第15回日経俳句会賞決定

英尾賞に廣田可升氏

日経俳句会賞は中沢、鈴木、水口、嵐田の四氏

《日経俳句会賞英尾賞》

ちちははに詫びたきあまた冬銀河  廣田 可升(初受賞)

《日経俳句会賞》

菊人形大坂なおみの高島田     中沢 豆乳(初受賞)

聖樹下にギフトを置いて親となる  鈴木 好夫(二回目受賞)

ページ繰る小さき風あり夏木立   水口 弥生(二回目受賞)

一年が散らかっている十二月    嵐田 双歩(三回目受賞)

12月19日の日経俳句会年次総会、下期合同句会に続いて第15回日経俳句会賞の発表と贈賞式が行われた。英尾賞には廣田可升氏、日経俳句会賞には中沢豆乳、鈴木好夫、水口弥生、嵐田双歩の4氏が選ばれた。廣田氏と中沢氏は初受賞。鈴木、水口両氏は2回目、嵐田氏は3回目の受賞となった。

委員会方式による選考を6人が担当。幹事の中村委員が「過去3年の受賞者を除くなどのルールに沿って、152句を対象に公平、公正に選んだ」と選考経緯を説明、堤幹事長から5氏に賞状と記念品が贈られた。

引き続き大澤水牛、今泉而云両顧問が掛け合いの形で5氏の作品を講評。それぞれの句の本質をとらえた的確なコメントに、作者も出席者もうなずきながら聞き入った。

この後、年忘れ会を兼ねた祝賀パーティーに移り、受賞者を祝い、一年を振り返る談笑の輪が広がった。また受賞者がそれぞれ喜びの言葉を語ったが、初受賞の2人と、11年ぶりの受賞となった鈴木さんにひときわ大きな拍手が贈られた。

《水牛・而云両顧問のコメント》

ちちははに詫びたきあまた冬銀河   廣田 可升

水牛 自分が亡き両親の年代になってくると、つくづくこういう思いに駆られます。「孝行のしたい時分に親はなし」という有名な川柳があります。この句はその続編のような感じもしますが、諧謔味よりも、もっとずっと根源的な、親・子・孫へと連綿と伝わる肉親愛というものを感じます。最初この句を見た時、ちょっと口調が悪いな、「ちちははにあまた詫びたし冬銀河」とすべきではないのかな、などと思っていました。しかし、今こうして読み直すと、「詫びたきあまた」というちょっと舌足らずな言い方がとても良い味を出していることに気が付きました。

而云 冬銀河を見上げ、亡き父母への「詫びたきことのあまた」を思う。酔って夜中に帰途のことでしょうか。年配の男性なら、同じような思いを抱いたことがあるはずです。人間と宇宙、子供と父母はこのように繋がっているのだと思いました。

菊人形大坂なおみの高島田      中沢 豆乳

水牛 句会でこの句を見た時、ちょっとやり過ぎだなあと思って採らなかったのです。しかし、最高点を取って、合評会で皆さんの句評を聞いているうちに、私はもう少し素直にならなければいけないなと反省しました。この句は私にとって、そういう句です。作者によると、確かに「高島田は作った」のだそうですが、そういう操作は十分許されます。令和元年を記す良い句です。

而云 作者は句会で「実物の菊人形は高島田ではなかった」と告白し、笑いを誘いました。実物ではなかったのだが、高島田の大坂なおみの姿・顔立ちは、すでに私の頭にしっかりと描かれています。たぶんなおみ選手が引退する頃になっても、私は彼女の花嫁姿を思い浮かべるでしょう。

聖樹下にギフトを置いて親となる   鈴木 好夫

水牛 「聖樹下に」という堅苦しい言葉が非常な効果を発揮しています。何の事は無い、子が寝静まった夜中、クリスマスツリーの下にプレゼントを置いたという情景なんですが、「親となる」という下五で、親の自己満足から、本当に「家族だなあ」という気分になったという感じが伝わってきます。

而云 子供が一歳か二歳のころだろうと思います。ツリーの下にクリスマスプレゼント置いて、気づいた。「私は親になっていたのだ」と。初めて生まれた赤ん坊は可愛いが、自分が親であるという自覚はまだ薄い。プレゼントを置くことで、親の自覚が生れたのです。その素晴らしい瞬間を詠んでいるのだと思います。

