番町喜楽会第184回

 

参加21人でメール句会

「胡瓜」と「六月」を詠む

番町喜楽会の令和3年6月例会(通算184回)はコロナウイルスの緊急事態宣言延長により、6月5日(土)にメール句会として開催した。投句は3句以上5句以内で5月29日に、選句は6句で6月5日を締め切りとした。この結果、玉田春陽子さんの「筒抜けの女湯の声夏来る」が7点でトップの座に輝いた。次席に池内的中さんの「月を喰む地球の影の遠さかな」と谷川水馬さんの「犬ほめて胡瓜どっさりお裾分け」の5点句が続いた。以下、4点が8句、3点9句、2点10句、1点30句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「胡瓜」

犬ほめて胡瓜どっさりお裾分け           谷川 水馬

胡瓜成る「し」の字「へ」の字に元気よく      澤井 二堂

デパ地下に並ぶきゅうりの優等生          塩田 命水

妹の手つきも母似きゅうりもみ           玉田春陽子

独り居やきゅうり一本持て余し           山口斗詩子

くるくると盥の胡瓜よく回る            嵐田 双歩

初めての家庭菜園花胡瓜              池内 的中

「六月」

六月の手帳真白き定年日              池内 的中

我一人なり六月の書道展              今泉 而云

六月や虫歯検診ずる休み              高井 百子

六月や色の溢れるおもちゃ箱            玉田春陽子

六月もデジタル授業友恋し             前島 幻水

「雑詠」

筒抜けの女湯の声夏来る              玉田春陽子

月を喰む地球の影の遠さかな            池内 的中

リモートで友の差し出すビールかな         池内 的中

へぎ蕎麦ののの字のの字や梅雨に入る        玉田春陽子

あかがねの月欠けて満つ露台かな          徳永 木葉

蛍点々母の年忌はどうするか            今泉 而云

襁褓とれ夏野せましと三歳児            須藤 光迷

放たんとすれば糸引く小蜘蛛かな          廣田 可升

《参加者21人》嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

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日経俳句会第199回例会

「摘果」迷哲句が最高12点、二席9点に「菖蒲湯」ゆり句

メール句会、高点句目白押し

日経俳句会の令和3年5月例会(通算199回)は、緊急事態宣言の延長に伴い5カ月連続のメール句会となった。兼題は「冷汁」と「菖蒲・花菖蒲」。36人から106句の投句があり、19日締め切りで5句選の結果、中村迷哲さんの「摘果終へ父と並んで冷し汁」が最高12点を獲得した。二席9点に向井ゆりさんの「菖蒲湯につかり背筋の少し伸び」が入り、三席8点は迷哲さんの「木道を傘の行き交ふ菖蒲園」が続いた。さらに7点句に「ラヂオより昼の憩ひや冷し汁 青水」と「花菖蒲アインシュタイン舌を出し 双歩」が並び、ついで6点が2句、5点4句、4点6句、3点10句と高点句が27句を数えた。以下2点10句、1点26句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冷汁」

