第百五十五回酔吟会を開催

新会場、千代田区立スポーツセンターに16人集う

中村迷哲さんが初参加

「鳥雲に」「地虫穴を出づ」に佳句続々

酔吟会は今年初めての例会を3月12日午後、千代田区立スポーツセンターで開いた。これはこれまで使っていた日経広告研究所会議室の土曜開催が難しくなったため、今回から会場を変更し、交差点に向かって斜め向かいの千代田区立施設を借用することにしたもの。またこれと同時に今回から、「欠席投句無し、参加者は兼題を含む五句を持ち寄り短冊に記入、それを清記用紙に転記してから選句を始める」という伝統的な句会の方式で行うことにした。

新型コロナ蔓延が引き続いている中で、果たして何人が集まるかと危惧したが、新規加入の中村迷哲さんを始め16人が参加した。兼題は「鳥帰る」と「地虫穴を出づ」で投句は5句、出句総数は80句。広々とした部屋で和気あいあいと句会が進められた。

選句6句の結果、最高は5点で谷川水馬さんの「不知火の海で風待ち鶴帰る」、廣田可升さんの「信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に」、向井愉里さんの「地虫出づまだ半分の畝起こし」の3句が肩を並べた。次席4点には大澤水牛さんの「地虫出づ椋鳥に逢ふ運不運」、金田青水さん「週一の軽トラ演歌地虫出ず」、玉田春陽子さん「地虫出づ踏む人のなき百度石」、中村迷哲さんの「蟇出でて地域デビューのゴミ当番」、向井愉里さんの「雛納め今日の新聞敷き込みて」の5句が並んだ。以下3点6句、2点13句、1点18句であった。(3点句以上の兼題句別高得点句は以下の通り)

「鳥帰る」

不知火の海で風待ち鶴帰る      谷川 水馬

信貴生駒越せば斑鳩鳥雲に      廣田 可升

鳥帰る国境のなき大空へ       嵐田 双歩

空の色湖に残して鳥帰る       玉田春陽子

「地虫出穴を出づ」

地虫出づまだ半分の畝起こし     向井 愉里

地虫出づ椋鳥に逢ふ運不運      大澤 水牛

週一の軽トラ演歌地虫出ず      金田 青水

地虫出づ踏む人のなき百度石     玉田春陽子

蟇出でて地域デビューのゴミ当番   中村 迷哲

地虫出づ屑菜捨てんとせしところ   須藤 光迷

父の背を息子の超す日地虫出づ    中村 迷哲

「当季雑詠」

雛納め今日の新聞敷き込みて     向井 愉里

火の鳥ぞ羽ばたくように山焼くや   久保 道子

春昼や池にぽっかり鯉の口      徳永 木葉
【参加者】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里    (報告:高井百子)

 

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One Response to 第百五十五回酔吟会を開催

  1. 相原洋子 says:

    双牛舎のホームページを時々、読ませて頂いています。
    投句や句会に参加することは可能ですか?

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