ページ繰る小さき風あり夏木立    水口 弥生

水牛 繊細な叙景句で、私の大好きな句です。夏木立と言ってもこれは真夏の緑蔭ではなく、初夏の感じがします。芭蕉には「先づたのむ椎の木もあり夏木立」という名句があります。これは強い日射しから守ってくれる夏木立ですが、水口さんの夏木立は日差しはそれほど激烈ではなく、むしろ爽やかな風を送ってくれる木立の趣です。読んでいる私も昼寝に誘われてしまいそうです。

而云 微風で頁が繰れるのか。単行本、文庫本などを開いてみたが、そんな状況は生れそうもない。しかし私の頭の中では夏木立からの風でページがふはりと繰られていくのです。実際にはどうなのか、などを検証するのは何と愚かなことでしょう。俳句の素晴らしさは、こういう所にもあるのだと知らされました。

一年が散らかつている十二月     嵐田 双歩

水牛 これはユーモアとウイットに富んだ句で、さすがは手だれの双歩さんという感じです。作者もそうなのかも知れませんが、私なぞ年がら年中、新聞雑誌でこれは面白いというのを破り取って、積んであります。年末になるとそういうのがうずたかく積もって、雪崩を起こします。この句はそういう、目の前の乱雑さだけでなく、あれもしなきゃ、これも片付いていないという焦燥感も伺えます。

而云 昨年の合同句会で断トツの最高点句。合評会のコメントを調べたら、散らかっているのは「家の中」「私の頭の中」「社会」「政治の現況」など実にさまざまでした。今年に当てはめたら、さらに厳しい指摘にならざるを得ません。一年を経て政治・社会はさらに酷く、この句はますます輝きを増していくように思います。

《受賞者の挨拶》

廣田可升さん

ちょうど五年前の秋、谷川水馬さんから飲み会の案内状をいただき、そこに俳句が書かれていました。たしか、本のページに栞がわりに挟まれていた薄紅葉を詠んだ句だったと記憶しています。翌年には会社を退職することが予定されていて、仕事をやめた後なにか新しいことをしないと持て余すなと思っていた頃でもあり、この句を読んでなにか琴線にふれるものを感じました。飲み会で谷川さんにお会いした折に、「俳句やってみたいんやけど」ともちかけ、その年の暮から番町喜楽会に参加させていただきました。まったくの偶然から始まった瓢箪に駒みたいな話でもあり、自分の飽きっぽい性格も知っていたので、いつまで持つやらと思っていたのですが、両顧問のご指導と句会の皆さんのおかげもあり、飽きることもなく続けられました。本日、思いもかけずこんな賞をいただき、ご縁があって日経俳句会に参加させていただき本当に良かったなと感謝しております。ありがとうございました。

中沢豆乳さん

自分でも駄句だなと思っている俳句に賞をいただき、恐縮するとともに、とても嬉しいです。何ひとつ貢献していない、名前だけの日経俳句会会長です。審査した方々が、そんな会長に対して忖度してくださったのだろうと思います。会長になって良かったなあ。──面目ないことだけれど、四十年近い記者生活で表彰されたことは一度もありません。この句は福島県二本松の菊人形祭りの実景ですが、創作というか噓が含まれています。何だかガセネタで表彰されたような気分です。本当にありがとうございました。

水口弥生さん

思いがけず日経俳句会賞を賜り、有難うございました。日を重ねるにつれて、その重さを思わずにはいられません。受賞句は暑い日の公園での光景。漫画本(表紙のない)の数ページが、ぺらぺらそよいでいたのを思い出し、ちょっとおしゃれに仕上げて、そっと投句してみたものです。今年は俳句の神様に見放され、毎月の投句に四苦八苦。そんな極月に望外の神様のお恵みがあり、年を納めることが出来ました。これを励みとして、来年の楽しい句作に繋げたいと思います。

嵐田双歩さん

十人十色というように、人それぞれ考えも好みも異なるはずなのに、こんなに大勢の人から支持されるとは本当に驚きました。ちょうど一年前の合同句会で、自分で集計していて怖くなるほどでした。どうして17点も集まったのか、受賞が決まって考えてみました。この句は「なんだか部屋が散らかってるなあ、一年分だもんね」という単純な発想からできたのですが、読む人それぞれが別々の解釈をしてくれたおかげだと気づきました。散らかっているのは、物だったり事だったり気持ちだったり、読者ひとり一人が自分に引きつけて共感していただいたのだと。中には、世の中の未解決のあれこれ、政治のことや災害の復興のことまで言及し、時事句と捉えた人もいました。俳句が一人歩きをした結果、このような大量得票という雪崩現象を起こしたのでしょう。今年もいろいろと散らかったままです。ともあれ、改めて皆さまに感謝いたします。本当にありがとうございました。

