双歩句「洗濯機の団栗」がトップ10点
番町喜楽会は令和5年10月例会(通算210回)を10月7日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。投句者17人、句会出席は10人。兼題は「天高し」と「団栗」。選句6句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、嵐田双歩さんの「団栗も一緒に回る洗濯機」が10点で一席を飾った。二席には谷川水馬さんの7点句「秋夕焼畳むタオルの陽の匂ひ」。三席には谷川さんの「握りしめ温きどんぐり子の土産」と中村迷哲さんの「野仏を飾るかんざし赤蜻蛉」の5点句が入った。以下、4点が4句、3点6句、2点9句、1点16句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「天高し」
さきたまに群なす古墳天高し 廣田 可升
天高し身を反らし見る摩崖仏 星川 水兎
乳牛のモンローウォーク天高し 玉田春陽子
天高し龍勢の火矢峰を越え 徳永 木葉
天高しドロップゴール成功す 前島 幻水
「団栗」
団栗も一緒に回る洗濯機 嵐田 双歩
握りしめ温きどんぐり子の土産 谷川 水馬
どんぐりの転がる帰路のリアシート 廣田 可升
団栗や園児のポッケ膨らみて 向井 愉里
「雑詠」
秋夕焼畳むタオルの陽の匂ひ 谷川 水馬
野仏を飾るかんざし赤蜻蛉 中村 迷哲
名月の町を眼下に最終便 須藤 光迷
両手添え受ける新米一膳目 玉田春陽子
十八年ぶりの号外星月夜 廣田 可升
≪参加者≫【出席10人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、廣田可升。【投句参加7人】嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、徳永木葉、星川水兎、前島幻水、向井愉里。
(報告・谷川水馬)