日経俳句会第125回例会

日経俳句会は1月21日(火)午後6時半から鎌倉橋交差点そばの日経第二別館(MIFビル)会議室で、平成26年の初例会(通算125回)を開催した。兼題は「冬の蠅」「福寿草」で投句総数は144句とやや少なめ。年末から年始にかけてのイベント疲れで出席が減ったのか。出席が14人に対して投句参加15人と、投句参加者が上回った。

しかし句会は活発で、選句7句で行った結果、初句会最高点は徳永正裕さんの「用なくて生きるも天寿冬の蠅」でダントツの9点。次席は6点で、大熊万歩さんの「陽気なる一膳飯屋福寿草」と、久保田操さんの「潮風に七千本の懸け大根」の2句。3席は須藤光迷さんの「冬の蠅アベノミクスの記事の上」の5点1句だった。

続く4点句は嵐田啓明さんの「失せ物の手袋いつも右ばかり」、星川佳子さんの「羽に陽をためて飛び立つ冬の蠅」、山田明美さんの「久しぶりいとこにはとこ福寿草」、吉野光久さんの「寄り添ひて妻同い年福寿草」の4句が並んだ。

3点は13句に上り、2点14句、1点33句と続いた。兼題別の3点以上の高点句は次の通り。

「冬の蠅」

用なくて生きるも天寿冬の蠅      徳永 正裕

冬の蠅アベノミクスの記事の上     須藤 光迷

羽に陽をためて飛び立つ冬の蠅     星川 佳子

冬蝿や柱時計のねじの穴        嵐田 啓明

冬蝿も目をつむりたき日和かな     今泉恂之介

窓猫の視線の先の冬の蠅        大澤 水牛

白障子影の動かぬ冬の蠅        高瀬 大虫

冬の蠅終の棲み家と決めしここ     直井  正

まだいたかまだいたのねと冬の蠅    山田 明美

「福寿草」

陽気なる一膳飯屋福寿草        大熊 万歩

久しぶりいとこにはとこ福寿草     山田 明美

寄り添ひて妻同い年福寿草       吉野 光久

福寿草ほつぺのまるい女の子      嵐田 啓明

孤独死の更地なりけり福寿草      大沢 反平

婚を待つ君がうなじや福寿草      澤井 二堂

亡妻の庭福寿草より花ごよみ      野田 冷峰

日曜日玉子サンドと福寿草       星川 佳子

「雑詠」

潮風に七千本の懸け大根        久保田 操

失せ物の手袋いつも右ばかり      嵐田 啓明

鈍色の空へ尖るや葱畑         廣上 正市

福笑ひおバカとなりて癌封じ      吉野 光久

参加者(出席)嵐田啓明、今泉恂之介、大熊万歩、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、須藤光迷、高瀬大虫、堤てる夫、徳永正裕、直井正、廣上正市、星川佳子、横井定利。(投句参加)池村実千代、井上庄一郎、植村博明、大倉悌志郎、大沢反平、加藤明男、金田青水、久保田操、杉山智宥、高石昌魚、高橋ヲブラダ、野田冷峰、藤野十三妹、山田明美、吉野光久。

(まとめ・堤てる夫)

 

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