酔吟会第141回例会

「梅雨明」と「梅干」を詠む

水牛さん、天・地・人を独り占め

 

酔吟会は7月13日(土)午後1時、東京・内神田の日経広告研究所会議室(MIFビル)で、令和元年第2回例会(通算141回)を開いた。時折雨のぱらつくはっきりしない日和で、兼題は「梅雨明け(つゆあけ)」と「梅干(うめぼし)」。出席14人、投句参加7人計21人の105句について選句8句で句会を進めた。その結果、最高は水牛さんの「梅雨明けや五ミリの蜘蛛が背伸びする」の5点句1句だった。水牛さんは次席の4点句「梅干の漬かりゆくなり雨の音」、三席の3点句「滔々と坂東太郎梅雨明くる」と高点3句を綺麗に並べ「天」「地」「人」の“満天賞”を記録した。

次席4点句は他に3句、今泉而云さんの「梅干の種もてあそぶ舌の上」、片野涸魚さんの「梅干に浮かぶ戦後の日々のあり」、須藤光迷さんの「梅雨明けや襁褓の一歳スクワット」と熟達の作者が並んだ。三席の残る2句は、工藤静舟さんの「夏燕奔放に切る蒼い空」、玉田春陽子さんの「玄関に居間に客間に花菖蒲」。次いで2点は26句、1点は30句で合計56句に点が入ったが、3点以上の高点句は8句に止まった。高点句を巡って「あと一点」の重みが際立った句会だった。

この日のに合わせ、水牛さんがお手製の梅干、梅酒、花梨酒をキャリーバッグに積み込んで差し入れ。年代ものの梅酒は、濃厚で、上物の味わい。本来なら成績順に贈呈されるところ、製作・提供者のご本人が記録的な成績とあって「逆順」での分配になった。兼題別の高得点(3点以上)は次の通り。

「梅雨明」

梅雨明けや五ミリの蜘蛛が背伸びする    大澤 水牛

梅雨明けや襁褓の一歳スクワット      須藤 光迷

滔々と坂東太郎梅雨明くる         大澤 水牛

「梅干」

梅干の種もてあそぶ舌の上         今泉 而云

梅干の漬かりゆくなり雨の音        大澤 水牛

梅干に浮かぶ戦後の日々のあり       片野 涸魚

「当季雑詠」

夏燕奔放に切る蒼い空           工藤 静舟

玄関に居間に客間に花菖蒲         玉田春陽子

【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、久保田操、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり(。投句参加)岡田鷹洋、工藤静舟、澤井二堂、須藤光迷、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。    (報告 堤てる夫)

 

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