番町喜楽会第159回例会を開催

 

「彼岸」と「亀鳴く」を詠む

命水さん6・5・4点句の三連打

 

番町喜楽会は4日午後6時半から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で、平成31年3月例会(通算第159回)を開催した。兼題は「彼岸」と「亀鳴く」で、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、風邪のため急遽欠席となった塩田命水さんがトップ6点の「的中の続く稽古や風光る」をはじめ、5点の「旅芸人しゃぼんの玉に入りけり」、4点の「去る人の深きお辞儀や鳥曇り」と高点句を連発し、さながら一人舞台。最高点6点にはもう1句、高井百子さんの「亀鳴くやスーパームーンの跳ね兎」が並び、5点に玉田春陽子さんの「入彼岸遺影は今も厳父慈母」が続いた。4点には大澤水牛さんの「すいぎゅうと鳴きしは亀か朦朧か」、須藤光迷さんの「春浅し位牌の父にチョコを分け」、田中白山さんの「噺家の羽織すべらし春の色」に、今月から俳号「迷哲」を名乗ることになった中村哲さんの「亡き友と昼酒を酌む彼岸かな」が加わり、計5句。3点は7句だった。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「彼岸」

入彼岸遺影は今も厳父慈母        玉田春陽子

亡き友と昼酒を酌む彼岸かな       中村 迷哲

彼岸過ぐ心は冬に置いたまま       斉山 満智

食ひ違ふ父の享年春彼岸         谷川 水馬

大屋根の足場を解くや彼岸前       玉田春陽子

下町の露店華やぐ入彼岸         中村 迷哲

「亀鳴く」

亀鳴くやスーパームーンの跳ね兎     高井 百子

すいぎゅうと鳴きしは亀か朦朧か     大澤 水牛

亀鳴くや見やう見まねのフラダンス    大下 綾子

亀鳴くや五百羅漢の裏あたり       星川 水兎

「当季雑詠」

的中の続く稽古や風光る         塩田 命水

旅芸人しゃぼんの玉に入りけり      塩田 命水

去る人の深きお辞儀や鳥曇り       塩田 命水

春浅し位牌の父にチョコを分け      須藤 光迷

噺家の羽織すべらし春の色        田中 白山

育て上げしは男児三人雛あられ      廣田 可升

《参加者》(出席15人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(欠席投句6人)大下綾子、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、山口斗詩子。     (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第176回例会

 

而云さん「鍬の先」11点など大量点

旛山、斉藤両氏が入会

 

日経俳句会は2月20日(水)、平成31年度2月例会(通算176回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。この日は20度近くまで気温が上がり、春本番を思わせる陽気。「春浅し」と「バレンタインデー」の兼題に対し、新たに加わった旙山芳之、斉藤早苗両氏(ご両人とも日経編集局整理部畑の現役ちゃきちゃき)からも投句があり、39人から117句もの出句があった。欠席者がほぼ半数のため、出席者20人(欠席投句19人)には6句選んでもらった結果、今泉而云さんが「浅春の石打ち当てし鍬の先」11点、「老夫婦花鉢買へりバレンタインデー」9点、「芽柳や献血バスに人並ぶ」4点と票を独り占めした格好。二席の9点には谷川水馬さんの『バレンタインチョコにお手紙「じいじすき」』が並び、星川水兎さんの7点句「在りし日のままの書斎や春浅し」が続いた。以下6点3句、5点2句、4点11句、3点12句、2点18句、1点37句だった。なお、新入会員の旙山さんと斉藤さんは、それぞれ4点句をものにするなど将来有望を印象づけるデビューとなった。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「春浅し」

