日経俳句会と番町喜楽会合同の5月吟行は「こどもの日」の5月5日、府中に古くから伝わる祭祀、大國魂神社例祭「くらやみ祭」を見物がてら、昼間は「府中の森博物館」を散策、明治天皇府中行幸行在所となった蔵屋敷で「しりとり連句」という珍しい催しに興じた。開催日が連休中ということもあって、旅行に出掛けたり孫のお相手をしたりで「残念ながら」という人が多かったのだが、それでも9人が参加、武蔵野の新緑の森に遊び、夜はテラス席に陣取って勇壮な夜祭を見物しながらワインを楽しんだ。正式な吟行句会は席題「子供の日あるいは子供」と「くらやみ祭」と「当季雑詠」の投句3句・選句5句のメール句会とした。その結果、吟行幹事杉山三薬さんの「連句詠む座敷に青い梅の風」が5点を得て一席となった。二席4点には田中白山さんの「はらわたに響く太鼓や神輿渡御」と中村迷哲さんの「半裸の子池にあふれる子供の日」が入った。参加者の代表作品は以下の通り。
提灯と人の触れ合ふ闇祭 今泉 而云
いなせやな祭太鼓に立つ男 岩田 三代
夜太鼓にスマホひしめく祭りかな 植村 方円
にぎやかに武蔵野黄菅こどもの日 大澤 水牛
豪農の土間にひんやり新樹光 金田 靑水
連句詠む座敷に青い梅の風 杉山 三薬
はらわたに響く太鼓や神輿渡御 田中 白山
連句巻く府中の森やこどもの日 谷川 水馬
半裸の子池にあふれる子供の日 中村 迷哲
(まとめ 大澤水牛・中村迷哲)