日経俳句会第196回例会

「みちのくの」双歩句9点、「エコバッグ」明古句8点など高点句続出

緊急事態宣言延長、再びメール句会

日経俳句会の令和3年2月例会(通算196回)は、緊急事態宣言が延長になり、1月に続きメール句会となった。兼題は「冴返る」と「辛夷」。34人から102句の投句があり、2月17日までに5句選んでもらった。その結果、嵐田双歩さんの「みちのくの重き歳月花辛夷」が9点で一席。二席8点は大下明古さんの「エコバッグはみ出す野菜春一番」、三席7点には星川水兎さんの「一本の白き森なる大辛夷」が入った。続いて植村方円さんの「花辛夷これより先は奥州路」と、向井ゆりさんの「荷造りを終えし夜半や冴返る」が6点で並び、全体的に兼題句を中心に特定の句に票が集まった。以下、5点3句、4点6句、3点15句、2点10句、1点25句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冴返る」

荷造りを終えし夜半や冴返る         向井 ゆり

訃報欄あの人がいて冴返る          植村 方円

提灯の消えて横丁冴返る           大澤 水牛

プレハブの発熱外来冴返る          嵐田 双歩

歩道橋ヒールの音の冴返る          岩田 三代

早暁の般若心経冴え返る           加藤 明生

冴え返る味覚嗅覚ある安心          杉山 三薬

スタジアム人影途絶へ冴返る         中嶋 阿猿

冴返る始発ディーゼル入線す         中村 迷哲

夜汽車より見ゆる外灯冴返る         星川 水兎

冴返るこの深川に八十年           横井 定利

「辛夷」

みちのくの重き歳月花辛夷          嵐田 双歩

一本の白き森なる大辛夷           星川 水兎

花辛夷これより先は奥州路          植村 方円

雲一つ無き大空や花辛夷           大澤 水牛

 

まぶしさの四方より寄せぬ花辛夷       大下 明古

辛夷咲き世の片隅を明るくす         旙山 芳之

閉校の門のあおぞら辛夷咲く         廣上 正市

当季雑詠

エコバッグはみ出す野菜春一番        大下 明古

春めくやスカイツリーの影を踏む       加藤 明生

春一番歩幅広げて黄信号           和泉田 守

中腰の介護の日々に春浅し          大沢 反平

並ぶ列知る人ありて桜餅           鈴木 雀九

小指立て髪切る妻や春立ちぬ         須藤 光迷

畝ごとの蟹さん歩き麦を踏む         谷川 水馬

ベランダの父に鼻歌春夕焼け         横井 定利

仏の座歴史探偵ペンを擱く          堤 てる夫

まどろみつ旅の日想ふ春炬燵         徳永 木葉

雛飾る七つの吾と祖母と居り         向井 ゆり

《参加者34人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。  (報告・嵐田双歩)

 

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