新春酔吟会例会

兼題「去年(去年今年)」、席題「縁」

深川・森下文化センターに14人が参集

酔吟会は令和6年初の例会を江東区森下の「森下文化センター」で開いた。今回の席題は、高井百子さんから提示された「縁(えん、えにし、ふち、へり)」と兼題の「去年(こぞ)、去年今年」。新年初句会にふさわしく14人参加の盛会だった。投句合計70句、6句選句で句会を進めた結果、最高の「天」は、5人の選者の内4人から特選という評価を得て総得点13点となった玉田春陽子さんの「小さき手を大きく構へ寒稽古」だった。続く「地」は高井百子さんの「異母妹といふ名の縁根深汁」の8点句。「人」は、徳永木葉さんの6点句「核の冬破滅の縁にある地球」だった。続く5点句には、嵐田双歩さん、大澤水牛さん、金田青水さん、須藤光迷さん、徳永木葉さんが続いた。以下、4点2句、3点5句、2点13句、1点句11句で、席題の「縁」の句の健闘が目立った。次回の「席題」選定者は、くじ引きの結果大澤水牛さんに決まり、句会は午後4時半に終了した。3点以上の高得点句は以下の通り。

「去年(去年今年)」

にょろにょろと歯磨チューブ去年今年   大澤 水牛

日の出待つ西に溶けゆく去年の月     金田 青水

変わらぬは分断社会去年今年       徳永 木葉

天仰ぎ目薬差すも去年今年        嵐田 双歩

天に星地に妻の笑み去年今年       須藤 光迷

護摩の火をたぐる老師や去年今年     谷川 水馬

「縁(えん、えにし、ふち、へり)」

異母妹といふ名の縁根深汁        高井 百子

核の冬破滅の縁にある地球        徳永 木葉

川縁に鴨の寄り来る小名木川       嵐田 双歩

縁かな百歳までの扶け合ひ        岡田 鷹洋

この爺に良縁ありと初御籤        玉田春陽子

一心に娘の縁を初参り          向井 愉里

「当季雑詠」

小さき手を大きく構へ寒稽古       玉田春陽子

積ン読の二冊減りたる松の内       須藤 光迷

まだ逝くな花の宴のあるものを      岡田 鷹洋

(出席14名)嵐田双歩、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。

(まとめ 高井百子)

 

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