「二月」と「末黒野」を詠む
水馬さん末黒野句で6点獲得
番町喜楽会は令和5年2月の例会(通算第202回)を2月4日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。19人から投句があり、句会には17人が顔を揃えた。兼題は「二月」と「末黒野」。選句は6句(欠席者は5句)で句会を進めた結果、谷川水馬さんの「末黒野や妻のバリカン絶好調」が6点で一席を飾った。二席には大澤水牛さんの「三つ四つ五つと数へ今朝の梅」と山口斗詩子さんの「ひとり身も十年経ちぬ春袷」の5点句が続いた。また、三席には今泉而云さんの「三日ほど晴れて焼野の匂ひかな」、中村迷哲さんの「ちらほらと日記に白紙はや二月」、廣田可升さんの「圧力鍋やけに元気な二月かな」と「ヨガマット伸べて瞑想日脚伸ぶ」の4点句が入った。以下、3点句が10句、2点句が8句、1点句が29句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「二月」
ちらほらと日記に白紙はや二月 中村 迷哲
圧力鍋やけに元気な二月かな 廣田 可升
領収書俄かに探す二月かな 嵐田 双歩
何つくらむ二月畑の無限大 大澤 水牛
生徒らに岐路現るる二月かな 中村 迷哲
目標を下方修正する二月 向井 愉里
「末黒野」
末黒野や妻のバリカン絶好調 谷川 水馬
三日ほど晴れて焼野の匂ひかな 今泉 而云
末黒野や友にあげたし時薬 高井 百子
陽を浴びる末黒野千里牛を待つ 中村 迷哲
「雑詠」
三つ四つ五つと数へ今朝の梅 大澤 水牛
ひとり身も十年経ちぬ春袷 山口斗詩子
ヨガマット伸べて瞑想日脚伸ぶ 廣田 可升
春立つや納戸に眠る旅鞄 嵐田 双歩
腰よじり放る投網や浜うらら 金田 青水
吊るされてコートの肘に曲り癖 玉田春陽子
あの山の彼方に故郷雪催い 前島 幻水
≪参加者≫【出席17人】嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、向井愉里。【投句参加2人】澤井二堂、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)