浅春の石打ち当てし鍬の先         今泉 而云

在りし日のままの書斎や春浅し       星川 水兎

春浅し黒々並ぶ土竜塚           大熊 万歩

春浅し出棺告げるクラクション       嵐田 双歩

春浅し猫背が野良と語らひて        金田 青水

春浅しセロリはみ出すレジ袋        谷川 水馬

丹頂の子別れ近し浅き春          徳永 木葉

浅き春屋根の普請の槌の音         大下 綾子

春浅し丸刈り坊主は首すぼめ        澤井 二堂

陽の匂ふ布団うれしや春浅し        谷川 水馬

ブランコの尻冷たくて春浅し        中沢 豆乳

春浅し入園通知待つポスト         中村  哲

「バレンタインデー」

老夫婦花鉢買へりバレンタインデー     今泉 而云

バレンタインチョコにお手紙「じいじすき」 谷川 水馬

語りたき本ありバレンタインの日      大下 綾子

仕舞ひ込むバレンタインの包み紙      植村 博明

バレンタイン逃げる二月のはや半ば     斉藤 早苗

恐妻のバレンタインのチョコうれし     澤井 二堂

バレンタインたった一つを待つじいじ    池村実千代

バレンタイン遠くになりて老いを生く    岩田 三代

バレンタインデーさて何色のシャツ着よう  大澤 水牛

「当季雑詠」

海は凪丘はたわわの夏蜜柑         大熊 万歩

塗りたての公園遊具春を待つ        中村  哲

目薬の頬を流るる余寒なほ         橫井 定利

斑雪母の忌なれば灯をともし        嵐田 双歩

芽柳や献血バスに人並ぶ          今泉 而云

春一番顔真卿の墨の跳ね          澤井 二堂

残雪や苔あおあおと三千院         旙山 芳之

我慢してお洒落セーター淡き春       池村実千代

梅見んと小日向を経て牛天神        鈴木 好夫

立春や受診可もなく不可もなし       髙石 昌魚

春の雪湯船に舞ふ夜の箱根山        流合研士郎

《参加者》(出席)=嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、高井百子、高石昌魚、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村哲、野田冷峰、流合研士郎、星川水兎、向井ゆり、横井定利。(投句参加)和泉田守、井上庄一郎、岩田三代、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、斉藤早苗、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹。     (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第158回例会

 

「建国記念日」と「下萌」を詠む

春陽子さんの「野火」が8点でトップ

 

番町喜楽会の平成31年2月例会(通算158回)は、2日午後6時から「建国記念日」と「下萌」を兼題として東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。投句5句、選句6句で句会を進めた結果、首位は玉田春陽子さんの「地の起伏あらはにみせて野火走る」の8点。次席は今泉而云さんの「眼の底は海の深さよ金目鯛」の7点でいずれも雑詠だった。6点と5点がなく、4点に春陽子さんの「下萌に測量杭の容赦なく」、廣田可升さんの「国旗掲ぐ門なき町や建国日」、前島幻水さんの「ともかくも休みのうれし建国日」の3句が並んだ。次いで3点が9句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「建国記念日」

国旗掲ぐ門なき町や建国日        廣田 可升

ともかくも休みのうれし建国日      前島 幻水

何の日と孫に訊かれる建国日       池内 的中

神話みなロマンに満ちて建国日      前島 幻水

「下萌」

下萌に測量杭の容赦なく         玉田春陽子

下萌えや土竜退治の超音波        高井 百子

手付かずの災害の跡下萌ゆる       田中 白山

膝上げて背筋伸ばせよ畦青む       堤 てる夫

「雑詠」

地の起伏あらはにみせて野火走る     玉田春陽子

眼の底は海の深さよ金目鯛        今泉 而云

水色の尾長群れ来る冬の庭        堤 てる夫

あら汁に寒の弱りを癒したり       徳永 木葉

冬ばれや貼られしやうに透ける月     前島 幻水

満身で冬至南瓜を真っ二つ        山口斗詩子

【参加者】(出席17人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、大下綾子、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(投句参加2人)谷川水馬、山口斗詩子。    (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第175回例会

 

36人で「新年」を詠む

最高は11点、双歩さんの「七日粥」、博明さんの「天皇」

 

日経俳句会は平成31年度1月例会(通算175回)を1月16日(水)夕刻、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。寒の内でやや冷え込んだが、初句会とあって普段より多い20人が出席、正月らしい「新年一般」という兼題を中心に賑やかな句会となった。今回から酔吟会幹事の高井百子さんが月例会にも参加。中沢会長も年末の合同句会に続いて顔を出し、座が盛り上がった。

投句総数は36人からの108句で、5句選の結果、嵐田双歩さんの「また元の二人に戻り七日粥」と、植村博昭さんの「天皇の声震わせて去年今年」がともに最高11点で並んだ。次席は7点で「妻癒ゆる日を願ひけり大旦 反平」と「子ら帰り慈姑くわいは残る三日かな 水馬」が獲得、6点に「命名の筆の硬さよ初硯 百子」と「端然と坐るが如く独楽回る 昌魚」が入った。

5点は「福顔の巫女より受ける破魔矢かな 万歩」はじめ5句、4点3句、3点7句、2点17句、1点30句だった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「新年一般」

