19人が「節分」と「梅」を詠み合う
玉田春陽子さんが6点でトップ
番町喜楽会は令和6年幕開けとなる2月例会(通算第213回)を2月3日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。19人から投句があり、13人が顔を揃えた。兼題は「節分」と「梅」。選句6句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、玉田春陽子さんの「節分や仕事の鬼の帰り待つ」が6点で一席を飾った。二席には高井百子さんの「梅咲いて祖母の産着の宮参り」、谷川水馬さんの「愚痴りつつ土筆の袴外しけり」と向井愉里さんの「クレヨンの鬼の目優し節分会」の5点句が続いた。三席には大澤水牛さんの「払ふべき鬼多すぎる節分会」と「大根炊匂ひもれ来る老の家」の2句、前島幻水さんの「梅咲いて色無き庭の初化粧」、向井愉里さんの「年の豆戸を少しだけ開けて撒き」と「老梅のぽつりぽつりと語るごと」の2句の4点句が入った。以下、3点が4句、2点17句、1点句21句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「節分」
節分や仕事の鬼の帰り待つ 玉田春陽子
クレヨンの鬼の目優し節分会 向井 愉里
払ふべき鬼多すぎる節分会 大澤 水牛
年の豆戸を少しだけ開けて撒き 向井 愉里
節分や三日に分けて年の豆 池内 的中
「梅」
梅咲いて祖母の産着の宮参り 高井 百子
梅咲いて色無き庭の初化粧 前島 幻水
老梅のぽつりぽつりと語るごと 向井 愉里
「雑詠」
愚痴りつつ土筆の袴外しけり 谷川 水馬
大根炊匂ひもれ来る老の家 大澤 水牛
斑雪輪島朝市焼野原 須藤 光迷
寒の池鴨とは群れぬ鷺白し 堤 てる夫
冬茜大キャンパスに影絵富士 中村 迷哲
≪参加者≫【出席者13人】嵐田双歩、池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。【投句参加6人】斉山満智、澤井二堂、徳永木葉、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)