日経俳句会第202回例会

9ヵ月連続のメール句会に

35人で「野分」「相撲」を詠む

一席8点に而云・阿猿・鷹洋句など高点続々

日経俳句会の令和3年9月例会(通算202回)は、緊急事態宣言の延長に伴い9カ月連続のメール句会となった。兼題は「野分」と「相撲」。35人から105句の投句があり、15日締め切りで5句選の結果、一席8点には今泉而云さんの「ガラス戸に木の葉一枚野分去る」と中嶋阿猿さん「野分あと海岸の石みな光る」、岡田鷹洋さん「敬老日おしゃべりロボと夜は更けて」の3句が並んだ。二席7点は堤てる夫さんの「秋黴雨水木楊氏の著作読む」が獲得、三席6点には嵐田双歩さんの「燐寸擦る硫黄のにほひ秋彼岸」が入った。このほか5点4句、4点5句、3点11句と3点以上の高点句が25句にのぼった。以下2点12句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「野分」

ガラス戸に木の葉一枚野分去る         今泉 而云

野分あと海岸の石みな光る           中嶋 阿猿

隣家よりソプラノ練習野分晴          大下 明古

野仏の影くつきりと野分あと          加藤 明生

野分晴海の上ゆくモノレール          星川 水兎

憂きことも野分も過ぎて朝来たる        向井 ゆり

空き家には殊更強く野分吹く          植村 方円

野分後満艦飾となる団地            須藤 光迷

「相撲」

物陰で褌(へこ)直す子や草相撲        嵐田 双歩

相撲取消えゆく四股名海と山          加藤 明生

砂かぶり和装のママは桔梗柄          杉山 三薬

宮相撲都会から来た子の本気          中嶋 阿猿

幼子の白き腕や草相撲             和泉田 守

はじめから足取るつもり子ども相撲       大下 明古

米一俵担いで帰る村相撲            中村 迷哲

「当季雑詠」

敬老日おしゃべりロボと夜は更けて       岡田 鷹洋

秋黴雨水木楊氏の著作読む           堤 てる夫

燐寸擦る硫黄のにほひ秋彼岸          嵐田 双歩

静かなり白磁の皿の黒葡萄           藤野十三妹

秋めくや享年見やる訃報欄           和泉田 守

畑に立つ父の背小さく秋夕焼け         岩田 三代

焼き菓子の即売ありて栗林           植村 方円

三省堂ビルも仕舞うか秋ともし         杉山 三薬

芋の露まろびまろびて転び落つ         高井 百子

角刈りで風切る庭師秋手入れ          谷川 水馬

《参加者三十五人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、向井ゆり、横井定利。  (報告 中村迷哲)

 

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