番町喜楽会第198回例会

 

「九月」と「新蕎麦」を詠む

水兎さん「天」「地」「人」総取り

番町喜楽会は令和4年9月の例会(通算第198回)を5日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。18人から投句があり、会場には13人が顔を揃えた。兼題は「九月」と「新蕎麦」、投句は3句以上5句以内、選句は6句(欠席者は5句)とした結果、星川水兎さんの「焼き味噌と一合で待つ走り蕎麦」が6点でトップ、次席5点に今泉而云さんの「日時計の影に気付きし九月かな」、中村迷哲さんの「父母の墓参らぬままに赤蜻蛉」、星川水兎さんの「傘で押しくぐり抜けるや萩の雨」の3句が並んだ。三席4点には中村迷哲さんの「新蕎麦を神と分け合ふ御師の宿」と廣田可升さんの「名水をたづねて久留里秋あかね」、そして星川水兎さんの「あれもせずこれもせぬまま九月来」と「木のへらで咲きし九月の菊の菓子」の4句。水兎さんは投句5句中の4句が「6点、5点、4点、4点」で、会場をどよめかせた。なお三点は5句だった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「九月」

日時計の影に気付きし九月かな        今泉 而云

あれもせずこれもせぬまま九月来       星川 水兎

木のへらで咲きし九月の菊の菓子       星川 水兎

世の中も吾もへたりて九月入る        高井 百子

珈琲は深煎りのよき九月かな         廣田 可升

「新蕎麦」

焼き味噌と一合で待つ走り蕎麦        星川 水兎

新蕎麦を神と分け合ふ御師の宿        中村 迷哲

脱サラの亭主蘊蓄走り蕎麦          徳永 木葉

「雑詠」

父母の墓参らぬままに赤蜻蛉         中村 迷哲

傘で押しくぐり抜けるや萩の雨        星川 水兎

名水をたづねて久留里秋あかね        廣田 可升

ぐい吞みと言うより茶碗新酒酌む       玉田春陽子

衣被つるり出て来ぬ女優の名         徳永 木葉

【参加者】(出席13人)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。(投句参加5人)澤井二堂、谷川水馬、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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