平成26年度NPO法人双牛舎総会・俳句大会

俳句の普及・振興に取り組んでいるNPO法人双牛舎(今泉恂之介・大澤水牛代表理事)は4月19日(日)、東京都千代田区二番町の「東京グリーンパレス」で第7回年次総会を開催した。傘下の日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会のメンバー39人が参加した。総会のビッグイベント、俳句大会には投句参加を含めて42人が2句ずつ合計84句を投句・選句し大いに盛り上がった。

総会では今泉代表理事が年次報告すると共に、故山口志郎氏(俳号詩朗、平成24年3月死去)の後任理事と体制強化のための理事増員を行うことを提案、堤てる夫、徳永正裕(日経俳句会)、玉田春陽子、谷川水馬(番町喜楽会)の4氏を新理事に、また監事に須藤光迷氏(日経・番町)を推薦、出席者全員の賛同を得た。

双牛舎は平成20年1月からブログ「みんなの俳句」を発信しており、その第六集(25年1月〜12月発信分)が出来上がったので会場で配布した。

総会が終了し最長老の井上庄一郎氏(日経俳句会)の乾杯の発声で俳句大会、懇親会に移行した。まず昨年の俳句大会入選者に、書家の赤池渓舟師揮毫の短冊が贈呈された。俳句大会は2句投句・5句選句で、事前にメールなどで投句を済ませ、大会当日は事務局で用意した大きな選句表が会場に掲示され、参加者は自分の選んだ作品にシールを貼って選句する仕組みで行った。

その結果、最高は12点で、番町喜楽会の高橋楓子さんの「口紅を控えめにして花衣」に「天」賞、次席11点は日経俳句会吉野光久さんの「人混みに独りと思ふ花の下」で「地」賞が贈られた。三席は8点で、日経俳句会・番町喜楽会星川佳子さんの「朝まだき手水鉢にも花筏」と、番町喜楽会玉田春陽子さんの「行く春をかき回したるチンドン屋」、三四郎句会岡本祟さんの「投了の友に淹れやる新茶かな」の計3句が「人」賞に選ばれた。7点までの入賞者には水牛、光迷両氏制作の陶器が贈られた。

双牛舎の新体制は次の通り。

代表理事=今泉恂之介、大澤水牛

理事=井上啓一、高井百子、堤てる夫(新)、徳永正裕(新)、玉田春陽子(新)、谷川水馬(新)

監事=澤井二堂、須藤光迷(新)

☆     ☆    ☆

 

双牛舎俳句大会入賞句(氏名の後のカッコ書きは所属句会の略号。日=日経俳句会、番=番町喜楽会、三=三四郎句会)

「天」

口紅を控へ目にして花衣       高橋 楓子(番)

 

「地」

人混みに独りと思ふ花の下      吉野 光久(日)

「人」

行く春をかき廻したるチンドン屋   玉田春陽子(番)

朝まだき手水鉢にも花筏       星川 佳子(日・番)

投了の友に淹れやる新茶かな     岡本  崇(三)

「選」

行く春を手水に掬ふ朝かな      谷川 水馬(番)

春雨の描く路面や江戸小紋      大熊 万歩(日)

墨堤の色の移ろひ春行けり      井上 啓一(番)

行く春やかばんに詰めし講義録    大下 綾子(日・番)

亀鳴くやこんなに自由妻の留守    井上 啓一(番)

行く春に一円玉を数へをり      大澤 水牛(日・番)

春逝きて蘂のたゆたふ岸辺かな    高瀬 大虫(日・番)

障子切る鳥影の濃し春や行く     深瀬 久敬(三)

気短になってきたかな葱坊主     廣上 正市(日)

(記録 堤てる夫)

 

 

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