摘果終へ父と並んで冷し汁            中村 迷哲

ラヂオより昼の憩ひや冷し汁           金田 青水

冷汁や麦味噌の香の懐かしき           岩田 三代

冷汁や猫は一瞥くれてゆき            向井 ゆり

地下足袋で昼の憩いや冷し汁           篠田  朗

冷汁を飲み干す薄き背中かな           中嶋 阿猿

老いてこそ旨味のわかる冷し汁          加藤 明生

冷汁かと文句の後の父の笑み           髙石 昌魚

老親に仕送りをして冷し汁            旙山 芳之

冷汁に昔語りの座となりぬ            水口 弥生

「菖蒲・花菖蒲」

菖蒲湯につかり背筋の少し伸び          向井 ゆり

木道を傘の行き交ふ菖蒲園            中村 迷哲

花菖蒲アインシュタイン舌を出し         嵐田 双歩

花菖蒲雨紫に染め上げぬ             岩田 三代

むらさきは母を恋ふ色花菖蒲           廣上 正市

研ぎ水で鉢植え菖蒲太く濃く           大平 睦子

菖蒲咲く仮免教習初路上             鈴木 雀九

SLの蒸気に揺れて花菖蒲            谷川 水馬

だれや見る閉鎖の長き菖蒲園           徳永 木葉

「当季雑詠」

竹の皮さてもみごとな脱ぎっぷり         谷川 水馬

宙に富士一万本の花みかん            廣上 正市

雨上がり虹の傘さす観覧車            岡田 鷹洋

田を植えるロボットの名は早乙女号        徳永 木葉

嫁入りの舟行く波や花菖蒲            篠田  朗

ブラウスの袖の膨らみ初夏の風          髙石 昌魚

つながらぬワクチン予約夕薄暑          嵐田 双歩

空豆の背伸びの先は開聞岳            中村 迷哲

《参加者36人》嵐田双歩、池村実千代、井上庄一郎、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。

(報告・中村迷哲)

 

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番町喜楽会第183回

春陽子句「白牡丹」独走の8点

次席に水馬・迷哲・可升の3人

番町喜楽会の令和3年5月の例会(通算第183回)は三度目のコロナウイルス緊急事態宣言を受け、10日にメール句会として開催した。投句は3句以上5句以内で5月3日に、選句は6句で10日に締め切りとした。兼題は「四十雀」と「牡丹」。この結果、玉田春陽子さんの「夕闇の包み忘れし白牡丹」が8点でトップを独走、7点と6点がなく、5点に谷川水馬さんの「別腹は魔法の言葉柏餅」、中村迷哲さんの「泰然と風に頷く牡丹かな」、廣田可升さんの「焼くだけの男の料理風薫る」の3句が並んだ。4点は6句、3点は3句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「四十雀」

この街が好きと高音で四十雀          金田 青水

勤行に和する囀り四十雀            中村 迷哲

嬉しげに四十雀鳴く今日は晴れ         斉山 満智

散歩する爺と五歳と四十雀           廣田 可升

「牡丹」

夕闇の包み忘れし白牡丹            玉田春陽子

泰然と風に頷く牡丹かな            中村 迷哲

待つごとく誘ふがごとく白牡丹         廣田 可升

耐えきれず雨後の牡丹の崩れ散る        嵐田 双歩

「当季雑詠」

別腹は魔法の言葉柏餅             谷川 水馬

焼くだけの男の料理風薫る           廣田 可升

果樹園の家族総出や林檎咲く          堤 てる夫

陽をはじく大地の鏡田水張る          徳永 木葉

骨折の足延ばす先緑さす            山口斗詩子

《参加者20人》嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)

 

 

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酔吟会第151回例会

またもメール句会、「祭」「「柿若葉」に105句

最高7点句の可升、双歩さん、高点句連発

待望の対面句会成るかの期待むなしく酔吟会5月例会(通算151回)は8日開催予定だったのだが、3月例会に続いてメール句会になった。コロナ対策の緊急事態宣言延長が議論されている中、「祭」と「柿若葉」の兼題に21人から105句の投句があった。8日締め切りでメールによる6句選句の結果、最高は7点で、廣田可升さんの「遺影持て神輿見送る漁師町」と嵐田双歩さんの「真っ青な空の眩しき代田かな」の2句が並んだ。次席6点句も2句で可升さんの「二人には広き縁側新茶酌む」と堤てる夫さんの「新築の隣家に新品鯉のぼり」。三席には双歩さんの「跡継ぎのいない銭湯柿若葉」の5点1句。続く4点句は可升さんの「いとま告ぐ信濃の朝や柿若葉」と須藤光迷さんの「行く春や黒板消しを叩く音」の2句だった。この結果が対面句会で披露されたらと、想像してみた。可升さんは最高点句に次席句、4点句。双歩さんが最高点句に5点句と二人の「長打合戦」で、さぞかしどよめきの席になったであろう。そのほか3点句は11句、2点15句、1点25句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「祭」

