番町喜楽会第216回例会

17人参加「扇」と「初鰹」を詠む

須藤光迷さんの鯉幟句が9点でトップ

番町喜楽会は令和6年5月例会(通算第216回)を5月6日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。17人から投句があり、8人が顔を揃えた。兼題は「扇」と「初鰹」。選句は6句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、須藤光迷さんの「徴兵の無き国を生き鯉幟」が9点で一席を飾った。二席には中村迷哲さんの「幕あいに扇子波立つ演舞場」の6点句、三席には廣田可升さんの「長考の閉じては開く扇かな」の5点句が続いた。以下、4点句が4句、3点句が6句、2点句が10句、1点句が19句という結果であった。この日の句会には、板橋宿吟行の折りにケガをされた田中白山さんが久々にお元気な姿を見せられ、お世話になった皆さんにと、上野広小路の老舗“うさぎや”のどら焼きが参加者にふるまわれた。

「扇」

幕あいに扇子波立つ演舞場             中村 迷哲

長考の閉じては開く扇かな             廣田 可升

激論も泥酔も見た古扇               金田 青水

扇閉じ宴の余韻持ち帰る              斉山 満智

パタパタと扇子であおぐ汗と嘘           斉山 満智

香ぐはしき扇の微風隣りより            前島 幻水

「初鰹」

酌み交はす土佐の地酒や初鰹            廣田 可升

焼き藁の炎爆ぜるや初鰹              高井 百子

「雑詠」

徴兵の無き国を生き鯉幟              須藤 光迷

ただ歩く新緑の中まだ生きる            山口斗詩子

雨戸繰る音も軽やか夏来る             嵐田 双歩

見詰めあい動かぬ妻と青蛙             須藤 光迷

弁慶も幼な顔なり五月雛              玉田春陽子

≪参加者≫【出席者8人】大澤水牛、金田青水、田中白山、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、前島幻水、向井愉里。【投句参加9人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、山口斗詩子。

(報告・廣田可升)

 

 

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