また元の二人に戻り七日粥     嵐田 双歩

天皇の声震わせて去年今年     植村 博明

妻癒ゆる日を願ひけり大旦     大沢 反平

子ら帰り慈姑くわいは残る三日かな    谷川 水馬

命名の筆の硬さよ初硯       高井 百子

端然と坐るが如く独楽回る     髙石 昌魚

ほろ酔ひの午後の日差しを初湯かな 嵐田 双歩

福顔の巫女より受ける破魔矢かな  大熊 万歩

交叉点見下ろす眼光初烏      中嶋 阿猿

断捨離の部屋隅々に初明り     野田 冷峰

余生と言ひ晩年と言ひ雑煮喰ふ   廣上 正市

十客の朱きお椀に集ふ春      池村実千代

一行の文字に万感浮く賀状     髙石 昌魚

夢破るお掃除ルンバ寝正月     谷川 水馬

赤き実の垣根に見ゆる三日かな   今泉 而云

築地からどこへ越したの嫁が君   加藤 明生

賀状読む友が周りに居る心地    澤井 二堂

三が日巡査はすっくと交番に    鈴木 好夫

初夢や三途の川で水切りす     谷川 水馬

門松の鋭く立ちて株下落      徳永 木葉

碧といふ色のほかなき初御空    廣上 正市

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、岩田三代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、高石昌魚、堤てる夫、徳永木葉、中沢義則、中村哲、野田冷峰、流合研士郎、藤野十三妹、星川水兎。(投句参加)和泉田守、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、高井百子、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、廣上正市、向井ゆり、横井定利。

(報告・中村哲)

 

 

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酔吟会第138回例会

 

参加17人、シャンパンで平成最後の初句会祝う

最高5点句に双歩「初電車」、水兎「初髪」

 

都心に初雪が舞った1月12日(土)昼下がり、酔吟会の平成31年初句会が開かれた。会場の日経広告研究所の会議室に集まったのは、大澤水牛、今泉而云両先生を筆頭に17人、投句参加の2人を加えて95句の新年詠が寄せられた。司会の水牛先生の大盤振る舞いで選句を7句として句会を進めたところ、案に相違して票が散った。最高点が5点で、嵐田双歩さんの「乗り過ごすこれもめでたや初電車」と、星川水兎さんの「ほぐしたる初髪ピンのあまたかな」の2句。

次席4点が7句にのぼり、双歩さんの「往来に音の途絶えて今朝の春」、久保田操さんの「頑張らない一年の計初雀」、須藤光迷さんの「松明けぬ豆腐屋店をたたみしと」、玉田春陽子さんの「五色豆色それぞれの淑気かな」「人世の放課後にゐて日向ぼこ」、徳永木葉さんの「廃れしは車の鼻の注連飾」、廣田可升さんの「悪筆の元気ですかと問ふ賀状」とひしめいた。

さらに3点も7句並び、「ひよどりも烏も鳴かず雪催 水牛」、「冬蝿や図書館ひとりシルバー席 岡田鷹洋」、「初夢やあの世この世を行き来して 片野涸魚」、「用水の微かに流る根白草 高井百子」、「元旦や患者ラッシュの当番医 堤てる夫」、「年ごとに小ぶりや棚の鏡餅 木葉」、「捻っても尖らぬ糸や針始 水兎」と大賑わい。これに2点句15句、1点句が22句続いた。

酔吟会の「お燗番」、谷川水馬さんが欠席したが、星川水兎さんがお屠蘇代わりのシャンパンを差し入れてくれて乾杯。幹事役の大平睦子さんが煎餅を色とりどり振るまってくださり、初句会は大いに盛り上がった。

《参加者》(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、久保田操、工藤静舟、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、星川水兎(投句参加)谷川水馬、藤野十三妹。

(報告・堤てる夫)

 

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池上七福神吟行で平成31年の幕開け

日経俳句会・番町喜楽会の22人参加

最高は可升さんの「神籤売る寺の子」8点句

平成最後の新春、恒例七福神詣は東急池上沿線の「池上七福神」が舞台。1月5日(土)午後1時、池上駅北口に集結したのは、大澤水牛、今泉而云両長老と日経俳句会、番町喜楽会のメンバー合わせて22人。日蓮宗の巨大伽藍、本門寺を囲むように点在する七福神に「七難即離七福即生」を祈り、巡った。夕陽がまだ高いうちに池上駅近くの居酒屋「きさらぎ」で新年懇親会。アルコールに弱い人など3人が早退、残る19人で鰻、焼き鳥、釜飯で歓談した。物足りない人が何人か、二次会で頑張ったという情報は翌日以降の話題となった。

《参加者》嵐田双歩、池内的中、池村実千代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大下綾子、岡田鷹洋、片野涸魚、澤井二堂、塩田命水、杉山三薬、須藤光迷、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、流合研士郎、廣田可升、星川水兎。