鈴木好夫さん

この度、令和元年度日経俳句会賞をいただきこれにまさる喜びはありません。選考委員の方々に心から御礼申し上げます。加之、時にはげまし、時に批評くださる句作の仲間の皆様に心から御礼申し上げます。句意は五七五の字面そのもので、親となる、も親が準備し子供がそれをうれしがっている様子を親が見ているというほどのものです。私は女の子ばかり3人のしかも年子の親父で、子らが幼稚園児の頃、仕事から帰宅すると小さなクリスマスツリーが飾られ、樹下に小さなギフトが置かれていたことを思い出し句にしました。賞をいただいてみますと、そういえば案外いい句だなと思い(なんといううぬぼれ)、選考委員の方々は良い選考眼をお持ちだと思い(また悪い癖が出た)ました。これまでの日経俳句会賞贈賞式では、選ばれた素晴らしい句を賞賛しつつも、私は後ろで拍手をしていればよいと気楽でした。この度は恍惚と不安二つながら我にあり、は大げさにすぎますが、これを機会に残された人生のことも考え、私が日経俳句会にいること自体奇跡なのですから、ご迷惑をかけないよう自分なりに句作に精進したいと思います。どうぞ皆様今後ともよろしくご指導くださいますようお願いいたします。

鈴木さんが俳号「雀九」を披露

日経俳句会賞の祝賀パーティーの席上、受賞者の鈴木好夫さんから「新年から雀九(じゃっく)」を俳号としたいと、表明があった。鈴木さんによれば、「好夫」の名前は、英語でいえば「Jack」にあたる一般的な呼び名。そこで「Jack」に当てはまる漢字を考え「雀九」に行きついたという。出席者からは「鈴木さんにふさわしい、いい俳号だ」と拍手が沸いた。   (記録・報告 中村迷哲)

 

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日経俳句会、令和元年下期合同句会を開催

30人が出席、一年を締めくくる

水牛「急くほどに」、可升「一匹の逝き」最高点

日経俳句会は12月18日(水)、令和元年下期合同句会(通算29回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。平年より暖かなこの日、年収めの句会とあって、30人もの会員が出席、座り切れないほどの熱気に溢れた。

兼題は「北風」の一つのみ。雑詠含め43人から129句が寄せられた。5句選で全員に事前選句をしてもらった結果、大澤水牛さんの「急くほどに事のすすまぬ師走かな」と廣田可升さんの「一匹の逝きて二人の年の暮」が最高7点で並んだ。次いで6点は「落葉掃く老女の丸き背に一葉(操)」、「煤払い積もれる嘘に頰被り(三薬)」、「小春日や紙の鼠に置く目鼻(光迷)」、「まな板の傷も古びし年の暮(水兎)」の雑詠4句だった。以下、5点6句、4点7句、3点16句、2点18句、1点35句と投句者全員が満遍なく得票した。兼題別の高点句(3点句以上)は以下の通り。

