日経俳句会第130回例会

日経俳句会は、大暑の日の7月23日(水)、平成26年第6回例会(通算130回)を内神田・日経広告研究所会議室で開いた。兼題は「大暑(たいしょ)」「金魚(きんぎょ)」で、熱暑をついて24人が出席、10人が投句参加した。投句総数は164句、7句選句の結果、最高は大倉悌志郎さんの「出目金に留守番頼み落語会」の9点1句。次席8点は須藤光迷さんの「縁日の金魚と五年ともにあり」と、廣上正市さんの「遠雷や自画像多き無言館」の2句。三席は6点で、大澤水牛さんの「肋骨の折れて大暑のコルセット」と、堤てる夫さんの「雨蛙畳の上に居る不思議」の2句。

次いで5点句には「深刻な話をいなす金魚かな 大下綾子」、「水打てば大暑の八百屋生き生きと 金田青水」、「山門の仁王大暑を吐き続け 直井正」、「石狩川(いしかり)の蛇行ここより雲の峰 正市」、「糸杉の絵のゆらぎをる大暑かな 星川佳子」の5句。続く4点は3句、3点12句、2点25句、1点49句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「大暑」

肋骨の折れて大暑のコルセット    大澤 水牛

水打てば大暑の八百屋生き生きと   金田 青水

山門の仁王大暑を吐き続け      直井  正

糸杉の絵のゆらぎをる大暑かな    星川 佳子

蛇口より先ずは湯の出る大暑かな   植村 博明

錆色の線路のゆがむ大暑かな     大熊 万歩

諍ひのなほ続きゐる大暑かな     高石 昌魚

焼き鳥屋耳朶まで赤き大暑かな    植村 博明

動かないメタボの鯉の大暑かな    鈴木 好夫

山の神と言ふバス停あり大暑     徳永 正裕

撒き水に蝿の寄り来る大暑かな    水口 弥生

「金魚」

出目金に留守番頼み落語会      大倉悌志郎

縁日の金魚と五年ともにあり     須藤 光迷

深刻な話をいなす金魚かな      大下 綾子

金魚に名つけて挨拶母の朝      嵐田 啓明

帰宅して金魚に声をかけてをり    今泉恂之介

揺れる藻に金魚口づけ泡一つ     大熊 万歩

嫁がせて金魚二匹と過ごす日々    大沢 反平

水替へて金魚の踊るスロージャズ   高瀬 大虫

うなじ見せ金魚掬ふも女かな     徳永 正裕

「雑詠」

遠雷や自画像多き無言館       廣上 正市

雨蛙畳の上に居る不思議       堤 てる夫

石狩川の蛇行ここより雲の峰     廣上 正市

うす紅はいのちの色よ古代蓮     田中 頼子

はまなすの砂丘登るや海の青     徳永 正裕

 

参加者(出席)嵐田啓明、井上庄一郎、今泉恂之介、植村博明、大倉悌志郎、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、鈴木好夫、高石昌魚、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、廣上正市、藤野十三妹、藤村詠悟、星川佳子、水口弥生、村田佳代、横井定利(投句参加)池村実千代、大熊万歩、大沢反平、大下綾子、加藤明男、金田青水、久保田操、須藤光迷、田中頼子、流合研士郎   (まとめ・堤てる夫)

 

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