39人参加「梅雨晴」を詠む
可升・戸無広句が首位を分け合い、千虎・阿猿句が続く
日経俳句会は6月17日(水)、内神田の日経広告研究所会議室で上期合同句会を開いた。兼題通りの「梅雨晴」のこの日、14人が出席、高点句続出で、かつその作者の多くが出席していたこともあり、合評会は大いに盛り上がった。当季雑詠含め39人から117句の投句があり、事前選句(5句選)の結果、廣田可升さんの「エプロンは魔法の袋夏野菜」と溝口戸無広さんの「みちのくの山を逆さに田を植ゑる」がそれぞれ10点を獲得して一席を分け合った。二席には岩田千虎さんの「縄文の野性の匂ひ栗の花」と中嶋阿猿さんの「失くしては似たものを買ひ夏帽子」が8点で並び、三席には横井定利さんの「紫陽花や単身赴任丸二年」が7点で続いた。以下、5点2句、4点11句、3点6句、2点23句、1点29句だった。
句会後に暑気払いを兼ねた懇親会を開催。ピザやカツサンドを肴に、ビールやワインでのどを潤しながら歓談した。女性の出席者が多く、向井愉里さんが差し入れた実家特製の焼菓子が人気を集めた。席上、澤井二堂さんが「五堂」への俳号変更を表明、拍手で了承された。現在の「二堂」は、書道の師匠から堂の字をもらい、自分の名前・仁から二を採ったものだが、2点どまりの句が多いので、5点を取れるように改名したいという説明に会場は笑いに包まれた。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。
「梅雨晴」
書を閉ぢて一人吟行梅雨晴間 嵐田 双歩
分刻み梅雨の晴間の予定表 大澤 水牛
梅雨晴や草の匂ひと地の匂ひ 加藤 明生
梅雨晴間灌漑水の音豊か 堤 てる夫
梅雨晴や深く濃くなる山の色 星川 水兔
梅雨晴や洗濯ばさみ総動員 安彦 真弓
梅雨晴れて干潟の楽園蟹ダンス 岡田 鷹洋
梅雨晴れ間神保町に先ず行くか 横井 定利
当季雑詠
エプロンは魔法の袋夏野菜 廣田 可升
みちのくの山を逆さに田を植ゑる 溝口戸無広
縄文の野性の匂ひ栗の花 岩田 千虎
失くしては似たものを買ひ夏帽子 中嶋 阿猿
紫陽花や単身赴任丸二年 横井 定利
句会閉づ来し方たどり冷し酒 大澤 水牛
籐椅子は昭和よりなおそこにあり 坂部富士子
幸齢者粋な呼び名よ百日紅 久保田 操
宿題はAI任せソーダ水 須藤 光迷
紫蘇揉んで卒寿の祖母の梅仕事 中沢 豆乳
独り言まとわりつくや梅雨の闇 中嶋 阿猿
すっぽりと鎌倉五山梅雨の中 星川 水兎
短夜に目覚めて開く哲学書 増田 浩志
梅雨雲や並ぶ塔婆のかすれ文字 植村 方円
初鰹目玉のぎょろり出刃とめる 岡田 鷹洋
軒先にボレロのリズム梅雨に入る 旙山 芳之
《参加者》【出席14人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加25人】伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、玉田春陽子、堤てる夫、中沢豆乳、中野枕流、徳永木葉、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。
(報告 嵐田双歩)