遺影持て神輿見送る漁師町              廣田 可升

リヤカーの子ども神輿の八、九人           金田 青水

お神輿は中止の美文字蕎麦の店            杉山 三薬

老いた父誘い出したり祭りの音            高井 百子

「柿若葉」

跡継ぎのいない銭湯柿若葉              嵐田 双歩

いとま告ぐ信濃の朝や柿若葉             廣田 可升

籠り居の目を楽します柿若葉             大澤 水牛

共白髪叶わぬ夢に柿若葉               工藤 静舟

マヨネーズ付けてどうなる柿若葉           杉山 三薬

白壁の蔵の歳月柿若葉                徳永 木曜

ただいまと孫の声して柿若葉             向井 ゆり

当季雑詠

真っ青な空の眩しき代田かな             嵐田 双歩

新築の隣家に新品鯉のぼり              堤 てる夫

二人には広き縁側新茶汲む              廣田 可升

行く春や黒板消しを叩く音              須藤 光迷

ももひきのやうなズボンに衣替え           今泉 而云

忍び寄るソーラーパネル麦の秋            工藤 静舟

通りにも裏表あり燕来る               玉田春陽子

《参加者21人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田青水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井仁堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、向井ゆり。  (まとめ・高井百子)

 

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日経俳句会第198回例会

4月もメール句会

てる夫句「姿見」・双歩句「潮干狩」が9点で並ぶ

日経俳句会の令和3年4月例会(通算198回)は、まん延防止等重点措置なるものが出され、3月に引き続いてメール句会となった。変異株の感染拡大で先の見通しがたたない事態の中、3月同様35人から105句の投句があった。兼題は「遅日」と「柳」。4月21日締め切りで5句選の結果、一席は堤てる夫さんの「ため池を姿見にして若柳」と嵐田双歩さんの「気がつけば尻の冷たき潮干狩」が9点で並んだ。二席の7点句も2人で、「御飯だよ~語尾長々と遅日かな」の須藤光迷さんと「老木もなほやはらかき柳の芽」の向井ゆりさん。以下、6点句が植村方円さんと向井さん。次いで、5点3句、4点5句、3点12句、2点15句。1点30句だった。なお、4月例会より篠田朗さんが新入会員として投句参加し、合計3点を獲得しデビューを飾った。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「遅日」

御飯だよ~語尾長々と遅日かな        須藤 光迷

遅き日や部活終わりのトンボがけ       向井 ゆり

予後の身で炙る肴や暮遅し          谷川 水馬

ゆるり鳴る柱時計の暮遅し          水口 弥生

ペンキ屋の鼻歌まじる遅日かな        植村 方円

能登瓦黒匂ひ立つ遅日かな          徳永 木葉

念を入れ糠床まぜる遅日かな         金田 青水

暮遅し遊び惚ける鴉二羽           久保田 操

家族写真庭先で撮る遅日かな         中嶋 阿猿

遅き日や延長に入る草野球          中村 迷哲

徘徊のごと歩きたる遅日かな         廣上 正市

「柳」

ため池を姿見にして若柳           堤 てる夫

老木もなほやはらかき柳の芽         向井 ゆり

江戸の海この辺までと老柳          植村 方円

いくたびの試練の銀座柳かな         旙山 芳之

風さえも緑に染めて糸柳           岩田 三代

青柳や修行僧行く沈下橋           谷川 水馬

漆喰の壁の白さや若柳            中嶋 阿猿

湯めぐりの相方の待つ柳陰          中村 迷哲

「当季雑詠」

気がつけば尻の冷たき潮干狩         嵐田 双歩

花吹雪両手に受けて吾子駆ける        岩田 三代

徒長枝を伐れば春愁消えにけり        金田 青水

硯海に溶かす想ひや春の宵          谷川 水馬

草餅を丸める祖母の手際良さ         工藤 静舟

偲ぶ雨枝も重かろ八重桜           工藤 静舟

押し花となりし車道の椿かな         斉藤 早苗

《参加者35人》嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、斉藤早苗、澤井二堂、篠田朗、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、向井ゆり、横井定利。   (報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第182回

