酔吟会第161回例会

深川・芭蕉記念館で「春光」「菜飯」を兼題に開催

体調不良を押して参加の木葉さん最高6点で意気軒昂

酔吟会は3月11日(土)、令和5年第2回例会を江東区常盤の「芭蕉記念館」で開いた。同館で開催するのは今年初。この日の出席者は、昨年末から体調を崩していた徳永木葉さんを含めて14人。急に春めいてきた穏やかな日の午後、恒例により持ち寄った作品を短冊に書くことから和気あいあいと始まった。

例会の兼題は「春光」と「菜飯」、雑詠を含め投句は1人5句の計70句、選句6句で進めた結果、最高は木葉さんの「母の忌の菜飯にぎりのほろ苦き」の6点句だった。次席は4点で大澤水牛さんの「春光の隅田河畔にカレーパン」、金田青水さんの「春光や我れ単線の客となる」、玉田春陽子さんの「入彼岸こゑ聞くだけと電話来る」と「のどけしや窯入りを待つ鬼瓦」の二連発、そして廣田可升さんの「湾に満つ大漁旗や春の風」の5句がひしめいた。続く3点句には嵐田双歩さん、青水さん、谷川水馬さん、春陽子さんら手慣れの4句が並んだ。以下2点は13句、1点が20句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春光」

春光の隅田河畔にカレーパン      大澤 水牛

春光や我れ単線の客となる       金田 青水

立読みの列春光の神保町        嵐田 双歩

春光や寝釈迦の起る気配なく      玉田春陽子

「菜飯」

母の忌の菜飯にぎりのほろ苦き     徳永 木葉

百万遍おんなじ話菜飯碗        金田 青水

「当季雑詠」

入彼岸こゑ聞くだけと電話来る     玉田春陽子

のどけしや窯入りを待つ鬼瓦      玉田春陽子

湾に満つ大漁旗や春の風        廣田 可升

春昼や寝落ちてばさり文庫本      谷川 水馬

【参加者14人】嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、金田靑水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井愉里

(まとめ 高井百子)

 

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