水木会は4月18日(水)午後6時30分から東京・大手町の日経本社7階会議室で、平成24年度第4回例会(通算108回)を開いた。「朧(おぼろ)」「花疲れ」が兼題のこの日、出席者は13人といつになく小人数だったのは、春たけなわの陽気のせいだったか。欠席投句者が12人居たため、投句総数は123句となり、いつもと変わらぬレベルだった。
出席者が少ないために7句選句とし、メール選句(6句選)を加えた結果、最高得票は7点で、星川佳子さんの「花疲れ唄のやうなる欠伸かな」の1句。前週の番町喜楽会で7点句、6点句と高点句を連発した佳子さん、週をまたいで話題を作った。次席は金田青水さんの「老木のそつと息する朧かな」の6点句。三席は5点句で「朧夜の汽笛こぼるる鉄路かな 嵐田啓明」「それではと別れてひとり花疲れ 植村博明」「仏壇に香り放つや春苺 久保田操」の3句が並んだ。続いて4点4句、3点11句と高点句が多め、2点16句、1点29句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「朧(おぼろ)」
老木のそつと息する朧かな 金田 青水
朧夜の汽笛こぼるる鉄路かな 嵐田 啓明
ぽつぽつと語ることあり朧月 高橋 淳
ゆくりなく向き合ふ告知朧にて 吉野 光久
花街のことに小路の朧かな 今泉恂之介
草朧信濃に多き道祖神 大澤 水牛
ママチャリがタマネギ落とす朧かな 杉山 智宥
亡き人と行き逢ひさうな朧の夜 徳永 正裕
大川もスカイツリーも朧にて 直井 正
見えぬ手に誘はれ歩く朧かな 山田 明美
「花疲れ」
花疲れ唄のやうなる欠伸かな 星川 佳子
それではと別れてひとり花疲れ 植村 博明
副菜で足るる夕餉や花疲れ 大下 綾子
花疲れ駅まで長き商店街 杉山 智宥
花疲れ連れの手探るバスの席 水口 弥生
花疲れなじみの宿に帯を解く 水口 弥生
「雑詠」
仏壇に香り放つや春苺 久保田 操
花の名を言ひつつひと山巡りけり 廣上 正市
堀の水二色にわけて花筏 星川 佳子
らんまんの春をへだてる窓一枚 吉野 光久
参加(出席)嵐田啓明、池村実千代、今泉恂之介、植村博明、大澤水牛、佐々木碩、澤井二堂、高石昌魚、堤てる夫、徳永正裕、廣上正市、星川佳子、水口弥生(投句参加)大熊万歩、大下綾子、大平睦子、金田青水、久保田操、杉山智宥、高橋淳、直井正、藤野十三妹、山田明美、横井定利、吉野光久
(まとめ・堤てる夫)