番町喜楽会第86回例会

番町喜楽会は11月7日(火)午後6時半から千代田区二番町の番町ハイム会議室で、第86回例会を開いた。兼題は「冬浅し(ふゆあさし)」と「葱(ねぎ)」で投句総数は95句。

選句は6句とし進めた結果、この日新規会員として初参加した田中白山(はくさん、本名博)さんの「玄関の主なき杖や秋の風」が6点で「初打席初本塁打」の趣き。次席は5点、今泉而雲さんの「秋燕の溶け込んでゆく空の青」、岩沢克恵さんの「新海苔に息災のふみ添へられて」、前島巌水さんの「茜雲浅間の嶺へ葱の列」の3句が並んだ。

続く4点句も3句で、井上啓一さんの「人肌の湯に葱洗ふ湯澤かな」、三好六甫さんの「葱一本孤独に添えて帰りけり」、山口斗詩子さんの「薄暮にも球追ふ子らよ冬浅し」。以下3点6句、2点17句、1点30句。

新入会の白山さんは上智大学で水牛さんや六甫さんと机を並べていた。同窓会の席で俳句が話題となって互いに「同好の士」と分かり、一気に入会の約束まで進んだ。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「冬浅し」

薄暮にも球追ふ子らよ冬浅し     山口斗詩子

冬浅し三坪耕し肩で息        大澤 水牛

冬浅し豌豆の芽の一列に       大澤 水牛

冬浅し黄昏色のドッグラン      高橋 楓子

また一つ年寄る心地浅き冬      徳永 正裕

「葱」

茜雲浅間の嶺へ葱の列        前島 巌水

人肌の湯に葱洗ふ湯沢かな      井上 啓一

葱一本孤独に添へて帰りけり     三好 六甫

焼きねぎはしおだタレだと酒二合   谷川 水馬

ひと椀の温みの中に葱香る      山口斗詩子

「雑詠」

玄関の主なき杖や秋の風       田中 白山

秋燕の溶け込んでゆく空の青     今泉 而雲

新海苔に息災のふみ添へられて    岩沢 克恵

 

参加者(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、高橋楓子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子、前島巌水、三好六甫(投句参加)岩沢克恵、加沼鬼一、山口斗詩子(選句参加)笹本塘外

(まとめ・堤てる夫)

 

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