等々力溪谷・九品仏吟行を開催

9月15日(木)、杉山三薬幹事の発案のもと日経俳句会・番町喜楽会一行11人は等々力溪谷・九品仏を巡る吟行を行った。都会の中らしからぬ等々力溪谷の幽邃な「ハケ」を堪能したあと、九品仏浄真寺の仏たち・大銀杏・大澤家の墓所などをめぐった。歩いたあとは、須藤光迷さん推奨の自由ケ丘・スペインレストランで打ち上げ、秋の一日を大いに楽しんだ。吟行を終えメール句会を実施、各人3句の投句で合計33句。5句選の結果、岩田三代さんの「うそつくな閻魔の声や秋暑し」と徳永木葉さんの「酔ひもせで逆の電車に乗る秋ぞ」が6点を集め最高点に。次いで杉山三薬さんの「はけの水落ちゆくところ渓の秋」、谷川水馬さんの「秋茄子になんと蜂蜜赤ワイン」の2句が4点。3点句は5句あり、大澤水牛さんの「パエージャの鍋底掻いて夜は長し」、金田青水さんが「ハケと云ふ異世界つつむ法師蝉」「豊饒の銀杏垂るる九品佛」の二つ、須藤光迷さんの「相場師の墓広きこと天高し」、玉田春陽子さんの「水引の見て見て見と咲きにけり」が入った。さらに2点5句、1点10句と、合計55点の点数がまんべんなくばらけた。上掲句を除いた参加者の作品は以下の通り。

秋の蚊の阿弥陀如来の手にとまり      嵐田 双歩

いにしへの人眠る崖青みかん        岩田 三代

稚児大師ひっそりと在り彼岸花       大澤 水牛

秋宵の自由が丘満ち足りて         金田 靑水

等々力の沢遊歩するアメンボと       澤井 二堂

秋の季語あるかもパエリア鍋の中      杉山 三薬

溪谷を渡り崖道曼殊沙華          須藤 光迷

付きまとふ秋の蚊払ひ不動尊        谷川 水馬

賽銭に閻魔道説く寺の秋          玉田春陽子

いつどこで秋の藪蚊の刺した痕       徳永 木葉

実を踏みて空を仰げば大銀杏        向井 愉里

(まとめ 徳永木葉)

 

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