日経俳句会第160回例会

日経俳句会第160回例会

 

「夕立」と「凌霄花」に高得点句続々

 

日経俳句会の平成29年度7月例会(通算160回)は7月19日(水)、千代田区内神田の日経広告研究所会議室に22人が出席して開かれた。兼題は「夕立」と「凌霄花」。梅雨明け直後の季節に相応しいテーマに、高得点句が続出、句会は暑さを吹き飛ばす盛り上がりとなった。5句選の結果、最高点は大澤水牛さんの「出稼ぎの島や凌霄散りやまず」が8点を獲得、二席の7点句には大熊万歩さんの「夕立や町の匂ひも走り過ぐ」、中島阿猿さんの「凌霄花スナック街の眠る午後」など6句が並んだ。6点句に谷川水馬さんの「青柿を踏みて不覚の捻挫かな」が入り、以下5点6句、4点4句、3点1句と高得点句が多かった。2点句17句、1点句37句を含め、投句105句の7割にあたる73句に点が入った。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「夕立」

夕立や街の匂ひも走り過ぐ      大熊 万歩

夕立ちの過ぎてひと葉の雫かな    堤 てる夫

味噌汁の熱きをすする夕立あと    大下 綾子

夕立やただ打たれ往く山頭火     藤野十三妹

荒川にカーテンを引く驟雨かな    向井 ゆり

夕立や山駆け下りて田をたたく    岩田 三代

夕立のはじめは草間彌生めき     大下 綾子

「凌霄花」

出稼ぎの島や凌霄散りやまず     大澤 水牛

凌霄花スナック街の眠る午後     中嶋 阿猿

凌霄花踏切抜けて浜の道       星川 佳子

凌霄花に生気吸はれて古館      高瀬 大虫

凌霄花男住まひに迫り来る      植村 博明

当季雑詠

篝火に影絵の舞や鵜飼船       中村  哲

すかんぽを噛んで生国はるかなり   廣上 正市

青柿を踏みて不覚の捻挫かな     谷川 水馬

白南風や横浜元町坂の街       久保田 操

七夕の竹のしなりや願ひごと     澤井 二堂

炎帝や水のにほひの吾妻橋      大沢 反平

冷房車本読み耽る眼鏡の子      髙石 昌魚

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高瀬大虫、谷川水馬、堤てる夫、徳永正裕、直井正、中村哲、藤野十三妹、星川佳子、水口弥生、向井ゆり。(投句参加)植村博明、大熊万歩、大下綾子、大平睦子、金田青水、久保田操、高石昌魚、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、野田冷峰、流合研士郎、廣上正一、横井定利。

(まとめ・中村哲)

 

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