酔吟会第158回例会

江東区芭蕉記念館で初開催

15人で「秋彼岸」「夜長」詠む

最高7点水牛句「やっぱり九月」、次席てる夫句「蕎麦の花」6点

酔吟会は9月10日(土)、江東区常盤の「芭蕉記念館」の会議室で9月例会を開催した。コロナ禍対応の制限で会場探しに苦労していたが、句会世話役の廣田可升さんの尽力で同館会議室借用の途が開け、この日の初使用となった。隅田川に沿って立つ記念館は、昭和56年の開館、大正、昭和にかけて衆院議員を務め、俳人としても活躍した真鍋儀十氏の資料1200点の寄贈も得た。3階建てのビルは1階の大会議室はじめ各階に展示室、資料室などを配置。和風のくぐり門を入ると、一方に小規模ながら滝を配した日本庭園もある。芭蕉記念館の一帯は、芭蕉が奥の細道に出立するまでの住居であった「採茶庵」(さいと)跡はじめ俳句愛好家には見逃せない史跡が点在する。句会の前のひと時を大小の公園の木陰で大川の風に親しんだ同人もいたようだった。前回例会以来、欠席投句をやめた結果、この日の出席者は15人、兼題は「秋彼岸」と「夜長」で投句は雑詠合わせ一人5句(投句総数75句)、選句6句で進めた結果、最高点は大澤水牛さんの7点「この風はやっぱり九月隅田川」。次席は6点で「蕎麦の花峠越えれば青木村」の堤てる夫句。三席は5点「石磨き石に磨かれ秋の水」の玉田春陽子句だった。続く4点句は金田青水(2句)、春陽子、高井百子、今泉而云の計5句。3点7句、2点7句、1点16句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「秋彼岸」

秋彼岸苅田にてなす茣蓙遊山       金田 青水

秋彼岸とうとう更地母の家        高井 百子

不揃ひの餃子を包み秋彼岸        玉田春陽子

秋彼岸バイク和尚のフルフェイス     杉山 三薬

「夜長」

じっくりと煮豚づくりによき夜長     大澤 水牛

すぐ戻りますと張り紙BAR夜長     玉田春陽子

夜長し過去の若気が走馬灯        徳永 木葉

「当期雑詠」

この風はやっぱり九月隅田川       大澤 水牛

蕎麦の花峠越えれば青木村        堤 てる夫

石磨き石に磨かれ秋の水         玉田春陽子

英女王逝くや遥かな秋の虹        今泉 而云

爽やかにあとの一人を皆で待つ      金田 青水

取り壊す家やまず引く烏瓜        今泉 而云

猫じゃらし五分刈り頭陽に透けて     谷川 水馬

大木に添ふ野仏に千草添へ        向井 愉里

【参加者15人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉 向井愉里。  (まとめ 高井百子)

 

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