「北風」

北風や敗退告ぐる笛の音         大下 綾子

北の風干し芋寒天凍み豆腐        杉山 三薬

北風や富士夕映えの真ん中に       今泉 而云

大北風に野面あまねく平伏す       大沢 反平

北風の吹き荒れ三日島閉ざす       中村 迷哲

掛け声と共に北風斬る竹刀        政本 理恵

北風も仲間に入れて競技場        池村実千代

北風に火の番募る町会長         大澤 水牛

北風の千曲に菜つむ夫婦いて       岡田 鷹洋

北風に挑む老女の怪気炎         久保田 操

北風に身を削られて星数え        高橋ヲブラダ

ユニクロまとい北風と対峙せり      横井 定利

「当季雑詠」

急くほどに事のすすまぬ師走かな     大澤 水牛

一匹の逝きて二人の年の暮        廣田 可升

落葉掃く老女の丸き背に一葉       久保田 操

煤払い積もれる嘘に頰被り        杉山 三薬

小春日や紙の鼠に置く目鼻        須藤 光迷

まな板の傷も古びし年の暮        星川 水兎

煮え切らぬ男ぐつぐつおでん酒      嵐田 双歩

アフガンの凍てし弔鐘天を衝く      堤 てる夫

介護する部屋の真白き障子かな      廣上 正市

上野までミイラ見に行く冬日和      廣田 可升

熱燗を父の遺影にまず一献        岩田 三代

角巻や母の背に出す赤ほっぺ       工藤 静舟

終電が人で膨らむ師走かな        向井 ゆり

目のちから強く大きく冬帽子       池村実千代

夕空に眉月のある師走かな        今泉 而云

封筒に切手貼り足す冬の雲        大下 綾子

アフガンの師走に無念尊き遺志      大平 睦子

手袋の心強さよ出勤す          久保 道子

膝立てて肘も音立て畳替         谷川 水馬

核廃絶言はず動かず冬の蠅        堤 てる夫

ガスマスク自由香港冬ざるる       徳永 木葉

室咲きの姿正しく開花待つ        徳永 木葉

時雨るや特ダネ逃した帰り道       流合研士郎

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、大澤水牛、大下綾子、岡田鷹洋、金田青水、斉藤早苗、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、高石昌魚、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。(投句参加)植村博明、大倉悌志郎、大沢反平、大平睦子、荻野雅史、片野涸魚、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、高橋ヲブラダ、流合研士郎、廣上正市、政本理恵。 (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第168回例会

「息白し」と「都鳥」を詠む

廣田可升さんが5点句でトップ

番町喜楽会は、令和元年12例会(通算168回)を12月7日(土)午後6時から、「息白し」と「都鳥」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は22名で、投句数は104句。そのうち15名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句の結果、廣田可升さんの「踏ん切りのつかぬ帰郷や都鳥」が5点でトップに輝いた。また、斉山満智さんの「また悔いの一つ増えたる師走かな」、塩田命水さんの「向かひ合ふ距離の近さや置炬燵」、谷川水馬さんの「冬大路信号守る親子鹿」、玉田春陽子さんの「息白く人それぞれに始発駅」、そして中村迷哲さんの「テスト日の寡黙なる列白き息」の4点句5句が続いた。以下、3点が9句、2点が16句、1点句が31句あった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「息白し」

息白く人それぞれに始発駅             玉田春陽子

テスト日の寡黙なる列白き息            中村 迷哲

まえうしろ子を乗せママの息白し          徳永 木葉

「都鳥」

踏ん切りのつかぬ帰郷や都鳥            廣田 可升

夕映えのスカイツリーや都鳥            須藤 光迷

なれそめは鴨川の土手ゆりかもめ          谷川 水馬

「当季雑詠」

また悔いの一つ増えたる師走かな          斉山 満智

向かひ合ふ距離の近さや置炬燵           塩田 命水

冬大路信号守る親子鹿               谷川 水馬

きのふまでそこにゐたのよ日向ぼこ         大澤 水牛

教皇の被爆地に立つ時雨傘             澤井 二堂

初雪や子の恋人の来ると言ふ            田中 白山

一茶忌や大徳利で出る蕎麦湯            玉田春陽子

路地深き鍋屋横丁小夜しぐれ            玉田春陽子

行き止まるレールの錆びて山時雨          中村 迷哲

《参加者》【出席15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加7人】池内的中、大下綾子、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第184回例会

 

37人参加「時雨」「木の葉髪」を詠む

反平さん「小夜時雨」で10点、豆乳さん「反骨も」9点で続く

 

日経俳句会は令和元年の11月例会(通算184回)を11月20日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。この日は木枯らし到来の強風が吹き外出を控えた人もあって、出席は17人にとどまったが、兼題句、雑詠ともに高点句が多く、熱気あふれる句会となった。兼題は「時雨」と「木の葉髪」。37人から111句の投句があり、6句選(欠席5句)の結果、大沢反平さんの「毀れゆく母いとほしき小夜時雨」が最高10点を獲得。中沢豆乳さんの「反骨も風に吹かれて木の葉髪」が9点で続き、7点句に杉山三薬さんの「裾上げて女三代七五三」が入った。6点句には「しぐるるや淡き灯影の妻籠宿 迷哲」と「木の葉髪かなはぬことを重ね来て 悌志郎」の2句が並んだ。このほか5点3句、4点10句、3点8句、2点17句、1点38句で、3点以上の高点句が26句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「時雨」