「春眠」と「雀の子」を詠む

高井百子さんぶっちぎりの10点

番町喜楽会は令和3年4月例会(通算182回)を4月3日(土)に九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。兼題は「春眠」と「雀の子」。新型コロナウイルスがなかなか収束しない影響もあり、出席者数の少ない句会となったが投句者は21名で投句総数は105句であった。選句6句で句会を進めた結果、高井百子さんの「復旧の一番電車さくら咲く」が群を抜いた10点を獲得しトップに輝いた。次席は谷川水馬さんの6点句「子雀を抱いてきた子も早や四十路」で、三席には田中白山さんの「ライオンの檻を自由に雀の子」と玉田春陽子さんの「子のまねる二礼二拍手山笑ふ」の5点句が続いた。以下、4点句が3句、3点4句、2点20句、1点19句となった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春眠」

深海の海月となりて春眠す             徳永 木葉

春眠のパソコン画面謎の文字            谷川 水馬

一行を行きつ戻りつ春眠し             池内 的中

「雀の子」

子雀を抱いてきた子も早や四十路          谷川 水馬

ライオンの檻を自由に雀の子            田中 白山

群れ遊ぶときは短し雀の子             高井 百子

「雑詠」

復旧の一番電車さくら咲く             高井 百子

子のまねる二礼二拍手山笑ふ            玉田春陽子

亡き人と似た人に会う春霞             斉山 満智

街角にモンロー見たり春の風            中村 迷哲

桜さくら今日もどこかで人が死ぬ          嵐田 双歩

【参加者】(出席11人)嵐田双歩、今泉而云、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、堤てる夫、廣田可升、前島幻水。(投句参加10人)池内的中、大澤水牛、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、中村迷哲、野田冷峰、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

 

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日経俳句会第197回例会

3カ月連続でメール句会、「陽炎」「蛙」を詠む

日経俳句会の令和3年3月例会(通算197回)は、緊急事態宣言の延長に伴い3カ月連続のメール句会となった。兼題は「陽炎」と「蛙」。35人から105句の投句があり、5句選の結果、大沢反平さんの「久々に妻笑ひけり桜餅」が最高8点に輝いた。二席7点には嵐田双歩さんの「昼蛙次の札所へ誘へり」と水口弥生さんの「灯を消せば俄かに近く蛙聞く」が並び、三席6点には大澤水牛さんの「横浜にまだ田舎あり昼蛙」と杉山三薬さんの「行く春に車と免許手放せり」が入った。このほか5点2句、4点7句、3点12句と高点句が26句に及び、2点21句、1点20句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「陽炎」

陽炎や二輪エンジン機嫌よし           岡田 鷹洋

突堤に釣り人二人陽炎へる            岩田 三代

整へし畝くろぐろと陽炎ひぬ           大澤 水牛

母の椅子押し行く庭の陽炎へり          中村 迷哲

この辺り太古は海やかげろへる          廣上 正市

海よ凪ぐ3・11の陽炎へる           水口 弥生

かぎろへる浅瀬を渡る水牛車           嵐田 双歩

陽炎やスコアボードの点変はる          大下 明古

陽炎やジャンボ機やつと離陸せり         加藤 明生

「蛙」

昼蛙次の札所へ誘へり              嵐田 双歩

灯を消せば俄かに近く蛙聞く           水口 弥生

横浜にまだ田舎あり昼蛙             大澤 水牛

婆さんの連弾の技春の風             池村実千代

黙々と給食の子ら蛙鳴く             杉山 三薬

小蛙の金環の目に見つめられ           今泉 而云

戯画なれど国宝ですと蛙言ふ           堤 てる夫

初蛙理科の教師の白衣より            徳永 木葉

「当季雑詠」

久々に妻笑ひけり桜餅              大沢 反平

行く春に車と免許手放せり            杉山 三薬

蒲公英やくるくる回る立ち話           嵐田 双歩

春異動送別の辞もオンライン           荻野 雅史

ワクチンを打つも打たぬも四月馬鹿        須藤 光迷

春の風十年前の癌手術              髙橋ヲブラダ

川沿いの子供マラソン花菜風           中村 迷哲

剪定の音のいろいろ暖かし            水口 弥生

焼夷弾降りし深川花を待つ            横井 定利

《参加者三十五人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、荻野雅史、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、野田冷峰、旙山芳之、廣上正市、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。  (報告 中村迷哲)

