コロナ緊急事態宣言下で出席者わずか7人、投句13人
廣田可升さんの「虫」の句が8点でトップ、
次席に中村迷哲さんの5点句
番町喜楽会は、令和3年8月例会(通算186回)を8月7日(土)に「立秋」と「虫」を兼題とした句会を開催した。デルタ型新型コロナウイルスの影響もあり、出席者わずか7名の句会となったが投句者は20名で、投句総数は98句であった。投句5句、選句7句で句会を進めた結果、廣田可升さんの「相続のはなし重たし虫すだく」が群を抜いた8点でトップに輝いた。出席者全員が採るという珍しいことが起こった。次席は中村迷哲さんの5点句「窯場にも風の抜け道秋来る」。以下、4点句が3句、3点8句、2点16句、1点23句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「立秋」
窯場にも風の抜け道秋来る 中村 迷哲
秋立つや新顔ずらり和菓子店 金田 青水
秋立や筋雲被く遠浅間 玉田春陽子
秋立ちぬ父の享年想ふ夜 徳永 木葉
「虫」
相続のはなし重たし虫すだく 廣田 可升
窓開けて虫の音聞きて長湯かな 澤井 二堂
行間にわり込んでくる虫時雨 玉田春陽子
「雑詠」
こみあげる一言呑みて盆の月 山口斗詩子
炎熱をかてに南瓜はぐんぐんと 大澤 水牛
三伏や棚にキンカン正露丸 大澤 水牛
エレベータ晩夏の街へ急降下 玉田春陽子
気がつけば宇宙の場末冷し酒 廣田 可升
忘れじと語り継ぎ行く原爆忌 山口斗詩子
【出席者7名】今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、田中白山、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升。【投句参加13名】嵐田双歩、池内的中、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)