毀れゆく母いとほしき小夜時雨    大沢 反平

しぐるるや淡き灯影の妻籠宿     中村 迷哲

時雨るるや田は夕闇に溶けゆきて   岩田 三代

書に倦みてしぐるる町の音聞けり   大倉悌志郎

野良猫の塑像となりぬ路地時雨    大澤 水牛

冷えるねと時雨に物言う独り酒    中沢 豆乳

破片にも縄目の模様初しぐれ     廣上 正市

時雨れば残像未だ暴れ川       植村 博明

時雨虹幌竹たたむ人力車       谷川 水馬

煌々と通夜の灯りや時雨寒      中嶋 阿猿

しぐるるや京の娘の赤い傘      向井 ゆり

「木の葉髪」

反骨も風に吹かれて木の葉髪     中沢 豆乳

木の葉髪かなはぬことを重ね来て   大倉悌志郎

一合の米を炊く日や木の葉髪     植村 博明

再読に発見のあり木の葉髪      大下 綾子

孫と子に残すものなし木の葉髪    徳永 木葉

木の葉髪写真の母は若きまま     嵐田 双歩

スポーツ紙尻ポケットに木の葉髪   横井 定利

「当季雑詠」

裾上げて女三代七五三        杉山 三薬

新酒古酒並べて鯛の兜焼き      大倉悌志郎

白壁に揺るる影あり冬紅葉      加藤 明生

綿虫に川広々と横たはる       今泉 而云

小春日を見送る野良の正座かな    金田 青水

いつの日か人も滅ぶや冬の月     高橋ヲブラダ

冬の蠅すがりつきゐる南窓      徳永 木葉

夜通しの落葉のダンス風の曲     中村 迷哲

《参加者》(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、岩田三代、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、鈴木好夫、谷川水馬、堤てる夫、中沢豆乳、中嶋阿猿、中村迷哲、星川水兎、向井ゆり。(投句参加)池村実千代、今泉而云、植村博明、大倉悌志郎、大下綾子、大平睦子、荻野雅史、加藤明生、久保田操、斉藤早苗、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、徳永木葉、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利

(報告・中村迷哲)

 

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秋の合同吟行会は房総横断

16人でチバニアン・養老温泉・大多喜を巡る

11月16,17日一泊二日の旅程で日経俳句会と番町喜楽会合同の房総半島の〝秘境〟養老渓谷と大多喜町を訪ねる吟行を催した。地磁気逆転で有名になったチバニアンの見学と、紅葉と温泉、翌日は城下町・大多喜散策が目玉の旅。

11月16日昼過ぎ、内房線五井駅・小湊鉄道ホームに集合、古びた二両連結のディーゼル車に乗り込む。この秋相次いだ台風で大きな被害を受けた小湊鉄道は土砂崩れや倒木で不通区間が残っており、途中の上総牛久から代行バス利用となる。出発から一時間で月崎駅着。ここから約2.5キロ歩いて、養老渓谷のチバニアンに行く。チバニアンとは77万年前に地球の北極南極(N極S極)が逆転し、その後また元に戻ったことを証拠立てる地層がくっきりと目視できる世界でも稀な場所で、間もなく国際地質学会とかで正式に認められることになっており、そうなると有象無象の観光客の押し寄せる名所になるのは必定。我々は一歩先んじて見学に出かけたわけだ。

宿泊はチバニアンから養老渓谷をさらに遡った粟又の滝を見下ろす「秘湯の宿 滝見苑」。地下四百メートルから湧き出る温泉大浴場や露天風呂で強行軍の疲れを癒した。夕食宴会では岩魚の塩焼や牛鍋、釜飯など地元の食材を生かした料理を肴に、地酒「大多喜城」や「豊乃鶴」を味わい、歓談した。宴会後の二次会では連句を始め、一時間半ほどで半歌仙(十八句)を巻き上げた。

翌17日も快晴。10時発の旅館のバスで上総中野駅に出て、いすみ鉄道の電車で大多喜へ向かった。大多喜は徳川四天王の一人、本多忠勝が拓いた城下町。城跡には何も残っていなかったのだが、昭和50年に天守閣が再建された。城下には江戸や明治時代の商家や造り酒屋など古い建物が残り、往時の雰囲気を伝えている。地元観光協会のボランティアガイドの懇切丁寧な案内で、城を仰ぎながら城下町の由緒ある旧家や神社をゆっくり見て回った。幹事から「吟行の句を三句、21日締切で投句して下さい」と念を押されて現地解散した。そのメール句会の結果は後日詳報。(報告・中村迷哲)

 

 

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酔吟会第143回例会

 