《メール句会の結果》

七福神詣のメール句会は、投句5句、選句5句で実施した。「天、地、人」などの順位なしに得点を集計した結果、最高点は廣田可升さんの「寺の子の二人並んで神籤売る」が8点を集めた。第二位は中村哲さんの「入寂の静けき谷や冬紅葉」の7点句。第三位は玉田春陽子さんで「福詣姉弟あきなふ猫みくじ」の6点句。続く5点句には「一心に無病息災福詣 双歩」、「福神の宴会仕切る弁財天 而云」、「空だけは江戸と変らぬ七巡り 涸魚」、「名刹の墓地にも空家冬日和 三薬」と4句が並んだ。4点句には、「池上の井戸ある露地の寒椿 双歩」、「小さき頃父と来た坂福詣り 実千代」、「カフェありと招く小春の養源寺 命水」の3句。3点句は、「徳待といふ町めぐる福詣 実千代」、「老友の足取りうれし初吟行 反平」、「慶長の塔に冬日のやはらかに 光迷」、「七福神めぐり巡りて茜空 哲」、「廃堂や忘れ去られた冬帽子 研士郎」、「冬晴れの空や法華の声に張り 可升」の6句だった。以下2点9句、1点21句と続いた。

(記録報告・堤てる夫、高井百子)

 

 

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第14回日経俳句会賞決定

英尾賞に入会2年目の岩田三代氏

俳句会賞は向井、片野、高橋、須藤の4氏

12月19日の日経俳句会年次総会、下期合同句会に続いて第14回日経俳句会賞の発表と贈賞式が行われた。英尾賞には岩田三代氏、日経俳句会賞には、向井ゆり、片野涸魚、高橋ヲブラダ、須藤光迷の四氏が選ばれた。岩田氏と向井氏は初受賞。片野、高橋、須藤の3氏は2回目の受賞となった。

昨年から選考委員会方式による選考となり今年は6人が担当。幹事の嵐田委員から「過去3年の受賞者を除くなどのルールに沿って、140句を対象に公平、公正に選考した」との選考経緯の説明があり、中沢会長から5氏に賞状と記念品が贈られた。

引き続き大澤水牛、今泉而云両顧問が掛け合いの形で5氏の作品を講評。軽妙なやり取りと含蓄のある内容に、会場は笑顔に包まれた。

受賞者がそれぞれ喜びの言葉を語ったが、特に初受賞の女性二人と、酔吟会最高齢の片野さんにひときわ大きな拍手が贈られた。

《日経俳句会賞英尾賞》

大空にダリの口ひげ夏つばめ    岩田 三代

《日経俳句会賞》

眠る子がふいに笑へり冬銀河    向井 ゆり

蚊帳の中君は蛍を放ちけり     片野 涸魚

春告げる風掴まんと赤子の手    高橋 ヲブラダ

底知れぬ嘘と忖度木下闇      須藤 光迷

 

 

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日経俳句会平成30年下期合同句会

39人が参加、投句総数117句

双歩句「散らかる十二月」が空前の17点を獲得

日経俳句会は平成30年度下期合同句会(通算27回)を12月19日(水)、千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。酔吟会のメンバーも加わり投句参加者は39人と多く、「風邪」と「クリスマス」の兼題に117句が集まった。一年の納めの句会とあって、久しぶりに顔を出した金田青水さんや大阪から駆けつけた高橋ヲブラダさんをはじめ、25人が出席(欠席投句14人)し熱気溢れる句会となった。

5句選の結果、嵐田双歩さんの「一年が散らかつている十二月」が過去最高の17点を獲得、日経俳句会の記録を塗り替えた。次点は加藤明男さんの「風邪の児の目が追ひかける母の背」と鈴木好夫さんの「聖樹下にギフトを置いて親となる」の2句が8点で並び、三席に中村哲さんの「風邪の子の額確かめ母出勤」が7点で続いた。以下、6点2句、5点4句、4点8句、3点14句、2点10句、1点28句だった。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「風邪」

