメール句会で実施した。新型コロナ禍対応のメール句会は3月以来連続で4回目となった。兼題は「蛇穴に入る」「露」で22人が参加、投句5句、選句6句の句会となった。その結果、最高の6点は、星川水兎さんの「露けしや命日を足す住所録」の1句。次席は5点で、徳永木葉さんの「おほかたは現世に飽きし秋の蛇」と、廣田可升さんの「はらわたは人生の味秋刀魚食ふ」の2句。三席4点は、大澤水牛さんと金田青水さんのそれぞれ2句づつを含めて計9句が並んだ。続く3点句は6句、以下2点14句、1点33句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「蛇穴に入る」

おほかたは現世に飽きし秋の蛇        徳永 木葉

老世帯ばかりの団地穴惑ひ          大澤 水牛

デイケアの老女の無言蛇穴に         大澤 水牛

蛇穴に入らんとすればビル工事        今泉 而云

「露」

露けしや命日を足す住所録          星川 水兎

露の玉葉脈に添ひ落ちにけり         嵐田 双歩

露光る解体を待つ木馬たち          岡田 鷹洋

青空も山も転がす芋の露           玉田春陽子

前山寺茅葺屋根の露白し           堤 てる夫

野仏の笑み光らせて露の玉          廣田 可升

「当季雑詠」

はらわたは人生の味秋刀魚食ふ        廣田 可升

みちのくや入江入江の船施餓鬼        金田 青水

新涼やシャンパンみたす江戸切子       金田 青水

点滴の音なく速し鰯雲            須藤 光迷

菊添えて旨酒来たる佳き日かな        大澤 水牛

官邸にマトリョーシカを見る秋冷       杉山 三薬

秋草や隙間だらけの時刻表          玉田春陽子

原点に立ち戻りたき九月かな         向井 ゆり

《参加者22人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田青水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、向井ゆり。 (まとめ 高井百子)

 

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番町喜楽会第176回例会

 

14人出席、「厄日」と「秋草」を詠む

春陽子さん7・5・4・3点のサイクル安打

番町喜楽会は令和2年9月の例会(通算第176回)を7日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。日中の気温は31度を超え、コロナウイルス騒ぎも収まってはいないのに、句会には14人が顔を揃えた。兼題は「厄日」と「秋草」で、投句5句、選句6句で句会を進めた。最高は7点で玉田春陽子さんの「それほどの期待もされず案山子立つ」、次席6点は廣田可升さんの「地方紙に秋草くるみ帰京せり」、三席5点は春陽子さんの「爪切つて身の軽くなる厄日かな」だった。春陽子さんはこの他に4点、3点も獲得という大当たり。4点は3句、3点は11句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「厄日」

爪切つて身の軽くなる厄日かな       玉田春陽子

忘れ物今日は三つ目厄日かな        斉山 満智

水吸ふて厄日の砥石深き色         嵐田 双歩

打つ度に釘ひん曲がる厄日かな       玉田春陽子

二百十日復旧未だ千曲川          堤 てる夫

古雨戸父と釘打つ厄日かな         中村 迷哲

二百十日総理辞任の大嵐          前島 幻水

「秋草」

地方紙に秋草くるみ帰京せり        廣田 可升

秋草や買い手のつかぬ一等地        玉田春陽子

歩荷行く尾瀬の秋草揺れにけり          嵐田 双歩

秋草の彩り豊かままごと膳         須藤 光迷

「雑詠」

それほどの期待もされず案山子立つ     玉田春陽子

海風の抜ける道なり青蜜柑         須藤 光迷

雲ひとつ無くてぎらぎら地蔵盆       大澤 水牛

這うようにたどり着きたる九月かな     斉山 満智

小流れの底の罅割れ残暑光         須藤 光迷

藤袴咲いた咲いたよ妻の声         堤 てる夫

【参加者】(出席14人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(欠席投句8人)嵐田双歩、大下明古、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、徳永木葉、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第191回例会

明古さん「楼蘭の遺跡」が圧巻の14点

ゆりさん、三代さんと続き、女性が三席占める

日経俳句会の8月例会(第191回)は、句会予定の8月19日(水)を締切としてメール句会を行った。梅雨明けとともに猛暑が襲い、新型コロナも感染拡大が著しく、対面での句会を断念、二月以降半年連続のメール句会となった。今回の兼題は「夜這星」と「原爆忌」。暑さにもめげず35人から105句の投句があった。5句選の結果、大下明古さんの「楼蘭の砂中の遺跡夜這星」が14点を集め堂々の一席。次いで、向井ゆりさんの「閉店の貼紙千切れ秋の雷」が10点、岩田三代さんの「悲しみは赤錆となり原爆忌」が8点と、一、二、三席を女性会員が独占した。続いて、6点句に「折鶴に風さやさやと原爆忌(而云)」と「豊かさを詫びる気持ちや原爆忌(博明)」が並んだ。以下、5点1句、4点8句、3点11句、2点14句、1点28句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夜這星」