 

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酔吟会第150回例会

対面句会成らずメール句会に

「水温む」「紫雲英」に98句

最高は水馬句「春菜摘」の8点

 

酔吟会は3月13日に予定した例会(通算150回)をコロナ禍緊急事態宣言の延長で会議室が使えず、メール句会に切り替えて実施した。兼題は「水温む」「紫雲英」で、参加者は20人、投句5句、選句6句の結果、最高は谷川水馬さんの「節節のよく鳴ることよ春菜摘」の8点句。次席は玉田春陽子さんの「水温むたった五分の渡し舟」の6点句だった。三席は4点で、「春の水堰にくるくる回るもの 大沢反平」、「紫雲英咲く彦根は城と湖の町 須藤光迷」、「紫雲英田や道草をする雲ひとつ 春陽子」、「げんげんや花輪編む子の横座り 徳永木葉」、「鳩時計五分遅れて鳴くうらら 廣田可升」の5句が並んだ。酔吟会は新年1月例会を恒例七福神吟行に振り替え、3月例会をコロナ禍対応のメール句会に切り替えた結果、メンバーが対面して席に着く機会は、5月例会に持ち越された。薫風例会の開催に期待しよう。3月例会の兼題別高点句(3点以上)は次の通り。

「水温む」

水温むたった五分の渡し舟       玉田春陽子

白鷺の抜き脚差し脚水温む       杉山 三薬

ランドセルなでる六歳水温む      徳永 木葉

水温む魚影を探す聖橋         向井 ゆり

「紫雲英」

紫雲英咲く彦根は城と湖の町      須藤 光迷

紫雲英田や道草をする雲ひとつ     玉田春陽子

げんげんや花輪編む子の横座り     徳永 木葉

「当季雑詠」

節々のよく鳴ることよ春菜摘      谷川 水馬

春の水堰にくるくる回るもの      大沢 反平

鳩時計五分遅れて鳴くうらら      廣田 可升

春うらら肉饅買ひに中華街       大澤 水牛

銃で殴る仏の国の昏い春        堤 てる夫

参加者20名=嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大澤反平、大平睦子、岡田鷹洋、金田清水、工藤静舟、久保田操、久保道子、澤井二堂、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり。

(まとめ 高井百子)

 

 

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番町喜楽会第181回例会

「黄砂」と「雛祭」を詠む

百子さんの「崩落鉄橋」が7点でトップ

次席に双歩、水馬、迷哲、可升の4人

番町喜楽会は令和3年3月の例会(通算第181回)を1日、メールで開催した。投句は3句以上5句以内で2月22日に締め切り、3月1日までに各自6句選句して選評を付けて幹事に送信した。今回の兼題は「黄砂」と「雛祭」。選句結果は、高井百子さんの「春立つや崩落鉄橋繋がりぬ」が最高7点でトップを独走、6点と5点が無く次席は4点で、嵐田双歩さんの「子も孫も今年は来ない雛祭」、谷川水馬さんの「落書きのへのへのもへじ黄砂降る」、中村迷哲さんの「つちふるや玄関先に小砂漠」、廣田可升さんの「土雛の点が三つの目鼻かな」の4句が並んだ。3点は13句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「黄砂」