参加者24人、投句総数120句の最高記録

可升さん、「古書市」で六点句

酔吟会は令和元年第4回例会(平成31年1,3月を合わせると通算143回)を11月9日(土)午後1時から、東京・内神田の日経広告研究所(MIFビル)の会議室で開いた。朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じる日々、出席は19人、投句参加5人の24人と、令和元年締めくくりの句会で、参加者最高を記録した。「短日(たんじつ)」「切干(きりぼし)」の兼題で合計120句を巡り7句選句で進行した。その結果、最高は廣田可升さんの「背表紙のかすむ古書市日短か」の6点句だった。次席の5点句には大澤水牛さんの「コスモスは年長組の眼の高さ」、須藤光迷さんの「短日や余生まことに長長し」、玉田春陽子さんの「あるだけの福を担ぎて一の酉」、堤てる夫さんの「流木を中洲に残し冬千曲」の4句が並んだ。三席4点句は、今泉而云さんの「切干や昔の母は子沢山」と、春陽子さんの「独り言湯舟に浮かべ冬に入る」の2句。続く3点句は合計10句がずらり。2点句は19句、1点句27句という結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「短日」

背表紙のかすむ古書市日短か       廣田 可升

短日や余生まことに長長し        須藤 光迷

短日やありふれた日のまた過ぎて     片野 涸魚

日みぢかもの食ふ音はわれの音      金田 青水

昼席のはねし木戸口日短し        徳永 木葉

「切干」

切干や昔の母は子沢山          今泉 而云

切干や脇役ばかり五十年         須藤 光迷

友が来て母の切干平らげし        向井 ゆり

「雑詠」

コスモスは年長組の眼の高さ       大澤 水牛

あるだけの福を担ぎて一の酉       玉田春陽子

流木を中洲に残し冬千曲         堤 てる夫

独り言湯舟に浮べ冬に入る        玉田春陽子

行く末は成り行き任せ木の葉髪      大沢 反平

台風禍めげぬ最上の芋煮会        岡田 鷹洋

瓜坊の落柿あさる上州路         須藤 光迷

白菜や尻を洗いし孫の事         須藤 光迷

ああ首里城虚ろな丘の冬の月       堤 てる夫

『参加者』(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)澤井二堂、谷川水馬、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。    (報告 堤てる夫)

 

 

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第167回番町喜楽会例会

 

秋晴れの午後、「立冬」と「七五三」を詠み合う

11月4日(月)午後3時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で第167回番町喜楽会が開かれた。夏も秋も滅茶苦茶な天気が続いていたが、ようやく落ち着いてきたのだろうか、この日は青空が広がり、白雲が浮かぶ上々の天気。しかもこの日は文化の日の振替休日ということで、昼間に句会開催。大方は昼間だろうが夜だろうが「暇と言えば暇、忙しいと言えば忙しい」という人たちばかりだから、出席16人、欠席投句4人と、いつもと同じようなサイズの句会である。

いつも通り投句5句選句6句で句会を行った結果、最高点は玉田春陽子さんの「投げ上げる声も受け止め掛大根」の6点。続く5点は2句で嵐田双歩さんが「薄目開け犬のまた寝て今朝の冬」と「変な顔わざとして見せ七五三」で一人占めした。以下、4点3句、3点9句が続いた。3点句以上の高点句は次の通り。

『立冬』

薄目開け犬のまた寝て今朝の冬      嵐田 双歩

立冬やカレー日和の神保町        野田 冷峰

韓国語消えて長崎冬に入る        高井 百子

立冬や青菜の畝の薄明かり        須藤 光迷

朝刊のバイクの音も冬に入る       嵐田 双歩

閉館の時刻繰り上げ冬に入る       玉田春陽子

『七五三』

変な顔わざとして見せ七五三       嵐田 双歩

ダウン児の晴れ着の笑顔七五三      田中 白山

七五三シングルママの凜々しくて     田中 白山

権禰宜が写真撮ります七五三       堤 てる夫

祖父は元名カメラマン七五三       今泉 而云

母と子の二人で生きて七五三       中村 迷哲

『当季雑詠』

投げ上げる声も受け止め掛大根      玉田春陽子

どん尻に弾む笑顔や運動会        須藤 光迷

冬ざるる流れ尖りて千曲川        堤 てる夫

(まとめ 大澤水牛)

 