楼蘭の砂中の遺跡夜這星        大下 明古

収束に数多の願ひ流れ星        池村実千代

願ひ事半ばで消ゆる夜這星       中村 迷哲

里帰り叶わぬ吾子へ流れ星       大沢 反平

来ぬ人を迎へにゆくや流れ星      中嶋 阿猿

「原爆忌」

悲しみは赤錆となり原爆忌       岩田 三代

折鶴に風さやさやと原爆忌       今泉 而云

豊かさを詫びる気持ちや原爆忌     植村 博明

語り部がまたひとり逝く原爆忌     加藤 明生

佛花赤く不忍に咲き原爆忌       鈴木 雀九

厚塗りの黒き油絵原爆忌        谷川 水馬

原爆忌一秒前と一秒後         星川 水兎

原爆忌マスクのままで手を合はす    嵐田 双歩

原爆忌子との話しに孫も入る      澤井 二堂

黒い雨なほ降り止まぬ原爆忌      向井 ゆり

「当季雑詠」

閉店の貼紙千切れ秋の雷        向井 ゆり

新涼や久方ぶりの理髪店        髙石 昌魚

踏み入れば蝉の国なり森の中      今泉 而云

無言館訪ふ人のなく秋の声       高井 百子

厄災の町にあかあか盆の月       嵐田 双歩

走馬燈戻らぬ過去も廻りけり      加藤 明生

如己堂を訪ねし真昼蝉時雨       堤 てる夫

絵日記に描くことなしに夏終わる    中村 迷哲

蝉の声聞き分けてをる暮色かな     廣上 正市

御先祖のみたま重たし茄子の馬     藤野十三妹

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生向井ゆり、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第175回例会

“コロナ第二波”か、出席は11人に

「夜の秋」と「新蕎麦」を詠む

番町喜楽会は、令和2年8月例会(通算175回)を8月1日(土)午後6時から、「夜の秋」と「新蕎麦」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名、投句数は103句あったが、会場に集まったのは11名に留まった。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、大澤水牛さんの「長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜」が6点でトップに輝いた。次席は斉山満智さんの「ふたりいてひとりの孤独夜の秋」、玉田春陽子さんの「ステテコの中途半端を愛しけり」、前島幻水さんの「父の忌は二八新蕎麦越の酒」の5点句3句が続いた。以下、4点3句、3点6句、2点21句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜の秋」

ふたりいてひとりの孤独夜の秋           斉山 満智

老犬のゆたかないびき夜の秋            金田 青水

風呂の窓半分閉めて夜の秋             嵐田 双歩

ポロシャツの短き袖に夜の秋            池内 的中

上掛けを足して丸まる夜の秋            高井 百子

カルヴァドス含めば甘し夜の秋           廣田 可升

「新蕎麦」

父の忌は二八新蕎麦越の酒             前島 幻水

新蕎麦やくぐる暖簾の武田菱            谷川 水馬

新蕎麦を噛みしめてゐる卒寿かな          嵐田 双歩

新蕎麦を供へ写真に語りかけ            嵐田 双歩

「当季雑詠」

長梅雨やうらなり茄子へぼ胡瓜           大澤 水牛

ステテコの中途半端を愛しけり           玉田春陽子

名ばかりの富士見坂なり大夕焼           廣田 可升

《参加者》【出席11人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加10人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第190回例会

メール句会で「夏座敷」「霍乱」を詠む

而云さん「特攻の叔父」で最高8点

日経俳句会の令和2年7月例会(通算190回)は、新型コロナ感染が再拡大の兆しを見せ、5カ月連続のメール句会となった。兼題は「夏座敷」と「霍乱」。33人から97句の投句があり、7月15日を締め切りにしたメール5句選の結果、今泉而云さんの「特攻の伯父の写真や夏座敷」が最高8点を獲得した。7点句に谷川水馬さん「鴨居にはずらりご先祖夏座敷」と植村博明さん「霍乱や底まで探る薬箱」が入り、6点句には「浜風と寝そべる猫と夏座敷 青水」と「霍乱や母が常備の正露丸 冷峰」「祭りなき夏の暦の白さかな 博明」の3句が並んだ。このほか5点5句、4点7句、3点10句を数え、高点句が多かった。2点は9句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「夏座敷」

