日経俳句会第177回例会

参加38人「春雨」「雀の子」を詠む

新入会旙山さん「雛納め」の9点句でいきなり金的

 

日経俳句会の平成31年度3月例会(通算177回)は3月20日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。春は異動の季節でもあり所用のある方が多く、投句者の過半数が欠席。出席は17人にとどまったが、新加入の斉藤早苗さんの参加もあり、この日の陽気のように心弾む雰囲気の句会となった。

兼題は「春雨」と「雀の子」。38人から113句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、2月に加入したばかりの旙山芳之さんの「雛納め三人娘に会えぬまま」が最高9点に輝いた。幡山さんは春雨でも5点句をものにするなど衝撃的なデビューとなった。8点句には井上庄一郎さんの「身体じゅう口に親待つ雀の子」と中村迷哲さんの「クレソンの沢潤すや雪解水」が並び、7点句に大熊万歩さんの「何事も一拍遅れ雀の子」が入った。6点句には「春雨を溜めて小枝の雫かな てる夫」はじめ4句が入ったほか、5点2句、4点7句、3点14句、2点18句、1点26句。雀の子に比べ春雨に高点句が多かった。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「春雨」

春雨を溜めて小枝の雫かな      堤 てる夫

春雨や阿波青石の露天風呂      星川 水兎

春雨や若き力士の髷濡らし      中嶋 阿猿

春雨や持つ傘ささず急ぐ朝      旛山 芳之

春雨や立ち飲み店の釣り話      谷川 水馬

春雨や少し太めの眉をひき      横井 定利

春雨や元気湧き出るミモザの黄    池村実千代

春雨やひと雨ごとに希望湧く     井上庄一郎

買い立ての折り畳み傘春の雨     今泉 而云

音もなく野をうるほして春の雨    大倉悌志郎

降れよ降れ花粉流せよ春の雨     大澤 水牛

春雨や渡り廊下の軋む音       加藤 明生

出不精の言い訳にする春の雨     斉藤 早苗

春雨の玉砂利ゆくや嫁行列      徳永 木葉

「雀の子」

身体じゅう口に親待つ雀の子     井上庄一郎

何事も一拍遅れ雀の子        大熊 万歩

雀の子車の下に雨宿り        澤井 二堂

雀の子追ふ子追ふ母追ふ夕日     流合研士郎

雀の子米つぶよりもパンが好き    加藤 明生

雀の子そこは先生座るとこ      横井 定利

当季雑詠

雛納め三人娘に会えぬまま      旛山 芳之

クレソンの沢潤すや雪解水      中村 迷哲

二千円あれば一日春の道       植村 博明

てきぱきと指示する歯科医桜東風   大下 綾子

開花待つ次も娘が生まれるの     大平 睦子

父母連れて菜の花列車二両建て    谷川 水馬

草の芽の伸びて賑はふ売地かな    中嶋 阿猿

もうだれも届かぬ高さ揚雲雀     嵐田 双歩

買い溜めし漱石めくる日永かな    和泉田 守

春風や駿河の海は真っ平       大沢 反平

さざさざと屋島に満つる春の宵    向井 ゆり

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、岩田三代、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、斉藤早苗、杉山三薬、鈴木好夫、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村迷哲、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。(投句参加)井上庄一郎、和泉田守、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、加藤明生、金田青水、久保田操、澤井二堂、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、流合研士郎、旙山芳之、廣上正市、向井ゆり、横井定利。     (報告・中村迷哲)

 

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