参加15人で「若鮎」「山笑ふ」を詠む
酔吟会は3月11日午後1時、東京・千代田区内神田の日経広告研究所会議室で、平成29年度第2回例会(通算127回)を開催した。兼題は「若鮎」と「山笑ふ」で、出席者12名、投句参加は3名、投句総数は75句だった。
投句5句、選句7句で句会を進めた結果、最高点は4点、片野涸魚さんの「噴水を横に飛ばして春一番」の1句であった。兼題句の「若鮎」では藤野十三妹さんと谷川水馬さんの3点句が並び立ち、「山笑ふ」では、徳永正裕さんが3点句を2句ものにした。以下2点句が16句、1点句は27句と票が分かれた中で、投句参加の大石柏人さんは、投句した5句すべてに点が入り、春になって好調な滑り出し。兼題別3点以上の高点句は次の通り。
「若鮎」
放流の子らの手滑る稚鮎かな 谷川 水馬
若鮎の命の苦み酒に溶く 藤野十三妹
「山笑ふ」
鬱の字をやつと書けたり山笑ふ 徳永 正裕
なで地蔵すり減るあたま山笑ふ 徳永 正弘
「雑詠」
噴水を横に飛ばして春一番 片野 涸魚
ブランコを取り払ひけり老団地 大石 柏人
長閑しや埴輪の馬の尻丸く 谷川 水馬
霞立つ鯨の背といふ埠頭 玉田春陽子
参加者(出席)今泉而云,大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、星川佳子
(投句参加)大石柏人、澤井二堂、藤野十三妹
(記録報告 高井百子)