日経俳句会第185回例会

37人が「淑気」「冴ゆ」を詠む

博明さん「難病の友」で最高9点

日経俳句会は令和2年の1月例会(通算185回)を1月15日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。小正月にあたるこの日は昼に雨が降ったうえ、寒さで体調を崩した人もあり、出席は15人にとどまったが、兼題句、雑詠ともに高点句が多く、正月らしい賑やかな初句会となった。兼題は「淑気」と「冴ゆ」。37人から111句の投句があり、6句選(欠席5句)の結果、植村博明さんの「冴ゆる夜や難病の友良く語り」が最高9点を獲得、大倉悌志郎さんの「踏跡のなき雪道の淑気かな」が8点で続いた。7点句には「冴ゆる夜はみしりみしりと家も泣く 双歩」と「スイーツも酒も持ち寄り女正月 木葉」が並び、6点句に「街路樹の細き枝先月冴ゆる 操」と「年ごとに家族の増えて福笑い 百子」の2句が入った。このほか5点4句、4点10句、3点10句、2点14句、1点29句で、3点以上の高点句が29句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「淑気」

踏跡のなき雪道の淑気かな       大倉悌志郎

木漏れ日を映す手水の淑気かな     和泉田 守

スタートの号砲真近淑気満つ      向井 ゆり

富士塚の頂きに満つ淑気かな      嵐田 双歩

カレンダー表紙をめくる淑気かな    植村 博明

淑気満つ嶺の尖りや独鈷山       髙井 百子

新しき紙垂の浮き立つ淑気かな     髙石 昌魚

潮風の運ぶ淑気や崖の寺        中村 迷哲

スタートの襷の誇り淑気満つ      水口 弥生

「冴ゆ」

冴ゆる夜や難病の友良く語り      植村 博明

冴ゆる夜はみしりみしりと家も泣く   嵐田 双歩

街路樹の細き枝先月冴ゆる       久保田 操

ちんまりと猫も正座の淑気かな     大澤 水牛

月冴えて語り出したる影法師      中村 迷哲

冴ゆる夜や満天の星怖きほど      井上庄一郎

底石を見せて冴えざえ荒れ千曲     杉山 三薬

賽銭の十円からころ音冴ゆる      中沢 豆乳

夕映えの荒川越しに冴ゆる富士     向井 ゆり

漆黒を揺らめく神火伊勢冴ゆる     水口 弥生

『当季雑詠』

スイーツも酒も持ち寄り女正月     徳永 木葉

年ごとに家族の増えて福笑い      髙井 百子

除夜の鐘ゴーンと鳴るは逃げた後    荻野 雅史

娘らが帰ってこない晦日蕎麦      旙山 芳之

鳥来るを待つ千両のつぶらかな     水口 弥生

デパートにトイレを探す寒の入     嵐田 双歩

黄泉路へと続く大穴大根掘る      大倉悌志郎

北新地ところ狭しと松飾        髙橋ヲブラダ

掘り炬燵猫踏んじゃった初笑い     中沢 豆乳

年新た皿をはみ出す鰤のかま      廣上 正市

雪国の村ふかふかと寒満月       星川 水兎

《参加者》【出席】嵐田双歩、岩田三代、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、髙石昌魚、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、星川水兎。【投句参加】池村実千代、和泉田守、井上庄一郎、今泉而云、植村博明、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、荻野雅史、加藤明生、久保田操、高井百子、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、向井ゆり、横井定利。 (報告・中村迷哲)

 

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