番町喜楽会第193回例会

トップ6点に3人が並ぶ

参加21人「四月」と「霞」詠む

番町喜楽会は令和4年4月例会(通算193回)を、4月2日(土)に九段下の九段生涯学習館で「四月」と「霞」を兼題として開催した。投句者は21人で投句総数は100句。出席者6句、欠席者5句の選句の結果、金田青水さんの「隠居には隠居の日課四月来る」と玉田春陽子さん「電気工一人花見の灯を点す」、徳永木葉さん「四月来る名刺を持たぬ身の軽さ」の3句が6点でトップの座を分けた。二席には谷川水馬さんの「春眠やラッコのやうに腹に本」の5点句が入り、三席4点には斉山満智さんの「職退きて優しき顔の四月かな」、高井百子さんの「人の背に見えたりもして墓霞む」と「ごめんねと除草剤撒く春の墓」、さらに玉田春陽子さんの「春耕や鍬のゆるみを水で締め」と星川水兎さんの「動かせば青畳ある四月かな」の計5句が並んだ。以下、3点5句、2点12句、1点35句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「四月」

隠居には隠居の日課四月来る             金田 青水

四月来る名刺を持たぬ身の軽さ            徳永 木葉

職退きて優しき顔の四月かな             斉山 満智

動かせば青畳ある四月かな              星川 水兎

列をなす小さき黄帽子四月かな            池内 的中

片隅に不安を乗せて四月のバス            中村 迷哲

「霞」

人の背に見えたりもして墓霞む            高井 百子

顔(かんばせ)を残して霞む摩崖仏          廣田 可升

「当季雑詠」

電気工一人花見の灯を点す              玉田春陽子

春眠やラッコのやうに腹に本             谷川 水馬

ごめんねと除草剤撒く春の墓             高井 百子

春耕や鍬のゆるみを水で締め             玉田春陽子

春風に洗濯物の抗はず                嵐田 双歩

春の宵背伸びして飲むストレート           中村 迷哲

《参加者》【出席12人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、堤てる夫、廣田可升。

【欠席投句9人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、向井愉里。  (報告・谷川水馬)

 

 

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