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日経俳句会第183回例会

豆乳さん「大阪なおみ」で一席

女性が一人もいないという珍しい句会に

日経俳句会は10月16日(水)、令和元年度十月例会(通算183回)を千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。列島はこの秋二度目の台風に直撃され、大規模な河川氾濫があちこちで発生した。台風で酷い目に遭った会員はいなかった模様だが、急に寒くなって体調を崩した人や、急用が入った人などが続出、欠席者が目立った。しかも、この句会始まって以来初の女性が一人もいない月例となった。最近では最も多い40人から120句も集まった投句に、初老の男ばかり14人がひっそりと句評を述べ合うという「行く秋」に相応しい寂寥感が漂った。兼題は「行く秋」と「柿」。6句選(欠席選句は5句)の結果、中沢豆乳さんの「菊人形大坂なおみの高島田」が9点で、中嶋阿猿さんの「行く秋や名もなき画家の絵を求む」の8点を僅差で抑え単独1位を獲得した。豆乳さんは入会後初の一席。続いて操さんの「陽の色に染まる軒先柿すだれ」と明生さんの「異国語の飛び交ふ村の吊し柿」が7点。以下6点2句、5点4句、4点8句、3点6句、2点26句、1点34句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「行く秋」

行く秋や名もなき画家の絵を求む      中嶋 阿猿

行く秋の波打ち際のレジ袋         今泉 而云

行く秋に柔らかな光化学賞         旙山 芳之

行く秋や夫婦(めおと)となりし日の遙か  嵐田 双歩

行く秋やどこへともなく荒川線       大倉悌志郎

行く秋や鉛筆で書く紙の音         鈴木 好夫

ゆく秋や声張る路上ミュージシャン     星川 水兎

行く秋や今年また減る同期生        井上庄一郎

「柿」

異国語の飛び交ふ村の吊し柿        加藤 明生

陽の色に染まる軒先柿すだれ        久保田 操

奈良に嫁し今年もつくる柿のジャム     大下 綾子

母からの荷物の隅に柿二つ         向井 ゆり

渋柿を風に晒せば武甲山          嵐田 双歩

成り年の柿賑やかに夕陽浴ぶ        堤 てる夫

柿すべて鳥の餌となり里老いる       岩田 三代

柿食ひて悪ガキのような父の笑み      流合研士郎

「当季雑詠」

菊人形大坂なおみの高島田         中沢 豆乳

秋深し何も語らぬ石舞台          中村 迷哲

曼殊沙華彼の世此の世を隔てをり      廣上 正市

詰将棋解く間の釣瓶落しかな        嵐田 双歩

どんぐりの落ちて胸まで跳ねかへり     金田 青水

行く雲と声交はしたる大花野        大倉悌志郎

爽やかや雲入れ替はる山の空        大下 綾子

文化の日おやじバンドのリハーサル     中嶋 阿猿

《参加者》【出席】嵐田双歩、井上庄一郎、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、杉山三薬、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中村哲、野田冷峰。【投句参加】池村実千代、岩田三代、植村博明、大倉悌志郎、大沢反平、大下綾子、大平睦子、加藤明生、久保田操、斉藤早苗、鈴木好夫、高井百子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、中嶋阿猿、荻野雅史、流合研士郎、旙山芳之、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹、星川水兎、政本理恵、水口弥生、向井ゆり、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

 

 

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番町喜楽会第166回例会

「新米」と「渡り鳥」を詠む

金田青水さんが入会

番町喜楽会は、令和元年10月例会(通算166回)を10月5日(土)午後6時から、「新米」と「渡り鳥」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。今回から日経俳句会の金田青水さんが新たなメンバーに加わった。

この日の出席者は14名。投句参加7名を加え総勢21名の投句数は101句(投句5句)。選句6句で行った結果、玉田春陽子さんの「新米やふるさとの香のふきこぼれ」が5点でトップに輝いた。また、今泉而云さんの「今年米眉濃き伊那の男より」、高井百子さんの「藻塩ふる佐渡の新米試食会」と「刈田焼く今日は休日三世代」の2句、玉田春陽子さんの「風のこゑ浪のこゑきき鳥渡る」、堤てる夫さんの「白萩の猛然と咲く庭の隅」、廣田可升さんの「通夜へ行く乗換ホーム鳥渡る」の4点句6句が続いた。以下、3点が8句、2点16句、1点34句と票が大きく割れた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「新米」

