番町喜楽会第77回例会

番町喜楽会は立春の日の2月4日(土)午後1時から千代田区二番町・番町ハイム会議室で平成24年度第2回例会(通算77回)を開いた。定刻に18人が勢揃いして、小さい会議室は満杯。兼題は「白魚」「二月」で、投句参加2人を含め投句総数は100句。A4サイズの選句表が3枚にわたり、これを前に6句選句の披講が進んだ。

その結果、最高の8点を集めたのは大澤水牛さんの「頼りなきひとと思へど白魚鍋」の1句。次席7点は星川佳子さんの「しらうをのうすうすと影重なれり」の1句。3席5点は2句、今泉而雲さんの「白魚や命のありて透き通る」と須藤光迷さんの「爪を切る響きも硬き二月なり」が並んだ。

続く4点は、「巨船発ちて埠頭の残る二月かな 而雲」「灯ともせば一輪咲きぬ冬の梅 笹本塘外」「冬の日の只中にあり大鳥居 塘外」「冬厳し僧のとぎれぬ長廊下 佳子」と4句。3点句は5句で、自宅療養中の山口詩朗さんが「二の替えの果てて小雨の浅草寺」と外出気分を詠み込んだ1句が入った。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

 

「白魚」

頼りなきひとと思へど白魚鍋       大澤 水牛

しらうをのうすうすと影重なれり     星川 佳子

白魚や命のありて透き通る        今泉 而雲

 

「二月」

巨船発ちて埠頭の残る二月かな      今泉 而雲

爪を切る響きも硬き二月なり       須藤 光迷

琴の音の今日は聞こえる二月かな     今泉 而雲

桑畑赤城おろしの二月かな        高井 百子

二ん月や閉店ビラの薄ぼこり       玉田春陽子

あけがたに腓の返る二月かな       三好 六甫

 

「雑詠」

灯ともせば一輪咲きぬ冬の梅       笹本 塘外

冬の日の只中にあり大鳥居        笹本 塘外

冬厳し僧のとぎれぬ長廊下        星川 佳子

二の替えの果てて小雨の浅草寺      山口 詩朗

参加者(出席)井上啓一、今泉而雲、岩沢克恵、大澤水牛、加沼鬼一、笹本塘外、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、高橋楓子、谷川透、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野見山恵子、星川佳子、前島巌水、三好六甫(投句参加)野田冷峰、山口詩朗

(まとめ・堤てる夫)

 

 

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