水木会第90回例会

七月二十一日(水)午後六時半、日経本社七階会議室で水木会の平成二十二年第六回例会(通算九十回)が開かれた。梅雨明けと同時に猛暑日続きとなったせいか、出席者はいつもより少なめの十六人。しかし投句参加が十四人、投句総数も百四十三句のにぎやかさ。

兼題は「夏深し」「トマト」で、選句の結果最高の六点は一句、五点句は無く、四点四句、三点九句という結果になった。当夜の評判の句は次の通り。

夏深し冒険一つし残して        大熊 万歩

夏深しいのち溢るる干潟かな      金田 青水

糖度札つけてトマトは誇らしげ     小林 啓子

桃太郎名のるトマトの玉の汗      高橋  淳

夏爛けり日暮らし門の眠り猫      徳永 正裕

Posted in 未分類 | Leave a comment

激励多謝

「お待たせしました」の記事に対して、綾子さん、詩朗さんから温かい励ましのお言葉を頂戴しました。まことに有難うございます。詩朗さんは「なかなか使い勝手が良い」とお褒めいただきましたが、まだまだ改良の余地は山積していると思っています。今後はご指摘のように「連句」や「双牛舎出版物の紹介」などコンテンツを増やし、ホームページ自体にも磨きをかけて行くつもりです。どうぞ末永く御愛読下さい。水牛

Posted in 未分類 | Leave a comment

*第88回酔吟会

7月10日(土)午後1時、鎌倉橋・日経第二別館。出席者12名、投句参加8名。兼題「花火」「鮓」。選句がばらばらになり得点が分散、何とかの背比べの様相を呈した。好評を博した句は次の通り。

手花火や明るき顔の一つずつ     吉野 光久

そっと掌が肩に置かるる遠花火       山口 詩朗

満点を埋めて花火の終りけり     今泉恂之介

花火終え暑き夜道となりにけり    大平 昭生

鼠花火いつもわが足狙ひ来る         片野 涸魚

火の滝や天筒花火の仁王立ち         徳永 正裕

一瞬を一生とした妻花火             野田 冷峰

大花火少し残りて星となる           星川 佳子

ロボットの握る寿司食ふ世となりぬ  大澤 水牛

窓開けて溪音入れて鮎の鮨      大沢 反平

これがわが脳の写真か梅雨寒し    大石 柏人

ゲリラ雨くぐり朝顔市あける         堤 てる夫

Posted in 句会報告 | Leave a comment

*第59回番町句会

7月3日(土)午後4時から麹町の番町ハイム会議室で開催。11名出席、兼題「夕焼」「蝉」を詠み合う。好評の句は次の通り。

夕焼の後に宇宙の深き青     高瀬 大虫

はやぶさの還りし地球夕焼けて  前島 厳水

鳥海山てふ独立峰や大夕焼    野見山恵子

瀬戸夕焼古きことから思ひ出し  三好 六甫

降り立てば桟橋すでに蝉時雨   今泉 而雲

初蝉に箸を止めたる朝餉かな   山口 詩朗

草刈りやひと雨ありて整へり   井上 啓一

Posted in 句会報告 | Leave a comment

*第10回日経俳句会合同句会

6月16日(水)午後6時半、大手町・日経ビル会議室で開催。銀鴎会、水木会、酔吟会から44名が参加、兼題は「夏木立」で投句総数132句。高点句は以下の通り。

風もまた涼んでゆきぬ夏木立         大平 昭生

寝そべって目にも耳にも夏木立        金田 青水

流鏑馬の武者駆け抜けし夏木立        平山 一雄

夏木立一村の気息静かなる          徳永 正裕

巫女の舞ふ神楽の鈴や夏木立         大倉悌志郎

トランペットとぎれとぎれに夏木立      大下 綾子

河童棲む川もありけり夏木立         片野 涸魚

ことごとく寺領なりけり夏木立        広上 正市

天平のみほとけおわす夏木立         吉野 光久

Posted in 句会報告 | Leave a comment

*第三回「逆回り奥の細道・越後路」を挙行

日経俳句会のビッグイベント「逆回り奥の細道」吟行は二年目に入った。第三回は二十人が参加し、越後路をマイクロバスでにぎやかに巡った。

4月18日(日)朝、上越新幹線で出発、越後湯沢から「ほくほく線」特急に乗り換え、さらに糸魚川で鈍行に乗換え、「市振」にたどり着く。市振は芭蕉が「奥の細道」で詠んだ「一つ家に遊女も寝たり萩と月」であまりにも有名な所だが、今はひっそりとした漁村。

ここをスタートして能生、出雲崎を回り、弥彦温泉まで、北陸の海岸線を170km突っ走った。弥彦村では日経俳句会会員で、日経退社後、故郷に戻って米作りに励む小林豊彦さんの築二百数十年という豪壮な屋敷を訪問、美味い地酒とノビルにコンニャク、コシヒカリの握り飯などを馳走になる。

翌19日(月)は弥彦神社を参拝、ケーブルカーで弥彦山山頂に登り、カタクリやエンレイソウなどが咲き乱れる山道を散策、寺泊漁港を経由して帰京。参加者一同佳句を続々生んだ。

越後路に今年二度目の桜かな    佳 子

市振に桜あふれて駅無人      てる夫

一つ家のありし町並み春祭り    庄一郎

市振や袖触れ合うて春祭り     冷 峰

海猫の鳴き声空へ春の海      明 男

親不知石丸くなり春の海      二 堂

能を継ぐ子の紋付や紅桜      光 迷

良寛の細きおとがい春うらら    水 牛

行く春の雲とも見ゆる佐渡島    恂之介

春霞フェリーの先に佐渡島     好 夫

良寛像背に望む佐渡霞をり     昌 魚

蕉翁の句碑に寄り添う二輪草    頼 子

花の下翁の句碑の百五段      柏 人

春霞ここらは拉致のありし浜    智 宥

能登瓦艶めく先の春の海      光 久

山遠く春田四角き越後かな     正 市

雪解水大河を分かち小濁り     正 裕

かたくりの待つところまで春泥を  綾 子

かたくりの群れを分け入る弥彦山    守

Posted in 句会報告 | Leave a comment

*お待たせしました

双牛舎ホームページを作る作ると言いながら、いつまでたっても開設できず、あっと言う間に2年たってしまいました。手作りHPで試行錯誤の繰り返し、ようやく何とか発信できるようになりました。試験的に2ヶ月ばかり前から発信していたのですが、その間熱心な方がのぞいて下さり、中でもmomokoさんからは再三激励のコメントを頂戴し、恐縮しております。

今後はこの表紙ページで折々の句会の報告や運営に当たる水牛、恂之介(而雲)があれこれ思いついたことを書いて参ります。「水牛歳時記」と「双牛舎類題句集」も充実して参ります。どうぞ皆様も積極的にこの掲示板にコメントをお寄せ下さい。御愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

NPO法人双牛舎 代表理事 今泉恂之介 大澤水牛

Posted in お知らせ | 2 Comments