番町喜楽会第164回例会を開催

 

「夏の果」と「冷奴」を詠む

春陽子さんが単独トップの5点句

 

番町喜楽会は令和元年8月例会(通算164回)を、8月3日(土)午後6時から、「夏の果」と「冷奴」を兼題として九段下の千代田区立生涯学習館で開いた。投句者は20名で、投句総数98句。そのうち15名が会場に集まり、投句5句、選句6句で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「釣堀の疲れし水や夏の果」が5点でトップに輝いた。また、今泉而云さんの「折紙に凝りて真夏を閉じこもる」、高井百子さんの「尻もちで蟻と出会ふや一歳児」、谷川水馬さんの「ふぞろいの踵の減りや夏の果」、そして玉田春陽子さんの「湧水に踊るトマトや奥会津」の4点句4句が続いた。以下、3点句が13句、2点11句、1点28句であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夏の果」

釣堀の疲れし水や夏の果              玉田春陽子

ふぞろいの踵の減りや夏の果            谷川 水馬

つないだ手だれが離した夏の果て          斉山 満智

ひと去りて浜に風紋夏終わる            中村 迷哲

わんぱくのひとかどの顔夏の果て          野田 冷峰

「冷奴」

沈黙を苦にせぬ仲や冷奴              嵐田 双歩

おねえさん冷奴まだ来てないよ           嵐田 双歩

山水の桶より出でて冷奴              今泉 而云

夫婦して遊び呆けて冷奴              田中 白山

悠々でなけれど自適冷奴              玉田春陽子

冷奴氷山めきて鉢の中               徳永 木葉

「雑詠」

折紙に凝りて真夏を閉じこもる           今泉 而云

尻もちで蟻と出会ふや一歳児            高井 百子

湧水に踊るトマトや奥会津             玉田春陽子

青栗の毬(いが)きらきらと雨上がり        谷川 水馬

真っ直ぐに伸びて不揃ひ立葵            玉田春陽子

むきだしの命漂ふ水母かな             廣田 可升

屋上に住民集ふ遠花火               前島 幻水

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加5人】大下綾子、斉山満智、澤井二堂、星川水兎、山口斗詩子。   (報告・谷川水馬)

 

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