特攻の伯父の写真や夏座敷                今泉 而云

鴨居にはずらりご先祖夏座敷               谷川 水馬

浜風と寝そべる猫と夏座敷                   金田 青水

座布団を二つ折りして夏座敷               髙井 百子

青竹の茶筅おろして夏座敷                星川 水兎

百年の桜伐採夏座敷                   池村実千代

寝ころんで独りに広き夏座敷               中村 迷哲

真向ひにみどりの山を夏座敷                大澤 水牛

大の字の父のうたた寝夏座敷               髙石 昌魚

ビニールのおもちゃ放られ夏座敷             向井 ゆり

夏座敷かつて象牙の在りし床               向井 ゆり

「霍乱」

霍乱や底まで探る薬箱                  植村 博明

霍乱や母が常備の正露丸                 野田 冷峰

霍乱の癒えてやすらぐ今朝の風                久保田 操

一夜明け霍乱居士の飯三膳                中嶋 阿猿

霍乱や水は我慢と教へられ                廣上 正市

霍乱か妻が昼から静かなる                横井 定利

霍乱に祖母薬籠の反魂丹                  岡田 鷹洋

霍乱の女子高生を皆扇ぐ                 鈴木 雀久

踏み出した足ぐにゃぐにゃと日射病            星川 水兎

「当季雑詠」

祭りなき夏の暦の白さかな                植村 博明

自粛明けマスクの剣士夏稽古               荻野 雅史

寝て覚めて過ぐる一日沙羅の花                        久保田 操

夏空に火球の光宇宙知る                 髙橋ヲブラダ

宇宙にも寿命あるらし蛍飛ぶ               中嶋 阿猿

夏の旅灯火の影絵鵜飼船                 岡田 鷹洋

エコバッグ土用の丑を持ち帰る              杉山 三薬

墓守の蛇動き出す谷中路地                野田 冷峰

《参加者》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村博明、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、向井ゆり、横井定利。 (報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第147回例会

三度目のメール句会、参加23人

「晒井」で木葉さん、ゆりさん最高点、春陽子さん4点句を三連発

酔吟会は7月11日(土)に予定した令和2年第4回例会をメール句会に切り替えて実施した。3月例会を初めてメール句会として以来、連続で3回目。5月例会と同じく23人が参加した。兼題は「晒井(さらしい)」「万緑(ばんりょく)」で、113句の投句。6句選の結果、最高の6点は徳永木葉さんの「酒蔵の深井戸浚ふ上総かな」と、向井ゆりさんの「井戸替えやのぞき込む子の服掴み」の2句。次席の5点は「万緑の中を郵便バイクかな 嵐田双歩」、「万緑を真四角に伐り駐車場 今泉而云」、「晒井やアフガンの医師想い出す 堤てる夫」の3句。三席の4点は、7句が並び、玉田春陽子さんの3句に、双歩さん、木葉さん、杉山三薬さん、廣田可升さんの4人が名を連ねた。以下3点は6句、2点18句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「晒井」

酒蔵の深井戸浚ふ上総かな          徳永 木葉

井戸替えやのぞき込む子の服掴み       向井 ゆり

晒井やアフガンの医師想い出す        堤 てる夫

井戸さらい食べ放題の塩むすび        玉田春陽子

「万緑」

万緑の中を郵便バイクかな          嵐田 双歩

万緑を真四角に伐り駐車場          今泉 而云

万緑を切り裂く泥流暴れ雨          杉山 三薬

万緑のなかに終点秩父線           玉田春陽子

万緑を裂いて華厳の滝雪崩(なだ)る         須藤 光迷

万緑の等々力渓谷笹濁り           杉山 三薬

「雑詠」

部屋干しの下でうたた寝半夏雨        嵐田 双歩

花茣蓙を敷いて板間の艶めける        徳永 木葉

傘立てに色の混み合い梅雨深し        玉田春陽子

蹴られもし抱かれてもゐる夏蒲団       玉田春陽子

鉾町に鉾なき夕べ鱧を切る          廣田 可升

荒梅雨にすくと立ちたる蓮の茎        大澤 水牛

切通し念仏僧追ふ夏の蝶           藤野十三妹

一生の不覚を何度花かぼちゃ         星川 水兎

《参加者》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田青水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎、向井ゆり。 (報告 高井百子)

 

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番町喜楽会第174回

「夜濯」と「ビール」を詠む

青水さん「青田風」で8点、百子さん5点句三連発

番町喜楽会は令和2年7月の例会(通算第174回)を6日、九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。兼題は「夜濯」と「ビール」。投句5句、選句6句で進めた結果、最高は8点で金田青水さんの「青田風マスク外して深呼吸」、次席6点に廣田可升さんの「市松に座る映画や梅雨寒し」が入った。三席は5点で高井百子さんが「夜濯や教師の母の背のまるし」「この頃は客人もなし蛍草」「桑の実の熟れて蚕の里廃る」と三連打、そこに中村迷哲さんの「鯵寿司とビールの車窓伊豆の海」と谷川水馬さんの「口下手は父親譲り山椒魚」、玉田春陽子さんの「夜濯ぎや背番号なきユニフォーム」が加わり6句が並んだ。4点は1句、3点は3句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜濯」

夜濯や教師の母の背のまるし            高井 百子

夜濯ぎや背番号なきユニフォーム          玉田春陽子

夜濯や今日落としたき汚れあり           斉山 満智

「ビール」

鰺寿司とビールの車窓伊豆の海           中村 迷哲

処方箋にビール書き足すチェコの医師        大澤 水牛

これまでと畳む釣竿缶ビール            玉田春陽子

「当季雑詠」

青田風マスク外して深呼吸             金田 青水

市松に座る映画や梅雨寒し             廣田 可升

この頃は客人もなし蛍草              高井 百子

桑の実の熟れて蚕の里廃る             高井 百子

口下手は父親譲り山椒魚              谷川 水馬

テレワーク終へてTシャツ半ズボン         前島 幻水

《参加者》【13人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、前島幻水。【欠席投句7人】池内的中、斉山満智、塩田命水、谷川水馬、野田冷峰、星川水兎、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)

 

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