番町喜楽会は、梅雨明けの強い日差しが照りつける8月2日(土)午後、千代田区二番町の番町ハイム会議室で平成26年第8回例会(通算107回)を開いた。兼題は「残暑(ざんしょ)」「西瓜(すいか)」で投句参加1人を含め14人から69句の投句があった。6句選句で句会を進めた結果、最高は谷川水馬さんの「敗戦忌風に三線鳴る夜かな」の7点句。次席は星川佳子さんの「父の字の細くなりたる残暑かな」の6点句。三席は今泉而雲さんの「西瓜割る親の遺産を割るごとく」の5点句。それに玉田春陽子さんの「あんぱんの臍の凹みも残暑かな」の4点句が続いた。3点は5句、以下2点14句、1点24句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「残暑」
父の字の細くなりたる残暑かな 星川 佳子
あんぱんの臍の凹みも残暑かな 玉田春陽子
老ひ猫の土間に腹這ふ残暑かな 大澤 水牛
托鉢の焼けた素足や秋暑し 高橋 楓子
「西瓜」
西瓜割る親の遺産を割るごとく 今泉 而雲
もらったはいいが西瓜の持ち重り 大澤 水牛
「雑詠」
敗戦忌風に三線鳴る夜かな 谷川 水馬
神楽坂浴衣の似合ふ雨上がり 高瀬 大虫
草原は日光キスゲ大入日 前島 巌水
【参加者】(出席)今泉恂之介、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰、星川佳子、前島厳水、(投句参加)大下綾子、山口斗詩子、(選句参加)徳永正裕
(まとめ 堤てる夫)