新米やふるさとの香のふきこぼれ          玉田春陽子

今年米眉濃き伊那の男より             今泉 而云

藻塩ふる佐渡の新米試食会             高井 百子

四万十の佃煮のせて今年米             斉山 満智

富富富(ふふふ)てふ名前にひかれ今年米      谷川 水馬

新米の研ぎ汁まずは庭の木に            徳永 木葉

「渡り鳥」

風のこゑ浪のこゑきき鳥渡る            玉田春陽子

通夜へ行く乗換ホーム鳥渡る            廣田 可升

渡り鳥地上は難民移民かな             前島 幻水

夕空をのび縮みして渡り鳥             前島 幻水

「雑詠」

刈田焼く今日は休日三世代             高井 百子

白萩の猛然と咲く庭の隅              堤 てる夫

彼岸花中野拓きし名主塚              大澤 水牛

風通す鏝絵(こてえ)の蔵や薄紅葉         須藤 光迷

紙ヒコーキ地に着くまでの秋思かな         廣田 可升

《参加者》【出席14人】嵐田双歩、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加7人】池内的中、今泉而云、大下綾子、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、星川水兎。  (報告 谷川水馬)

 

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日経俳句会第182回例会

 

33人参加、「秋の声」「枝豆」詠む

実千代さん「あぐらの父」で最高10点

 

日経俳句会は令和元年9月例会(通算182回)を9月18日(水)に千代田区内神田の日経広告研究所会議室で開いた。生憎の雨に加え所用が重なった方が多く、出席は16人にとどまったが、兼題句を中心に高得点句が続出。合評会も盛り上がって「豊作」の句会となった。また入会希望の荻野雅史さんが見学参加し、選句・合評に加わった。兼題は「秋の声」と「枝豆」。33人から98句の投句があり、6句選(欠席5句)の結果、池村実千代さんの「枝豆やあぐらの父の笑ひ声」が最高10点を獲得。今泉而云さんの「葡萄酒の赤の深さや秋の声」が9点で続き、8点句に大倉悌志郎さんの「和紙の町流るる水に秋の声」と嵐田双歩さんの「一本のコスモスならば寂しかろ」が並んだ。7点句には「地の果てのその果ての島秋の雲 阿猿」、6点句に「種採りのオクラからから秋の声 水馬」と「枝豆のから山盛りに国家論 博明」の2句。以下5点3句、4点9句、3点7句、2点16句、1点24句で、3点以上の高得点が26句を数えた。兼題別の高得点句(3点以上)は以下の通り。

「秋の声」

葡萄酒の赤の深さや秋の声        今泉 而云

和紙の町流るる水に秋の声        大倉悌志郎

地の果てのその果ての島秋の雲      中嶋 阿猿

種採りのオクラからから秋の声      谷川 水馬

寂寥の八十路に響く秋の声        深田森太郎

また一つ小さき嘘つき秋の声       植村 博明

残されし休耕田や秋の声         堤 てる夫

笛の音の篝火ゆらし秋の声        徳永 木葉

納骨を済ませし座敷秋の声        中村 迷哲

秋の声よいしょよいしょとペダル踏む   斉藤 早苗

背番号小さく見えて秋の声        杉山 三薬

子育ての終わりしことよ秋の声      髙井 百子

地続きに弥生の古墳秋の声        廣上 正市

「枝豆」

枝豆やあぐらの父の笑ひ声        池村実千代

枝豆のから山盛りに国家論        植村 博明

枝豆やころり忘るる検診日        金田 青水

枝豆の莢押し潰す赤い爪         深田森太郎

枝豆を犬と分け合ふ風呂上り       谷川 水馬

独り酒空の枝豆またつまむ        徳永 木葉

枝豆や身の上話ながながと        大澤 水牛

枝豆や織部もどきの皿に盛る       大沢 反平

「当季雑詠」

一本のコスモスならば寂しかろ      嵐田 双歩

野分去り停電の闇月光る         澤井 二堂

薄日さす茶室の端や白桔梗        髙井 百子

老いの身の持ちつ持たれつ秋蛍      髙石 昌魚

野分過ぎ三十五度の大吐息        大澤 水牛

《参加者》(出席)嵐田双歩、池村実千代、岩田三代、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、澤井二堂、鈴木好夫、髙石昌魚、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、向井ゆり、(見学)荻野雅史。(投句参加)井上庄一郎、今泉而云、植村博明、大倉悌志郎、大平睦子、加藤明生、久保田操、斉藤早苗、杉山三薬、高井百子、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、廣上正市、深田森太郎、藤野十三妹、横井定利。

(報告・中村迷哲)

 

 

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