風邪の児の目が追ひかける母の背     加藤 明男

風邪の子の額確かめ母出勤        中村  哲

言訳の風邪本物となりにけり       大澤 水牛

風邪篭り座敷障子の白さかな       片野 涸魚

ただの風邪医者の処方は三日分      堤 てる夫

風邪ですとメールで済ます月曜日     大平 睦子

咳ひとつ風邪に怯える齢かな       久保田 操

口ぐせは風邪を引くなよ転ぶなよ     高井 百子

犬猫も萬年筆も風邪をひき        嵐田 双歩

風邪ごこち街はモノクロ歪みたり     大熊 万歩

「クリスマス」

聖樹下にギフトを置いて親となる     鈴木 好夫

病室に小さきツリーのクリスマス     髙石 昌魚

聖夜とて普段と同じ老夫婦        井上庄一郎

クリスマス過ぎてケーキの白い箱     嵐田 双歩

厨立つ常と変わらぬ聖夜かな       岩田 三代

ちっぽけなケーキ二つのクリスマス    植村 博明

夜汽車過ぐ野の一軒家クリスマス     片野 涸魚

菓子も樹も子としつらえし聖夜かな    須藤 光迷

星ひとつ握りて嬰のクリスマス      玉田春陽子

「当季雑詠」

一年が散らかつている十二月       嵐田 双歩

ちちははに詫びたきあまた冬銀河     廣田 可升

百までもスマホは持たず寒雀       杉山 三薬

不可思議といふ数字あり冬銀河      今泉 而云

手拍子を家まで運び三の酉        植村 博明

元号の波間漂ふ都鳥           加藤 明男

平成の芥投げ入れ焚火かな        徳永 正裕

落葉掃く心の澱も共に掃く        片野 涸魚

冬三日月父なき日々が始まりぬ      髙橋ヲブラダ

上州の風は韋駄天寒の月         玉田春陽子

閉店の張り紙白し雪催          中嶋 阿猿

吊し柿心の傷は乾かない         藤野十三妹

ひとめぐりして気がつきし冬桜      星川 水兎

《参加者》(出席)=嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大下綾子、片野涸魚、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、流合研士郎、星川水兎、向井ゆり、横井定利。(投句参加)和泉田守、井上庄一郎、植村博明、大熊万歩、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、加藤明男、久保田操、谷川水馬、中嶋阿猿、廣田可升、藤野十三妹、水口弥生。     (報告 嵐田双歩)

 

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平成30年年次総会・下期合同句会を開催

「わたしの俳句館」順調に始動──堤幹事長が活動報告

平成30年の年次総会、俳句会賞授賞式、合同句会など、日経俳句会の年間活動を締めくくる行事が12月19日(水)午後5時半、日経広告研究所会議室で行われた。年間の句会活動を総括する幹事長報告は①月例句会、合同句会、吟行句会が計画通り行われた②広報活動は月報発信が計画を上回る13回を記録、故高瀬大虫さん追悼号の編集・制作など精力的に活動した③会報の編集・制作は当初計画より半年遅れの発信となり、課題を残した──などと指摘した。

また双牛舎の新規事業である「わたしの俳句館」は、9月1日の開設時点で、日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会メンバーなどが登録し、18人、337句を掲載し順調な歩みを始めている。

総会、合同句会の出席者は、中沢義則会長、大澤水牛、今泉而云両顧問のほか、嵐田双歩、岩田三代、大下綾子、大倉悌志郎、片野涸魚、金田青水、澤井二堂、杉山三楽、須藤光迷、高石昌魚、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、星川佳子、向井ゆりの各氏。    (報告 堤てる夫)

 

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番町喜楽会第157回例会

 

「冬の月」と「焼芋」を詠む

木葉さん六点句で今年を締めくくる

 

番町喜楽会は平成30年掉尾を飾る12月例会(通算157回)が12月1日(土)午後6時から、九段下の九段生涯学習館で開かれた。今回の兼題は「冬の月」と「焼芋」で、投句者20名、投句数は合計99句。そのうち15名が会場に集まった。投句5句、選句6句で句会を行った結果、徳永木葉さんの「来し方の悔いは山ほど落葉掃く」が6点でトップに輝いた。次席は今泉而云さんの「老人の顔とはこれか冬帽子」と玉田春陽子さんの「寒月や海風上る信濃川」の5点句、さらに而云さんの「焼芋や女性四代団結す」の4点句が続いた。以下、3点7句、2点22句、1点24句という分散した結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「冬の月」

寒月や海風上る信濃川          玉田春陽子

塾の子の背中の丸し冬の月        嵐田 双歩

「焼芋」

焼芋や女性四代団結す                     今泉 而云

英字紙にくるむ焼芋基地の街               徳永 木葉

「当季雑詠」

来し方の悔いは山ほど落葉掃く             徳永 木葉

老人の顔とはこれか冬帽子                 今泉 而云

街中に電飾あふれ十二月                   嵐田 双歩

気短は短日のせい年のせい                 大澤 水牛

靴紐の結び目堅し今朝の冬                 塩田 命水

鰤薄く葱は乱切り一人鍋                   須藤 光迷

小春日の一塁守るポニーテール             廣田 可升

《参加者》【出席15人】今泉而云、大澤水牛、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、

野田冷峰、廣田可升、前島幻水、【投句参加5人】嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、星川水兎、山口斗詩子。     (報告・谷川水馬)

 

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