番町喜楽会第197回例会

参加19人、「新涼」「茸」を詠む

最高7点は春陽子「毒茸」、二席に迷哲句、三席水馬句

番町喜楽会は8月6日(土)午後6時、九段下・千代田区生涯学習館で「新涼」と「茸」を兼題として令和4年8月例会(通算197回)を開催した。コロナ第七波の影響もあって出席者は10人にとどまったが、談論風発、大いに盛り上がった。投句者は19名で、投句総数95句。出席者6句、欠席者5句選で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「なんとまあ草間彌生や毒茸」が7点でトップに輝いた。二席は中村迷哲さんの「見も知らぬ茸の土産持て余す」が6点で続き、三席には谷川水馬さんの「実石榴の口を尖らせ風の中」の4点句が入った。以下、3点が13句、2点10句、1点が29句となった。今回の特徴は最高点が7点、二席6点、三席4点が1句ずつしか無く、3点が13句もひしめき合ったことと、谷川水馬さんが4点1句・3点4句の「5打数5安打」を記録したことであった。兼題別高点句(3点以上)は次の通り。

「新涼」

涼新た草取り終へし夕の縁            大澤 水牛

新涼の信濃は四葩秋桜              高井 百子

新涼やちろり買ひこむかっぱ橋          谷川 水馬

見ゆる風聞こゆる風や涼新た           玉田春陽子

秋涼し将門塚にヒール音             廣田 可升

「茸」

なんとまあ草間彌生や毒茸            玉田春陽子

見も知らぬ茸の土産持て余す           中村 迷哲

山の香のふはりと立つや茸便           今泉 而云

行く山は祖母しか知らぬ茸採           谷川 水馬

「雑詠」

実石榴の口を尖らせ風の中            谷川 水馬

秋立つや鉄瓶の湯に鉄の味            今泉 而云

八月はみちのく祭行脚かな            須藤 光迷

藪枯らし売地の札の迷ひ蔓            谷川 水馬

片足は雌に呉れたといぼむしり          谷川 水馬

内外の鬱を忘れる大夕焼け            堤 てる夫

晩夏光母の背中のお灸跡             星川 水兎

《参加者》【出席10人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升。【投句参加9人】嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、高井百子、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。

(報告・谷川水馬、大澤水牛)

 

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