番町句会第65回例会

番町句会の平成23年第1回例会(通算65回)が1月15日(土)午後1時、麹町・番町ハイム会議室で開かれた。
今回の兼題は「風邪」と「福寿草」。参加者は井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、高井百子、高瀬大虫、高橋楓子、野見山恵子、前島厳水、三好六甫の常連に喜楽会の笹本塘外、玉田春陽子を加えた11人。山口詩朗が投句参加した。
投句5句、選句6句で句会を行う。最高点は6点で喜楽会の玉田春陽子が「手枕の退屈の先福寿草」で卯年最初の栄冠を勝ち得た。続く5点は「あれこれと思ひつくらし風邪の妻 水牛」の一句。4点は投句参加山口詩朗の「人誹る風邪で荒れたる舌をもて」「寒三日老犬いまだ月に吼ゆ」2句と「風邪病みて治りて老いてゆくらしき 而雲」の合わせて3句だった。それに続く3点句がひとつもなく、2点が15句もひしめき合い、1点13句という珍しい結果になった。兼題別の話題句は以下の通り。
「風邪」
あれこれと思ひつくらし風邪の妻     大澤 水牛
人誹る風邪で荒れたる舌をもて      山口 詩朗
風邪病みて治りて老いてゆくらしき    今泉 而雲
いも粥の炊く匂ひして風邪の床      高橋 楓子
風邪引きや薬師如来のやうな女      高橋 楓子
風邪の子や目だけになりて公園に     井上 啓一
風邪の熱下がりし朝の新しき       高瀬 大虫
風邪声にやさしさもどり妻の声      前島 厳水
風邪直りシャンソンなどを口ずさみ    三好 六甫
「福寿草」
手枕の退屈の先福寿草          玉田春陽子
懐妊の眉うすうすと福寿草        山口 詩朗
福寿草三つ四つ咲きて心足る       山口 詩朗
少年のシュート外れて福寿草       前島 厳水
戸の隙間はしる日差しや福寿草      玉田春陽子
誰が愛でし小柄にひとつ福寿草      井上 啓一
「雑詠」
寒三日老犬いまだ月に吼ゆ        山口 詩朗
犬に似し兎の賀状孫より来        山口 詩朗
蝋梅や境内に買ふ薄荷糖         今泉 而雲
年男高足蟹の大胡座           高井 百子
七福を三福巡りてガード下        笹本 塘外

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