番町喜楽会第137回例会

 

参加21人で「朧」と「おたまじゃくし」を詠む

 

番町喜楽会の平成29年3月例会(通算137回)は、3月6日(月)午後6時30分から、「朧」と「おたまじゃくし」を兼題に、九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。出席者は19名、投句参加者は2名、投句総数104句と相変わらずのにぎやかな句会となった。選句6句で句会を行った結果、最高点は7点で、嵐田双歩さんの「朧夜の大地うごめく気配かな」と前島幻水さんの「ふくらんで空へ空へと花こぶし」が並んだ。次席は5点で山口斗詩子さんの「帰りきて雛に挨拶する夕べ」と「涅槃会の空億万の杉花粉 水牛」の雑詠句2句が肩を並べ、さらに三席4点には5句がひしめき合った。以下、3点が6句、2点11句、1点35句という結果になった。最近の番町喜楽会は激戦が続き得票が分散、2点句、1点句がとても多くなる。今回もそれが顕著になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「朧」(「朧夜」も可とする)

朧夜の大地うごめく気配かな        嵐田 双歩

ちょと来いと鳴く鳥のいて草朧       大澤 水牛

傘寿会はなからおぼろ朧かな        田中 白山

朧夜や連れ立ちて行く通夜の家       高井 百子

朧夜や喪服にかすかナフタリン       玉田春陽子

前山寺未完の塔や朧月           堤 てる夫

「おたまじゃくし」

叱られて蝌蚪の卵を捨てにけり       高井 百子

おたまじゃくしみんな兄弟水たまり     徳永 正裕

蛙の子流れに出でて流れけり        今泉 而云

おたまじゃくし進まぬやうに泳ぎをり    大澤 水牛

曾孫待つ父から便り蝌蚪に足        谷川 水馬

「当季雑詠」

ふくらんで空へ空へと花こぶし       前島 幻水

涅槃会の空億万の杉花粉          大澤 水牛

帰りきて雛に挨拶する夕べ         山口斗詩子

ぽあぽあと春の噴き出る里の山       高井 百子

 

〈参加者〉【出席19人】嵐田双歩、池内健治、井上啓一、大澤水牛、大下綾子、齋山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島幻水、山口斗詩子、【投句参加2人】今泉而云、澤井二堂

(報告・大澤水牛)

 

 

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