春陽子さんの「セーターの伸びた袖」がトップ7点
番町喜楽会は令和4年12月の例会(通算第201回)を12月3日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。17人から投句があり、14人が顔を揃えた。兼題は「大雪(たいせつ)」と「冬帽子」。選句は6句(欠席者は5句) で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「セーターの袖の伸びたる余生かな」(7点句)と、中村迷哲さんの「大雪や湯治場に満つ津軽弁」(6点句)、そして須藤光迷さんの「米粒のごと柊の花こぼれ」(5点句)がトップ争いを繰り広げたが、結局、玉田春陽子さんに凱歌が上がり令和4年掉尾を飾る特選トップの座を射止めた。以下、4点句が4句、3点3句、2点11句、1点20句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「大雪」
大雪や湯治場に満つ津軽弁 中村 迷哲
大雪や物は試しと赤パンツ 谷川 水馬
大雪や乾布摩擦の父の背な 嵐田 双歩
「冬帽子」
あの人と遠目に知れる冬帽子 廣田 可升
姉妹にて色違いなる冬帽子 須藤 光迷
八ヶ岳愛した友の冬帽子 堤 てる夫
「雑詠」
セーターの袖の伸びたる余生かな 玉田春陽子
米粒のごと柊の花こぼれ 須藤 光迷
再婚の新居はリノベ冬ぬくし 高井 百子
何にでも一家言あり泥鰌鍋 星川 水兎
≪参加者≫【出席14人】嵐田双歩、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、前島幻水、向井愉里。【投句参加3人】池内的中、澤井二堂、星川水兎。
(報告・谷川水馬)