双牛舎設立趣旨

【設立趣旨】

俳句の愛好者は日本全国で1000万人といわれ、恒常的なブームが続いていますが、よき伝統を守り、新たな伝統を積み重ねていくうえで、いくつかの問題点を見出すことができます。その中から私たちが取り組もうとしている事業について以下に記します。

(1) 季語解説の編集と公開

俳句愛好者および一般の人たちのために、伝統に基き、かつ現代的なセンスの盛り込まれた「季語」の解説書が必要です。私たちは今回のホームページ開設によって、大澤水紀雄(俳号・水牛)執筆の季語解説「水牛歳時記」を、公開することにしました。この季語解説は日経俳句会、番町喜楽会の各会報に掲載してきたものです。

(2) 古今の名句収集と公開

江戸時代から現代までの名句の中にはすでに忘れ去られたものが数多くあります。私たちは、今泉恂之介(俳号・而云)らによって、それらを収集・記録してきました。著作権の関係で全面的に公開することはできませんが、可能な限りの公開を考えています。

(3) 俳句句集、随筆集などの編集・出版に関する助言と指導

俳句愛好者には句集、随筆集、研究書などの出版を望む人が多いのですが、編集上の技術や経費がハンデとなり、要望が十分に満たされているとはいえません。NPO法人双牛舎には、ジャーナリスト、大学教員など編集や出版に詳しい会員がおりますので、適切なアドバイスが出来ると考えています。

(4) 俳句の初心者に対する適切な指導

俳句に関心を持つ方は非常に多いのですが、「句会に参加できるレベル」になるまでの組織的な指導はほとんど行われていません。私たちはイロハの「イ」から俳句を学びたい人のための指導法を研究中です。研究成果やその実践などについては適宜、ホームページでお知らせいたします。

双牛舎は任意団体として約5年間、(1)(2)に関する活動を継続してきました。(1)については作業が相当に進んでおり、ホームページ掲載による無料公開を早急に実施します。(2)については作業を継続中で、適当な時期に途中経過を発表致します。(3)については印刷所や編集者の協力を得たことにより、自費出版希望者に適切な指導・助言ができると考えています。(4)については今後取り組むべき重要なテーマと考えており、近く具体的な計画を作成する方針です。

双牛舎が特定非営利活動法人の認可を申請するのは、以下の理由によっています。

  1. 会計書類の作成や書類の閲覧など、法に定められた法人運営や情報公開を行うことにより、組織の基盤がかたまり、社会的な信用を得ることができます。
  2. 公開する歳時記は、NPO法人の名に恥じない編集を心がけるので、多くの人々の信用を得ることができる内容になると考えます。
  3. 現代の俳句は著作権法上のしばりを受けるため、公開に際しては作者の許可が必要です。NPO法人の活動であれば、作者の賛同を得られやすいと考えられます。

私たちは以上の趣旨によって、特定非営利活動法人双牛舎を設立致します。

平成18年12月11日

今泉恂之介