日経俳句会・番町喜楽会合同板橋宿桜吟行

14人で板橋宿・石神井川を巡る

生憎、桜は未だ2、3輪だったが佳句数多

日経俳句会と番町喜楽会は令和6年3月24日(日)、旧板橋宿の桜吟行を行った。参加者は嵐田双歩、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、田中白山、谷川水馬、中村迷哲、廣田可升、向井愉里の14人。午後1時に杉山吟行幹事に引率され、東武東上線中板橋駅からスタートした。まずは駅のそばを流れる石神井川に出て、川べり沿いに桜並木をてくてく。この日は曇天でいささか冷える。両岸にはよく手入れされた見事な桜の木が一キロ以上にわたって続くものの、あいにく未だ桜は開花せず。老木についた沢山のつぼみを見つめるばかりだった。それでも旧宿場をくまなく歩き、縁切榎や旧加賀藩前田家下屋敷跡、板橋駅前の新撰組組長近藤勇の墓などを巡り充実した吟行だった。吟行句会は事後にメール方式で実施、13人から38句の投句があった。5句選の結果、今泉而云さんの「開花待つ幹暖かし大桜」と植村方円さんの「息災を願ひて交す春の盃」が最高6点を獲得、二席5点には岩田三代さんと中村迷哲さんの句が並んだ。途中、負傷リタイヤの田中白山さんは、投句はなかったが選句には加わった。参加者の吟行代表句は以下の通り。

もののふの眠る駅前暮遅し         嵐田 双歩

開花待つ幹暖かし大桜           今泉 而云

春寒し縁切榎埋める絵馬          岩田 三代

春の雲加賀の屋敷といふあたり       植村 方円

花冷えと云ひて熱燗もう一本        大澤 水牛

賑わいは釣り堀だけの桜狩         岡田 鷹洋

願ひ事シールに隠す春の絵馬        金田 青水

板橋の千本櫻芽吹きだす          澤井 二堂

あと五年やるぞと卒寿花巡り        杉山 三薬

お花見や七十路八十路気を吐ける      谷川 水馬

川沿ひに花芽をたどる桜狩         中村 迷哲

コンクリートなれど板橋亀鳴けり      廣田 可升

春の陽を待ちわびぽっと咲き初めり     向井 愉里

(報告 植村方円、中村迷哲、大澤水牛)

 

 

 

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