落書きのへのへのもへじ黄砂降る   谷川 水馬

つちふるや玄関先に小砂漠      中村 迷哲

コロナ禍に黄砂加わり子は愚図り   須藤 光迷

東京は皆エトランゼ黄砂降る     中村 迷哲

宅配のバイクつちふる中回る     野田 冷峰

新疆発香港経由つちふれり      廣田 可升

「雛祭」

子も孫も今年は来ない雛祭      嵐田 双歩

土雛の点が三つの目鼻かな      廣田 可升

雛の日のひとりとなりし夕厨     嵐田 双歩

客来れば微かに揺れて吊るし雛    今泉 而云

雛の顔家族誰にも似ておらず     斉山 満智

受付に手彫りの雛や婦長作      玉田春陽子

吊るし雛揺らす潮風安房の宿     廣田 可升

籠り居や雛と分け合ふ菓子あられ   前島 幻水

「雑詠」

春立つや崩落鉄橋繋がりぬ      高井 百子

記さねば句は消えてゆく春霞     今泉 而云

春めくや水切り石の音走る      玉田春陽子

抱き上げてこれが梅よと若き母    山口斗詩子

参加者(21人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。   (報告・須藤光迷)

 

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日経俳句会第196回例会

「みちのくの」双歩句9点、「エコバッグ」明古句8点など高点句続出

緊急事態宣言延長、再びメール句会

日経俳句会の令和3年2月例会(通算196回)は、緊急事態宣言が延長になり、1月に続きメール句会となった。兼題は「冴返る」と「辛夷」。34人から102句の投句があり、2月17日までに5句選んでもらった。その結果、嵐田双歩さんの「みちのくの重き歳月花辛夷」が9点で一席。二席8点は大下明古さんの「エコバッグはみ出す野菜春一番」、三席7点には星川水兎さんの「一本の白き森なる大辛夷」が入った。続いて植村方円さんの「花辛夷これより先は奥州路」と、向井ゆりさんの「荷造りを終えし夜半や冴返る」が6点で並び、全体的に兼題句を中心に特定の句に票が集まった。以下、5点3句、4点6句、3点15句、2点10句、1点25句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冴返る」

荷造りを終えし夜半や冴返る         向井 ゆり

訃報欄あの人がいて冴返る          植村 方円

提灯の消えて横丁冴返る           大澤 水牛

プレハブの発熱外来冴返る          嵐田 双歩

歩道橋ヒールの音の冴返る          岩田 三代

早暁の般若心経冴え返る           加藤 明生

冴え返る味覚嗅覚ある安心          杉山 三薬

スタジアム人影途絶へ冴返る         中嶋 阿猿

冴返る始発ディーゼル入線す         中村 迷哲

夜汽車より見ゆる外灯冴返る         星川 水兎

冴返るこの深川に八十年           横井 定利

「辛夷」

みちのくの重き歳月花辛夷          嵐田 双歩

一本の白き森なる大辛夷           星川 水兎

花辛夷これより先は奥州路          植村 方円

雲一つ無き大空や花辛夷           大澤 水牛

 

まぶしさの四方より寄せぬ花辛夷       大下 明古

辛夷咲き世の片隅を明るくす         旙山 芳之

閉校の門のあおぞら辛夷咲く         廣上 正市

当季雑詠

エコバッグはみ出す野菜春一番        大下 明古

春めくやスカイツリーの影を踏む       加藤 明生

春一番歩幅広げて黄信号           和泉田 守

中腰の介護の日々に春浅し          大沢 反平

並ぶ列知る人ありて桜餅           鈴木 雀九

小指立て髪切る妻や春立ちぬ         須藤 光迷

畝ごとの蟹さん歩き麦を踏む         谷川 水馬

ベランダの父に鼻歌春夕焼け         横井 定利

仏の座歴史探偵ペンを擱く          堤 てる夫

まどろみつ旅の日想ふ春炬燵         徳永 木葉

雛飾る七つの吾と祖母と居り         向井 ゆり

《参加者34人》嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、今泉而云、岩田三代、植村方円、大澤水牛、大沢反平、大下明古、大平睦子、岡田鷹洋、加藤明生、金田青水、工藤静舟、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、髙石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中島阿猿、中村迷哲、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、水口弥生、向井ゆり、横井定利。  (報告・嵐田双歩)

 

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