第20回日経俳句会賞決定

英尾賞に高井氏「根深汁」

横井・大沢・岩田・溝口氏に俳句会賞

《日経俳句会賞英尾賞》

異母妹といふ名の縁根深汁             高井 百子

《日経俳句会賞》

白湯一杯飲んで出かける敬老日     横井 定利

病窓に万緑がある生きてゐる      大沢 反平

ちゃん付けで呼ぶ同窓会冬うらら    岩田 千虎

万緑の更に奥なる光堂         溝口戸無広

《次点》

病む身には痛き色なり紅つつじ     藤野十三妹

はつ冬やほんに小さな秋でした     金田 青水

三文字の暖簾くぐりて泥鰌鍋      中野 枕流

第20回の節目となる令和6年度『日経俳句会賞』の授賞式が、12月18日の下期合同句会後に行われた。英尾賞は高井百子氏の「異母妹といふ名の縁根深汁」が受賞。俳句会賞には横井定利「白湯一杯飲んで出かける敬老日」、大沢反平「病窓に万緑がある生きてゐる」、岩田千虎「ちゃん付けで呼ぶ同窓会冬うらら」、溝口戸無広「万緑の更に奥なる光堂」の4氏4作品が選ばれた。高井氏は2回目の受賞だが英尾賞は初めて。大沢氏は3回目、横井、岩田氏は2回目、溝口氏は初受賞となった。次点には藤野十三妹、金田青水、中野枕流3氏の句が入った。選考委員の嵐田双歩幹事から選考経過の説明があり、中村迷哲幹事長から受賞者に賞状と副賞の図書券が手渡された。この後、大澤水牛顧問が句を読み解きつつ作者の心情に触れた講評を述べ、受賞を称えた。

授賞式に引き続いて年末懇親会を開催、立食形式で歓談した。テーブルには各地の地酒をはじめ、出前の稲荷ずしやピザなどが並び、グラスを手に出席者の会話が弾んだ。受賞の5人(横井、大沢氏は代読)がそれぞれ喜びを語ると大きな拍手が沸いた。

(報告 嵐田双歩)

 

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