酔吟会第159回例会

 

14人出席、「酉の市」「帰り花」詠む

会場の芭蕉記念館で「俳画の楽しみ」展を鑑賞

酔吟会は11月12日(土)、江東区常盤の「芭蕉記念館」会議室で11月例会(通算159回)を開催した。句会に先立ち同館で開催中の「俳画の楽しみ」展を野呂達矢芭蕉記念館次長のミュージアムトーク付きで鑑賞した。「俳画の楽しみ」展は、俳文学研究者でもある立正大学文学部教授の伊藤善隆氏のコレクションを中心に展示したもので、参加者は興味深く句会前の鑑賞を楽しんだ。この展示会は来年1月22日まで開かれている。俳画に絞った展覧会は珍しく、非常に珍しい作品が多数展示されており、必見の価値がある。

この日の句会出席は14人。恒例により持ち寄った作品を短冊に書くことから例会が始まった。兼題は「酉の市」と「帰り花」。雑詠を含め投句5句、投句総数70句、選句6句で進めた結果、最高点は玉田春陽子さんの8点「古書の値は鉛筆書きや一葉忌」の1句。次席は6点で「帰り花他人の老いはよく分かる」の杉山三薬句。三席5点には「独り居のよいしょと立ちて葱刻む」の今泉而云句、「玉蒟蒻も小さくなるや芋煮会」の高井百子句、「右膝が冬の初めを報せおり」の向井愉里句が並んだ。4点句は無し。3点句には大澤水牛、岡田鷹洋、高井百子、谷川水馬、廣田可升、向井愉里の6句が入った。2点句は10句、1点句は16句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「酉の市」

酉の市未だ見ぬ福を値切りをり            高井 百子

境内は異次元迷路酉の市               向井 愉里

「帰り花」

帰り花他人の老いはよく分かる            杉山 三薬

陽の匂ふ子供の髪や帰り花              谷川 水馬

月食を見逃した夜の帰り花              廣田 可升

「当季雑詠」

古書の値は鉛筆書きや一葉忌             玉田春陽子

独り居のよいしょと立ちて葱刻む           今泉 而云

玉蒟蒻も小さくなるや芋煮会             高井 百子

右膝が冬の初めを報せおり              向井 愉里

錆鮎の姿正して焼かれたる              大澤 水牛

マフラーで隠す補聴器老いの見栄           岡田 鷹洋

 

《参加者十四人》嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、岡田鷹洋、金田清水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、廣田可升、向井愉里。

(まとめ 高井百子・廣田可升)

 

 

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