「春の雪」と「草の芽」が兼題
迷哲さんの「滝凍る」が最高の9点獲得
番町喜楽会は2月5日(土)に「春の雪」と「草の芽」を兼題として令和4年2月例会(通算191回)を開催した。投句者は21名で、投句総数はちょうど100句であった。出席者は選句6句、欠席者は事前選句5句で句会を進めた結果、中村迷哲さんの「全山の音とじ込めて滝凍る」が9点で最高点。次席は大澤水牛さんの「鳥たちと冬菜分け合ふ日和かな」と谷川水馬さんの「草の芽やちび怪獣に歯が生えた」の6点句が続いた。三席は廣田可升さんの5点句「看板なき岩波ホール凍返る」であった。以下、4点が2句、3点9句、2点11句、1点29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「春の雪」
はしゃぐ子の声は天まで春の雪 須藤 光迷
灯のともる砂町銀座春の雪 廣田 可升
試験終えコートの襟に春の雪 池内 的中
薄墨の写経さはさは春の雪 金田 青水
湾内に響く吹鳴春の雪 谷川 水馬
淡雪の一夜化粧や北新地 中村 迷哲
「草の芽」
草の芽やちび怪獣に歯が生えた 谷川 水馬
円墳の形のままに草芽ぶく 中村 迷哲
「雑詠」
全山の音とじ込めて滝凍る 中村 迷哲
鳥たちと冬菜分け合ふ日和かな 大澤 水牛
看板なき岩波ホール凍返る 廣田 可升
後足で顎掻く犬や日脚伸ぶ 須藤 光迷
寒晴やホットレモンの香の尖り 高井 百子
しつけ解く祖母の笑顔や針供養 向井 愉里
梅の香をマスクずらしてそっと嗅ぐ 山口斗詩子
【参加者】(出席12名)今泉而云、大澤水牛、金田青水、澤井二堂、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里.(欠席投句9名)嵐田双歩、池内的中、斉山満智、高井百子、堤てる夫、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)