番町喜楽会第181回例会

「黄砂」と「雛祭」を詠む

百子さんの「崩落鉄橋」が7点でトップ

次席に双歩、水馬、迷哲、可升の4人

番町喜楽会は令和3年3月の例会(通算第181回)を1日、メールで開催した。投句は3句以上5句以内で2月22日に締め切り、3月1日までに各自6句選句して選評を付けて幹事に送信した。今回の兼題は「黄砂」と「雛祭」。選句結果は、高井百子さんの「春立つや崩落鉄橋繋がりぬ」が最高7点でトップを独走、6点と5点が無く次席は4点で、嵐田双歩さんの「子も孫も今年は来ない雛祭」、谷川水馬さんの「落書きのへのへのもへじ黄砂降る」、中村迷哲さんの「つちふるや玄関先に小砂漠」、廣田可升さんの「土雛の点が三つの目鼻かな」の4句が並んだ。3点は13句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「黄砂」

落書きのへのへのもへじ黄砂降る   谷川 水馬

つちふるや玄関先に小砂漠      中村 迷哲

コロナ禍に黄砂加わり子は愚図り   須藤 光迷

東京は皆エトランゼ黄砂降る     中村 迷哲

宅配のバイクつちふる中回る     野田 冷峰

新疆発香港経由つちふれり      廣田 可升

「雛祭」

子も孫も今年は来ない雛祭      嵐田 双歩

土雛の点が三つの目鼻かな      廣田 可升

雛の日のひとりとなりし夕厨     嵐田 双歩

客来れば微かに揺れて吊るし雛    今泉 而云

雛の顔家族誰にも似ておらず     斉山 満智

受付に手彫りの雛や婦長作      玉田春陽子

吊るし雛揺らす潮風安房の宿     廣田 可升

籠り居や雛と分け合ふ菓子あられ   前島 幻水

「雑詠」

春立つや崩落鉄橋繋がりぬ      高井 百子

記さねば句は消えてゆく春霞     今泉 而云

春めくや水切り石の音走る      玉田春陽子

抱き上げてこれが梅よと若き母    山口斗詩子

参加者(21人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。   (報告・須藤光迷)

 

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