12人が「白南風」と席題「島」を詠む
「天」の10点句に水牛「梅雨長し」
迷哲5句すべてが高得点の快挙
酔吟会は令和8年7月例会(通算第181回)を11日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「白南風」、中村迷哲さんから出題された席題は「島」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の10点句に、大澤水牛氏の「脳検査待つ妻無言梅雨長し」が選ばれた。ご本人をのぞく出席者11名のうち実に9名(うち1名は特選)が推すという満票に近い結果となった。また、次点の6点には中村迷哲氏の「夏草や朽ちし戦車の残る鳥」、続く5点には迷哲氏の「江戸はるか配流の島の花蘇鉄」、岩田千虎氏の「青田風水の匂ひを運びくる」が並んだ。迷哲氏は上記6点句、5点句の他にも、4点句および3点句2句があり、実に投句したすべての句が高得点句となり、名乗りのたびに出席者から驚きの声がもれる快挙となった。
この日の東京は、まだ梅雨明けの発表はないものの、本格的な夏の到来を思わせる暑さ。句会のあとの反省会は、芭蕉記念館近くにオープンしたばかりの醸造設備のあるビヤバーで行われた。若者がたくさん集まり、ロックミュージックが流れ、メニュー表がなくスマホオーダーオンリーの店は、少し居心地の悪さもあったが、泡の立たない不思議なビールは確かに美味しかった。マンネリ俳句から脱するには、たまにはこういう経験も悪くないと思った。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
<白南風>
白南風や赤銅色が綱を曳く 金田 青水
白南風や素潜り漁師銛ひとつ 中村 迷哲
白南風や猫が待ってる港町 嵐田 双歩
白南風の街に繰り出す鼓笛隊 中村 迷哲
白南風や伊豆の七島とびの漁 徳永 木葉
<島>
夏草や朽ちし戦車の残る島 中村 迷哲
江戸はるか配流の島の花蘇鉄 中村 迷哲
<雑詠>
脳検査待つ妻無言梅雨長し 大澤 水牛
青田風水の匂ひを運びくる 岩田 千虎
ようもんた父の声する夏の家 岩田 千虎
大暖簾石の錘に南吹く 玉田春陽子
半夏雨指の切り傷まだ癒えず 向井 愉里
名を列ぬ二十四万余慰霊の日 中村 迷哲
<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里
(報告 廣田可升)



