向島百花園で番町連句会開催

4月20日土曜日、墨田区の向島百花園で番町喜楽会の伝統行事の一つである連句会を行った。連句常連メンバーの10人が汗ばむ陽気の下、隅田川歩道橋を渡り、三囲神社はじめ向島墨堤散歩を経て、百花園内の「御成の間」で『春惜しむ』と題した歌仙36句一巻を巻き収めた。発句は捌き手の水牛が百花園に来る途中詠んだ「墨堤の句友十人春惜しむ」とし、席順に従って詠みつないで行く「膝送り」方式で歌仙三十六句一巻を巻いた。

番町連句歌仙「春惜しむ」

1. 墨堤の句友十人春惜しむ        大澤 水牛

2.  猫の子横切る三囲の庭        廣田 可升

3. 春日傘鉢の水呑む鳥のいて       金田 青水

4.   遊歩道には鈴蘭の花         向井 愉里

5.  月涼し岸辺にゆるる舫ひ舟       玉田春陽子(月)

6.    贅尽したる手造り弁当        嵐田 双歩

(ウ)

7.  七夕にインバウンドのざわめけり      須藤 光迷

8.    外人の問ふ獺祭忌とは         今泉 而云

9. いざなはれ秋七草の百花園        谷川 水馬

10.   力車の上のレンタル和服        前島 幻水

11. なけなしでおごりおごられ除夜の鐘      可升

12.   空徳利に若水を汲む            水牛

13. 佐保姫のスカイツリーにまつはれり      愉里

14.   長命寺よりあふぐ春月           青水(月)

15. 誕生は昭和十年遠蛙             双歩

16.   まだ現役よねじりはちまき         春陽子

17. 四股踏んでどすこいどすこい花の散る     而云(花)

18.   乗込鯛の鍋をはみ出す           光迷

(ナオ)
19. 隣りよりたけのこ飯のおすそ分け      幻水

20.  谷中千駄木若葉風吹く          水馬

21. 築地塀切れたる路地にあの子待つ      水牛

22.  明日またねに馬追の声          可升

23. 右ひだり桟敷のなかを阿波踊        青水

24.  母の形見の秋袷だす           愉里

25. 突出しは今日も枝豆縄のれん        春陽子

26.  やけに身に入む石橋の上         双歩

27. 湯上りの夕餉ゆったり雪の宿        光迷

28.  どてら羽織りて大鯉を見に        而云

29. 地下街に迷ひて帰宅冬の月         水馬(月の座)

30.  タワーマンション階数はさて       幻水

(ナウ)

31. 朝焼けの干潟狭しと百千鳥         可升

32.  寝坊はだめとやかましきこと       水牛

33. 黄砂降り目薬入れる旅支度         愉里

34.  流水の里クレソン茂る          青水

35. ハンバーグ花片も添へテラス席       双歩(花)

36.  競ふ大声過疎のイベント         春陽子(挙句)

 

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