番町喜楽会第205回例会

「冷奴」と「若葉」を17人で詠む

首位は水馬さん「つるりと冷奴」

番町喜楽会は令和5年5月例会(通算第205回)を8日に東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。兼題は「冷奴」と「若葉」で、雑詠を含め投句5句、選句6句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、首位は谷川水馬さんの「癌とりし喉につるりと冷奴」で6点、次点は玉田春陽子さんの「蔵一つ残す旧家や柿若葉」で5点、三席には大澤水牛さんの「蹴つまづく我を笑ふか踊子草」、徳永木葉さんの「難病の癒ゆる日ありや薄暑光」、廣田可升さんの「水打てば遠く豆腐の喇叭かな」、前島幻水さんの「若葉風スケートボードで塾通ひ」の4句が4点で並んだ。3点は8句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「冷奴」

癌とりし喉につるりと冷奴      谷川 水馬

冷奴女将に小さき依怙贔屓      玉田春陽子

懐も手間も端折って冷奴       山口斗詩子

「若葉」

蔵一つ残す旧家や柿若葉       玉田春陽子

若葉風スケートボードで塾通ひ    前島 幻水

日々に増え日々に濃くなる若葉かな  金田 青水

聖橋上に下にと若葉風        玉田春陽子

「当季雑詠」

蹴つまづく我を笑ふか踊子草     大澤 水牛

難病の癒ゆる日ありや薄暑光     徳永 木葉

水打てば遠く豆腐の喇叭かな     廣田 可升

風薫るマチスのダンス回り出す    須藤 光迷

山ひだの影移り行く春夕焼け     高井 百子

いいちこの瓶で生き過ぐ葱坊主    堤 てる夫

鯉幟あにおとうとの半世紀      堤 てる夫

<句会出席者13人>嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、廣田可升、前島幻水。<投句参加者4人>澤井二堂、徳永木葉、向井愉里、山口斗詩子。 (報告 須藤光迷)

 

 

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