酔吟会第156回例会

「のらくろの街」森下で開催

「風薫る」「薔薇」を詠む

酔吟会は5月14日、千代田区立スポーツセンターの土曜日午後の予約が難しくなったため、江東区森下文化センターに場所を移して開催した。兼題は「風薫る」「薔薇」。欠席投句無し、参加者は5句を持ち寄り会場で短冊に記入して投句する伝統形式の句会はこれが二回目、15人が参加し出句総数は75句であった。漫画家田川水泡を記念した「のらくろ館」を併設する近代的な文化センターの会議室で、初夏の午後、和気あいあいと句会が進められた。

選句6句の結果、最高7点は玉田春陽子さんの「ストローをのぼる空色夏来る」が獲得、二席5点も春陽子さんの「薔薇垣に子らの長靴逆さ干し」が占めた。三席4点には春陽子さんの「薫風や女庭師の猿袴」と廣田可升さんの「薫風や戒名要らぬといふ女房」が入り、春陽子さんが高点句を独占する形となった。3点句には嵐田双歩さんの「薔薇一輪活けてたちまちレストラン」をはじめ8句が入り、以下2点11句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「風薫る」

薫風や女庭師の猿袴                 玉田春陽子

薫風や戒名要らぬといふ女房             廣田 可升

薫風を大きく入れて阿弥陀堂             須藤 光迷

風薫る禅寺の窓まるく開き              徳永 木葉

「薔薇」

薔薇垣に子らの長靴逆さ干し             玉田春陽子

薔薇一輪活けてたちまちレストラン          嵐田 双歩

洋館の黒々翳り夜の薔薇               徳永 木葉

雑司ヶ谷夢二の墓の赤き薔薇             堤 てる夫

薔薇植うる暮らし間近に荒川線            中村 迷哲

「当季雑詠」

ストローをのぼる空色夏来る             玉田春陽子

朝摘みの茨の花や牛乳瓶               金田 青水

牡丹散るきのふにけふの重なりぬ           玉田春陽子

《参加者15人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。  (報告 高井百子)

 

 

 

 

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