番町喜楽会第135回例会

 

「冬の日」と「雪女」を詠む

 

番町喜楽会の平成29年幕開け句会(通算第135回例会)は、成人の日の1月9日午後1時半から東京・九段下の「千代田区生涯学習館」で開かれた。祝日のうえ、通常は夜に行っていたものを昼に移したことや風邪の流行もあり、欠席投句参加が6人に上った。兼題は「冬の日」と「雪女」。「雪女」は投句33句のうち17句が得点なしという、難題ぶりを物語る結果になった。

句会は、投句5句、選句6句で行った。最高は玉田春陽子さんの「冬の日の空降りてくる硝子拭」と徳永正裕さんの「老桜の余さず浴びる冬日かな」でともに6点。5点は廣田可升さんの「淋しけりや一杯やらんか雪女郎」と田中白山さんの「煤払床(ゆか)に娘のピアノ跡」、山口斗詩子さんの「餅も菜も小さく刻み雑煮膳」が並び、4点は大下綾子さんの「いっせいにビル輝ける初日の出」と「身の上は知らぬいつもの雪女 可升」「冬の日や一坪ほどの白洲跡 春陽子」の3句。3点も5句と少な目。その一方、2点が16句、1点が三十句にも上った。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「冬の日」

冬の日の空降りてくる硝子拭        玉田春陽子

老桜の余さず浴びる冬日かな        徳永 正裕

冬の日や一坪ほどの白洲跡         玉田春陽子

冬の日の一句ベンチに置き忘れ        今泉 而云

「雪女」

淋しけりや一杯やらんか雪女郎       廣田 可升

身の上は知らぬいつもの雪女        廣田 可升

雪女郎監視カメラに影のこし        玉田春陽子

「雑詠」

煤払床(ゆか)に娘のピアノ跡       田中 白山

餅も菜も小さく刻み雑煮膳         山口斗詩子

いっせいにビル輝ける初日の出       大下 綾子

補助輪の外れ晴れやか春近し        須藤 光迷

風抜けて塩田平に凧揚がる         高井 百子

初参り産土神へ一里半           堤 てる夫

《参加者》

(出席十五人)嵐田双歩、井上啓一、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、廣田可升、前島厳水。(投句参加六人)池内健治、大下綾子、澤井二堂、野田冷峰、星川佳子、山口斗詩子。(報告・須藤光迷)

 

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